おだのぶなが
織田信長

冒頭文

死のふは一定(いちじよう)、しのび草には何をしよぞ、一定かたりをこすよの ——信長の好きな小唄—— 立入左京亮(たてりさきょうのすけ)が綸旨二通と女房奉書をたずさえて信長をたずねてきたとき、信長は鷹狩に出ていた。 朝廷からの使者は案内役の磯貝新右衛門久次と使者の立入とたった二人だけ、表向きの名目は熱田神宮参拝というのである。 信長へ綸旨と女房奉書をだしては、と立

文字遣い

新字新仮名

初出

「季刊作品 第一号」創芸社、1948(昭和23)年8月10日

底本

  • 坂口安吾全集 07
  • 筑摩書房
  • 1998(平成10)年8月20日