がくどうしょうろん |
| 咢堂小論 |
冒頭文
毎日新聞所載、尾崎咢堂(がくどう)の世界浪人論は終戦後現れた異色ある読物の一つであつたに相違ない。言論の自由などと称しても人間の頭の方が限定されてゐるのであるから、俄に新鮮な言論が現れてくる筈もなく、之(これ)を日本文化の低さと見るのも当らない。あらゆる自由が許された時に、人は始めて自らの限定とその不自由さに気付くであらう。とはいへ、ともかく新鮮な読物の極めて稀な一つが八十を過ぎた老人によつて為さ
文字遣い
新字旧仮名
初出
「堕落論」銀座出版社、1947(昭和22)年6月1日
底本
- 坂口安吾全集 04
- 筑摩書房
- 1998(平成10)年5月22日