もきちへのへんじ
茂吉への返事

冒頭文

わたしはこゝで、駁論を書くのが、本意ではありません。そんなことをしては、忙しい中から、意見して下された、あなたの好意を無にすることに當りませう。其に第一、お申し聞けの箇條は、大體に於て、わたしの意表外に出たことではありませんでしたから。といふと、何だかあなたの語を輕しめる樣な、高ぶつた語氣を含んでゐる樣に、聞えるかも知れませんが、實の處、あなたのみならず同人の方々の、あゝいふ傾向の抗議のあることは

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「アララギ 第十一卷第六號」1918(大正7)年6月

底本

  • 折口信夫全集  第廿七巻
  • 中央公論社
  • 1968(昭和43)年1月25日