にじゅうごねんかんのぶんじんのしゃかいてきちいのしんぽ
二十五年間の文人の社会的地位の進歩

冒頭文

二十五年という歳月は一世紀の四分の一である。決して短かいとは云われぬ。此の間に何十人何百人の事業家、致富家、名士、学者が起ったり仆れたりしたか解らぬ。二十五年前には大外交家小村侯爵はタシカ私立法律学校の貧乏講師であった。英雄広瀬中佐はまだ兵学校の寄宿生であった。 二十五年前には日清、日露の二大戦役が続いて二十年間に有ろうと想像したものは一人も無かった。戦争を予期しても日本が大勝利を得て一

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 魯庵の明治
  • 講談社文芸文庫、講談社
  • 1997(平成9)年5月9日