ふくおうじでん 02 ふくおうじでん
福翁自伝 02 福翁自伝

冒頭文

慶應義塾の社中にては、西洋の学者に往々自(みず)から伝記を記すの例あるを以(もっ)て、兼てより福澤先生自伝の著述を希望して、親しく之(これ)を勧めたるものありしかども、先生の平生甚(はなは)だ多忙にして執筆の閑を得ずその儘(まま)に経過したりしに、一昨年の秋、或(あ)る外国人の需(もとめ)に応じて維新前後の実歴談を述べたる折、風(ふ)と思い立ち、幼時より老後に至る経歴の概略を速記者に口授して筆記せ

文字遣い

新字新仮名

初出

「時事新報」時事新報社、1898(明治31)年7月1日号~1899(明治32)年2月16日号

底本

  • 福澤諭吉著作集 第12巻 福翁自伝 福澤全集緒言
  • 慶應義塾大学出版会
  • 2003(平成15)年11月17日