れいこんのはなし
霊魂の話

冒頭文

たまとたましひと たまとたましひとは、近世的には、此二つが混乱して使はれ、大ざつぱに、同じものだと思はれて居る。尤、中には、此二つに区別があるのだらうと考へた人もあるが、明らかな答へはない様である。私にもまだ、はつきりとした説明は出来ないが、多少の明りがついた。其を中心に話を進めて見たいと思ふ。 古く日本人が考へた霊魂の信仰は、後に段々変つて行つて居る。民間的に——知識の低い階級によつて——追

文字遣い

新字旧仮名

初出

「民俗学 第一巻第三号」1929(昭和4)年9月

底本

  • 折口信夫全集 3
  • 中央公論社
  • 1995年4月10日