しんとうにあらわれたみんぞくろんり
神道に現れた民族論理

冒頭文

一 今日の演題に定めた「神道に現れた民族論理」と云ふ題は、不熟でもあり、亦、抽象的で、私の言はうとする内容を尽してゐないかも知れぬが、私としては、神道の根本に於て、如何なる特異な物の考へ方をしてるかを、検討して見たいと思ふのである。一体、神道の研究については、まだ、一貫した組織が立つてゐない。現に、私の考へ方なども、所謂国学院的で、一般学者の神道観とは、大分肌違ひの所があるが、おなじ国学院の

文字遣い

新字旧仮名

初出

「神道学雑誌 第五号」1928(昭和3)年10月

底本

  • 折口信夫全集 3
  • 中央公論社
  • 1995年4月10日