もほうとどくりつ
模倣と独立

冒頭文

今日は図(はか)らず御招きに預(あずか)りまして突然参上致しました次第でありますが、私は元この学校で育った者で、私にとってはこの学校は大分縁故(えんこ)の深い学校であります。にもかかわらず、今日までこういう、即ち弁論部の御招待に預って、諸君の前に立った事は御座いませんでした。尤(もっと)も御依頼も御座いませんでした。また遣(や)る気もありませんでした。ただ今私を御紹介下さった速水(はやみ)君は知人

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 夏目漱石全集10
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1988(昭和63)年7月26日