さいこにほんのじょせいせいかつのこんてい
最古日本の女性生活の根柢

冒頭文

一 万葉びと——琉球人 古代の歴史は、事実の記憶から編み出されたものではない。神人に神憑(がか)りした神の、物語った叙事詩から生れてきたのである。いわば夢語りとも言うべき部分の多い伝えの、世を経て後、筆録せられたものに過ぎない。日本の歴史は、語部(かたりべ)と言われた、村々国々の神の物語を伝誦する職業団体の人々の口頭に、久しく保存せられていた律文が、最初の形であった。これを散文化して、文字に

文字遣い

新字新仮名

初出

「女性改造 第三巻第九号」1924(大正13年)年9月

底本

  • 古代研究1-祭りの発生
  • 中公クラシックス、中央公論新社
  • 2002(平成14)年8月10日