しとさんぶんのあいだをいくはっそうほう
詩と散文との間を行く発想法

冒頭文

かう言ふ憎々しい物言ひをして、大變な勞作を積んで入らつしやる作家諸氏に失禮に當つたら、御免下さい。どうも、私どもは批評家でない。尠くとも、優れた新進作家の發見を、片手わざとする月評擔當者風な、忠實な氣分にはなれない。ほんの漫然たる文學青年の育つたものに過ぎない事を、つく〴〵思うてゐる。それで、名聲の定まつたといふより、此人の物ならと初めから、安心してかゝれる作家の物ばかりを、讀む癖がついて了うたの

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「改造 第十二卷第二號」1930(昭和5)年2月

底本

  • 折口信夫全集 第廿七巻
  • 中央公論社
  • 1968(昭和43)年1月25日