占ひ、人相、方角、気にしだしたら際限が無い。朝から晩まで易者、人相、方位家と駈けずり廻つても追付かない。が、中には道楽で、何にも見て貰う事も無いのにソコラ中へ冷かしに行くものがある。私の亡夫なぞは道楽の方で、能く出掛けては見て貰つたが、誰のは筮竹の揉み方が勿体振つてるとか、算木の置き方が巧者だとか、そんな事ばかり云つて、肝腎占なつて貰つた事はケロリと忘れて念頭に無かつた。其頃(明治の初年)は芝の石