演題は「創作家の態度」と云うのであります。態度と云うのは心の持ち方、物の観方(みかた)くらいに解釈しておいて下されば宜(よろ)しい。この、心の持ち方、物の観方で十人、十色さまざまの世界ができまたさまざまの世界観が成り立つのは申すまでもない。一例を上げて申すと、もし諸君が私に向って月の形はどんなだと聞かれれば、私はすぐに丸いと答える。諸君も定めし御異存はなかろうと思う。ところがこの間ある西洋人の書い