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SIMPLEINIT(8)
SIMPLEINIT(8) Linux Programmer's Manual SIMPLEINIT(8)

名前

simpleinit -プロセス制御の初期化を行う

書式

init [ single ] [ script ]

説明

init は Linux ブートシーケンスの最終ステップとして起動される。 single オプションが使われた場合、またはファイル /etc/singleboot がある場合、 /bin/sh を起動することでシングルユーザーモードに入る。ファイル /etc/securesingle がある場合、シングルユーザーモードを開始するために root パスワードが必要とされる。 root パスワードがない場合、または /etc/passwd がない場合、パスワードのチェックは省かれる。
 
ファイル /etc/TZ がある場合、その内容が読み込まれ、 simpleinit によって開始される各プロセスの環境変数 TZ を設定するために使われる。「この機能」はコンパイル時に設定されている場合にのみ使用可能である。通常は必要とされない。
 
シングルユーザーモードが終了した後、 /etc/rc ファイルが実行される。 /etc/inittab にある情報は、プロセスを開始するために使われる。別の方法として、他のブートスクリプトを実行するように /etc/inittab ファイルを設定してもよい。詳細は下記を参照すること。
 

INITTAB ファイル

Linux コミュニティではいくつもの init プログラムが出現しているので、通常 inittab(5) の man ページに書かれている /etc/inittab ファイルについてのドキュメントをここに載せる:
 
フォーマットは次のようになっている。
 
bootprog=ファイル
 
fileprefix=文字列
 
PATH=検索パス
 
INIT_PATH=検索パス
 
tty ライン:termcap エントリ:getty コマンド
 
finalprog=パス
 
以下に例を示す:
 
bootprog =
fileprefix = /sbin/init.d/
PATH = /usr/sbin:/usr/bin:/sbin:/bin
INIT_PATH = /sbin/init.d


tty1:linux:/sbin/getty 9600 tty1
tty2:linux:/sbin/getty 9600 tty2
tty3:linux:/sbin/getty 9600 tty3
tty4:linux:/sbin/getty 9600 tty4
# tty5:linux:/sbin/getty 9600 tty5
# ttyS1:dumb:/sbin/getty 9600 ttyS1
# ttyS2:dumb:/sbin/getty -m -t60 2400 ttyS2


finalprog = /sbin/rc.xdm


 
# 文字で始まる行はコメントとして扱われる。現在のところ Linux コミュニティでは getty (8) のようなコマンドがいくつかあるため、あなたが使っている getty (8) コマンドのドキュメントを参照すること。
 
bootprog の値は、 fileprefix の値に追加される。その結果は、実行するブートプログラム (スクリプト) を指定するのに使われる。指定されない場合、デフォルトは /etc/rc である。ブートプログラムがディレクトリである場合、ディレクトリツリーにある全てのスクリプトが並列に実行される。実行順の制御と依存性の管理をエレガントにする方法の詳細は、 need(8) プログラムを参照すること。
 
PATH の値は、子プロセス (ブートスクリプト)の環境変数 PATH に割り当てられる。
 
(絶対パスが与えられない場合) INIT_PATH は実行するスクリプトの場所を見付けるために simpleinit(8) 自身によって使われる。デフォルトの値を unset して、ブートプログラムがディレクトリの場合、そのディレクトリが使われる。最後に、このパスでスクリプトが見つからなかった場合、標準の PATH が使われる。 PATHINIT_PATH を分けることにより、ブートスクリプトは同じ名前のプログラムを衝突や絶対パスの指定なしに起動できる。
 
finalprog の値は、全ての getty(8) インスタンスが生成された後で実行されるプログラムのパスを指定する。ブート時には、"start"という 1 個の引き数が渡される。シャットダウン時にも、"stop"という引き数で呼ばれる。

シグナル

simpleinit(8) は、いろいろな方法でシグナルに応答する:
SIGHUP
設定ファイル /etc/inittab が再度読み込まれる。
SIGTSTP
プロセスを更に生成するかどうかを決めるトグルを切替える。
SIGINT
simpleinit(8) は数回 sync を実行し、 reboot(8) を開始しようとする。失敗した場合は、システムの reboot(2) コールを実行する。 Linux では、Ctrl-Alt-Del シーケンスが、システムのリブートではなく、 init プロセスにシグナルを送るように設定できる ( simpleinit(8) はデフォルトでこのようにしている)。
SIGQUIT
simpleinit(8) プログラムの代わりに、 reboot(8) プログラムが実行される。これにより、 init プロセスの古い i ノードが unlink されない場合でも、 reboot(8) はルートファイルシステムを (読み込みのみで) 正しく再マウントできる。

ファイル

/etc/inittab
 
/etc/singleboot
 
/etc/securesingle
 
/etc/TZ
 
/etc/passwd
 
/etc/rc

関連項目

inittab(5), ctrlaltdel(8) reboot(8), termcap(5), getty(8), agetty(8), shutdown(8), initctl(8)

バグ

このプログラムは、Linux コミュニティに出現し始めた System V 互換版の init と区別するために、 simpleinit と呼ばれる。 simpleinit を正しく機能させるためには、 init としてリンクするか、同一にするべきである。

著者

Peter Orbaek (poe@daimi.aau.dk)
 
Version 1.20, Werner Almesberger によるシングルユーザーモードのパッチ。
 
Richard Gooch <rgooch@atnf.csiro.au>
 
依存性のサポート。
25 February 2001 Linux 0.99