EN JA
lspci(8)
lspci(8) Linux PCI Utilities lspci(8)

名前

lspci -全ての PCI デバイスを表示する

書式

lspci [ options]

説明

lspci はシステムの全ての PCI バスと、そこにつながっている全てのデバイスに関する情報を表示するユーティリティである。
 
もし、PCI デバイスのドライバ、または lspci 自身についてのバグを報告するなら、 "lspci -vvx"の出力を含めるようにして欲しい。
 

オプション

-v
lspci の出力を詳細にして、全てのデバイスに関して詳しい情報を表示する。
-vv
lspci の出力をより詳細にし、さらに多くの情報 (PCI デバイスが渡す情報の本当に全て) を表示する。これらのデータの正確な意味は、このマニュアルページでは説明しない。詳しく知りたければ /usr/include/pci.h または、PCIの規格を参照せよ。
-n
PCI ID データベースを調べる代わりに、 PCI ベンダとデバイスコードを数字で表示する。
-x
(標準のヘッダである) PCI 設定空間 (PCI configuration space) の先頭 64 バイトの 16 進ダンプを表示する。ドライバまたは lspci 自身のデバッグに有用である。
-xxx
PCI 設定空間の全ての 16 進ダンプを表示する。これは root のみが利用できる。何故ならば、幾つかの PCI デバイスは設定空間の未定義部分を読み込もうとすると クラッシュ するからである (この動作は多分 PCI 標準には違反しないが、少なくとも恐ろしく間抜けではある)。
-b
バスから見た表示をする。カーネルから見える IRQ とアドレスの代わりに、カードと PCI バスから見える IRQ とアドレスを全て表示する。
-t
全てのバス・ブリッジ・デバイスと、それらの間の接続を含む図を木構造で表示する。
-s [[<bus>]:][<slot>][.[<func>]]
指定されたバス (bus)・スロット (slot)・機能 (func) のデバイスのみを表示する。デバイスの指定の各要素は省略可能で、また "*"は「任意の値」を意味する。全ての数値は 16 進数で入力する。例えば、"0:"はバス 0 の全てのデバイスを、 "0"は全てのバスのデバイス 0 で全ての機能を意味し、 "0.3"は全てのバスのデバイス 0 で 3 番目の機能を選択し、 ".4"は各デバイスの 4 番目の機能を表示する。
-d [<vendor>]:[<device>]
指定されたベンダ ID とデバイス ID を持つデバイスのみを表示する。両 ID とも 16 進で与えられる。省略も可能である。また、「任意の値」を意味する "*"を指定することも可能である。
-i <file>
<file> を /usr/share/pci.ids の代わりの PCI ID データベースとして用いる。
-p <dir>
<dir> を /proc/bus/pci の代わりに、PCI バスの情報を持つディレクトリとして用いる。
-m
スクリプトで簡単にパースできるように、機械可読形式で PCI デバイスのデータをダンプする (通常のフォーマットと、詳細なフォーマットとの両方がサポートされている)。
-M
バスマッピングモード (bus mapping mode) で起動する。これは設定に失敗したブリッジの後にあるものを含めて、全てのデバイスを見つけるために広範囲にスキャンする。これはデバッグのみを意図していることに注意すること。これはマシンをクラッシュさせるかもしれない (バグのあるデバイスの場合のみではあるが、不幸にもそれは存在する) ので、 root のみが使える。ハードウェアに直接は触らないような PCI のアクセス方法において、-M を使うことは意味がない。何故ならば、(lspci のモジュール関連バグを除けば) 実行結果は通常の表示モードと同じだからである。
--version
lspci のバージョンを表示する。このオプションは、単独で使用すべきである。
 

PCILIB のオプション

PCI utilities は PCI カードとやりとりするために PCILIB (PCI 設定空間にアクセスするための機能を提供する、プラットフォームに依存せず移植性の高いライブラリ) を用いている。以下のオプションは、ライブラリのパラメータ、特にどのアクセス方法が使われるか、を制御する。デフォルトでは、 PCILIB はアクセス方法で可能なもののうち最初のものを用い、デバッグ情報を何も表示しない。各々のスイッチには、そのスイッチに対応しているハードウェア/ソフトウェアの設定リストが付随する。
 
-P <dir>
/proc/bus/pci の代わりに、 <dir> を使った Linux /proc/bus/pci スタイルの設定でアクセスを行わせる。 (Linux 2.1 またはそれ以降でのみ有効)
-H1
インテル設定メカニズム 1 (Intel configuration mechanism 1) を使って、ハードウェアに直接アクセスする。(i386 及びその互換でのみ有効)
-H2
インテル設定メカニズム 2 (Intel configuration mechanism 2) を使って、ハードウェアに直接アクセスする。警告: この方法では各バスの最初の 16 デバイスしか扱えず、多くの場合殆んど信頼できない。(i386 及びその互換でのみ有効)
-S
PCI アクセスシステムコールを使う。(Alpha/Linux と UltraSparc でのみ有効)
-F <file>
lspci -x の実行結果を格納しているファイルから、全ての情報を取り出す。ユーザーから提供されたバグ報告の解析に役立つ。なぜならば、さらなるダンプをユーザーに要求することなく、ハードウェアの設定をあなたの好きなやり方で表示することができる。 (全てのシステムで有効)
-G
ライブラリのデバッグレベルを上げる。(全てのシステムで有効)
 

ファイル

/usr/share/pci.ids
既知の PCI ID (ベンダ・デバイス・クラス・サブクラス) のリスト。
/proc/bus/pci
2.1.82 以降の Linux カーネルで提供される PCI バス設定空間へのインタフェース。バスごとのディレクトリには、カードごとの設定空間を表すファイルがあり、さらに devices ファイルは全ての PCI デバイスのリストを表す。
 

関連項目

setpci(8), update-pciids(8)
 

作者

Linux PCI Utilities は Martin Mares <mj@ucw.cz>によって保守されている。
04 January 2003 pciutils-2.1.11