10 進の接頭語
SI 単位系では 10 の累乗を示す接頭語を用いる。キロメートルは 1000 メートル、メガワットは 1000000 ワットである。次に標準的な接頭語を示す。
接頭語 |
名前 |
値 |
y |
ヨクト(yocto) |
10^-24 = 0.000000000000000000000001 |
z |
ゼプト(zepto) |
10^-21 = 0.000000000000000000001 |
a |
アト(atto) |
10^-18 = 0.000000000000000001 |
f |
フェムト(femto) |
10^-15 = 0.000000000000001 |
p |
ピコ(pico) |
10^-12 = 0.000000000001 |
n |
ナノ(nano) |
10^-9 = 0.000000001 |
µ |
マイクロ(micro) |
10^-6 = 0.000001 |
m |
ミリ(milli) |
10^-3 = 0.001 |
c |
センチ(centi) |
10^-2 = 0.01 |
d |
デシ(deci) |
10^-1 = 0.1 |
da |
デカ(deka) |
10^ 1 = 10 |
h |
ヘクト(hecto) |
10^ 2 = 100 |
k |
キロ(kilo) |
10^ 3 = 1000 |
M |
メガ(mega) |
10^ 6 = 1000000 |
G |
ギガ(giga) |
10^ 9 = 1000000000 |
T |
テラ(tera) |
10^12 = 1000000000000 |
P |
ペタ(peta) |
10^15 = 1000000000000000 |
E |
エクサ(exa) |
10^18 = 1000000000000000000 |
Z |
ゼタ(zetta) |
10^21 = 1000000000000000000000 |
Y |
ヨタ(yotta) |
10^24 = 1000000000000000000000000 |
マイクロの記号はギリシャ文字のμであるが、 ASCII でテキストが記述されていて、ギリシャ文字が使えない場合は u と書かれることが多い。以下も参考にしてほしい。
考察
これらの 2 進の接頭語が導入される前は、 k=1000 と K=1024 のように使うのが割に良く知られた習慣だった (b=ビット、B=バイトの関係に似ている)。残念ながら M は最初から大文字なので、 2 進であることを示すためにさらに大文字にすることはできなかった。
当初はこのことはあまり大きな問題ではなかった。なぜならメモリモジュールやディスクは 2 の累乗になるものだったので、皆そのようなところでは「キロバイト」を 1024 バイト、「メガバイト」を 1048576 バイトであるとみなしていたからである。最初は接頭語の「キロ」とか「メガ」を曖昧に援用していたのだが、そのうちコンピュータに関連する話題では、こちらが「実際の意味」になっていった。しかしその後ディスクのテクノロジーが代わり、ディスクサイズは任意の数値をとるようになった。どっちつかずの時期がしばらく続いたあと、ディスクのメーカーすべてが、標準を使うことに合意した。すなわち k=1000, M=1000k, G=1000M である。
状況はひどくなった。14.4k モデムでは k=1000, 1.44MB フロッピーでは M=1024000 になった。 1998 年に、IEC は上記のような 2 進用の接頭語を承認し、これによって両者をはっきり区別することが可能になった。
したがって今日では、MB=1000000B で、MiB = 1048576B なのである。
フリーソフトウェアの世界でも、プログラムたちはゆっくりとこれらに準拠してきている。 Linux カーネルは、ブートすると次のようなメッセージを出す。
hda: 120064896 sectors (61473 MB) w/2048KiB Cache
MB はメガバイトで、KiB はキビバイトである。