GETPRIORITY(2) | Linux Programmer's Manual | GETPRIORITY(2) |
名前
getpriority, setpriority -プログラムのスケジューリングの優先度を取得/設定する書式
#include <sys/time.h>説明
システムコール getpriority() や setpriority() は、 which と who で指定されたプロセス、プロセスグループ、ユーザーのスケジューリング優先度 (scheduling priority) の取得や設定をそれぞれ行う。返り値
getpriority() は成功した場合にも-1 の値を返す可能性があるので、呼び出しの前に外部変数の errno をクリアし、呼び出しの後に返り値の-1 が正当な値かエラーかを判別する必要がある。 setpriority() コールはエラーがなければ 0 を返し、エラーがあれば-1 を返す。エラー
- EINVAL
- which が PRIO_PROCESS, PRIO_PGRP, PRIO_USER のいずれでもない。
- ESRCH
- which と who で指定されたプロセスが存在しない。
上記のものに加えて setpriority() では以下のエラーがある:
- EACCES
- 呼び出し元がプロセスの優先度を下げようとしたが、必要な特権を持っていなかった (Linux の場合、 CAP_SYS_NICE ケーパビリティがなかった)。 Linux 2.6.12 以降では、呼び出し元が、あるプロセスの優先度を、変更対象のプロセスのリソース RLIMIT_NICE のソフトリミットの範囲外に設定しようとした場合にのみ、このエラーが発生する。詳細は getrlimit(2) を参照。
- EPERM
- プロセスは見つかったが、そのプロセスの実効 (effective) UID が呼び出し元の実効UID にも実 (real) UID にも一致せず、呼び出し元が特権も持っていなかった (Linux の場合、 CAP_SYS_NICE ケーパビリティがなかった)。以下の「注意」も参照のこと。
準拠
SVr4, 4.4BSD (これらの関数は 4.2BSD で最初に登場した), POSIX.1-2001.注意
fork(2) で作成された子プロセスは、親プロセスの nice 値を継承する。 execve(2) の前後で nice 値は保存される。実際の優先度の値の範囲はカーネルのバージョンによって異なる。 1.3.36 より前の Linux では、優先度の範囲は負の無限大〜 15 である。 1.3.43 以降の Linux では、優先度の範囲は-20 〜 19 である。カーネル内部では、nice 値は実際には 40 〜 1 の範囲を使って表現されており (負の値はエラーコードとなるため)、こちらの値がシステムコール setpriority() と getpriority() で使用されている。 glibc のこれらのシステムコールのラッパー関数において、nice 値のユーザ領域 (user-land) とカーネル表現の間の変換が行われる。変換式は以下の通り: unice = 20 - knice
いくつかのシステムでは、nice 値の範囲は 20 〜 20 である。
現在では <sys/time.h> をインクルードする必要はないが、インクルードすれば移植性を高めることができる (実際には <sys/resource.h> で rusage 構造体が定義されているが、そのフィールドで使用されている struct timeval 型は <sys/time.h> で定義されている)。
バグ
According to POSIX, the nice value is a per-process setting. However, under the current Linux/NPTL implementation of POSIX threads, the nice value is a per-thread attribute: different threads in the same process can have different nice values. Portable applications should avoid relying on the Linux behavior, which may be made standards conformant in the future.関連項目
nice(1), renice(1), fork(2), capabilities(7)この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.51 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。2013-02-12 | Linux |