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名称
gcc, g++ - GNU プロジェクト C および C++ コンパイラ (gcc-2.95.3)書式
gcc [ option | filename ]...注意
このマニュアルに書かれた情報は GNU C コンパイラの完全なドキュメンテーションからの抜粋であり、オプションの意味の記述にとどめます。このマニュアルはボランティアのメンテナンスが行なわれた時にのみ更新されるもので、常に最新の情報を示しているわけではありません。もしこのマニュアルと実際のソフトウェアの間に矛盾点があれば、正式なドキュメントである Info ファイルのほうを参照して下さい。
このマニュアル中の古い記述が重大な混乱や不具合をきたすことになれば、このマニュアルページの配布は中止します。 GNU CCのメンテナンス作業の都合上、 Info ファイルを更新した時にマニュアルページも併せて更新することはできません。マニュアルページは時代遅れであり、これに時間をかけるべきではないと GNU プロジェクトでは考えています。
完全な最新のドキュメンテーションが必要な場合は、Info ファイルの` gcc' またはマニュアルの Using and Porting GNU CC (for version 2.0) を参照して下さい。この双方は Texinfo のソースファイル gcc.texinfo から生成されます。
解説
C と C++ のコンパイラは統合されています。どちらの場合も、入力ファイルは、プリプロセス、コンパイル、アセンブル、リンクの 4 つの処理ステージのうちの 1 つ以上のステージを踏んで処理されます。ソースファイル名の拡張子によってソースの言語を識別しますが、デフォルトの動作は、どちらの名前でコンパイラを使うかに依存しています:- gcc
- プリプロセス済みの ( .i) ファイルを C のファイルと仮定し、C スタイルのリンクを行います。
- g++
- プリプロセス済みの( .i) ファイルを C++ のファイルと仮定し、C++ スタイルのリンクを行います。
ソースファイル名の拡張子は、その言語が何であるかと、どのような処理が行われるべきかを示します:
.c C言語ソースです。プリプロセッサ、コンパイラ、アセンブラにかけられます。
.C C++言語ソースです。プリプロセッサ、コンパイラ、アセンブラにかけられます。
.cc C++言語ソースです。プリプロセッサ、コンパイラ、アセンブラにかけられます。
.cxx C++言語ソースです。プリプロセッサ、コンパイラ、アセンブラにかけられます。
.m Objective-C 言語ソースです。プリプロセッサ、コンパイラ、アセンブラにかけられます。
.i プリプロセッサにかけられたC言語ソースです。コンパイラ、アセンブラにかけられます。
.ii プリプロセッサにかけられたC++言語ソースです。コンパイラ、アセンブラにかけられます。
.s アセンブリ言語ソースです。アセンブラにかけられます。
.S アセンブリ言語ソースです。プリプロセッサ、アセンブラにかけられます。
.h プリプロセッサファイルです。通常はコマンドラインには現れません。
その他の拡張子を持つファイルはリンカに渡されます。以下のものがあります。
.o オブジェクトファイルです。
.a アーカイブファイルです。
リンクは、オプション -c, -S, -E を指定して抑制しないかぎり(もしくはコンパイルエラーによってすべての処理が中断しないかぎり)、常に最終ステージで実行されます。リンクのステージにおいては、ソースファイルに対応した全ての .o ファイルと、 -l で指定したライブラリと、認識されなかったファイル名 (名前に .o のついたオブジェクトファイルや .a のついたアーカイブを含む) は、コマンドラインに並べられた順番でリンカに渡されます。
オプション
オプションは分割されていなければなりません。すなわち ` -dr' は ` -d -r 'とは異なった扱いを受けます。ほとんどの ` -f' と ` -W' 形式のオプションには、 -fname と -fno-name (または -Wname と -Wno-name) の形式の、対照的な表現があります。ここではデフォルトでない形式のみを示します。
すべてのオプションを種類別に分けてまとめました。詳しい解説は以下の節で行ないます。
FreeBSD 固有のオプション
- -pthread
- スレッド化ユーザプロセスに libc の代りに libc_r をリンクします。スレッド化ユーザプロセスにリンクされるオブジェクトは -D_THREAD_SAFE 付きでコンパイルする必要があります。
- -kthread
- スレッド化カーネルプロセスに libc に加えて libpthread をリンクします。スレッド化カーネルプロセスにリンクされるオブジェクトは -D_THREAD_SAFE 付きでコンパイルする必要があります。
- 全体的なオプション
-
- 言語オプション
- -ansi -fall-virtual -fcond-mismatch -fdollars-in-identifiers -fenum-int-equiv -fexternal-templates -fno-asm -fno-builtin -fhosted -fno-hosted -ffreestanding -fno-freestanding -fno-strict-prototype -fsigned-bitfields -fsigned-char -fthis-is-variable -funsigned-bitfields -funsigned-char -fwritable-strings -traditional -traditional-cpp -trigraphs
- 警告オプション
- -fsyntax-only -pedantic -pedantic-errors -w -W -Wall -Waggregate-return -Wcast-align -Wcast-qual -Wchar-subscript -Wcomment -Wconversion -Wenum-clash -Werror -Wformat -Wid-clash- len -Wimplicit -Wimplicit-int -Wimplicit-function-declaration -Winline -Wlong-long -Wmain -Wmissing-prototypes -Wmissing-declarations -Wnested-externs -Wno-import -Wparentheses -Wpointer-arith -Wredundant-decls -Wreturn-type -Wshadow -Wstrict-prototypes -Wswitch -Wtemplate-debugging -Wtraditional -Wtrigraphs -Wuninitialized -Wunused -Wwrite-strings
- デバッグオプション
- -a -d letters -fpretend-float -g -g level -gcoff -gxcoff -gxcoff+ -gdwarf -gdwarf+ -gstabs -gstabs+ -ggdb -p -pg -save-temps -print-file-name= library -print-libgcc-file-name
- 最適化オプション
- -fcaller-saves -fcse-follow-jumps -fcse-skip-blocks -fdelayed-branch -felide-constructors -fexpensive-optimizations -ffast-math -ffloat-store -fforce-addr -fforce-mem -finline-functions -fkeep-inline-functions -fmemoize-lookups -fno-default-inline -fno-defer-pop -fno-function-cse -fno-inline -fno-peephole -fomit-frame-pointer -frerun-cse-after-loop -fschedule-insns -fschedule-insns2 -fstrength-reduce -fthread-jumps -funroll-all-loops -funroll-loops -O -O2 -O3 -O0 -Os
- プリプロセッサオプション
- -A assertion -C -dD -dM -dN -D macro[= defn] -E -H -idirafter dir -include file -imacros file -iprefix file -iwithprefix dir -M -MD -MM -MMD -nostdinc -P -U macro -undef
- アセンブラオプション
- -Wa, option
- リンカオプション
- -l library -nostartfiles -nostdlib -static -shared -symbolic -Xlinker option -Wl, option -u symbol
- ディレクトリオプション
- -B prefix -I dir -I--L dir
- ターゲットオプション
- -b machine -V version
- コンフィギュレーション依存オプション
-
M680x0 オプション
- コード生成オプション
- -fcall-saved- reg -fcall-used- reg -ffixed- reg -finhibit-size-directive -fnonnull-objects -fno-common -fno-ident -fno-gnu-linker -fpcc-struct-return -fpic -fPIC -freg-struct-return -fshared-data -fshort-enums -fshort-double -fvolatile -fvolatile-global -fverbose-asm
全体的なオプション
- -x language
- このオプションに続く入力ファイルの言語を language であると明示的に指定します (拡張子に基づくデフォルトの選択よりも優先されます)。このオプションは、次の ` -x' オプションが出てくるまで、後続する全ての入力ファイルに対して適用されます。 language としては、 ` c', ` objective-c', ` c-header', ` c++', ` cpp-output', ` assembler', ` assembler-with-cpp' を指定することが可能です。
- -x none
- 言語の指定を解除します。このオプションのあとに続くファイルは、それらの拡張子に基づいて (あたかも何の ` -x' オプションも使用されたことがないように) 処理されます。
もし、4 つのステージ (プリプロセス、コンパイル、アセンブル、リンク) のうちの一部のみが必要な場合は、 ` -x' オプション (またはファイル名の拡張子) を使用して gcc に対してどのステージから開始するかを伝え、さらに ` -c', ` -S', ` -E' のオプションのうちのどれかを使用して gcc に対してどこで処理を停止させるかを指定します。ここで、いくつかの組み合わせ (例えば ` -x cpp-output -E') は gcc に対して何の動作も行なわないように指定することになることに注意してください。
- -c
-
ソースファイルを、コンパイルまたはアセンブルまではしますが、リンクはしません。コンパイラの出力は、それぞれのソースファイルに対応したオブジェクトファイルとなります。
- -S
-
コンパイルが終った所で処理を停止し、アセンブルは行いません。アセンブラコードではない入力ファイルが指定された場合は、出力はアセンブラコードのファイルになります。
- -E
-
プリプロセス処理が終了したところで停止します。コンパイルはしません。出力はプリプロセス済みのソースコードであり、標準出力へと送られます。
- -o file
-
出力先を
file に指定します。このオプションは GCC が実行可能ファイル、オブジェクトファイル、アセンブラファイル、プリプロセス済み C コードなどの、いかなる種類の出力を行なう場合にも適用可能です。
- -v
- (標準エラー出力に対して) コンパイルの各ステージで実行されるコマンドを表示します。コンパイラドライバ、プリプロセッサおよび本来のコンパイラの各バージョン番号も表示します。
- -pipe
- コンパイル時のステージの間のデータの受け渡しに、テンポラリファイルではなくパイプを使用します。いくつかのシステムではアセンブラがパイプからの入力を受け付けることができないために、このオプションを指定すると失敗します。 GNU アセンブラでは問題なく使用できます。
言語オプション
- 以下のオプションは、コンパイラが受け付ける C の方言に関する制御を行ないます:
- -ansi
-
全ての ANSI 標準の C プログラムをサポートします。
- -fno-asm
- asm, inline, typeof をキーワードとして解釈しません。これらの単語は識別子として解釈されるようになります。これらの代用として __asm__, __inline__, __typeof__ が使用できます。 ` -ansi' を指定すると、暗黙のうちに ` -fno-asm' を指定したものとみなされます。
- -fno-builtin
-
ビルトイン関数のうち、2 つのアンダースコアで始まるもの以外を認識しなくなります。現在、この指定は
_exit,
abort,
abs,
alloca,
cos,
exit,
fabs,
labs,
memcmp,
memcpy,
sin,
sqrt,
strcmp,
strcpy,
strlen の関数に影響を及ぼします。
- -fhosted
- ホスト実行環境 (hosted environment) 用にコンパイルを行います。これにより、` -fbuiltin' オプションが有効になり、また、不審な main 宣言に対して警告を発するようになります。
- -ffreestanding
- フリースタンディング実行環境 (freestanding environment) 用にコンパイルを行います。これにより、` -fno-builtin' オプションが有効になり、また、 main に特別な条件は不要とみなします。
- -fno-strict-prototype
- ` int foo ();' のような、引数を指定しない関数宣言を、C 言語のように引数の数や型について何の仮定もしないという扱いにします (C++ のみ)。通常はこのような宣言は、C++ では foo という関数が 1 つも引数をとらないことを意味します。
- -trigraphs
- ANSI C のトライグラフを使用可能とします。` -ansi' オプションを指定すると、暗黙のうちに ` -trigraphs' を指定したものとみなされます。
- -traditional
-
伝統的な C コンパイラのいくつかの特徴をサポートします。詳しくは GNU C のマニュアルを参照してください。以前はここにそのリストの複製を載せていましたが、それらが完全に時代遅れになった時に我々に文句が来ないように削除してしまいました。
- -traditional-cpp
- 伝統的な C プリプロセッサのいくつかの特徴をサポートします。これは上に挙げた中で特にプリプロセッサに関係したものを含みますが、 ` -traditional' の指定によって引き起こされる以外の効果を及ぼすことはありません。
- -fdollars-in-identifiers
- 識別子中の ` $' の使用を許可します (C++ のみ)。 ` -fno-dollars-in-identifiers' を使用することによって、明示的に ` $'の使用を禁止することも可能です。(GNU C++ では、デフォルトで ` $' を許可しているシステムと禁止しているシステムがあります)。
- -fenum-int-equiv
- int から列挙型への暗黙の変換を許可します (C++ のみ)。通常は GNU C++ は enum から int への変換は許可していますが、逆は許していません。
- -fexternal-templates
-
テンプレート関数について、その関数が定義された場所にのみ単一のコピーを生成することによって、テンプレート宣言に対してより小さなコードを生成します (C++ のみ)。このオプションを使用して正しいコードを得るためには、テンプレートを使用する全てのファイルにおいて、`
#pragma implementation' (定義) または `
#pragma interface' (宣言) を記述しておく必要があります。
- -fall-virtual
-
可能な限り全てのメンバ関数を暗黙のうちに仮想関数として扱います。全てのメンバ関数 (コンストラクタと
new ,
delete メンバ演算子を除きます) は、出現した時点でそのクラスの仮想関数として扱われます。
- -fcond-mismatch
- 条件演算子の第 2, 第 3 引数の型が異なる記述を許します。このような式の型は void となります。
- -fthis-is-variable
- this への代入を許可します (C++ のみ)。ユーザ定義による記憶管理が可能となった現在では、 ` this' への代入は時代遅れのものとなりました。従ってデフォルトでは、クラスのメンバ関数からの this への代入は不当なものとして扱われています。しかし、後方互換性のために、 ` -fthis-is-variable' を指定することによってこの効果を得ることができます。
- -funsigned-char
-
char 型を
unsigned char のように符号無しとして扱います。
- -fsigned-char
-
char 型を
signed char 型のように符号付きとして扱います。
- -fsigned-bitfields
- -funsigned-bitfields
- -fno-signed-bitfields
- -fno-unsigned-bitfields
-
これらのオプションは、明示的に `
signed' または `
unsigned' の指定が行なわれていないビットフィールドに対して、符号つきであるかあるいは符号なしであるかを制御します。デフォルトではこのようなビットフィールドは符号つきとなっています。なぜなら、
int のような基本的な型は符号つきであるという点で、整合性がとれるからです。
- -fwritable-strings
-
文字列定数を書き込み可能なデータセグメントに配置し、同内容の文字列を 1 つの共有オブジェクトにする処理を行いません。これは、文字定数に書き込むことができることを仮定した昔のプログラムとの互換性をとるために提供されています。`
-traditional' オプションも同様の効果を含みます。
プリプロセッサオプション
これらのオプションは C プリプロセッサを制御します。各 C ソースファイルは、実際にコンパイルする前に、C プリプロセッサにかけられます。` -E' オプションを使用すると、GCC はプリプロセス以外の処理を行いません。以下に示すオプションのうちのいくつかは、` -E' と同時に使用された時のみ意味をもちます。なぜならば、これらのオプションによって、実際のコンパイルには不適当なプリプロセッサ出力が生成されるためです。
- -include file
- file を、通常の入力ファイルが処理される前に処理します。結果的に file に含まれる内容は、一番最初にコンパイルされることになります。コマンドラインに指定されたすべての ` -D' や ` -U' オプションは、その記述された順番に関わらず常に ` -include file' が処理される前に処理されます。全ての ` -include' や ` -imacros' オプションは、それらが記述された順番通りに処理されます。
- -imacros file
- 通常の入力ファイルを処理する前に file を入力として処理しますが、その結果の出力を捨てます。 file によって生成された出力は捨てられるため、` -imacros file' の処理結果の影響は、 file 中に記述されたマクロがメインの入力ファイル中で使用可能になることだけです。プリプロセッサは、` -imacros file' が記述された順番に関わらず、これを処理する前に、コマンドラインから与えられた全ての ` -D' や ` -U' オプションを評価します。全ての ` -include' および ` -imacros' オプションは、それらが記述された順番通りに処理されます。
- -idirafter dir
- ディレクトリ dir を第 2 インクルードパスに加えます。第 2 インクルードパス中のディレクトリは、メインインクルードパス (オプション ` -I' によって追加されます) 中にヘッダファイルを探した結果発見できなかった場合に検索されます。
- -iprefix prefix
- prefix を、その後に続く ` -iwithprefix' オプション用のプレフィックスとして使用します。
- -iwithprefix dir
- ディレクトリを第 2 インクルードパスに追加します。ディレクトリ名は prefix と dir を連結することによって得られます。ここで prefix は、` -iprefix' オプションによって指定されたものです。
- -nostdinc
-
ヘッダファイルのための標準のシステムディレクトリを検索しません。`
-I' オプションによって指定したディレクトリ (またはカレントディレクトリ) のみを検索します。
- -nostdinc++
- ヘッダファイルの検索に、C++-固有の標準ディレクトリを用いません。ただしそれ以外の標準ディレクトリは検索されます。 (このオプションは ` libg++' の構築に使用されます。)
- -undef
- 標準でない定義済みマクロ(アーキテクチャフラグも含めて)を定義しません。
- -E
- C プリプロセッサの処理のみを行います。指定された全ての C のソースファイルに対してプリプロセスを行ない、標準出力、または指定された出力ファイルに対して出力を行います。
- -C
- プリプロセッサに対してコメントの削除を行なわないように指示します。 ` -E' オプションとともに使用されます。
- -P
- プリプロセッサに対して ` #line' コマンドを生成しないように指示します。 ` -E' オプションとともに使用されます。
- -M [ -MG ]
-
プリプロセッサに対して
make で使用可能な、オブジェクト間の依存関係を記述した出力を生成するように指示します。それぞれのソースファイルに対して、プリプロセッサは
make のための規則を 1 つ出力します。この出力は、ターゲットとしてそのソースファイルから生成されるオブジェクトファイルのファイル名をとり、依存するファイルのリストとしては `
#include' によってソースファイルに読み込まれる全てのファイルの名前が並びます。この規則は 1 行、あるいは長い場合には`
\' と改行を入れて複数行で出力されます。この規則のリストは、プリプロセス済みの C プログラムのかわりに、標準出力へと出力されます。
- -MM [ -MG ]
- ` -M' と似ていますが、` #include " file "'によってインクルードされるユーザ定義のヘッダファイルのみを対象にした出力ファイルを生成します。` #include < file >' によってインクルードされるシステムヘッダファイルは省略されます。
- -MD
-
`
-M' と似ていますが、依存情報は出力ファイル名の最後の `
.o' を `
.d' に置き換えたファイル名のファイルに対して出力されます。 `
-MD' を指定したファイルのコンパイルもこれに加えて行なわれ、 `
-M' のように通常のコンパイルを抑制することはありません。
- -MMD
- ` -MD' と似ていますが、ユーザヘッダファイルのみを対象とし、システムヘッダファイルを無視します。
- -H
- 通常の動作に加えて、使用されたヘッダファイルの名前を表示します。
- -A question ( answer )
- questionに対するアサーション answer を定義します。これは ` #if # question ( answer )' のようなプリプロセッサ条件節によってテストされます。` -A-' は標準のアサーション(通常はターゲットマシンに関する情報を表している)を禁止します。
- -D macro
- マクロ macro に対して文字列 ` 1' を定義として与えます。
- -D macro = defn
- マクロ macro を defn として定義します。コマンドライン上の全ての ` -D' オプションは ` -U' オプションの処理を行なう前に処理されます。
- -U macro
- マクロ macro の定義を無効にします。` -U' オプションは全ての ` -D' オプションの処理が終了した後、` -include' と ` -imacros' オプションの処理の前に処理されます。
- -dM
- プリプロセッサに対して、プリプロセス終了時に有効であったマクロの定義のみを出力するように指示します。` -E' オプションとともに使用します。
- -dD
- プリプロセッサに対して、全てのマクロ定義を適切な順番で出力中にそのまま出力するように指示します。
- -dN
- ` -dD' と似ていますが、マクロの引数と内容を削除します。出力には` #define name' のみが含まれます。
アセンブラオプション
- -Wa, option
- option をアセンブラに対するオプションとして渡します。 option がコンマを含む場合は、そのコンマで区切られた複数のオプションとして与えられます。
リンカオプション
これらのオプションは、コンパイラがオブジェクトファイル群をリンクして 1 つの実行可能ファイルを出力する際に使用されるものです。これらはコンパイラがリンクステップを行なわない場合には意味を持ちません。- object-file-name
- 特別に認識される拡張子で終っていないファイル名は、オブジェクトファイル、またはライブラリであると認識されます。(オブジェクトファイルとライブラリはリンカがその内容を参照することで区別されます。) GCC がリンクステップを行なう場合は、これらのファイルはリンカへの入力として使用されます。
- -l library
-
名前が
library であるライブラリをリンク時に使用します。
- -lobjc
- Objective C のプログラムをリンクする場合は、この特別な -l オプションを指定する必要があります。
- -nostartfiles
- リンク時に、標準のシステムスタートアップファイルを使用しません。標準ライブラリは通常通りに使用されます。
- -nostdlib
- リンク時に、標準のシステムライブラリとスタートアップファイルを使用しません。指定したファイルのみがリンカに渡されます。
- -static
- ダイナミックリンクをサポートするシステムにおいて、このオプションは共有ライブラリとのリンクを抑制します。それ以外のシステムではこのオプションは意味を持ちません。
- -shared
- 他のオブジェクトとリンクして実行可能プログラムを形成し得る共有オブジェクトを生成します。ごく少数のシステムでのみ、このオプションはサポートされています。
- -symbolic
- 共有オブジェクトを構築する際に、グローバルなシンボルへの参照をバインドします。全ての解決できなかった参照に対して警告を与えます (ただしリンクエディタオプション ` -Xlinker -z -Xlinker defs' によってこれを無効化した場合を除きます)。ごく少数のシステムでのみ、このオプションはサポートされています。
- -Xlinker option
-
オプション
option をリンカに対して渡します。リンカに渡すシステム固有のオプションが、 GNU CC が理解できないものである場合に利用できます。
- -Wl, option
- オプション option をリンカに渡します。 option がコンマを含む場合は、それらのコンマで複数のオプションとして分割されます。
- -u symbol
- シンボル symbol が未定義であるかのように振舞います。これは強制的にこのシンボルを定義しているライブラリモジュールをリンクするために使用します。` -u' は異なったシンボルに対して複数回使用することができます。これによって、さらに多くのライブラリモジュールを読み込ませることができます。
ディレクトリオプション
これらのオプションは、ヘッダファイル、ライブラリ、コンパイラの一部を検索するディレクトリを指定するために使用されます。- -I dir
- ディレクトリ dir を、インクルードファイルの検索するディレクトリのリスト中に追加します。
- -I-
-
`
-I-' オプション指定前に `
-I' オプションによって指定された全てのディレクトリは、`
#include "
file
"' の形式によってのみ検索されます。これらのディレクトリは `
#include <
file
>' によっては検索されません。
- -L dir
- ディレクトリ dir を ` -l' による検索が行なわれるディレクトリのリストに加えます。
- -B prefix
-
このオプションはコンパイラ自身の実行形式、ライブラリ、データファイルの検索場所を指定します。
警告オプション
警告は、本質的に間違いであるわけではありませんが、危険な構造を報告したり、エラーがあるかもしれないような部分を示唆する診断メッセージです。- -fsyntax-only
- コードの文法エラーをチェックしますが、一切出力は行いません。
- -w
- 全ての警告メッセージを抑制します。
- -Wno-import
- #import の利用による警告メッセージを抑制します。
- -pedantic
-
厳密な ANSI 標準 C 言語で規定している全ての警告を表示し、許されていない拡張を使用したプログラムを全て拒否します。
- -pedantic-errors
- ` -pedantic' と似ていますが、警告のかわりにエラーを出します。
- -W
- 以下のイベントに対して、特別な警告メッセージを表示します。
- •
-
volatile でない自動変数が
longjmp の呼び出しによって変更され得る場合です。これらの警告は、最適化コンパイルの時のみ問題になり得ます。
- •
-
関数が、値を伴ってリターンする場合と、値を伴わずにリターンする場合の両方が起こりうる場合です。 (関数の最後を抜けていくことは、値を伴わずに関数をリターンするとみなされます。) 例えば、次の関数がこの種類の警告を引き起こします。
foo (a)
{
if (a > 0)
return a;
}
ある関数 ( abort や longjmp を含む) が決してリターンしないということを GNU CC が理解できないために、にせの警告が発生するかもしれません。
- •
- 式文 (expression-statement) またはコンマ式の左部分が一切の副作用を含まない場合です。警告を抑制するには、使用しない式を void にキャストして下さい。例えば ` x[i,j]' といった式は警告されますが、` x[(void)i,j]' は警告されません。
- •
- 符号無しの値が 0 と ` >' または ` <=' で比較される場合です。
- -Wimplicit-int
- 型を指定していない宣言に対して警告します。
- -Wimplicit-function-declaration
- 宣言に先立って用いられた関数に対して警告します。
- -Wimplicit
- -Wimplicit-int および -Wimplicit-function-declaration と同じです。
- -Wmain
-
main 関数が不審な型で宣言あるいは定義されている場合に警告します。通常、main は外部リンケージを持ち、
int を返し、0 個または 2 個の引数をとる関数です。
- -Wreturn-type
- 関数の戻り値の型が、デフォルトである int に定義された時に常に警告します。また、戻り値の型が voidでない関数内に、戻り値のない return 文がある場合にも常に警告します。
- -Wunused
- ローカル変数が宣言されたにも関わらず使用されていない場合、静的に宣言された関数の実体が定義されていない場合、計算結果が明らかに利用されていない場合に常に警告します。
- -Wswitch
- switch 文がインデックスとして列挙型をとっている時、その列挙型中のいくつかの値に対する case が欠けている場合に常に警告します。( default ラベルが存在する場合、この警告は出ません。) このオプションを使用した場合には、列挙型の範囲を越えた case ラベルも、常に警告されます。
- -Wcomment
- コメントの開始文字列 ` /∗' がコメント中に現れた時に常に警告します。
- -Wtrigraphs
- トライグラフの出現を常に警告します (トライグラフが使用可能であると仮定します)。
- -Wformat
- printf, scanf などへの呼び出しに対して、与えられた引数が、フォーマット文字列の指定を満足する型を持っているかを検査します。
- -Wchar-subscripts
- 配列の添字の型が char であった場合に警告します。これはよくある間違いのもとです。いくつかのマシンにおいてはこの型が符号付きであることを、プログラマはしばしば忘れてしまいます。
- -Wuninitialized
-
初期化されていない自動変数が使用されています。
{
int x;
switch (y)
{
case 1: x = 1;
break;
case 2: x = 4;
break;
case 3: x = 5;
}
foo (x);
}
もし y の値が常に 1, 2 あるいは 3 である限りは x は常に初期化されます。しかし GNU CC はこれを知ることはできません。もう 1 つの一般的な例を挙げます。
{
int save_y;
if (change_y) save_y = y, y = new_y;
...
if (change_y) y = save_y;
}
これはバグを含みません。なぜなら save_y は、その値が設定された時のみ使用されるからです。
- -Wparentheses
- ある特定の文脈中で括弧が省略されていた場合に警告します。
- -Wtemplate-debugging
- C++ プログラムにおいてテンプレートを使用している際に、デバッグが完全に可能でない場合を警告します (C++ のみ)。
- -Wall
- 全ての上に挙げた ` -W' オプションを結合したものです。これらのオプションは全て、たとえマクロとの組み合わせであっても、避けたほうがいいと我々が推奨する用法や、簡単に避けることができると我々が信じている用法に関するものです。
残りの ` -W...' オプションは ` -Wall' によっては暗黙のうちに指定されません。なぜならこれらは、クリーンなプログラムにおいても、ある状況においては使用することが妥当であると我々が考える構造についての警告を行なうオプションだからです。
- -Wtraditional
- 伝統的な C と ANSI C において異なった振舞いをする特定の構造について警告します。
- •
- マクロ引数がマクロ本体内の文字列定数に現れるものです。これは、伝統的な C においてはその引数で置換しましたが、ANSI C においては定数の一部として扱われます。
- •
- ブロック内で外部宣言であると宣言され、かつそのブロックの終端の後で使用されている関数です。
- •
- オペランドとして long 型をとる switch 文です。
- -Wshadow
- ローカル変数が他のローカル変数を隠している時に常に警告します。
- -Wid-clash- len
- 2 つの全く別の識別子の最初の len 文字が一致した時に警告します。これはある種の旧式なおばかさんコンパイラでコンパイルされ得るプログラムを作る場合に役に立ちます。
- -Wpointer-arith
- 関数型や void の“サイズ”に依存するものを全て警告します。GNU C はこれらに対して、サイズ 1 を割り当てています。これは void ∗ ポインタと関数へのポインタにおける計算を簡便にするためです。
- -Wcast-qual
- ポインタが、型修飾子が削除されるようにキャストされる全ての場合に警告します。例えば const char ∗ を普通の char ∗ にキャストした場合に警告がなされます。
- -Wcast-align
- ポインタのキャストにおいて、そのターゲットに要求される境界条件が大きくなるようなキャストを全て警告します。例えば char ∗ が int ∗ へとキャストされると、整数が 2、あるいは 4 バイト境界でしかアクセスできないマシンにおいては警告が発せられます。
- -Wwrite-strings
- 文字定数に対して、型 const char[ length ] を与え、非- const の char ∗ ポインタへのアドレスのコピーに対して警告するようにします。この警告は、宣言とプロトタイプにおいて const の使用を非常に注意深くおこなっていさえすれば、文字列定数に書き込みをしそうなコードをコンパイル時に発見することを助けますが、そうでない場合は有害無益な指定です。これが、我々がこの警告を ` -Wall' のリクエストに含めなかった理由です。
- -Wconversion
- 同じ引数が与えられた時に、プロトタイプが存在する場合とプロトタイプが存在しない場合とで、異なった型変換を引き起こす場合について警告します。これは固定小数点から浮動小数点への変換やその逆、デフォルトの動作と異なる固定小数点引数の幅や符号の有無の変換が含まれます。
- -Waggregate-return
- 構造体や共用体を返す関数を定義した場合や、それらを呼び出す全ての場合に警告します。 (配列を返すことができる言語においても、これは警告を引き起こします。)
- -Wstrict-prototypes
- 引数の型を指定せずに関数を宣言、あるいは定義した場合に警告します。 (以前に引数の型を指定した宣言が存在する場合には、旧式の関数宣言に対しては警告をしません。)
- -Wmissing-declarations
- グローバルな関数を、その前にプロトタイプ宣言をせずに定義した場合に警告します。この警告は、たとえその定義自身がプロトタイプを含んでいたとしても発生します。この警告の目的は、ヘッダファイル中にグローバル関数の定義を忘れることを防ぐことにあります。
- -Wredundant-decls
- 同一スコープ中で複数回、同一対象を宣言した場合に、たとえそれが正当で何も変化させない場合であっても警告します。
- -Wnested-externs
- 関数内で extern 宣言を行なった場合に警告します。
- -Wenum-clash
- 異なる列挙型の間で変換を行なった際に警告します (C++ のみ)。
- -Wlong-long
- long long 型が使用されている場合に警告します。これはデフォルトです。この警告メッセージを抑止するには ` -Wno-long-long' フラグを用いて下さい。フラグ ` -Wlong-long' および ` -Wno-long-long' は、フラグ ` -pedantic' 使用時のみ考慮されます。
- -Woverloaded-virtual
- (C++ のみ。) 導出クラスにおいて、仮想関数の定義は基底クラスで定義された仮想関数の型の記述と一致していなければなりません。このオプションを使用することによって、基底クラスにおける仮想関数と同一の名前を持ち、基底クラスのいかなる仮想関数とも異なった型の記述を持つ関数に対して警告が行われます。これによって、導出クラスが仮想関数を定義しようとして失敗する場合を警告することができます。
- -Winline
- 関数がインライン宣言されている、あるいは -finline-functions オプションが与えられている場合に、関数をインライン展開できなかった場合に警告します。
- -Werror
- 警告をエラーとして扱います。警告の後にコンパイルを中断します。
デバッグオプション
GNU CC は、ユーザのプログラムや GCC の双方をデバッグするために、多くのオプションを備えています。- -g
-
オペレーティングシステムのネイティブのフォーマット (stabs, COFF, XCOFF, DWARF) でデバッグ情報を生成します。GDB はこのデバッグ情報に基づいて動作することができます。
以下のオプションは、GNU CC を 1 つ以上のデバッグフォーマットを扱えるように作成してある場合に有益です。
- -ggdb
- (もしサポートされていれば)ネイティブのフォーマットでデバッグ情報を生成します。これは可能な限りの全ての GDB 拡張を含みます。
- -gstabs
- (もしサポートされていれば) stabs フォーマットでデバッグ情報を生成します。ただし GDB 拡張は含みません。このフォーマットはほとんどの BSD システム上の DBX で利用できるフォーマットです。
- -gstabs+
- (もしサポートされていれば) stabs フォーマットでデバッグ情報を生成します。ただし GNU デバッガ (GDB) でしか理解できない GNU 拡張を使用します。この拡張を使用すると、他のデバッガでは、クラッシュやプログラムが読めなくなるなどの影響がおそらく出ます。
- -gcoff
- (サポートされていれば) COFF フォーマットでデバッグ情報を生成します。これは、System V Release 4 より前のほとんどの System V 上の SDB で利用できるフォーマットです。
- -gxcoff
- (サポートされていれば) XCOFF フォーマットでデバッグ情報を生成します。これは IBM RS/6000 システムにおいて DBX デバッガによって使用されるフォーマットです。
- -gxcoff+
- (もしサポートされていれば) XCOFF フォーマットでデバッグ情報の生成を行います。ただし、GNU デバッガ (GDB) によってのみ理解され得る GNU 拡張を使用します。これらの拡張を使用すると、他のデバッガに対してはクラッシュやプログラムを読みとり不能にするなどの影響を及ぼし得ます。
- -gdwarf
- (もしサポートされていれば) DWARF フォーマットでデバッグ情報の生成を行います。これはほとんどの System V Release 4 システムにおいて SDB によって使用される形式です。
- -gdwarf+
- (もしサポートされていれば) DAWRF フォーマットでデバッグ情報の生成を行います。ただし、GNU デバッガ (GDB) によってのみ理解され得る GNU 拡張を使用します。これらの拡張を使用すると、他のデバッガに対してはクラッシュやプログラムを読みとり不能にするなどの影響を及ぼし得ます。
-glevel
-ggdblevel
-gstabslevel
-gcofflevel -gxcofflevel
- -gdwarf level
-
デバッグ情報を要求しますが、同時に
level によってどの程度の情報が必要かを指定します。デフォルトのレベルは 2 です。
- -p
- プログラム prof によって使用されるプロファイル情報を書き込む特別なコードを生成します。
- -pg
- プログラム gprof によって使用されるプロファイル情報を書き込む特別なコードを生成します。
- -a
- 基本ブロックのプロファイル情報を書き込む特別なコードを生成します。これはそれぞれのブロックが何回実行されたかを記録します。このデータは tcov のようなプログラムによって解析されます。ただし、このデータフォーマットは tcov が期待するものとは異なっています。最終的には、GNU gprof が処理できるように拡張されるべきです。
- -ax
- ファイル `bb.in' から基本ブロックプロファイルパラメータを読み出し、ファイル `bb.out' にプロファイル結果を書き出すための、特別なコードを生成します。 `bb.in' は関数のリストを保持しています。このリストに含まれる関数に入ると、プロファイリングがオンになります。最外側関数を抜けると、プロファイリングはオフになります。関数名が `-' で始まっている場合、その関数はプロファイル対象外になります。もし関数名が唯一に定まらない場合は、 `/path/filename.d:functionname' と記述することでこれらを区別できます。 `bb.out' には、いくつかの利用可能な関数がリストされます。特別な意味をもつ関数が 4 つあります: `__bb_jumps__' はジャンプ頻度を `bb.out' に書き出します。 `__bb_trace__' は基本ブロック列を `gzip' にパイプし、ファイル `bbtrace.gz' に書き出します。 `__bb_hidecall__' は call 命令をトレースから除外します。 `__bb_showret__' は return 命令をトレースに含めるようにします。
- -d letters
- コンパイル中の letters で指定されるタイミングに、デバッグ用のダンプを生成するように指示します。これはコンパイラをデバッグするために使用されます。ほとんどのダンプのファイル名はソースファイル名に 1 単語をつなげたものになります。(例えば、` foo.c.rtl' や ` foo.c.jump' などです)。
- -dM
- 全てのマクロ定義をダンプし、プリプロセス終了時に出力に書き出します。その他には何も書き出しません。
- -dN
- 全てのマクロ名をダンプし、プリプロセス終了時に出力に書き出します。
- -dD
- 全てのマクロ定義をプリプロセス終了時に通常の出力に加えてダンプします。
- -dy
- パース中にデバッグ情報を標準エラー出力にダンプします。
- -dr
- RTL 生成後に ` file .rtl' に対してダンプします。
- -dx
- 関数をコンパイルするかわりに、RTL を生成するのみの処理を行います。通常は ` r' とともに使用されます。
- -dj
- 最初のジャンプ最適化の後に、` file .jump' に対してダンプします。
- -ds
- 共通部分式削除 (しばしば共通部分式削除に続くジャンプ最適化も含みます) の終了時に ` file .cse' に対してダンプします。
- -dL
- ループ最適化終了時に ` file .loop' に対してダンプします。
- -dt
- 第 2 共通部分式削除段階 (しばしば共通部分式削除に続くジャンプ最適化も含みます) の終了時に、` file .cse2' に対してダンプします。
- -df
- フロー解析終了後に、` file .flow' に対してダンプします。
- -dc
- 命令コンビネーション終了時に ` file .combine' に対してダンプします。
- -dS
- 第 1 命令スケジューリング段階終了時に ` file .sched' に対してダンプします。
- -dl
- ローカルレジスタ割り当て終了時に ` file .lreg' に対してダンプします。
- -dg
- グローバルレジスタ割り当て終了時に ` file .greg' に対してダンプします。
- -dR
- 第 2 命令スケジューリング段階終了時に ` file .sched2' に対してダンプします。
- -dJ
- 最終ジャンプ最適化終了時に ` file .jump2' に対してダンプします。
- -dd
- 遅延分岐スケジューリング終了時に ` file .dbr' に対してダンプします。
- -dk
- レジスタからスタックへの転換終了時に ` file .stack' に対してダンプします。
- -da
- 以上の全てのダンプを生成します。
- -dm
- 処理の終了時に、メモリ使用に関する統計情報を標準エラー出力に出力します。
- -dp
- どのようなパターンや選択肢が使用されたかを示すコメントをアセンブラ出力中のコメントで解説します。
- -fpretend-float
- クロスコンパイラで処理を行なう際に、ホストマシンと同じ浮動小数点フォーマットをターゲットマシンが持つかのように振舞わせます。これは浮動小数点定数の誤った出力を引き起こしますが、実際の命令列はおそらく GNU CC をターゲットマシンで起動した場合と同じものとなるでしょう。
- -save-temps
- 通常の“一時”中間ファイルを消去せずに保存します。これらはカレントディレクトリに置かれ、ソースファイルに基づいた名前が付けられます。従って、` foo.c' を ` -c -save-temps' を使用してコンパイルした場合は、 ` foo.cpp', ` foo.s' が、` foo.o' と同様に生成されます。
- -print-libgcc-file-name= library
- ライブラリファイル ` library ' の完全な絶対名を表示します。このファイルはリンクの際のみに使用され、それ以外の働きはありません。このオプションが指定された場合は、GNU CC はコンパイルやリンクを何も行なわず、ただファイル名を表示するのみです。
- -print-libgcc-file-name
- ` -print-file-name=libgcc.a' と同じです。
- -print-prog-name= program
- ` -print-file-name' と似ていますが、`cpp' のような program を検索します。
最適化オプション
これらのオプションは様々な種類の最適化処理を制御します。- -O
- -O1
-
最適化を行います。最適化コンパイルは幾分長めの処理時間と、大きな関数に対する非常に多くのメモリを必要とします。
- -O2
- さらに最適化を行います。サポートされている最適化手段のうち、空間と速度のトレードオフを含まないものはほとんどの全て使用されます。例えばループのアンローリングや関数のインライン化は行われません。 -O と比較して、このオプションはコンパイル時間と生成コードの性能の双方を増加させます。
- -O3
- さらなる最適化を行います。これは -O2 が行う全ての最適化手段に加えて -finline-functions も有効にします。
- -Os
- サイズ優先で最適化します。普通、コードを増大させることのない全ての -O2 最適化が有効になります。更に、コードサイズを減らすように設計された最適化も行います。
- -O0
-
最適化を行いません。
` -fflag' の形式を持ったオプションは、マシン独立のフラグです。ほとんどのフラグは有効形式と無効形式の双方を持っています。` -ffoo' の無効形式は ` -fno-foo' です。以下のリストでは、デフォルトではない方の形式のみを示します。これに対して ` no-' を削除する、あるいは追加することによって双方の形式を生成することが可能です。
- -ffloat-store
-
浮動小数点変数をレジスタに格納しません。このオプションは 68000 のように (68881 の) 浮動小数点レジスタが
double よりも高い精度を持っていると思われるマシンにおいて、望まない超過精度を抑制することを可能にします。
- -fmemoize-lookups
- -fsave-memoized
-
コンパイルを高速に行なうために、ヒューリスティックスを使用します (C++ のみ)。これらのヒューリスティックスはデフォルトでは有効になっていません。なぜなら、これはある種の入力ファイルにしか効果がなく、その他のファイルではかえってコンパイルが低速になるからです。
- -fno-default-inline
- クラススコープ中に定義されたメンバ関数をデフォルトでインライン関数とする処理を行ないません (C++ のみ)。
- -fno-defer-pop
- それぞれの関数呼び出しに対して、関数のリターン直後に常に引数をポップします。関数呼出後に引数をポップしなければならないマシンにおいては、コンパイラは通常、いくつかの関数の引数をスタックに積んで、それらを同時にポップします。
- -fforce-mem
- メモリオペランドに対して、それらに対する演算が行なわれる前に、レジスタにコピーします。これは全てのメモリ参照を、潜在的な共通部分式であると定めることによって、より良いコードを生成します。もしそれが共通部分式でなかった場合は、命令コンビネーションによってレジスタへの読み込みは削除されます。私はこれがどのような違いを生み出すかということに興味があります。
- -fforce-addr
- メモリアドレス定数について、それらに対する演算が行なわれる前にレジスタにコピーします。これは ` -fforce-mem' と同じ手法でより良いコードを生成します。私はこれがどのような違いを生み出すかということに興味があります。
- -fomit-frame-pointer
-
フレームポインタをレジスタに格納する必要のない関数において、この処理を行いません。これはフレームポインタの保存、設定、復帰にかかる命令を省略し、さらに、多くの関数でレジスタ変数として使用できる余分なレジスタを得ることを可能にします。
ただし、このオプションはほとんどのマシンにおいてデバッグを不可能にします。
- -finline-functions
-
全ての単純な関数を呼び出し側に組み込んでしまいます。コンパイラはヒューリスティックスを用いて、どの関数がこの方法で組み込むに足りるほど単純かを決定します。
- -fcaller-saves
-
関数呼び出しにおいて破壊されるであろう値を、レジスタに保持することを可能とします。これはこのような呼び出しの周囲にレジスタに対する保存、復帰の特別なコードを出力することによって実現されます。このような割り当ては、それが通常よりも良いコードを出力するとみなされる場合にのみ行われます。
- -fkeep-inline-functions
- ある関数への呼び出しが全て呼び出し側に組み込むことができて、かつその関数が static と宣言されていたとしても、実行時に呼び出し可能な関数も生成します。
- -fno-function-cse
-
関数のアドレスをレジスタに置きません。つまり、定まった関数を呼び出すコードは、それぞれ明示的な関数のアドレスを含むコードとなります。
- -fno-peephole
- マシン固有のピープホール最適化を禁止します。
- -ffast-math
-
このオプションは生成コードのスピードのために、GCC に対して、いくつかの ANSI または IEEE の規則/規格を侵させます。例えば、このオプションは
sqrt 関数の引数は非負の数であることを仮定します。
以下のオプションは特殊な最適化に関する制御を行います。` -O2' オプションは` -funroll-loops' と ` -funroll-all-loops' を除くこれらの全てのオプションを有効にします。
` -O' オプションは通常 ` -fthread-jumps' と ` -fdelayed-branch' を有効とします。ただし、特殊なマシンではデフォルトの最適化に対して変更が加えられているかもしれません。
最適化に関する“きめ細かいチューニング”が必要な場合に、以下のフラグを使用することが可能です。
- -fstrength-reduce
- ループのストレングスリダクションと繰り返し変数の除去を行います。
- -fthread-jumps
- 分岐ジャンプによってある場所にジャンプした時に、最初の分岐に包括される比較が存在した時に、最初の分岐のジャンプ先を後者の分岐先に変更します。この変更先は、2 番目の分岐条件の真偽によって、2 番目の分岐のジャンプ先か、あるいは2 番目の分岐の直後に定められます。
- -funroll-loops
- ループ展開の最適化を行います。これはループの繰り返し数がコンパイル時、あるいはランタイムに決定できる時においてのみ、実行されます。
- -funroll-all-loops
- ループ展開の最適化を行います。これは全てのループに対して行われます。このオプションは大抵、より遅く動作するプログラムを生成します。
- -fcse-follow-jumps
- 共通部分式削除の処理において、ジャンプ命令の行先が他の経路から到達できない場合は、そのジャンプ命令を越えてスキャンを行ないます。例えば、共通部分式削除処理中に else 節を伴った if 文に出会った場合、条件が偽ならば分岐先に対しても共通部分式削除を続けます。
- -fcse-skip-blocks
- これは ` -fcse-follow-jumps' に似ていますが、ブロックを跨ぐジャンプに対しても共通部分式削除を継続します。共通部分式削除処理中に、else 節を持たない単純な if 文にであった時、 ` -fcse-skip-blocks' は if のボディを跨いだジャンプに対する共通部分式削除処理を継続します。
- -frerun-cse-after-loop
- ループ最適化が行なわれた後に、再度共通部分式削除の処理を行います。
- -felide-constructors
-
コンストラクタへの呼び出しが省略できるように思われる場合に、その呼び出しを省略します (C++ のみ)。このフラグを指定した場合は、GNU C++ は以下のコードに対して、一時オブジェクトを経由せずに
y を
foo への呼び出しの結果から直接初期化します。
- -fexpensive-optimizations
- 比較的コストの高いいくつかの些細な最適化を行います。
- -fdelayed-branch
- ターゲットマシンにおいてこのフラグがサポートされている場合は、遅延分岐命令後の命令スロットを命令の順番変更によって利用するように設定します。
- -fschedule-insns
- ターゲットマシンにおいてこのフラグがサポートされている場合は、必要なデータを利用可能になるまで待つことによる実行の遅滞を防ぐために、命令の順番の変更を行います。これは遅い浮動小数点命令やメモリ読み込み命令の実行において、それらの結果を必要とする命令の前に他の命令を詰め込みます。
- -fschedule-insns2
- ` -fschedule-insns' と似ていますが、レジスタ割当て処理の後にもう一度命令スケジューリングの段階を置きます。これは、比較的レジスタ数が少なく、メモリロード命令が 1 サイクルよりも多くを要するマシンにおいて、特に効果的です。
ターゲットオプション
デフォルトでは、GNU CC コンパイラは、現在使用しているマシンと同じタイプのコードをコンパイルします。しかし、GNU CC はクロスコンパイラとしてもインストールすることが可能です。実際には、異なったターゲットマシンのための様々なコンフィギュレーションの GNU CC は、同時にいくつもインストールすることが可能です。そこで、どの GNU CC を使用するかを指定するために、` -b' オプションを使用することができます。これに加えて、古い、あるいはより新しいバージョンの GNU CC も同時にいくつもインストールしていくことができます。これらのうち 1 つ (おそらくもっとも新しいもの) がデフォルトとなります。しかし、ひょっとしたら別のものを使いたくなるかもしれません。
- -b machine
-
引数
machine は、コンパイルのターゲットマシンを規定します。これは GNU CC をクロスコンパイラとしてインストールした時に有用です。
- -V version
-
引数
version は、起動される GNU CC のバージョンを規定します。これは複数のバージョンがインストールされている場合に有用です。例えば、
version が `
2.0' ならば、GNU CC バージョン 2.0 を起動することを意味します。
マシン依存オプション
それぞれのターゲットマシンタイプは、それぞれの特別なオプションを持つことが可能です。` -m' で始まるオプション群は、様々なハードウェアモデルやコンフィギュレーション—例えば 68010 と 68020、浮動小数点コプロセッサの有無—などを選択できます。このオプションを指定することによって、コンパイラはどれか 1 つのモデル、あるいはコンフィギュレーションに対するコンパイルが可能です。いくつかのコンフィギュレーションは、通常はそのプラットフォーム上の他のコンパイラとのコマンドラインに関するの互換性をとるための特別なオプションを用意しています。
以下は 68000 シリーズのために定義された ` -m' オプションです。
- -m68000
- -mc68000
- 68000 のためのコードを生成します。これは 68000 ベースのシステムに対してコンフィギュレーションを行なったコンパイラのデフォルトです。
- -m68020
- -mc68020
- (68000 ではなく) 68020 のためのコードを生成します。これは 68020 ベースのシステムに対してコンフィギュレーションを行なったコンパイラのデフォルトです。
- -m68881
- 浮動小数点演算のために 68881 命令を含んだ出力を行います。これはほとんどの 68020 ベースのシステムにおいて、コンパイラのコンフィギュレーション時に -nfp を指定されなかった場合のデフォルトです。
- -m68030
- 68030 のためのコードを生成します。これは 68030 ベースのシステムに対してコンフィギュレーションを行なったコンパイラのデフォルトです。
- -m68040
- 68040 のためのコードを生成します。これは 68040 ベースのシステムに対してコンフィギュレーションを行なったコンパイラのデフォルトです。
- -m68020-40
- 68040 のためのコードを生成しますが、新しい命令を使用しません。この結果として得られるコードは、68020/68881, 68030, 68040 のいずれのシステムにおいても、比較的高い性能を持ちます。
- -mfpa
- 浮動小数点演算のために Sun FPA 命令を含んだ出力を行います。
- -msoft-float
- 浮動小数点演算のためにライブラリを呼び出す出力を行います。 警告: この必須のライブラリは GNU CC の一部としては含まれません。通常はそのマシンの一般的な C コンパイラの提供するものを使用しますが、これは通常の方法ではクロスコンパイルで直接使用することはできません。クロスコンパイルを行ないたい場合は、自分自身で必要なライブラリ関数を用意する必要があります。
- -mshort
- int 型を short int 型のように 16 ビット幅とみなします。
- -mnobitfield
- ビットフィールド命令を使用しません。` -m68000' は暗黙のうちに ` -mnobitfield' を含みます。
- -mbitfield
- ビットフィールド命令を使用します。` -m68020' は暗黙のうちに ` -mbitfield' を含みます。これは変更されていないソースの場合のデフォルトです。
- -mrtd
-
固定個数の引数をとる関数に対して、異なった関数呼び出し規約を使用します。これは、リターン時に引数をポップする
rtd 命令を利用するものです。これは呼び出し側で引数をポップさせる必要がないために、1 命令を省略することが可能となります。
以下は Vax のために定義された ` -m' オプションです。
- -munix
- 特定のいくつかのジャンプ命令 ( aobleq 等) を出力しません。これらの命令で長いレンジを使用した場合、 Vax 用の Unix アセンブラはこれを処理できません。
- -mgnu
- これらのジャンプ命令を出力します。アセンブルには GNU アセンブラの使用を仮定します。
- -mg
- 浮動小数点数について、d-フォーマットではなく、g-フォーマットのためのコードを出力します。
以下は SPARC でサポートされている ` -m' スイッチです。
-mfpu
- -mhard-float
- 浮動小数点命令を含む出力を行います。これはデフォルトです。
-mno-fpu
- -msoft-float
-
浮動小数点の処理のためにライブラリを呼び出す出力を行います。
警告: SPARC 用の GNU 浮動小数点ライブラリは存在しません。通常はそのマシンの一般的な C コンパイラの提供するものを使用しますが、これは通常の方法ではクロスコンパイルで直接使用することはできません。クロスコンパイルを行ないたい場合は、自分自身で必要なライブラリ関数を用意する必要があります。
-mno-epilogue
- -mepilogue
-
-mepilogue を指定することによって (デフォルト)、コンパイラは関数を抜けるためのコードを常に関数の最後に出力します。関数の途中で関数を抜けるコードは全て、関数の最後の終了コードへのジャンプとして生成されます。
-mno-v8
- -mv8
- -msparclite
-
これらの 3 つのオプションは SPARC アーキテクチャのバリエーションを選択するために使用されます。
-mcypress
- -msupersparc
-
これら 2 つのオプションはコード最適化対象のプロセッサを選択するためのものです。
以下は Convex のために定義された ` -m' オプションです。
- -mc1
- C1 用の出力を行います。これはコンパイラが C1 用にコンフィギュレーションを行なわれた時のデフォルトです。
- -mc2
- C2 用の出力を行います。これはコンパイラが C2 用にコンフィギュレーションを行なわれた時のデフォルトです。
- -margcount
- 引数列の前に、引数の数をワードに置くコードを生成します。いくつかの可搬性のない Convex や Vax のプログラムはこのワードを必要とします。(デバッガは不定長引数リストを持つ関数を除いて、このワードを必要としません。これらの情報はシンボルテーブルに書かれます。)
- -mnoargcount
- 引数の数を示すワードを省略します。これは変更されていないソースを使用した場合のデフォルトです。
以下は、AMD Am29000 のために定義された ` -m' オプションです。
- -mdw
- DW ビットが立っていることを仮定したコードを出力します。これは、ハードウェアによってバイト操作やハーフワード操作がサポートされているということを意味します。これはデフォルトです。
- -mnodw
- DW ビットが立っていないことを仮定したコードを出力します。
- -mbw
- システムがバイト操作やハーフワード書き込み操作をサポートしていることを仮定したコードを生成します。これはデフォルトです。
- -mnbw
- システムがバイト操作やハーフワード書き込み操作をサポートしていないことを仮定したコードを生成します。これは暗黙のうちに ` -mnodw' を含みます。
- -msmall
- スモールメモリモデルを使用します。これは全ての関数のアドレスが単一の 256KB のセグメント内に入ることと、関数の絶対アドレスが 256K 以下にあることを仮定します。このオプションは call 命令を const, consth, calli シーケンスの代わりに使用することを可能にします。
- -mlarge
- call 命令が使用できることを仮定しません。これはデフォルトです。
- -m29050
- Am29050 用のコードを生成します。
- -m29000
- Am29000 用のコードを生成します。これはデフォルトです。
- -mkernel-registers
-
gr96-gr127 レジスタへの参照の代わりに
gr64-gr95 を参照するコードを生成します。このオプションは、ユーザのコードから使用できるグローバルレジスタから区別されたグローバルレジスタの集合を利用するカーネルのコードをコンパイルする時に使用できます。
- -muser-registers
- 通常のグローバルレジスタの集合 gr96-gr127 を使用します。これはデフォルトです。
- -mstack-check
- __msp_check への呼び出しをそれぞれのスタック調整の後に挿入します。これはしばしばカーネルのコードにおいて用いられます。
以下は、Motorola 88K アーキテクチャのために定義された ` -m' オプションです。
- -m88000
- m88100 と m88110 の双方で比較的高性能で動作するコードを生成します。
- -m88100
- m88100 に最適なコードを生成します。ただし m88110 においても動作します。
- -m88110
- m88110 に最適なコードを生成します。ただし m88100 においては動作しないかも知れません
- -midentify-revision
- アセンブラ出力中に、ソースファイル名、コンパイラ名とバージョン、タイムスタンプ、使用されたコンパイルフラグを記した ident ディレクティブを挿入します。
- -mno-underscores
- シンボル名の最初にアンダースコアキャラクタをつけないアセンブラ出力を生成します。デフォルトでは個々の名前に対して、アンダースコアをプレフィックスとして使用します。
- -mno-check-zero-division
- -mcheck-zero-division
- 初期の 88K のモデルはゼロによる除算の処理に問題を持っていました。特に、それらの多くにおいてトラップが生じなかったことは問題でした。これらのオプションを使用することによって、ゼロ除算を発見し、例外を知らせるコードを埋め込むことを禁止 (あるいは明示的に許可) することができます。全ての 88K 用の GCC のコンフィギュレーションは ` -mcheck-zero-division' をデフォルトとして使用しています。
- -mocs-debug-info
- -mno-ocs-debug-info
- 88Open Object Compatibility Standard “OCS”で定義された (それぞれのスタックフレーム中で使用されるレジスタに関する) 付加的なデバッグ情報を取り込みます (または省略します)。これらの付加的な情報は GDB によっては必要とされません。DG/UX, SVr4, Delta 88 SVr3.2 ではデフォルトでこの情報を含めます。その他の 88K コンフィギュレーションではデフォルトで省略します。
- -mocs-frame-position
- -mno-ocs-frame-position
- OCS で規定されているように、レジスタの値に対して、スタックフレーム中の特定の場所に保存されるという動作を強制します (あるいは要求しません)。 DG/UX, Delta88 SVr3.2, BCS のコンフィギュレーションでは ` -mocs-frame-position' をデフォルトとして、それ以外の 88k コンフィギュレーションでは ` -mno-ocs-frame-position' をデフォルトとして使用しています。
- -moptimize-arg-area
- -mno-optimize-arg-area
- 関数の引数がどのような方法でスタックフレームに格納されるかを指定します。 ` -moptimize-arg-area' はスペースを節約しますが、いくつかのデバッガ (GDB は含まれない) をクラッシュさせます。` -mno-optimize-arg-area' はより標準に従っています。デフォルトでは GCC は引数エリアの最適化を行いません。
- -mshort-data- num
- データ参照時に、それらの処理を r0 からの相対参照で行なうことによって小さなコードにすることを可能とします。これは値のロードを (その他の場合は 2 命令かかるところを) 1 命令で行なうことを可能にします。 num をこのオプションとともに指定することによって、どのデータ参照が影響を受けるかを指定することができます。例えば ` -mshort-data-512' を指定すると、512 バイト以内のディスプレースメントのデータ参照が影響を受けることになります。 ` -mshort-data- num' は num が 64K よりも大きな時は効果を持ちません。
-mserialize-volatile
- -mno-serialize-volatile
-
volatile なメモリへの参照について、シーケンシャルな整合性を持ったコードを生成する、あるいは生成しません。
-msvr4
- -msvr3
- System V release 4 (SVr4) に関連したコンパイラの拡張を有効 (` -msvr4') あるいは無効 (` -msvr3') にします。これは以下の内容を制御します。
- •
- 生成するアセンブラの文法の種類 (これは ` -mversion-03.00' を使用することによって独立に制御できます)。
- •
- ` -msvr4' は C プリプロセッサに対して ` #pragma weak' を理解させます。
- •
- ` -msvr4' は、GCC に SVr4 によって使用されている付加的な宣言ディレクティブを生成させます。
` -msvr3' は、SVr4 を除く全ての m88K コンフィギュレーションにおけるデフォルトです。
- -mtrap-large-shift
- -mhandle-large-shift
- 31 ビットより大きいビットシフトを検出するコードを埋め込みます。これらのオプションを指定することによって、それぞれトラップ、あるいは適切に処理するコードが埋め込まれます。デフォルトでは GCC は大きなビットシフトには特別な対策を行いません。
- -muse-div-instruction
- 非常に初期の 88K アーキテクチャのモデルは除算命令を持っていません。従って、GCC はデフォルトでは除算命令を生成しません。このオプションは除算命令が安全に使用できるということを指定します。
- -mversion-03.00
- DG/UX コンフィギュレーションには、2 つの SVr4 の種類があります。このオプションは -msvr4 オプションによって hybrid-COFF と real-ELF のどちらが使用されるかを選択します。他のコンフィギュレーションはこのオプションを無視します。
- -mwarn-passed-structs
- 関数に対して構造体を渡した場合と、関数が構造体を返した場合に警告します。構造体を渡す規約は C 言語の発展の中で変化しており、移植性の問題をしばしば生じることになります。デフォルトでは GCC はこの警告を行いません。
以下のオプションは IBM RS6000 のために定義されたものです。
-mfp-in-toc
- -mno-fp-in-toc
- 浮動小数点定数を Table of Contents (TOC) に入れるかどうかを指定します。このテーブルは全てのグローバル変数と関数のアドレスを格納します。デフォルトでは GCC は浮動小数点定数をここに格納します。もし TOC が算術あふれをおこす場合は、` -mno-fp-in-toc' を使用することによって TOC のサイズを小さくすることが可能であり、算術あふれを防ぐことができるでしょう。
以下は IBM RT PC 用に定義された ` -m' オプションです。
- -min-line-mul
- 整数の乗算に対してインラインのコード列を生成します。これはデフォルトです。
- -mcall-lib-mul
- 整数の乗算に対して lmul$$ を呼び出します。
- -mfull-fp-blocks
- フルサイズの浮動小数点データブロックを生成します。これは IBM によって推奨されている最低限のスクラッチスペースの量を包含します。これはデフォルトです。
- -mminimum-fp-blocks
- 浮動小数点データブロック内に特別なスクラッチスペースを含めません。これによって、より小さなコードが生成されますが、実行は遅くなります。なぜならスクラッチスペースが動的に確保されるからです。
- -mfp-arg-in-fpregs
- IBM の関数呼び出し規約とは互換性のない呼び出し手順を使用します。この規約では浮動小数点引数を浮動小数点レジスタに入れて渡します。このオプションを指定すると、 varargs.h や stdarg.h で浮動小数点オペランドが使用できなくなることに注意して下さい。
- -mfp-arg-in-gregs
- 浮動小数点に対して通常の関数呼び出し規約を使用します。これはデフォルトです。
- -mhc-struct-return
- 1 ワードより大きな構造体を返す時に、レジスタではなくメモリを使用して返します。これは MetaWare HighC (hc) コンパイラとの互換性を提供します。` -fpcc-struct-return' を使用することによって Portable C Compiler (pcc) との互換性を得ることができます。
- -mnohc-struct-return
- 1 ワードより大きな構造体を返す時に、レジスタによって返される場合があります。これはその方が便利であると考えられる時に使用されます。これはデフォルトです。 IBM が提供するコンパイラとの互換性を得るためには、` -fpcc-struct-return' と ` -mhc-struct-return' の双方を使用します。
以下は MIPS ファミリのために定義された ` -m' オプションです。
- -mcpu= cpu-type
- 命令スケジューリング時に、デフォルトのマシンタイプを cpu-type に仮定します。デフォルトの cpu-type は default です。この選択はすべてのマシンに対する最長のサイクル数を元にコードを生成します。これは、生成されるコードがどの MIPS cpu においても適当な速度で処理されるようにするためです。これ以外の cpu-type の選択としては、 r2000, r3000, r4000, r6000 があります。特定の cpu-type を選択した場合は、その特定のチップに適したスケジュールが行われます。コンパイラは、 -mips2 または -mips3 スイッチが使用されていない場合は、MIPS ISA (instruction set architecture) のレベル 1 に合致しないコードを生成することはありません。
- -mips2
- MIPS ISA のレベル 2 (branch likely 命令, 平方根命令) による命令群を出力します。 -mcpu=r4000 と -mcpu=r6000 スイッチは、 -mips2 と共に使用される必要があります。
- -mips3
- MIPS ISA のレベル 3 (64 ビット命令) を含む命令群を出力します。 -mcpu=r4000 スイッチは、 -mips2 と同時に使用する必要があります。
- -mint64
- -mlong64
- -mlonglong128
- これらのオプションは現在動作しません。
- -mmips-as
- MIPS アセンブラのためのコードを生成し、 mips-tfile を起動して通常のデバッグ情報を追加します。これは OSF/1 リファレンスプラットフォーム以外の全てのプラットフォームにおけるデフォルトです。 OSF/1 リファレンスプラットフォームは OSF/rose オブジェクトフォーマットを使用します。スイッチ -ggdb, -gstabs, -gstabs+ のうちのどれかが使用されている場合は、 mips-tfile プログラムは、stabs を MIPS ECOFF 中にカプセル化します。
- -mgas
- GNU アセンブラ用のコードを生成します。これは OSF/1 リファレンスプラットフォームにおけるデフォルトです。OSF/1 リファレンスプラットフォームは OSF/rose オブジェクトフォーマットを使用します。
- -mrnames
- -mno-rnames
- -mrnames スイッチは出力コードにおいて、レジスタの名前として、ハードウェア名の代わりに MIPS ソフトウェア名を使用することを指定します。(つまり、 a0 を $4 の代わりに使用します)。 GNU アセンブラは -mrnames スイッチをサポートしません。MIPS アセンブラはソースファイルに対して MIPS C プリプロセッサを起動するでしょう。 -mno-rnames スイッチがデフォルトです。
- -mgpopt
- -mno-gpopt
- -mgpopt スイッチは、全てのデータ宣言をテキストセクション中の全命令の前に書き出すことを指定します。これによって、全ての MIPS アセンブラは、ショートグローバル、あるいは静的なデータアイテムに対して、2 ワードではなく、1 ワードのメモリ参照命令を生成します。これは最適化が指定された場合のデフォルトです。
- -mstats
- -mno-stats
- -mstats が指定された場合は、コンパイラによってインラインでない関数が処理されるごとに、標準エラー出力ファイルに対して、そのプログラムに対する統計情報を示す 1 行のメッセージを出力します。このメッセージは、保存したレジスタの数、スタックのサイズなどを示します。
- -mmemcpy
- -mno-memcpy
- -mmemcpy スイッチは、全てのブロック転送に対して、インラインコードを生成する代わりに、適切なストリング関数 ( memcpy または bcopy) を呼び出すコードを生成します。
- -mmips-tfile
- -mno-mips-tfile
- -mno-mips-tfile スイッチを指定すると、 MIPS アセンブラがデバッグサポートのために生成したオブジェクトファイルに対し、 mips-tfile を使用した後処理を行いません。 mips-tfile が実行されないと、デバッガからはローカル変数を扱うことができません。さらに、 stage2 と stage3 のオブジェクトはアセンブラに渡される一時的なファイル名をオブジェクトファイル中に埋め込まれて持っており、このためそれらを比較した場合に同一のものとはみなされません。
- -msoft-float
- 浮動小数点演算のためにライブラリを呼び出す出力を行います。 警告: この必須のライブラリは GNU CC の一部としては含まれません。通常はそのマシンの一般的な C コンパイラの提供するものを使用しますが、これは通常の方法ではクロスコンパイルで直接使用することはできません。クロスコンパイルを行ないたい場合は、自分自身で必要なライブラリ関数を用意する必要があります。
- -mhard-float
- 浮動小数点命令を含んだ出力を生成します。これは変更されないソースを使用した場合のデフォルトです。
- -mfp64
- ステータスワード中の FR ビットが立っていることを仮定します。これは 32 個の 32 ビット浮動小数点レジスタの代わりに、32 個の 64 ビットの浮動小数点レジスタが存在するということを示します。この場合は、同時に -mcpu=r4000 と -mips3 スイッチを指定する必要があります。
- -mfp32
- 32 個の 32 ビット浮動小数点レジスタが存在するということを仮定します。これはデフォルトです。
-mabicalls
- -mno-abicalls
- いくつかの System V.4 の移植が位置独立コードのために使用する疑似命令 .abicalls, .cpload, .cprestore を出力する、あるいは出力しません。
- -mhalf-pic
- -mno-half-pic
- -mhalf-pic スイッチは、テキストセクション中に参照を配置する代わりに、外部参照を行なうポインタをデータセクションに配置し、それをロードする動作を指定します。このオプションは現在まだ動作しません。 -G num は num バイト以下のグローバル、あるいは静的なアイテムを、通常のデータや bss セクションではなく、小さなデータ、または bss セクションに配置することを指定します。これによりアセンブラは、通常では 2 ワードの参照を行うところを、グローバルポインタ ( gp または $28) を基準とした 1 ワードのメモリ参照命令を生成可能となります。デフォルトでは MIPS アセンブラが使用される場合、 num は 8 です。また、GNU アセンブラが使用される場合のデフォルトは 0 です。 -G num スイッチはアセンブラ、リンカにも同様に渡されます。全てのモジュールは同一の -G num の値でコンパイルされなければなりません。
- -nocpp
- MIPS アセンブラに、ユーザアセンブラファイル (` .s' 拡張子を持ちます) に対するアセンブル時のプリプロセッサの起動を抑制させます。
以下は、Intel 80386 ファミリ用に定義された ` -m' オプションです。
- -m486
- -mno-486
- 386 ではなく 486 に最適化されたコードを出力する、あるいはその逆を行なう指定を行います。486 用に生成されたコードは 386 で実行可能であり、逆もまた可能です。
- -mpentium
- -mcpu=pentium と同義です。
- -mpentiumpro
- -mcpu=pentiumpro と同義です。
- -mcpu= cpu type
- 命令をスケジューリングする際のマシンタイプのデフォルトを設定します。 CPU TYPE の選択肢は i386, i486, i586 (pentium), pentium, i686 (pentiumpro), および pentiumpro です。ある CPU TYPE を選ぶと、その特定チップに適するようにスケジューリングを行いますが、 -march= cpu type オプションを指定しない限り、コンパイラは i386 で実行できないようなコードは生成しません。
- -march= cpu type
- マシンタイプ CPU TYPE 用に命令を生成します。 CPU TYPE の選択肢は i386, i486, pentium, および pentiumpro です。 -march= cpu type を指定すると -mcpu= cpu type も指定されたものとみなします。
- -msoft-float
-
浮動小数点演算のためにライブラリを呼び出す出力を行います。
警告: この必須のライブラリは GNU CC の一部としては含まれません。通常はそのマシンの一般的な C コンパイラの提供するものを使用しますが、これは通常の方法ではクロスコンパイルで直接使用することはできません。クロスコンパイルを行ないたい場合は、自分自身で必要なライブラリ関数を用意する必要があります。
- -mno-fp-ret-in-387
-
関数からの返り値に FPU のレジスタを使用しません。
- -mprofiler-epilogue
- -mno-profiler-epilogue
- 関数から抜けるコードにてプロファイル情報を書き出す追加コードを生成します。
以下は HPPA ファミリ用に定義された ` -m' オプションです。
- -mpa-risc-1-0
- PA 1.0 プロセッサ用のコードを出力します。
- -mpa-risc-1-1
- PA 1.1 プロセッサ用のコードを出力します。
- -mkernel
- カーネルに適したコードを生成します。特に、引数の 1 つとして DP レジスタをとる add 命令の使用を抑制し、その代わりに、 addil 命令を生成します。これは HP-UX リンカの深刻なバグを避けるための措置です。
- -mshared-libs
- HP-UX 共有ライブラリとリンクさせるコードを生成します。このオプションはまだ完全に動作しているわけではなく、どの PA ターゲットにおいてもデフォルトになっていません。このオプションを指定すると、コンパイラは誤ったコードを出力し得ます。
- -mno-shared-libs
- 共有ライブラリとリンクしないコードを生成します。これは全ての PA ターゲットにおいてデフォルトのオプションです。
- -mlong-calls
- 関数の呼び出し先と呼び出し元が同一ファイルに含まれた場合、呼び出し時の距離が 256K を越える場合でも動作するようなコードを出力します。このオプションは、リンカから“branch out of range errors”でリンクを拒否された時以外には使用しないようにしてください。
- -mdisable-fpregs
- いかなる形においても、浮動小数点レジスタの使用を禁止します。これは浮動小数点レジスタに配慮しないコンテキストスイッチを行なうカーネルに対して有効です。このオプションを使用して、浮動小数点処理を行なおうとすると、コンパイラはアボートします。
- -mdisable-indexing
- コンパイラに対して、indexing addressing mode を使用しないように指定します。これによって MACH において MIG によって生成されたコードをコンパイルする際の、あまり重要でないいくつかの問題を防ぐことができます。
- -mtrailing-colon
- ラベル定義の後にコロンを加えます (ELF アセンブラ用)。
以下は、Intel 80960 ファミリ用に定義された ` -m' オプションです。
- -m cpu-type
- デフォルトのマシンタイプを cpu-type に仮定します。これは生成する命令とアドレッシングモード、そして境界条件に関係します。デフォルトの cpu-type は kb です。その他の選択としては ka, mc, ca, cf, sa, sb があります。
- -mnumerics
- -msoft-float
- -mnumerics オプションはプロセッサが浮動小数点命令をサポートすることを示します。 -msoft-float オプションは浮動小数点サポートを仮定しないことを示します。
- -mleaf-procedures
- -mno-leaf-procedures
- 葉に位置する手続きについて、 call 命令と同様に bal 命令でも呼び出すことを可能とします (あるいは、しません)。これは bal 命令がアセンブラ、またはリンカによって置き換えられ得る場合には、直接呼び出しに対して効率の良いコードを得ることができます。ただし、それ以外の場合は効率の良くないコードを生成します。例えば、関数へのポインタ経由の呼び出しや、この最適化をサポートしないリンカを使用した場合などがこれに該当します。
- -mtail-call
- -mno-tail-call
- (マシン非依存の部分を越えて) 末尾再帰を分岐に変換する処理に関するさらなる最適化を行います(または行いません)。この手法の適用が正当でないということに関する判断が完全ではないので、まだこのオプションを使用することは適当でないかもしれません。デフォルトは -mno-tail-call です。
- -mcomplex-addr
- -mno-complex-addr
- この i960 の実装では複雑なアドレッシングモードの使用が優位であると仮定します (あるいは仮定しません)。複雑なアドレッシングモードは K-シリーズでは使用する価値は無いかも知れませんが、 C-シリーズでは確かに使用する価値があります。現在は -mcomplex-addr が、CB と CC を除く全てのプロセッサにおけるデフォルトです。
- -mcode-align
- -mno-code-align
- より高速なフェッチのためにコードを 8 バイトにアラインします (または何もしません)。現在では C シリーズの実装においてのみデフォルトで有効にしています。
- -mic-compat
- -mic2.0-compat
- -mic3.0-compat
- iC960 v2.0 または v3.0 との互換性を持たせます。
- -masm-compat
- -mintel-asm
- iC960 アセンブラとの互換性を持たせます。
- -mstrict-align
- -mno-strict-align
- アラインされないアクセスを許可しません (あるいは許可します)。
- -mold-align
- Intel による gcc リリースバージョン 1.3 (gcc 1.37 ベース) との構造体の境界条件に関する互換性を持たせます。現在は、 #pragma align 1 が同時に仮定されてしまい、無効化できないというバグを持っています。
以下は、DEC Alpha 用に定義された ` -m' オプションです。
- -mno-soft-float
- -msoft-float
-
浮動小数点操作に対して、ハードウェアによる浮動小数点命令を使用します (しません)。もし、
-msoft-float が指定された場合は、`
libgcc1.c' 内の関数が浮動小数点演算に使用されます。ただし、これらのルーチンが浮動小数点演算をエミュレートするルーチンによって置き換えられているか、そのようなエミュレーションルーチンを呼び出すようにコンパイルされているのでない限り、これらのルーチンは浮動小数点演算を行なってしまいます。浮動小数点演算のない Alpha のためのコンパイルを行なうためには、ライブラリもこれらを呼び出さないようにコンパイルされていなければなりません。
- -mfp-reg
- -mno-fp-regs
-
浮動小数点レジスタセットを使用する (使用しない)コードを生成します。
-mno-fp-regs は暗黙のうちに
-msoft-float を含みます。浮動小数点レジスタセットが使用されない場合は、浮動小数点オペランドは整数レジスタに入れられて渡され、浮動小数点数の結果は $f0 ではなく $0 に入れて返されます。これは非標準の関数呼び出し手順であり、浮動小数点数の引数や返り値を持つ関数で、
-mno-fp-regs をつけてコンパイルされたコードから呼び出される関数はすべてこのオプションをつけてコンパイルされている必要があります。
ここに追加するオプションは System V Release 4 において、これらのシステム上の他のコンパイラとの互換性のために提供されるものです。
- -G
- SVr4 システムにおいて、 gcc は ` -G' オプションを受け付けます (そしてこれをシステムリンカに渡します)。これは他のコンパイラとの互換性のためです。しかし、リンカオプションを gcc のコマンドラインから渡すよりも、我々は ` -symbolic' または ` -shared' の使用が適当であると考えています。
- -Qy
- コンパイラが使用したそれぞれのツールのバージョンを .ident アセンブラディレクティブを使用して、出力で明示します。
- -Qn
- .ident ディレクティブを出力に加えることを抑制します (これはデフォルトです)。
- -YP, dirs
- ` -l' で指定されたライブラリに対して、 dirsで規定されたディレクトリのみを検索し、他は検索しません。 dirs 中は、1 つのコロンで区切ることにより、複数のディレクトリエントリを記述します。
- -Ym, dir
- M4 プリプロセッサを dir に検索します。アセンブラがこのオプションを使用します。
コード生成オプション
これらのマシン独立オプションは、コード生成にて使用されるインタフェース規約を制御します。これらのほとんどは `-f' で始まります。これらのオプションは有効形式と無効形式の 2 つの形式を持っています。` -ffoo' の無効形式は ` -fno-foo' です。以下に挙げる表においては、このうち、デフォルトではない片方のみが挙げられています。` no-' を追加するか、削除するかによって双方の形式を得ることができます。
- -fnonnull-objects
-
参照型によって参照されるオブジェクトはヌルでないと仮定します (C++ のみ)。
- -fpcc-struct-return
- struct と union の値を返す場合に、普通の C コンパイラが行なうのと同じ規約を使用します。この規約は小規模な構造体に対して非効率なものとなり、また多くのマシンでその関数を再入不可能としてしまいます。しかしこれは、GCC でコンパイルされたコードと PCC でコンパイルされたコードを相互に呼び出すことを可能とするという利点を持ちます。
- -freg-struct-return
-
struct と
union の値を返す場合に、可能な場合はレジスタを使用する規約を使用します。これは
-fpcc-struct-return を使用した場合と比較して、小さな構造体を返す場合に高い性能を発揮します。
- -fshort-enums
- enum 型に対して、ちょうど取り得る値の範囲に応じたバイト数の型を与えます。具体的には、 enum 型は、その値域を格納するに十分な最小の整数型と等価になります。
- -fshort-double
- double を float と同サイズにします。
- -fshared-data
- データと非 const 変数を、プライベートなデータではなく、共有データとしてコンパイルします。このオプションは、走行中の同じプログラム間は共有データが共有され、プライベートデータがそれぞれのプロセスに 1 つずつ与えられるような一部のオペレーティングシステムで意味を持ちます。
- -fno-common
- bss セクション中の初期化されていないグローバル変数に対してでも、共通ブロックに生成するのではなく、領域を割り当てます。このオプションは、( extern をつけずに) 同一の変数を宣言した 2 つのコンパイルに対して、リンク時にエラーを発生するという効果があります。このオプションは、常にこのような動作を行なうシステムにおいても、プログラムが正常に動作するかどうかを検査する場合にのみ有用です。
- -fno-ident
- ` #ident' ディレクティブを無視します。
- -fno-gnu-linker
- (C++ のコンストラクタとデストラクタのような) グローバルな初期化のコードを (GNU リンカがこれらを扱う標準のシステムであるようなシステムにおいて) GNU リンカで使用される形式で出力しません。これは GNU リンカではないリンカを使用する場合に指定します。この場合、 collect2 を使用して、確実にシステムリンカにコンストラクタとデストラクタを含んだコードを出力させる必要があります。( collect2 は GNU CC のディストリビューションに含まれます。) collect2 を 必ず使用しなければならない システムにおいては、コンパイラドライバ gcc は自動的にそのようにコンフィギュレーションされます。
- -finhibit-size-directive
- .sizeアセンブラディレクティブなど、関数が途中で分割され、メモリ上の異なった位置にそれぞれの部分が配置されるような場合に不都合が生じるような要素を出力しません。このオプションは ` crtstuff.c' をコンパイルする時に使用されます。それ以外の場所ではこれを使用する必要はありません。
- -fverbose-asm
- 出力のアセンブラ中に特別なコメント情報を追加し、可読性を高めます。このオプションは一般的には、出力のアセンブラコードを本当に読みたい場合 (例えばコンパイラ自身をデバッグしているような場合) にのみ効果があります。
- -fvolatile
- ポインタによるメモリの参照を全て volatile として扱います。
- -fvolatile-global
- 外部変数やグローバルデータアイテムへのメモリ参照を全て volatile として扱います。
- -fpic
- このオプションがターゲットマシンでサポートされていれば、位置独立なコードを出力します。このオプションは共有ライブラリでの使用に適します。
- -fPIC
- このオプションがターゲットマシンでサポートされていれば、位置独立なコードを出力します。このオプションはダイナミックリンクに適しており、分岐において大きなディスプレースメントを要求する場合にも適応します。
- -ffixed- reg
-
名前が
reg のレジスタを固定レジスタとして扱います。生成されたコードはこのレジスタを参照しません (ただし、スタックポインタ、フレームポインタ、その他固定用途の場合を除きます)。
- -fcall-used- reg
-
名前が
reg のレジスタを、関数呼び出しによって破壊される割り当て可能のレジスタとして取り扱います。これは、関数呼び出しを跨いで存在しない一時領域や変数として割り当ることができます。この指定でコンパイルされた関数は、レジスタ
reg の保存や復帰を行いません。
- -fcall-saved- reg
-
名前が
reg のレジスタを、関数によって保存される割り当て可能なレジスタとして取り扱います。これは、関数呼び出しを跨いで存在する一時領域や変数としても割り当てることができます。この指定でコンパイルされた関数は、レジスタ
reg を使用する場合、その保存と復帰を行います。
プラグマ
2 つの ` #pragma' ディレクティブ(指令)が GNU C++ によってサポートされています。これは、1 つのヘッダファイルを 2 つの目的、つまりあるオブジェクトクラスのためのインタフェースの定義としての目的と、オブジェクトクラスに含まれる内容の完全な定義としての目的の、両方の目的で使用するためのものです。- #pragma interface
- (C++ のみ) このディレクティブを、オブジェクトクラスを定義しているヘッダファイル中に使用することによって、それらのクラスを使用するほとんどのオブジェクトファイルの大きさを減少させることができます。通常は、特定の情報 (インラインメンバ関数のバックアップコピー、デバッグ情報、仮想関数実現のための内部テーブル) の複製がそのクラス定義をインクルードしたそれぞれのオブジェクトファイル中に置かれます。このプラグマを使用することによって、このような複製を防ぐことが可能となります。` #pragma interface' を含んだヘッダファイルをインクルードした場合は、これらの追加情報は生成されません (ただし、メインの入力ソースファイル自身が ` #pragma implementation' を含んでいる場合を除きます)。そのかわり、オブジェクトファイルはリンク時に解決される参照を含むことになります。
- #pragma implementation
- #pragma implementation " objects .h"
-
(C++ のみ) インクルードされたヘッダファイルによる完全な出力を生成させたい (またそれをグローバルに可視化したい) 場合には、メインの入力ファイル中でこのプラグマを使用します。この場合、インクルードされるヘッダファイルは、`
#pragma interface' を使用していなければなりません。インライン関数のバックアップ情報、デバッグ情報、仮想関数実現用の内部テーブルは、全てインプリメンテーションファイル中に生成されます。
関連ファイル
file.c C 言語ソースファイル
file.h C 言語ヘッダ (プリプロセッサ) ファイル
file.i プリプロセス済みの C 言語ソースファイル
file.C C++ ソースファイル
file.cc C++ ソースファイル
file.cxx C++ ソースファイル
file.m Objective-C ソースファイル
file.s アセンブリ言語ファイル
file.o オブジェクトファイル
a.out リンクエディット済みの出力
TMPDIR/cc∗ 一時ファイル群
LIBDIR/cpp プリプロセッサ
LIBDIR/cc1 C 言語コンパイラ
LIBDIR/cc1plus C++ コンパイラ
LIBDIR/collect いくつかのマシンで必要となるリンカのフロントエンド
LIBDIR/libgcc.a GCC サブルーチンライブラリ
/lib/crt[01n].o スタートアップルーチン
LIBDIR/ccrt0 C++ 用の付加的なスタートアップルーチン
/lib/libc.a 標準ライブラリ、
intro(3)
を参照
/usr/include #include ファイルのための標準ディレクトリ
LIBDIR/include #include ファイルのための GCC 標準ディレクトリ
LIBDIR/g++-include #include ファイルのための付加的な g++ ディレクトリ
LIBDIR は通常 /usr/local/lib/ machine/ version の形式を持ちます
関連項目
as(1), cpp(1), gdb(1), ld(1)バグ
バグを報告する方法については、GCC マニュアルを参照してください。COPYING
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Permission is granted to copy and distribute modified versions of this manual under the conditions for verbatim copying, provided that the entire resulting derived work is distributed under the terms of a permission notice identical to this one.
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作者
GNU CC に対して貢献した人々に関しては、GNU CC マニュアルを参照してください。日本語訳
細川達己(hosokawa@mt.cs.keio.ac.jp): NetBSD 用に翻訳1998/12/16 | GNU Tools |