ROUTE6D(8) | FreeBSD System Manager's Manual | ROUTE6D(8) |
名称
route6d — RIP6 ルーティングデーモン書式
route6d | [ -adDhlnqsS][ -R routelog][ -A prefix/preflen,if1[,if2...]][ -L prefix/preflen,if1[,if2...]][ -N if1[,if2...]][ -O prefix/preflen,if1[,if2...]][ -P number][ -p pidfile][ -Q number][ -T if1[,if2...]][ -t tag] |
解説
route6d ユーティリティは、RIP over IPv6 をサポートするルーティングデーモンです。オプションは、次の通りです:
- -a
- 静的に定義された経路のエイジングを有効にします。このオプションが指定されると、静的に定義された経路は、あたかも route6d の開始時にその経路を受け取ったかのように、対応する経路更新情報が到着しないと削除されることになります。
- -R routelog
- このオプションは、 route6d にファイル routelog へ経路の変更 (追加/削除) を記録させます。
- -A prefix/preflen,if1[,if2...]
-
このオプションは、経路の集約のために使用されます。
prefix/preflen は、集約される経路のプレフィックスとプレフィックス長を指定します。経路を通知する時、
route6d は、集約に含まれる特定の経路をフィルタし、集約された経路
prefix/preflen を、コンマで区切られたリストで指定されたインタフェース
if1[,if2...] へ通知します。インタフェースリストの文字“
*
”, “?
”と“[
”は、シェルスタイルのパターンとして解釈されます。 route6d ユーティリティは、カーネルルーティングテーブル内に、 prefix/preflen への静的な経路を RTF_REJECT フラグ付で作成します。 - -d
- デバッグメッセージの出力を有効にします。このオプションは、 route6d に (デーモンモードではなく) フォアグラウンドモードで動作するようにも指示します。
- -D
- デバッグメッセージの拡張出力を有効にします。このオプションは、 route6d に (デーモンモードではなく) フォアグラウンドモードで動作するようにも指示します。
- -h
- split horizon 処理を無効にします。
- -l
- route6d は、デフォルトでは、安全上の理由からサイトローカルの経路を交換しません。これは、サイトローカルのアドレス空間はあいまいであり (仕様は、現在もまだ検討中です)、サイトローカルの境界を定義する良い方法がないためです。 -l オプションを指定すると、 route6d は、サイトローカルアドレスも変更します。 -l オプションは、全てのインタフェースが同じサイト内にあると仮定しているため、このオプションは、サイトの境界ルータでは使用してはいけません。
- -L prefix/preflen,if1[,if2...]
-
インタフェース
if1,[if2...] から到着する経路をフィルタします。
route6d は、
prefix/preflen の範囲内の経路を受け入れます。
-L オプションが複数指定された場合、オプションのうちのどれかひとつに適合する任意の経路が受け入れられます。
::/0
は、特別にデフォルト経路として扱われ、“0 以上のプレフィックス長を持つ任意の経路”とはなりません。任意の経路を受け入れたい場合には、 -L オプションを指定してはいけません。例えば、“ -L2001:db8::/16,if1
-L::/0,if1
”が指定されると、 route6d は、デフォルト経路と 6bone テストアドレスを受け入れますが、それ以外は、拒否します。 - -n
- カーネルの経路表を更新しません。
- -N if1[,if2...]
- if1,[if2...] で指定されたインタフェース上では、経路を待ち受けず、通知もしません。
- -O prefix/preflen,if1[,if2...]
- if1,[if2...] で指定されたインタフェースへの経路通知を制限します。このオプションを指定すると、 route6d は、 prefix/preflen に適合する経路のみを通知します。
- -P number
-
期限切れのタイマの計算で無視される経路を指定します。
number は、 1、2 または 3 でなければなりません、そして、それは、
RTF_PROTO1
,RTF_PROTO2
またはRTF_PROTO3
RTFXPROTO1、の経路フラグを意味します。1
が指定されるとき、RTF_PROTO1
がある経路は、決して期限が切れません。 - -p pidfile
- プロセス ID を格納する代替ファイルを指定します。デフォルトは、 /var/run/route6d.pid です。
- -Q number
-
RIP プロトコルによって追加された経路のために使用されるフラグを指定します。デフォルトは、
2
(RTF_PROTO2
) です。 - -q
- route6d を待ち受けモードにします。通知は、送信されません。
- -s
- route6d を起動された時にカーネルルーティングテーブル内に存在する静的に定義された経路を通知するようにします。通知は、一般的な split horizon 規則に従います。
- -S
- このオプションは、split horizon が適用されないことを除けば -s オプションと同じです。
- -T if1[,if2...]
- if1,[if2...] へはデフォルト経路のみを通知します。
- -t tag
-
発信元となる経路エントリに経路タグ
tag をつけます。
tag は、10 進数でも、
0
を前置する 8 進数でも、0x
を前置する 16 進数も指定可能です。
シグナル SIGINT か SIGUSR1 の受信により、 route6d は、現在の内部状態を /var/run/route6d_dump にダンプをとります。
関連ファイル
- /var/run/route6d_dump
- SIGINT や SIGUSR1 での内部状態のダンプ
関連項目
G. Malkin and R. Minnear, RIPng for IPv6, RFC2080, January 1997.注
route6d ユーティリティは、リンクローカルアドレスを使用して相手と通信をするために、 RFC2292 で定義された IPv6 advanced API を使用します。 route6d は、内部的にはインタフェース識別子をリンクローカルアドレス ( fe80::xx
と ff02::xx
) の 32 から 63 ビットに埋め込みますので、それらは、内部状態のダンプファイル ( /var/run/route6d_dump) で見ることで出来るでしょう。
ルーティングテーブルの操作は、IPv6 の実装毎に異なります。現在、 route6d は、WIDE Hydrangea/KAME IPv6 kernel に従い、他のプラットフォームでは、動作出来ません。
現在の route6d は、更新が連続到着しても、引き起こされる更新の頻度を減らしません。
November 18, 2012 | FreeBSD |