IOSTAT(8) | FreeBSD System Manager's Manual | IOSTAT(8) |
名称
iostat — I/O の統計値を報告する書式
iostat | [ -CdhIKoTxz?][ -c count][ -M core][ -n devs][ -N system][ -t type, if, pass][ -w wait][ drives] |
解説
iostat ユーティリティは、端末、デバイスと CPU 操作でのカーネルの I/O 統計値を表示します。最初に表示される統計値は、システム稼働中の平均値です。最近の活動情報を得るには、適切な待ち時間を指定すると、引き続いて表示される統計値が指定された時間の平均値になります。オプションは、次の通りです:
- -c
- 表示を count 回繰り返します。繰返し回数 count が指定されないなら、デフォルトは、 -w が指定されるかどうかに依存します。 -w をつけると、デフォルトの繰返し回数は、無限です、そうでなければ、1 です。
- -C
- CPU 統計情報を表示します。 -d または -x が指定されない限り、デフォルトでオンになっています
- -d
- デバイス統計情報のみを表示します。このフラグをオンにすると、 -C や -T も指定して CPU や TTY の統計情報を有効にしない限り、デバイス統計情報のみが表示されます。
- -h
- iostat を‘top’モードにします。このモードでは、 iostat は、計測サイクル毎の転送バイト数が高いデバイスから低いデバイスへ並べて表示します。
- -I
- 指定された期間における秒あたりの平均統計情報ではなく、指定された期間における合計の統計情報を表示します。
- -K
- 転送ブロック数の表示 (-o) において、デバイスのネイティブブロックサイズではなく、キロバイトでブロック数を表示します。
- -M
- 名前リストから値を取り出す際に、デフォルトの“ /dev/kmem”のかわりに指定した core を使います。
- -n
- devs までの数のデバイスのみを表示します。 devs 個よりもデバイス数が少ない場合には、 iostat ユーティリティが表示するデバイス数は、少なくなります。
- -N
- 名前のリストを取り出す際に、デフォルトの“ /boot/kernel/kernel”のかわりに指定された system を使います。
- -o
- 古いスタイルの iostat デバイス統計を表示します。秒あたりのセクタ数、秒あたりの転送回数、シークあたりのミリ秒が表示されます。 -I が指定されると、合計のブロック数/セクタ数、合計の転送回数、シークあたりのミリ秒が表示されます。
- -t
-
どのタイプのデバイスを表示するのかを指定します。デバイスには、3 種類のカテゴリがあります。
- デバイスタイプ:
-
- da
- ダイレクトアクセスデバイス
- sa
- シーケンシャルアクセスデバイス
- printer
- プリンタ
- proc
- プロセッサデバイス
- worm
- ライトワンスリードマルチプルデバイス
- cd
- CD デバイス
- scanner
- スキャナデバイス
- optical
- オプティカルメモリデバイス
- changer
- メディアチェンジャデバイス
- comm
- コミュニケーションデバイス
- array
- ストレージアレイデバイス
- enclosure
- エンクロージャサービスデバイス
- floppy
- フロッピデバイス
- インタフェース:
-
- IDE
- Integrated Drive Electronics デバイス
- SCSI
- Small Computer System Interface デバイス
- other
- 他のデバイスインタフェース
- パススルー:
-
- pass
- パススルーデバイス
ユーザは、少なくとも 1 つのデバイスタイプを指定する必要があり、各カテゴリにおいては、最大 1 つのデバイスタイプを指定可能です。 1 つのデバイスタイプ文に複数のデバイスタイプを指定するには、コンマで区切ります。
コマンドライン上では、 -t 引数をいくつ指定してもかまいません。 -t 引数は、すべて OR がとられ、システム中の全デバイスが対象となる比較式が形成されます。いずれかの -t 引数に完全に合致するデバイスは、 iostat の出力に含まれます。ただし、80 桁もしくはユーザが指定した最大デバイス数の範囲に限られます。
- -T
- TTY 統計情報を表示します。 -d または -x が指定されていない限り、デフォルトでオンになっています。
- -w
-
各表示の間隔を、
wait 秒とします。
wait 間隔が指定されないなら、デフォルトは、1 秒です。
iostat コマンドは、整数でない秒の数を受け付けます。間隔は、ミリ秒の精度のみがあることに注意してください。細かな値は、切り捨てられます。例えば、“
-w1.0001
”は、“-w1.000
”と同じです。また、間隔は、 kern.hz への変更に悩まされるので、利用者のマイル数は、異なるかもしれません。 - -x
- 拡張ディスクの統計情報を表示します。各ディスクは、すべての利用可能な統計情報とともにそれ自体の行に表示されます。このフラグをオンにするなら、また、 -C または -T が、CPU または TTY 統計の表示を有効にするために指定されないなら、ディスクの統計値のみが、表示されます。
- -z
- -x が指定されるなら、アクティブでないデバイスのための行は、省略します。
- -?
- 使用方法を表示して終了します。
iostat ユーティリティの、表示する情報のフォーマットは、次の通りです:
- tty
-
- tin
- 端末から読み込んだ文字数
- tout
- 端末から書き込んだ文字数
- devices
-
デバイス操作。本フィールドのヘッダは、デバイス名とユニット番号です。
iostat ユーティリティは、 80 桁の範囲もしくはシステム内の最大デバイス数の小さい方の数だけ、デバイスを表示します。
-n がコマンドラインに指定されると、
iostat は、要求された数のデバイスもしくはシステム内の最大デバイス数の小さい方の数だけデバイスを表示します。
iostat に特定のドライブを表示させるようにするためには、それらの名前は、コマンドラインに供給されます。
-n 引数がコマンドラインに指定されて表示すべき最大デバイス数が指定されない限り、
iostat ユーティリティは、80 桁に合致するよりも多くのデバイスを表示しません。 80 桁の画面に合致するよりも少ないデバイス数が指定された場合、
iostat は、指定された数のデバイスのみ表示します。
標準の iostat デバイス表示は、次の統計情報を表示します:
- KB/t
- 転送あたりのキロバイト数
- tps
- 秒あたりの転送回数
- MB/s
- 秒あたりのメガバイト数
標準の iostat デバイス表示は、 -I フラグが指定されると、次の統計情報を表示します:
- KB/t
- 転送あたりのキロバイト数
- xfrs
- 合計の転送回数
- MB
- 合計の転送メガバイト数
拡張 iostat デバイス表示は、 -x フラグが指定されている状態で、次の統計情報を表示します:
- r/s
- 1 秒あたりの読み込み操作
- w/s
- 1 秒あたりの書き込み操作
- kr/s
- 1 秒あたりの読み込みキロバイト
- kw/s
- 1 秒あたりの書き込みキロバイト
- qlen
- トランザクションのキューの長さ
- svc_t
- ミリ秒単位のトランザクションの平均持続時間
- %b
- デバイスが 1 つ以上の未解決トランザクションがる時間の % (割合)
拡張 iostat デバイス表示は、指定された -x と -I のフラグで、次の統計値を表示します:
- r/i
- 期間ごとの読み込み操作
- w/i
- 期間ごとの書き込み操作
- kr/i
- 期間ごとの読み込まれたキロバイト
- kw/i
- 期間ごとの書き込まれたキロバイト
- qlen
- トランザクションキューの長さ
- tsvc_t/i
- 秒単位の期間ごとのトランザクションの合計接続時間
- sb/i
- 秒単位の期間ごとの 1 つ以上の未解決のトランザクションがあったデバイスの合計時間
古いスタイルの iostat 表示 ( -o を使用) は、次の統計値を表示します:
- sps
- 1 秒ごとの転送されたセクタ
- tps
- 1 秒ごとの転送
- msps
- 1 トランザクションごとの平均ミリ秒
古いスタイルの iostat 表示は、指定された -I フラグで、次の統計値を表示します:
- blk
- 転送された合計のブロック/セクタ
- xfr
- 合計の転送
- msps
- トランザクションごとの平均ミリ秒
- cpu
-
- us
- ユーザモードの CPU 時間の %
- ni
- nice で優先順位づけられたプロセスを実行しているユーザモードの CPU 時間の %
- sy
- システムモードの CPU 時間の %
- in
- 割り込みモードの CPU 時間の %
- id
- アイドルモードの CPU 時間の %
関連ファイル
- /boot/kernel/kernel
- デフォルトのカーネルの名前リスト。
- /dev/kmem
- デフォルトのメモリファイル。
使用例
iostat -w 1 da0 da1 cd0
最初の 2 つのダイレクトアクセスデバイスと、最初の CDROM デバイスの統計情報を 1 秒毎に無限に表示します。
iostat -c 2
システム内の最初の 4 つのデバイスの統計情報を、 1 秒の表示間隔をおいて 2 度表示します。
iostat -t da -t cd -w 1
全 CDROM とダイレクトアクセスデバイスの統計情報を 1 秒毎に無限に表示します。
iostat -t da,scsi,pass -t cd,scsi,pass
ダイレクトアクセスデバイスおよび CDROM デバイスへのアクセスを提供する全 SCSI パススルーデバイスに関して、統計情報を 1 度表示します。
iostat -h -n 8 -w 1
より多くの I/O を行う、最大 8 個のデバイスに関して、統計情報を 1 秒毎に無限に表示します。
iostat -dh -t da -w 1
TTY と CPU の表示を省略し、性能順にデバイスを表示し、ダイレクトアクセスデバイスのみを 1 秒毎に無限に表示します。
iostat -Iw 3
合計の統計情報を 3 秒毎に無限に表示します。
iostat -odICTw 2 -c 9
合計の統計情報を古いスタイルの出力形式で 9 回表示します。各計測/表示の間隔は、2 秒です。 -d フラグは、一般に TTY と CPU の表示を抑制しますが、 -T と -C のフラグが指定されているので、TTY と CPU の表示もなされます。
関連項目
fstat(1), netstat(1), nfsstat(1), ps(1), systat(1), devstat(3), gstat(8), pstat(8), vmstat(8)Installing and Operating 4.3BSD の ``Interpreting system activity'' で始まるセクション。
歴史
iostat のこのバージョンは、 FreeBSD 3.0 ではじめて登場しました。作者
<ken@FreeBSD.org>バグ
iostat は、クラッシュダンプのデバッグツールとしては、おそらく限定的にしか使えないでしょう。なぜなら、現在のところクラッシュの直前の期間だけをカバーする統計情報を取得する方法が無いからです。December 15, 2012 | FreeBSD |