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AMD(8)
AMD(8) FreeBSD System Manager's Manual AMD(8)

名称

amd自動マウントファイルシステム

書式

amd -H

amd [ -F conf_file]

amd [ -nprvHS][ -a mount_point][ -c duration][ -d domain][ -k kernel-arch][ -l logfile][ -o op_sys_ver][ -t timeout.retransmit][ -w interval][ -x log-option][ -y YP-domain][ -A arch][ -C cluster-name][ -D option][ -F conf_file][ -O op_sys_name][ -T tag][ directory mapname [ -map-options]] ...

解説

amd ユーティリティは、ファイルシステムがアクセスされたときに自動的にそのファイルシステムをマウントするデーモンです。マウントされたファイルシステムは、アクセスがなければ自動的にアンマウントされます。

amd ユーティリティは、それ自体を NFS サーバとして、指定された directory にアタッチします。その指定ディレクトリ内でのファイルアクセスは amd によって処理されます。 amd は、 mapname で定義されたマップを使って、あるディレクトリにどのファイルシステムを割り当てるかを決定します。一般に mapname は、ホスト名やファイルシステムの情報、マウントオプションから構成されます。

前述の最初の形式では、 amd は短いヘルプ文字列を表示します。第 2 の形式では、オプションを指定しないか、 -F が使用されると、 amd は設定パラメータをファイル conf_file から読み込みます。設定ファイルのデフォルトは /etc/amd.conf です。最後の形式についてはここから記述します。

オプション

-a temporary-directory
実際にファイルシステムをマウントする位置を指定します。デフォルトは /.amd_mnt です。
-c duration
ディレクトリが使われないときに、キャッシュに残された検索の名前の duration (存続時間) を秒単位で指定します。デフォルトは 5 分です。
-d domain
ローカルドメイン名を指定します。もしこのオプションが与えられなければ、ドメイン名はホスト名から決定されます。
-k kernel-arch
カーネルアーキテクチャを指定します。これは単に ${karch} セレクタを指定するだけです。
-l logfile
マウントおよびアンマウントのイベントを記録するログファイルを指定します。もし、 logfile が“ syslog”という文字列なら、ログメッセージは syslog(3) によってシステムログデーモンに送られます。デフォルトの syslog ファシリティは、 LOG_DAEMON です。変更したい場合は、ログファイル名の後にコロンで区切って、その名前を付けてください。例えば、 logfile が文字列“ syslog:local7”である場合、 amd は、 syslog(3)LOG_LOCAL7 ファシリティを使用してログを取ります (ただしシステムに本ファシリティが存在する場合)。
-n
ホスト名を正規化します。${rhost}で参照される名前は、使われる前にホストデータベースに関連づけて正規化されます。これは、エイリアスを“official” (公式) ホスト名に変換する効果があります。
-o op_sys_ver
組み込まれているオペレーティングシステムバージョン番号を上書きします。後方互換性のために、組み込みのバージョン番号が望ましくない場合に有用です。例えば、組み込みのバージョン番号が“ 2.5.1”の場合、“ 5.5.1”で上書きして、後者を意識して書いた古いマップを使用することができます。
-p
PID (プロセス ID) を印刷 (表示) します。 amd のプロセス ID を標準出力に出力して、ファイルに保存することができます。
-r
存在するマウントをリスタートします。 amd は、マウントファイルテーブルをスキャンして、現在マウントされているファイルシステムを判断します。ファイルシステムが自動マウントされたものであれば、 amd は、その情報を 継承 します。
-t timeout.retransmit
NFS/RPC のリトライの間隔、すなわち NFS の timeout 間隔を、10 分の 1 秒単位で指定します (UDP のみ)。デフォルト値は 0.8 秒です。 2 番目の値は再送カウンタを変更します。デフォルト値では 11 回の再送です。カーネルは、両方の値を使用して amd と通信します。どちらか一方か、両方の値が設定されていなければ、適当なデフォルト値が設定されます。

amd(8) ユーティリティは、カーネルの RPC 再送機構がマウントリトライの引き金となることに依存しています。これらのパラメータ値は、総合的なリトライ間隔を変更します。間隔が長くなり過ぎると、対話応答が劣化します。間隔が短くなり過ぎると、リトライが増え過ぎます。

-v
バージョンを表示します。標準エラー出力に設定情報を表示します。
-w interval
キャッシュする時間を超えたファイルシステムのマウントを解除する interval (間隔) を秒単位で指定します。デフォルト値は 2 分です。
-x options
実行時に何をログに記録するかを指定します。オプションは、次から選択されたコンマで区切られたリストです: fatal, error, user, warn, info, map, stats, all
-y domain
NIS マップをとってくる際に用いる NIS ドメインを指定します。デフォルトはシステムのドメイン名です。このオプションは、 NIS を動かしていないときには無視されます。
-A arch
OS のアーキテクチャを指定します。これは、${arch} セレクタを設定するためだけに使用されます。
-C cluster-name
代わりの HP-UX クラスタ名を指定します。
-D option
デバッグオプションの種類を選択することができます。オプションの頭に“ no”をつけると、そのオプションの逆の影響を与えます。オプションは並べて指定することができます。もっとも役に立つのは“ all”です。

-D はデバッグのときにだけ使うものであるため、ここでは他のオプションについては説明しません。サポートされているオプションは -v オプションで表示されますが、詳細はソースコードに記述されています。

-F conf_file
使用する amd 設定ファイルを指定します。ファイル形式については amd.conf(5) を参照してください。この設定ファイルの用途は、コマンドラインにて多くのオプションをタイプする代りに、これらのオプションを指定することです。 amd.conf(5) ファイルは、 amd が持つすべてのコマンドラインオプションに対するディレクティブと、設定ファイルによってのみ利用可能な多くの設定を含みます。本オプションで指定された設定ファイルは、他のオプションすべてが処理された後で処理されます。本オプションがコマンドラインのどこに置かれていたかは無関係です。
-H
ヘルプと使用方法の文字列を表示します。
-O op_sys_name
組み込まれているオペレーティングシステム名を上書きします。後方互換性のために、組み込みの名前が望ましくない場合に有用です。例えば、組み込みの名前が“ sunos5”の場合、“ sos5”で上書きして、後者を意識して書いた古いマップを使用することができます。
-S
amd の実行中の実行可能ページをメモリにロックしません。 amd の性能向上のために、 plock(3) コールをサポートするシステムでは amd プロセスをメモリにロック可能です。この場合、オペレーティングシステムが必要に応じて amd プロセスをスケジュールしたり、ページアウトしたり、スワップする機会が減ります。 amd の性能は向上する傾向がありますが、 amd プロセスが使用するメモリを (他のプロセスが使えないようにして) 予約してしまうというコストとなります。この動作が望ましくない場合、 -S を使用します。
-T tag
amd.conf(5) で使用するタグを指定します。 tag でタグが付いている全マップエントリが処理されます。タグが付いていないマップエントリは常に処理されます。 tag 以外のタグが付いているマップエントリは処理されません。

関連ファイル

/.amd_mnt
動的にファイルシステムがマウントされるディレクトリ
/etc/amd.conf
デフォルトの設定ファイル

警告

マウントマップを作成する場合には注意が必要です。

NFS ファイルシステム上のシンボリックリンクは、信じられないほど非効率的です。 NFS を実装した多くのシステムでは、シンボリックリンクの展開結果はカーネルがキャッシュせずに、 lookuppn (パス名変換) 時にシンボリックリンクに出会うたびに NFS サーバに対して RPC コールを行うようになっています。どこかにキャッシュを追加することによって、かなり大きなリアルタイムの性能の向上が得られると思われます。自動マウントシステム (オートマウンタ) の適切な権化で symlink を置き換えることは、大きなリアルタイムのスピードアップがもたらされますが、また、多くのプロセスコンテキストスイッチが引き起こされます。

すべての機能を駆使できれば非常に便利ですが、それにはかなりの想像力が必要になります。

関連項目

domainname(1), hostname(1), syslog(3), amd.conf(5), mtab(5), amq(8), mount(8), umount(8)

“am-utils” info(1) エントリ。 Erez Zadok, Linux NFS and Automounter Administration, Sybex, 2001, ISBN 0-7821-2739-8.

http://www.am-utils.org/ Amd - The 4.4 BSD Automounter.

歴史

amd ユーティリティは 4.4BSD ではじめて登場しました。

作者

Jan-Simon Pendry <jsp@doc.ic.ac.uk>, Department of Computing, Imperial College, London, UK.

Erez Zadok <ezk@cs.sunysb.edu>, Computer Science Department, Stony Brook University, Stony Brook, New York, USA.

am-utils の、他の作者および貢献者は、 am-utils とともに配布されている AUTHORS ファイルにリストされています。

January 2, 2006 FreeBSD