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AMD.CONF(5)
AMD.CONF(5) FreeBSD File Formats Manual AMD.CONF(5)

名称

amd.confamd(8) 設定ファイル

書式

amd.conf

解説

amd.conf ファイルは、 amd(8) の設定ファイルであり、 am-utils 一式に含まれます。

amd.conf ファイルは、自動マウントプログラム amd(8) 用の実行時設定情報を含んでいます。

ファイルフォーマット

このファイルはセクションとパラメータから成ります。セクションは角括弧で囲んだセクション名で始まり、次のセクションが開始するかファイルの終りに達するまで続きます。セクションには“ name = value”. という形式のパラメータが含まれます。

このファイルは行指向です—すなわち、改行までの各行は、 1 つのコメント、セクション名あるいはパラメータを表します。継続行を記述する方法はありません。

セクション名、パラメータ名及びその値は、大文字小文字を区別します。

パラメータ中の最初の等号のみ重要な意味を持ちます。最初の等号の前後にある空白は取り除かれます。セクション及びパラメータ名の中の先頭、末尾あるいは途中にある空白は意味を持ちません。パラメータ値の先頭や末尾にある空白は取り除かれます。パラメータ値内部に空白を置くことはできません。ただし、“ name = “ some value””のように、パラメータ値全体を二重引用符でくくった場合を除きます。

井桁記号 (#) で始まる行は無視されます。空白文字のみ含む行も同じく無視されます。

パラメータ記述において等号に続く値は文字列ないしブール値です。文字列の場合、空白を含まなければ引用符は不要です。ブール値の場合は“ yes/no”で与えます。すべての値において大文字小文字が区別されます。キャッシュタイムアウトのような一部の項目は数値をとります。

セクション

[global] セクション

このセクションのパラメータは、 amd 全体に適用されるか、または、これに続くすべての通常マップに適用されます。 1 つの設定ファイルにはグローバルセクションをただ 1 つだけ定義すべきです。

このセクションは設定ファイル中の最初に記述しておくことを強く推奨します。もしそうしなければ、グローバルセクションより先に記述された通常マップセクションでは、後に定義されるグローバルな値を利用できません。

通常 [/map] セクション

通常の (グローバルでない) セクションのパラメータは、単一のマップエントリに適用されます。例えば、マップセクション[ /homes]が定義されていると、それに続くすべてのパラメータは、 amd が管理しているマウントポイント /homes に適用されます。

パラメータ

すべてのセクションに共通のパラメータ

以下のパラメータは、グローバルセクションとマップ用セクションのいずれにおいても指定できます。マップ用セクションで指定されたエントリは、デフォルト値あるいはグローバルセクションで定義された値を上書きします。そのような共通のパラメータがグローバルセクション中でのみ指定されている場合は、それに続くすべての通常マップセクションにその指定が適用されます。
browsable_dirs (文字列, デフォルト=no)
yes”にすると、 amd のトップレベルのマウントポイントが readdir(3) 呼び出しでブラウズ可能になります。つまり、例えば ls(1) を実行することでそのディレクトリでどんなキーがマウント可能か知ることができるようになります。必ずしもすべてのエントリが readdir(3) に対して見えるようになるわけではありません。“ /default”エントリやワイルドカードエントリ、さらに‘ /’を含むエントリは見えるようになりません。もしこのオプションに対して“ full”を指定すれば、“ /default”以外はすべて見えるようになります。注意: “ ls -l”または“ ls -F”, のような stat(2) を行おうとするコマンドを走らせるなら、 amd(8) はそのマップ中の すべての エントリをマウントしようとすることに注意してください。これはよく“mount storm”と呼ばれます。
map_defaults (文字列, デフォルトは空でない)
このオプションは、マップ中に指定された任意の /defaults を上書きして、文字列をマップの /defaults エントリとして使用されるように設定します。これによって、ローカルユーザは、マップをグローバルに変更しないで、マップデフォルトを上書きできます。
map_options (文字列, デフォルトはオプションなし)
このオプションは、“ cache:=all”のような、コマンドラインのマップオプションを amd(8) に指定するのと同じです。
map_type (文字列, デフォルトはすべてのマップタイプを検索)
指定されるなら、 amd(8) は、指定されたタイプに対するマップのみ初期化します。これは、たとえ使用されなくても、時間がかかり、 NIS を初期化するような、望まれない副作用あるかもしれない、 amd(8) によって使用されるデフォルトのマップ検索タイプを避けるために役に立ちます。指定できる値は、次の通りです:

exec
実行形式マップ
file
通常ファイル
hesiod
MIT の hesiod ネームサービス
ldap
軽量ディレクトリアクセスプロトコル
ndbm
(新しい) dbm 形式のハッシュファイル
nis
ネットワークインフォメーションサービス (バージョン 2)
nisplus
ネットワークインフォメーションサービスプラス (バージョン 3)
passwd
ローカルのパスワードファイル
union
ユニオンマップ
mount_type (文字列, デフォルト=nfs)
すべての amd(8) マウントタイプは、 NFS がデフォルトです。つまり、実行しているローカルホストに対して、 amd(8) は、マップのマウントポイントにおける NFS サーバとなります。“ autofs”が指定されるなら、 amd(8) は、それらのマウントポイントのために autofs サーバになります。
autofs_use_lofs (文字列, デフォルト=yes)
yes”に設定され、Autofs を使用するとき、 amd(8) は、type:=link マウントのために lofs-type (ループバック) マウントを使用します。これには適切な位置にマウントする利点があり、ユーザは、それらが、chdir する同じパス名を見ることを始めます。このオプションが“ no”, に設定されるなら、 amd(8) は、代わりにシンボリックリンクを使用します: そのコードは、さらにテストされますが、 autofs の適切な位置にマウントする大きな利点を打ち消します。
search_path (文字列, デフォルトは検索パスなし)
これは、ファイルマップのための (コロンで区切られる) 検索パスを提供します。検索パスを使用して、サイトは、ローカルマップのカスタマイズとオーバライドを考慮することができ、必要に応じていくつかの位置で配布されたマップを問い合わせることができます。
selectors_in_defaults (ブール値, デフォルト=no)
yes”であるなら、マップの /defaults エントリは、他のすべてのキーのためのデフォルトをそのマップに設定する前に、任意のセレクタを検索して処理します。利用者が、いくつかのパラメータに基づく完全なマップのために異なったオプションを設定したいとき、役に立ちます。例えば、利用者は、次のような遅い slip ベースのネットワーク上の NFS 性能をより良くしたいかもしれません:

/defaults \ 
 wire==slip-net;opts:=intr,rsize=1024,wsize=1024 \ 
 wire!=slip-net;opts:=intr,rsize=8192,wsize=8192

推奨されない形式: selectors_on_default

グローバルセクションにのみ適用されるパラメータ

arch (文字列, デフォルトはコンパイル時の値)
amd(8)-A オプションと同じです。利用者は、 arch amd(8) 変数の値を上書きすることができます。
auto_attrcache (数値, デフォルト=0)
amd 自体のオートマウントポイントのために (カーネル側) NFS 属性キャッシュタイムアウトを、秒単位 (または、OS に依存する 0.1 秒の単位) で指定します。 0 の値は、 amd(8) が、誰かの stat() のマウントポイント (サービス不能攻撃として不正利用できた) を毎回カーネル RPC を通して調べることを意味する、属性キャッシュをオフにするはずです。警告: いくつかの OS は、NFS 属性キャッシュを確実にオフにすることができません。そのようなシステムでは、 amd は、重い負荷の下で確実に動作しないかもしれません。その他の詳細については、Am-utils 配布の README.attrcache 文書を参照してください。
auto_dir (文字列, デフォルト= /a)
amd(8)-a オプションと同じです。これは、 amd が、実際のマウントポイントのためのサブディレクトリを作成する、プライベートディレクトリを設定します。
cache_duration (数値, デフォルト=300)
amd(8)-c オプションと同じです。検索されたか、マウントされたマップエントリがキャッシュに残る、秒単位の存続時間を設定します。
cluster (文字列, デフォルトはクラスタなし)
amd(8)-C オプションと同じです。使用する代替の HP-UX クラスタを指定します。
debug_mtab_file (文字列, デフォルト= /tmp/mnttab)
debug-mtab モードの間に、マウントされたファイルシステムのリストを格納するために amd(8) によって使用される mtab ファイルへのパス。このオプションは、ディスク上の mtab 情報を格納するシステムにだけ適用されます。
debug_options (文字列, デフォルトはデバッグオプションなし)
amd(8)-D オプションと同じです。 amd(8) のための任意のデバッグオプションを指定します。 am-utils が - -enable-debug オプションを使用してデバッグのために設定されている場合のみ動作します。 - -enable-debug= mem を通して mem オプションだけをオンにすることができます。そうでなければ、デバッグオプションは、無視されます。オプションは、コンマで区切られ、文字列“ no”を前に付けることで、それらの意味を反転できます。利用者は、 amd -v を実行することによって、サポートされたデバッグオプションのリストを得ることができます。指定できる値は、次の通りです:

all
全オプション
amq
amq(8) に登録する
daemon
デーモンモードに移行する
fork
サーバを fork する
full
プログラムトレース
info
info サービスに固有のデバッグ情報 (hesiod, nis など)
mem
メモリアロケーションをトレースする
mtab
ローカルの ./mtab ファイルを用いる
str
文字列操作のデバッグ
test
完全なデバッグモードだがデーモンにしない
trace
プロトコルと NFS マウント引数をトレースします
xdrtrace
XDR ルーチンをトレースします
dismount_interval (数値, デフォルト=120)
amd(8)-w オプションと同じです。キャッシュされた時間を超えていたファイルシステムのマウントを外す試みの間の時間を秒単位で指定します。
domain_strip (ブール値, デフォルト=yes)
yes”であるなら、${rhost} によって参照されるドメイン名の部分は、取り除かれます。これは、ログを保持するために役に立ち、より小さいです。“ no”であるなら、ドメイン名の部分は、変更されたままとなります。これは、同じマップ (利用者には、ドメインが取り除かれた名前と同じホストがあるとき) がある複数のドメインを使用するとき、役に立ちます。
exec_map_timeout (数値, デフォルト=10)
答えが、そのプログラム (または、スクリプト) から返される前に、 amd(8) が、実行形式のマッププログラムをウェートする秒単位のタイムアウト。実行形式のマッププログラムが問い合わされる時間の間に、 amd(8) が、本質的にはウェートし、その結果、いかなる他の問い合わせに応答しないので、タイマの期限が切れる前に、返される通常の応答をまだ許可している間に、この値は、できるだけ小さく設定されるべきです。
forced_unmounts (ブール値, デフォルト=no)
yes”に設定され、強制されたクライアント OS のサポートまたは lazy (怠惰な) アンマウントであるなら、 amd(8) は、既存のマウントポイントをアンマウントしようとするか、または 1 つの頂点でマウントするとき、次の 3 つの重大なエラー条件のどれかを得るなら、それらを使用することを試みます: EIO, ESTALE または EBUSY

これは、マウントされたディスクのハードウェアの故障、または移動さされるか、それらの IP アドレスを変更され永久にダウンしている NFS サーバのような重大な状況から復旧するために役に立つかもしれません。 EBUSY でハングした“ type:=toplvl”マウントだけは、ハングから復旧するために役に立つ、このオプションを使用して強制的にアンマウントされます ( amd(8) 参照)。

full_os (文字列, デフォルトは値でコンパイル)
バージョンを加えてオペレーティングシステムのフルネーム。利用者は、オペレーティングシステムのコンパイルされたフルネームとバージョンを上書きすることができます。コンパイルされた名前が望まれていないとき、役に立ちます。例えば、Linux の完全なオペレーティングシステム名は、“ linux”となりますが、利用者は、それを“ linux-2.2.5”に上書きすることができます。
fully_qualified_hosts (文字列, デフォルト=no)
yes”に設定すると、 amd(8) は、完全なホスト名 (fully-qualified host name) を用いて RPC 認証を行います。システムによってはこの仕組みが必要です。特にドメインにまたがるマウントを行う場合に必要となります。この機能を有効にするため、 amd(8) の変数 ${hostd} が使用され、 ${domain} は、空であってはいけません。
hesiod_base (文字列, デフォルト=automount)
hesiod マップのためのベース名を指定します。
karch (文字列, デフォルトはシステムのカーネルアーキテクチャ)
amd(8)-k オプションと同じです。システムのカーネルアーキテクチャを上書き指定できます。例えば Sun (Sparc) マシンに便利です。この場合、一つの amd バイナリを作成し、それを複数のマシンで走らせますが、それぞれに正しい karch 変数 (例えば sun4c, sun4m, sun4u など) を設定したいと思うでしょう。このオプションを指定しないなら、 amd(8)uname(3) を用いてそのマシンのカーネルアーキテクチャを判別します。
ldap_base (文字列, デフォルトは未設定)
LDAP のためのベース名を指定します。
ldap_cache_maxmem (数値, デフォルト=131072)
amd(8) が、LDAP エントリをキャッシュするために使用するべき最大メモリ量を指定します。
ldap_cache_seconds (数値, デフォルト=0)
エントリをキャッシュに保持する秒数を指定します。
ldap_hostports (文字列, デフォルトは未設定)
LDAP のホストおよびポート値を指定します。
ldap_proto_version (数値, デフォルト=2)
使用する LDAP プロトコルのバージョンを指定します。
local_domain (文字列, デフォルトはサブドメインなし)
amd(8)-d オプションと同じです。ローカルのドメイン名を指定します。このオプションが与えられない場合、完全なホスト名から最初の要素を取り除くことでドメイン名を決定します。
localhost_address (文字列, デフォルトは localhost または 127.0.0.1)
ローカルの NFS サーバと RPC サーバのためにソケットを接続するとき amd(8) が使用する名前または IP アドレスを指定します。これは、 127.0.0.1 またはホストがローカルアドレスとして報告するものは何でもデフォルトとします。このパラメータは、利用者が、強制的に amd(8) を特定のアドレスに接続させたい、複数のアドレスがあるホストで役に立ちます。
log_file (文字列, デフォルト= /dev/stderr)
amd(8)-l オプションと同じです。 amd(8) のイベントログを記録するファイル名を指定します。文字列 /dev/stderr を指定すると、 amd(8) は、イベントを標準エラー出力ファイル記述子に送ります。もし文字列 syslog を指定すると、 amd(8) は、システムログ記録機構 syslogd(8) を用いてイベントを記録します。デフォルトで用いられる syslog ファシリティは LOG_DAEMON です。これを変更するには、ログファイル名に続いて、単一のコロンで区切ってファシリティ名を記述します。例えば logfile として文字列“ syslog:local7”を指定すると、 amd(8) は、 LOG_LOCAL7 機能を用いて syslog(3) 経由でメッセージを記録します (そのファシリティが当該システムに存在する場合)。
log_options (文字列, デフォルトはログオプションなし)
amd(8)-x オプションと同じです。 amd(8) のログオプションを指定します。複数のオプションはコンマで区切ります。先頭に“ no”をつけることで、その意味を反転させることができます。ログオプション“ debug”は、 am-utils が - -enable-debug 付きで構築された場合のみ利用可能です。 amd -H を実行するとサポートされているデバッグオプションとログオプションの一覧が得られます。指定できる値は、次の通りです:

all
すべてのメッセージ
debug
デバッグメッセージ
error
重大ではないシステムエラー
fatal
重大なエラー
info
参考情報
map
マップエラー
stats
より詳細な統計情報
user
重大ではないユーザエラー
warn
警告
warning
警告
map_reload_interval (数値, デフォルト=3600)
任意のマップがそれらのソース (NIS サーバ、LDAP サーバ、ファイルなど) で変更されているかどうか確かめる前に、 amd(8) がウェートする秒数。 amd(8) は、変更されたそれらのマップだけを再ロードします。
nfs_allow_any_interface (文字列, デフォルト=no)
通常、 amd(8) は、単に 127.0.0.1 からローカル NFS パケットを受け付けます。このパラメータが“ yes”に設定されているなら、 amd(8) は、任意のローカルインタフェースからローカル NFS パケットを受け付けます。これは、127.0.0.1 以外のアドレスを通して (それらが同じホストにバウンドしていても) システムがすべての発信パケットを送信を強制するところで、複数のインタフェースがあるホストで役に立ちます。
nfs_allow_insecure_port (文字列, デフォルト=no)
通常、 amd(8) は、唯一の特権ユーザとカーネルは、それへの要求を NFS に送信することができるように、非特権ポートから来る要求を拒否します (すなわち、Unix システムで ports >= 1024)。しかしながら、いくつかのカーネル Darwin, MacOS X と Linux の特定のバージョン) は、それらが、特定の状況で非特権ポートを使用するというバグがあります、その場合、 amd(8) その場で停止して死にます。このパラメータによって、 amd(8) は、操作のセキュリティが少し減少することを犠牲にして、そのようなシステムでも正常に動作します。利用者の amd(8) ログに“ ignoring request from foo:1234, port not reserved”のようなメッセージが見つかるなら、このパラメータを有効にして、もう一度行ってください。
nfs_proto (文字列, デフォルトは tcp を試み、次に udp)
デフォルトで、 amd(8) は、TCP を試みて、次に、UDP を試みます。このオプションは TCP または UDP に使用される総合的な NFS プロトコルを強制します。それは、 amd(8) マップにあるものを上書きして、 amd が、安定していない NFSv3 サポートでコンパイルされるとき、役に立ちます。このオプションで、NFSv3 サポートが再び望まれるような時間まで、利用者は、動的に ( amd を再コンパイルする必要なしで) NFSv3 の完全な使用法をオフにすることができます。
nfs_retransmit_counter (数値, デフォルト=11)
amd(8) への -t timeout.retransmit オプションのカウンタの部分を retransmit (再送) することと同じです。カーネルが amd(8) と通信するために使用する NFS 再送信の数を指定します。
nfs_retransmit_counter_udp (数値, デフォルト=11)
nfs_retransmit_counter オプションと同じですが、すべての UDP マウントのみです。
nfs_retransmit_counter_tcp (数値, デフォルト=11)
nfs_retransmit_counter オプションと同じですが、すべての TCP マウントのみです。
nfs_retransmit_counter_toplvl (数値, デフォルト=11)
nfs_retransmit_counter オプションと同じですが、 amd のトップレベル UDP マウントのみです。
nfs_retry_interval (数値, デフォルト=8)
amd(8) への -t timeout.retransmit オプションの timeout インターバル部分と同じです。 NFS/RPC の再試行 (UDP と TCP のための) の間の NFS タイムアウトインターバルを 1/10 秒単位で指定します。これは、カーネルが amd(8) と通信するために使用する値です。

amd(8) は、カーネル RPC 再転送メカニズムがマウントの再試行をトリガすることに依存しています。 nfs_retransmit_counternfs_retry_interval パラメータの値は、全体の再試行インターバルを変更します。長過ぎるインターバルは、対話的な応答の悪くなります。短か過ぎるインターバルによって、リトライ回数が過剰になります。

nfs_retry_interval_udp (数値, デフォルト=8)
nfs_retry_interval オプションと同じですが、すべての UDP マウントのみです。
nfs_retry_interval_tcp (数値, デフォルト=8)
nfs_retry_interval オプションと同じですが、すべての TCP マウントのみです。
nfs_retry_interval_toplvl (数値, デフォルト=8)
nfs_retry_interval オプションと同じですが、 amd のトップレベル UDP マウントのみです。
nfs_vers (数値, デフォルトは、バージョン 3 を試み、次に 2)
デフォルトでは、 amd(8) はバージョン 3 を試行し、それからバージョン 2 を試行します。このオプションを使用すると、すべての NFS プロトコルに 3 または 2 を強制します。これは amd(8) マップ中の設定に優先します。 amd が NFSv3 サポート付きでコンパイルされているが不安定な場合に有用でしょう。このオプションを使用することで、 NFSv3 サポートが再度必要となるような時まで、動的に ( amd を再コンパイルすることなく) NFSv3 の使用を完全に止められます。
nis_domain (文字列, デフォルトはローカル NIS ドメイン名)
amd(8)-y オプションと同じです。 NIS マップを取得するために、別の NIS ドメインを指定します。デフォルトはシステムのドメイン名です。 NIS サポートが利用可能でない場合、このオプションは無視されます。
normalize_hostnames (ブール値, デフォルト=no)
amd(8)-n オプションと同じです。“ yes”を指定すると、 ${rhost} の参照先の名前は、前もってホストデータベースからの相対値に正規化されます。別名 (エイリアス) を“公式な”名前に変換する効果があります。
normalize_slashes (ブール値, デフォルト=yes)
yes”であるなら、 amd(8) は、すべての複数の‘ /’ (スラッシュ) 文字を 1 つに凝縮して、すべての後続するスラッシュを削除します。“ no”であるなら、 amd(8) は、繰り返されて含まれるか、または後続するスラッシュ文字列を変更しません。後者は、パス名で複数のスラッシュ文字をしばしば必要とする、 SMB マウントでときどき役に立ちます。
os (文字列, デフォルトはコンパイル時の値)
amd(8)-O オプションと同じです。コンパイル時に決まったオペレーティングシステム名を上書きできます。以前との互換性を保つためには組み込み済みの名前はふさわしくない、という場合に便利です。例えば、もし組み込まれた名前が“ sunos5”の場合、これを上書きして“ sos5”とすることで、後者の OS 名を前提に書かれた以前のマップを利用できます。
osver (文字列, デフォルトはコンパイル時の値)
amd(8)-o オプションと同じです。コンパイル時に決まったオペレーティングシステムのバージョン番号を上書きします。以前との互換性を保つためには組み込み済みのバージョンはふさわしくない、という場合に便利です。例えば、もし組み込まれたバージョン番号が“ 2.5.1”の場合、これを上書きして“ 5.5.1”とすることで、後者のバージョンを前提に書かれた以前のマップを利用できます。
pid_file (文字列, デフォルト= /dev/stdout)
実行しているデーモンのプロセス ID を格納するファイルを指定します。これを指定しない場合、 amd(8) は自分のプロセス ID を標準出力にのみ書き込みます。実行後に amd(8) を kill する際に便利です。注意: 実行中の amd のプロセス ID は amq -p によっても得られます。このファイルは print_pid オプションがオンの場合のみ使用されます。
plock (ブール値, デフォルト=yes)
amd(8)-S オプションと同じです。“ yes”を指定すると、実行中の amd の実行可能ページをメモリ上にロックします。 amd の性能を向上するために、 plock(3) または mlockall(2) をサポートしているシステムでは、 amd プロセスをメモリ上にロックできます。このようにして、オペレーティングシステムが必要に応じて amd プロセスをスケジュールしたり、ページアウトさせたり、スワップさせたりする可能性を減らします。これにより amd の性能は向上しますが、その反面、 amd プロセスが使用しているメモリが予約される (他のプロセスがそのメモリを使えなくなる) という代償もあります。
portmap_program (数値, デフォルト=300019)
公式の番号とは別の、ポートマップ RPC プログラム番号を指定します。これは複数の amd プロセスを実行させる場合に便利です。例えば、メインの amd プロセスに全く影響を与えることなく、別の amd(8) を“test”モードで実行できます。安全のため、指定する別のプログラム番号は 300019 から 300029 までの範囲になければなりません。 amq(8) ユーティリティは、接続するための amd の代替のプログラム番号を指定するために使用できる -P オプションがあります。このように、 amq は、同じホスト上で実行されている複数の amd プロセスを完全に制御することが可能です。
preferred_amq_port (数値, デフォルト=0)
amdamq(8) サービスのための代替の Port マッパ RPC ポート番号を指定します。これは、UDP と TCP の両方に使用されます。この値を 0 に設定する (か、またはそれを定義しない) ことによって、 amd(8) は、任意のポート番号を選択します。 amq(8) RPC サービスポートを特定の数に設定することは、利用者が、 amd(8) がどのポートを listen (接続を受け付け) するかを知る必要がある、ファイアウォールされているか、または NAT の環境で役に立ちます。
print_pid (ブール値, デフォルト=no)
amd(8)-p オプションと同じです。“ yes”を指定すると、 amd は起動時にそのプロセス ID を表示します。
print_version (ブール値, デフォルト=no)
amd(8)-v オプションと同じですが、バージョンを表示しても amd は実行を続けます。“ yes”の場合、 amd は、設定やコンパイル時の値を含むバージョン情報文字列を表示します。
restart_mounts (ブール値, デフォルト=no)
amd(8)-r オプションと同じです。“ yes”とすると、 amd はマウントテーブルを走査して、現在どのファイルシステムがマウントされているのか判断します。その中に自動マウントすべきファイルシステムがあれば、 amd はそれを継承します。
show_statfs_entries (ブール値, デフォルト=no)
yes”とすると、ブラウズ可能なすべてのマップは、 df(1) 実行時にエントリ数 (key 数) をあわせて表示します (この機能は、 statfs(2) 呼び出しに対して非 0 値を返すことで実現されています)。
truncate_log (ブール値, デフォルト=no)
yes”であるなら、ログファイル (通常のファイルであるなら) は、開始時に切り詰められます。
unmount_on_exit (ブール値, デフォルト=no)
yes”とすると、 amd(8) は、関知しているすべてのファイルシステムをアンマウントしようとします。通常、 amd はすべての (特に) NFS マウントされたファイルシステムをそのまま残します。注意: restart_mounts オプションまたは -r フラグが指定されていない限り、 amd は起動時以前にマウントされていたファイルシステムのことを関知しません。
use_tcpwrappers (ブール値, デフォルト=yes)
yes”であるなら、 amd(8) は、 /etc/hosts.allow/etc/hosts.deny ファイルを通して amd へのアクセスを制御するために、(利用可能であるなら) tcpd/libwrap tcpwrapper ライブラリを使用します。
vendor (string, default to compiled in value)
オペレーティングシステムのベンダの名前。コンパイルされたベンダ名を上書きします。コンパイルされた名前が望まれていないとき、役に立ちます。例えば、ほとんどの Intel ベースのシステムは、ベンダ名を“ unknown”に設定しますが、利用者は、それを“ redhat”に設定できます。

通常のマップセクションに適用されるパラメータ

map_name (文字列, 指定されなければならない)
キーが配置されるマップの名前です。
tag (文字列, デフォルトはタグなし)
設定ファイルの各マップエントリにはタグをつけることができます。タグが指定されない場合、そのマップセクションは常に amd(8) で処理されます。タグが指定されている場合、 amd-T オプションが指定され、そのコマンドラインオプションの値がマップセクションのタグ名と一致する場合のみ、 amd(8) は、そのマップを処理します。

使用例

以下に示すものは、私がいつも使っている実際の amd(8) 設定です。

# グローバルオプションセクション 
[ global ] 
normalize_hostnames =    no 
print_pid =              no 
restart_mounts =         yes 
auto_dir =               /n 
log_file =               /var/log/amd 
log_options =            all 
#debug_options =         all 
plock =                  no 
selectors_in_defaults =  yes 
# config.guess は "sunos5"を選びました。 
# 今のところこれを変えようとは思いません。 
os =                     sos5 
# "os"を設定後 print_version を有効にすると、設定後のものが表示されます。 
print_version =          no 
map_type =               file 
search_path =            /etc/amdmaps:/usr/lib/amd:/usr/local/AMD/lib 
browsable_dirs =         yes 
 
# マウントポイントの定義 
[ /u ] 
map_name =               amd.u 
 
[ /proj ] 
map_name =               amd.proj 
 
[ /src ] 
map_name =               amd.src 
 
[ /misc ] 
map_name =               amd.misc 
 
[ /import ] 
map_name =               amd.import 
 
[ /tftpboot/.amd ] 
tag =                    tftpboot 
map_name =               amd.tftpboot

関連項目

hosts_access(5), amd(8), amq(8)

“am-utils” info(1) entry. Erez Zadok, Linux NFS and Automounter Administration, Sybex, 2001, ISBN 0-7821-2739-8.

http://www.am-utils.org/ Amd - The 4.4 BSD Automounter.

歴史

amd(8) ユーティリティは 4.4BSD ではじめて登場しました。

作者

Erez Zadok <ezk@cs.sunysb.edu>, Computer Science Department, Stony Brook University, Stony Brook, New York, USA.

am-utils の他の作者と貢献者は、am-utils と共に配布されている AUTHORS ファイルにリストされています。

April 21, 2006 FreeBSD