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WI(4)
WI(4) FreeBSD Kernel Interfaces Manual WI(4)

名称

wiLucent Hermes と Intersil PRISM IEEE 802.11 ドライバ

書式

このドライバをカーネルにコンパイルするためには、次の行を利用者のカーネル設定ファイルに置きます:

device wi
device wlan

もう一つの方法として、ブート時にモジュールとしてドライバをロードするためには、次の行を loader.conf(5) に置きます:

if_wi_load="YES"

解説

wi ドライバは、Lucent Hermes、Intersil PRISM-II、Intersil PRISM-2.5 と Intersil Prism-3 チップセットに基づく 802.11b 無線ネットワークアダプタのサポートを行います。すべてのチップセットは、同様のインタフェースをドライバに提供します。 Intersil チップセットだけが、アクセスポイント操作または WPA をサポートします。ファームウェアの非常に古いバージョンは、全くサポートされません。サポートされるファームウェアの古いバージョンは、より新しいネットワークでこれらのカードを使用する能力を大幅に制限されます。 Intersil ファームウェアの比較的最近のバージョンだけが、WPA をサポートします。詳細については、「警告」を参照してください。 DMA インタフェースをサポートするそれらのカード上にさえ、プログラムされた I/O を通して、すべてのホスト/デバイスは、相互作用します。

このデバイスを設定する詳細については、 ifconfig(8) を参照してください。

wi は、 station, adhoc, adhoc-demo, hostapmonitor モード操作をサポートします。いつでも、1 つの仮想インタフェースだけを設定することができます。このデバイスを設定する詳しい情報に関しては、 ifconfig(8) を参照してください。

wi ドライバによってサポートされたカードは、最も一般的なものは、PCMCIA タイプですが、さまざまなパッケージとして供給されます。ほとんどの場合、ワイヤレスカードの PCI バージョンは、単に PCI アダプタとセットになった PCMCIA カードです。 PCI アダプタには、次の 2 つの形式があります: 本当の PCMCIA ブリッジとダム PCMCIA ブリッジです。本当の PCMCIA ブリッジ (Lucent によって販売されたものなど) は、本当の PCMCIA コントローラとしてアタッチされます。そして、ワイヤレスカードは、PCMCIA バスにアタッチされます。 PCMCIA スロットのワイヤレスカードは、オンザフライ (訳注: 複数の処理をまとめて行うこと) で挿入され、イジェクト (取り出し) できます。

他方では、ダムブリッジは、本当の PCMCIA バスとして現れません。ワイヤレスカードは、単に通常の PCI デバイスとしてホストに現れて、すこしの PCMCIA サポートも必要としません。このタイプのアダプタのカードは、マシンの電源を切られるときのみ取り外されるべきです。

次のカードが wi ドライバによってサポートされています:

カード チップ バス
3Com AirConnect 3CRWE777A Prism-II PCI
Accton airDirect WN3301 PCMCIA
ACTIONTEC HWC01170 Prism-2.5 PCMCIA
Adaptech ANW-8030 Prism-3 PCMCIA
Addtron AWP-100 Prism-II PCMCIA
Adtec Adlink/340C Prism-II PCMCIA
Airvast WN 100 Prism-3 PCMCIA
Airway 802.11 Adapter PCMCIA
Agere Orinoco Hermes PCMCIA
Allied Telesis WR211PCM Prism-II PCMCIA
ArTem OnAir Prism? PCMCIA
Asus WL100 Prism-2.5 PCMCIA
Avaya Wireless Prism-II PCMCIA
Bay eMobility 11B Prism-2.5? PCMCIA
Blue Concentric Circle WL-379F Prism-II CF
BreezeNet Wireless Prism-II PCMCIA
Buffalo WLI-PCM-S11 Prism-II PCMCIA
Buffalo WLI-PCM-L11G Hermes PCMCIA
Buffalo WLI-CF-S11G Prism-II CF
Buffalo WLI2-CF-S11G Prism 2.5 CF
Cabletron RoamAbout Hermes PCMCIA
Compaq Agency NC5004 Prism-II PCMCIA
Compaq WL100 Prism-II PCMCIA
Compaq WL110 Hermes PCMCIA
Compaq WL200 Prism-II PCMCIA
Contec FLEXLAN/FX-DS110-PCC Prism-II PCMCIA
Corega PCC-11 Prism-II PCMCIA
Corega PCCA-11 Prism-II PCMCIA
Corega PCCB-11 Prism-II PCMCIA
Corega CGWLPCIA11 Prism-II PCI
Dell TrueMobile 1150 Hermes PCMCIA
Dlink Air 660 Prism-II PCMCIA
Dlink DWL520 Prism-2.5 PCI
Dlink DWL650 Prism-2.5 PCMCIA
ELECOM Air@Hawk/LD-WL11/PCC PCMCIA
ELSA MC-11 PCMCIA
ELSA XI300 Prism-II PCMCIA
ELSA XI325 Prism-2.5 PCMCIA
ELSA APDL325 Prism-2.5 PCMCIA
ELSA XI330 Prism-3 PCMCIA
ELSA XI800 Prism-II CF
EMTAC A2424i Prism-II PCMCIA
Farallon Skyline Prism-II PCMCIA
Gemtek WL-311 Prism-2.5 PCMCIA
Hawking Technology WE110P Prism-2.5 PCMCIA
Home Wireless Networks Prism-II PCMCIA
IBM High Rate Wireless Hermes PCMCIA
ICOM SL-1100 Prism-II PCMCIA
I-O DATA WN-B11/PCM Prism-II PCMCIA
Intersil Prism II Prism-II PCMCIA
Intersil Mini-PCI Prism-2.5 PCI
Intersil ISL37100P Prism-3 PCMCIA
Intersil ISL37110P Prism-3 PCMCIA
Intersil ISL37300P Prism-3 PCMCIA
Laneed Wireless PCMCIA
Linksys Instant Wireless WPC11 Prism-II PCMCIA
Linksys Instant Wireless WPC11 2.5 Prism-2.5 PCMCIA
Linksys Instant Wireless WPC11 3.0 Prism-3 PCMCIA
Linksys WCF11 Prism-3 PCMCIA
Linksys WCF12 Prism-3 CF
Lucent WaveLAN Hermes PCMCIA
Melco Airconnect Prism-II PCMCIA
Microsoft MN-520 WLAN Prism-II PCMCIA
NANOSPEED ROOT-RZ2000 Prism-II PCMCIA
NCR WaveLAN/IEEE 802.11 PCMCIA
NDC/Sohoware NCP130 Prism-II PCI
NEC CMZ-RT-WP Prism-II PCMCIA
NEC PK-WL001 Lucent PCMCIA
NEC PC-WL/11C Prism-II PCMCIA
Netgear MA311 Prism-2.5 PCI
Netgear MA401 Prism-II/2.5 PCMCIA
Netgear MA401RA Prism-II PCMCIA
Netgear MA701 Prism-II CF
NOKIA C020 WLAN Prism-II PCMCIA
NOKIA C110 WLAN Prism-2.5 PCMCIA
NTT-ME 11Mbps Wireless LAN Prism-II PCMCIA
Planex GeoWave/GW-NS110 Prism-II PCMCIA
Planex GW-NS11H Prism-II PCMCIA
Proxim Harmony Prism-II PCMCIA
Proxim RangeLAN-DS Prism-II PCMCIA
Samsung MagicLAN SWL-2000N Prism-II PCMCIA
SENAO SL-2511CD Prism-3 PCMCIA
Siemens SpeedStream SS1021 Prism-II PCMCIA
Siemens SpeedStream SS1021 Prism-3 PCMCIA
SMC 2532W-B Prism-II PCMCIA
SMC 2602 EZ Connect (3.3V) Prism-II PCI or PCMCIA
SMC 2632 EZ Connect Prism-II PCMCIA
Socket Low Power WLAN-CF Prism-II CF
Sony PCWA-C100 Lucent PCMCIA
Sony PEGA-WL110 Prism-2.5 PCMCIA
TDK LAK-CD011WL Prism-II PCMCIA
Toshiba Wireless LAN Card Prism-II PCMCIA
U.S. Robotics Wireless Card 2410 Prism-II PCMCIA
YIS YWL-11B Prism-II PCMCIA

いくつかのベンダは、PLX Technology 9050 か 9052 チップで構築さられた PCI アダプタを販売しています。次のようなアダプタは、サポートされているか動くと予想されています:

  • 3Com AirConnect 3CRWE777A (3.3V)
  • Belkin F5D6000 (WL11000P の改称)
  • Eumitcom WL11000P
  • Global Sun Technology GL24110P (未テスト)
  • Global Sun Technology GL24110P02
  • LinkSys WDT11 (GL24110P02 の改称)
  • Netgear MA301
  • US Robotics 2415 (WL11000P の改称)
  • Wisecom Wireless LAN PCI Adapter

次のアダプタは、上に記載したのと同じモデル番号がありますが、実際のカードが Prism ファミリから離れた移行の後であるなら、動作しないかもしれません:

  • DLink DWL520

使用例

既存の BSS ネットワークに結合します (すなわち、アクセスポイントに接続):

ifconfig wlan create wlandev wi0 inet 192.168.0.20 \ 
    netmask 0xffffff00

ネットワーク名“ my_net”で特定の BSS ネットワークに結合します:

ifconfig wlan create wlandev wi0 inet 192.168.0.20 \ 
    netmask 0xffffff00 ssid my_net

WEP 暗号化した状態で特定の BSS ネットワークに結合します:

ifconfig wlan create wlandev wi0 inet 192.168.0.20 \ 
    netmask 0xffffff00 ssid my_net \ 
    wepmode on wepkey 0x8736639624 weptxkey 1

ネットワーク名“ my_net”で Lucent レガシ (長年使われている) デモ特別ネットワークに結合します:

ifconfig wlan create wlandev wi0 wlanmode ahdemo \ 
    inet 192.168.0.20 netmask 0xffffff00 ssid my_net

ネットワーク名“ my_net”で IBSS ネットワークを結合し/作成します:

ifconfig wlan create wlandev wi0 wlanmode adhoc wi0 \ 
    inet 192.168.0.22 netmask 0xffffff00 ssid my_net

ホストベースのアクセスポイントを作成します (Prism 専用):

ifconfig wlan create wlandev wi0 wlanmode hostap \ 
    inet 192.168.0.10 netmask 0xffffff00 ssid my_ap

WEP が有効にされているホストベースのアクセスポイントを作成します (Prism 専用):

ifconfig wlan0 create wlandev wi0 wlanmode hostap \ 
    inet 192.168.0.10 netmask 0xffffff00 ssid my_ap \ 
    wepmode on wepkey 0x1234567890 weptxkey 1 
ifconfig bridge0 create 
ifconfig bridge0 addm wlan0 addm fxp0 up

これは、アクセスポイントと同じ機能を利用者にもたらします。

診断

wi%d: init failed
WaveLAN カードは、初期化コマンドを発行した後にレディ状態になりませんでした。
wi%d: failed to allocate %d bytes on NIC
ドライバは、NIC に搭載された RAM でフレームを送信するためのメモリを割り付けることができませんでした。また、これは、不正確に設定された割り込みのしるしであるかもしれません。
wi%d: device timeout
WaveLAN カードは、送信コマンドを承認するための割り込みを発生させませんでした。

歴史

wi デバイスドライバは、 FreeBSD 3.0 ではじめて登場しました。

作者

元々 wi ドライバは、 Bill Paul <wpaul@ctr.columbia.edu>によって書かれました。このマニュアルページは、 OpenBSD に由来します。

警告

ドライバは、多数の欠陥に対処することを避けるために古いファームウェアのデバイスを拒絶します。残念ながら、新しいファームウェアが必要であるなら、ユーザがこれを達成するために異なったシステムをブートしなければならないように、ドライバは、新しいファームウェアをカードにダウンロードすることをサポートしません。

Intersil Prism カードは、ファームウェアバージョン 0.8.0 以降でなければなりません、そして、バージョン 1.7.0 以降は、WPA などの機能をサポートするために必要です。 Prism-II と 2.5 ベースのカードのユーザの中には、ステーションファームウェアバージョン 1.4.9 より 1.3.4 が hostap でうまく機能すると報告する人もいます。 Prism ステーションファームウェアの古いバージョンは、 hostap モードで多くの問題があります。 IBSS/adhoc モードは、ステーションファームウェア 1.3.1 以降でうまく働くように思えます。 IBSS/adhoc モードは、ステーションファームウェアの古いバージョンを持っている一部の人たちには、問題があるように思えます。

ファームウェアバージョン 6.0.6 より前の Lucent カードは、 IBSS モードを実装していませんし、サポートもしません。

wi の以前のバージョンは、Symbol ファームウェアをサポートしていました。そのサポートは、このファームウェアの適切な文書を取得することと同様に、このファームウェアに関する永続的な問題のため取り除かれました。

Hermes 2 と Hermes 3 チップは、このドライバによってサポートされません。

ここに、テーブル形式の上記の要件があります。

Firmware Minimum WPA Host AP Adhoc/IBSS
Prism II/2.5 0.8.0 1.7.0 1.3.4 1.3.1
Prism 3 0.8.0 1.7.0 1.4.9 1.3.1
Hermes 6.0.6 none none 6.0.6
Symbol none none none none

バグ

新しいメッセージがすべてここで文書化されていません、それらの多くは、深刻な問題を示さない一時的なエラーを示しています。
July 23, 2011 FreeBSD