LE(4) | FreeBSD Kernel Interfaces Manual | LE(4) |
名称
le — AMD Am7900 LANCE と Am79C9xx ILACC/PCnet イーサネットインタフェースドライバ書式
このドライバをカーネルにコンパイルするためには、次の行を利用者のカーネル設定ファイルに置きます:
もう一つの方法として、ブート時にモジュールとしてドライバをロードするためには、次の行を loader.conf(5) に置きます:
if_le_load="YES"
C-バスの非 PnP アダプタのために、ポートアドレスと IRQ 番号は、 /boot/device.hints に指定されなければなりません:
hint.le.0.at="isa"
hint.le.0.port="0x03d0"
hint.le.0.irq="6"
ISA の非 PnP アダプタのために、IRQ と同様のポートアドレスと DRQ 番号は、 /boot/device.hints で指定されなければなりません:
hint.le.0.at="isa"
hint.le.0.port="0x280"
hint.le.0.irq="10"
hint.le.0.drq="0"
解説
le ドライバは、イーサネット (LANCE) チップのための AMD Am7990 と Am79C90 (CMOS, ピン互換ローカルエリアネットワークコントローラに基づく) イーサネットアダプタのサポートを行います。また、 le ドライバは、 LANCE チップと DMA エンジンの単一チップ実装である、 Am79C9xx PCnet ファミリのチップと同様に、 AMD Am79C900 統合ローカルエリア通信コントローラ (ILACC) に基づくエーサーネットアダプタもサポートしています。これは、 pcn(4) ドライバによってサポートされた PCI バスイーサネットチップのスーパセットを含んでいます。 le ドライバは、 AMD Am79C970 PCnet-PCI としてこれらの PCI バスイーサネットチップをすべて取り扱い、 AMD Am79C971 PCnet-FAST とより大きいチップの MII バスとバーストモードのような追加の機能をサポートしません。したがって、後者のためは、 pcn(4) ドライバが優先されるべきです。
一般的に、 le ドライバは、これらのいくつかで最も良い性能で、ある程度の費用で、できるだけ多くの異なったプラットフォームで多くの異なったチップをサポートすることを目指しています。
le ドライバは、 vlan(4) のために拡張されたフレームの受信と送信をサポートしています。マルチキャストのイーサネットフレームの選択的受信は、64 ビットマスクで提供されます。マルチキャストの宛先アドレスは、イーサネット CRC 機能を使用して 1 ビットのエントリにハッシュされます。
ハードウェア
C-Bus と ISA
le ドライバは、次チップに基づいている C-Bus と ISA バスのイーサネットアダプタをサポートしています:
- AMD Am7990 and Am79C90 LANCE
- AMD Am79C960 PCnet-ISA
- AMD Am79C961 PCnet-ISA+
- AMD Am79C961A PCnet-ISA II
これは、次のイーサネットアダプタのサポートを含んでいます:
C-Bus の非 PnP は、次の通りです:
- Contec C-NET(98)S
ISA の非 PnP は、次の通りです:
- BICC Isolan
- Novell NE2100
ISA の PnP は、次の通りです:
- AMD AM1500T/AM2100
- AMD PCnet-32
- AMD PCnet-ISA
- Allied Telesyn AT-1500
- Boca LANCard Combo
- Cabletron E2100 Series DNI
- Cabletron E2200 Single Chip
- Melco Inc. LGY-IV
- Novell NE2100
- Racal InterLan EtherBlaster
le ドライバは、 C-Bus と ISA バスイーサネットアダプタで ifconfig(8) を通してメディアタイプとオプションの選択をサポートしません。
PCI
le ドライバによってサポートされた PCI バスイーサネットチップは、次の通りです:
- AMD Am53C974/Am79C970/Am79C974 PCnet-PCI
- AMD Am79C970A PCnet-PCI II
- AMD Am79C971 PCnet-FAST
- AMD Am79C972 PCnet-FAST+
- AMD Am79C973/Am79C975 PCnet-FAST III
- AMD Am79C976 PCnet-PRO
- AMD Am79C978 PCnet-Home
これは、次のイーサネットアダプタのサポートを含んでいます:
- AcerLAN NIC P20
- Allied Telesyn AT-2450 and AT-2700 series
- VMware emulated AMD Am79C970A PCnet-PCI II interface
le ドライバは、 PCI バスイーサネットアダプタで ifconfig(8) を通して次のメディアタイプの選択をサポートしています:
- autoselect
- メディアタイプの自動選択を有効にします。
- 10baseT/UTP
- UTP メディアを選択します。
- 10base5/AUI
- AUI/BNC メディアを選択します。
次のメディアオプションは、これらのメディアタイプでサポートされます:
- full-duplex
- 全二重オペレーションを選択します。
pcn(4) ドライバと違って、 le ドライバは、100Mbps (ファーストイーサネット) メディアタイプの選択をサポートしないことに注意してください。
sparc64
le ドライバは、 Sun Ultra 1 マシンにあるオンボードの LANCE インタフェースをサポートしています。 le ドライバは、これらのオンボードインタフェースで ifconfig(8) を通して次のメディアタイプの選択を利用可能とします:- autoselect
- メディアタイプの自動選択を有効にします。
- 10baseT/UTP
- UTP メディアを選択します。
- 10base5/AUI
- AUI メディアを選択します。
autoselection を使用するとき、デフォルトのメディアタイプは、使用のためにキャリヤをすべてのポートを調べることによって選択されます。キャリヤが検出される最初のメディアタイプが選択されます。さらに、キャリヤがポートで落されるなら、ドライバは、キャリヤがあるものが見つけられるまで、利用可能なポートを切り換えます。
また、 le ドライバは、次の Sun SBus イーサネットアドオンアダプタをサポートしています:
- SCSI HBA と Buffered Ethernet (SBE/S, P/N 501-1869)
- Fast SCSI と Buffered Ethernet (FSBE/S, P/N 501-2015 と 501-2981)
le ドライバは、 SBus イーサネットアドオンアダプタで ifconfig(8) を通してメディアタイプとオプションの選択をサポートしません。
メディアタイプとオプションの設定に関するさらなる詳細については、 ifconfig(8) を参照してください。
診断
- le%d: overflow
- イーサネットから LANCE 受信バッファの空間より多くのパケットが到着した。パケットは失われました。
- le%d: receive buffer error
- LANCE は、バッファ空間を使い果たし、パケットは落されました。
- le%d: lost carrier
- イーサネットキャリヤは、転送する試みの間に消失しました。 LANCE は、現在のパケットを転送することを終了しますが、衝突があるなら、転送を自動的に再試行しません。
- le%d: excessive collisions, tdr %d
-
イーサネットが非常にビジーか、または渋滞し、外部へのパケットが、16 回再転送の試みの後に落とされました。
TDR は、“Time Domain Reflectometry” (時間領域反射率測定) の略語です。オプションで報告された TDR 値は、転送の始まりと衝突の発生の間隔の内部のカウンタです。ショートされるか、オープンされた (終端されていない) イーサネットケーブルでイーサネットタップからポイントまでの距離を決定するために、この値を使用することができます。
- le%d: dropping chained buffer
- パケットが単一の受信バッファに適合せず落されました。 le ドライバが最大サイズのイーサネットパケットを受信するために十分大きなバッファを割り付けるので、これは、LAN のある他のステーションが、イーサネット規格によって許可されているものより大きいパケットを転送されたことを意味します。
- le%d: transmit buffer error
- LANCE が、パケットの転送を終了する前に、バッファ空間を使い果たしました。このエラーが起こるなら、ドライバのソフトウェアに、バグがあります。
- le%d: underflow
- LANCE は、パケットの転送を終了する前に、バッファ空間を使い果たしました。このエラーが起こるなら、ドライバのソフトウェアに、バグがあります。
- le%d: controller failed to initialize
- ドライバが LANCE の開始に失敗しました。これは、潜在的なハードウェアの故障です。
- le%d: memory error
- LANCE が、それを読み込むか、またはそれに書き込む必要があったとき、 RAM がタイムアウト内に応答しませんでした。これは、潜在的なハードウェアの故障です。
- le%d: receiver disabled
- LANCE のレシーバ (受信機) が、エラーのためにオフにされました。
- le%d: transmitter disabled
- LANCE のトランスミッタ (送信機) が、エラーのためオフにされました。
歴史
le ドライバは、 NetBSD から移植され、 FreeBSD 6.1 ではじめて登場しました。入れ替わりに NetBSD のバージョンは、 4.4BSD ではじめて登場した le ドライバから派生されました。作者
le ドライバは、 <marius@FreeBSD.org>によって移植されました。January 20, 2007 | FreeBSD |