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TCSH(1)
TCSH(1) FreeBSD General Commands Manual TCSH(1)

名称

tcsh - ファイル名補完とコマンド行編集を追加した C シェル

書式

tcsh [ -bcdefFimnqstvVxX] [ -Dname[ =value]] [arg ...]
 
tcsh -l

解説

tcsh は、バークレイ版 UNIX の C シェル csh(1) と完全に互換性があり、さらに機能強化したシェルです。対話的なログインシェル、またシェルスクリプトのコマンドプロセッサの両方の用途で使われるコマンドインタプリタです。 tcsh には、コマンド行編集 ( コマンド行編集の項を参照)、プログラム可能な単語の補完 ( 補完と一覧の項を参照)、スペル訂正 ( スペル訂正の項を参照)、履歴 ( ヒストリ置換の項を参照)、ジョブ制御 ( ジョブの項を参照)、 C 言語風の文法があります。 新機能の章では、 csh(1) には存在しない、 tcsh の主な追加機能について説明しています。このマニュアルを通じ、 tcsh の機能のうち、 csh(1) のほとんどの実装 (特に 4.4BSD の csh) にない機能について、ラベル (+) をつけてあります。そして、 csh(1) にあったけれども文書化されていなかった機能にラベル (u) をつけてあります。

引数リスト処理

シェルへの 1 番目の引数 (引数 0 番) が `-' の場合、シェルはログインシェルになります。シェルを -l フラグを指定して起動することでもログインシェルにできます。

残りのフラグは以下のように解釈されます。

-b
このフラグは、オプションの処理を強制的に中断させる場合に使用します。このフラグ以降の引数はすべて、オプションではないものとして処理されます。これにより、混乱を避け、小細工をしなくても、シェルスクリプトにオプションを渡すことが可能になります。 set-user ID スクリプトは本オプションなしでは実行できません。
-c
コマンドを、本フラグの次にくる引数 (この引数は省略できません。また、1 つだけである必要があります) から読み込み、実行します。この引数は、あとで参照できるように、シェル変数 command に格納されます。残りの引数は、シェル変数 argv に代入されます。
-d
ログインシェルであるかどうかにかかわらず、 スタートアップとシャットダウンの項で解説されているように ~/.cshdirs から、ディレクトリスタックを読み込みます。(+)
-D name[= value]
環境変数 name に値 value を設定します。(Domain/OS のみ) (+)
-e
起動したコマンドが異常終了したり、0 でない終了ステータスを返したときに、ただちにシェルを終了します。
-f
シェルは、リソースまたはスタートアップファイルを何もロードしません、また、コマンドのハッシュも実行しません、したがって、より速く起動します。
-F
シェルは、プロセスを生成するために vfork(2) の代わりに fork(2) を使用します。(+)
-i
たとえ端末上で実行されていなくても、対話的に動作し最上位レベルの入力の際にプロンプトを表示します。入力と出力がともに端末である場合、本オプションなしでもシェルは対話的に動作します。
-l
ログインシェルとなります ( -l が、指定された唯一のフラグである場合にのみ有効です)。
-m
実効ユーザに属していなくても ~/.tcshrc をロードします。新しいバージョンの su(1) は -m をシェルに渡すことができます。(+)
-n
コマンドの解析は行いますが、実行はしません。シェルスクリプトのデバッグに役立ちます。
-q
SIGQUIT ( シグナル処理の項を参照) を受け付けるようにし、デバッガのもとで使われても作動するようになります。ジョブ制御は無効になります。 (u)
-s
標準入力からコマンドを読み込みます。
-t
入力から 1 行だけ読み込み、それを実行します。入力行の改行の直前に `\' を置くことで、次の行への継続を行うことができます。
-v
シェル変数 verbose を設定します。これにより、ヒストリ置換された状態のコマンド行を表示するようになります。
-x
シェル変数 echo を設定します。これにより、実行直前に、実行するコマンドを表示するようになります。
-V
~/.tcshrc を実行する前に、シェル変数 verbose を設定します。
-X
に対する -x の関係は、 -V に対する -v の関係に相当します。
--help
ヘルプメッセージを標準出力に印刷 (表示) して、終了します。(+)
--version
バージョン/プラットフォーム/コンパイルオプションを標準出力に印刷 (表示) して、終了します。この情報は version シェル変数にも含まれています。(+)

フラグ引数の処理のあと、もし引数が残っていて、かつ、 -c, -i, -s, -t のいずれのフラグも指定されていなければ、残っている引数のうち最初のものはコマンドファイル、つまり「スクリプト」の名前とみなされます。シェルはこのファイルをオープンし、`$0' による置換に備えてファイル名を保存します。多くのシステムは、スクリプトが本シェルと互換性のない version 6 または version 7 の標準のシェルを使っているため、スクリプトの先頭の文字が `#' でない場合、つまりスクリプトがコメントから始まらない場合、本シェルはそれらの「標準」のシェルを起動して実行します。

残りの引数はシェル変数 argv に設定されます。

スタートアップとシャットダウン

ログインシェルの場合は、実行開始に際し、まずシステムファイル /etc/csh.cshrc/etc/csh.login を読み込んで実行します。そしてシェルを起動したユーザの ホームディレクトリの中から、まずはじめに ~/.tcshrc (+) を読み込んで実行します。もし、 ~/.tcshrc が見つからない場合は、 ~/.cshrc を読み込んで実行します。次に、 ~/.history (もしくは、シェル変数 histfile の値) を、その次に ~/.login を、最後に、 ~/.cshdirs (もしくは、シェル変数 dirsfile の値) (+) を読み込んで実行します。コンパイルの仕方によって、シェルは /etc/csh.cshrc の後ではなく前に /etc/csh.login を読み込み、 ~/.tcshrc (または ~/.cshrc) と ~/.history の後ではなく前に ~/.login を読み込む場合があります。シェル変数 version を参照してください。(+)

ログインシェルでない場合は、 /etc/csh.cshrc と、 ~/.tcshrc (または ~/.cshrc) のみを起動時に読み込みます。

スタートアップファイルの例は、 http://tcshrc.sourceforge.net を見てください。

stty(1) や tset(1) のようなコマンドは、ログインするごとに 1 度だけ実行される必要がありますが、これらのコマンドは、普通は ~/.login ファイルに入れます。 csh(1) と tcsh の両方で同じファイルのセットを使う必要があるユーザは、 ~/.cshrc だけを使い、その中でシェル変数 tcsh (値は任意) があるかどうかチェックしてから、 tcsh 特有のコマンドを使うようにします。または、 ~/.cshrc~/.tcshrc の両方を使うが、 ~/.tcshrc で、 source コマンド (組み込みコマンドの項を参照) を使い ~/.cshrc を読み込むようにします。以下、このマニュアルの残りの部分で ` ~/.tcshrc' と表現したときは、「 ~/.tcshrc、または ~/.tcshrc が見つからない場合は ~/.cshrc」という意味で使います。

通常、シェルはプロンプト `> ' を表示し、端末からコマンドの読み込みを開始します (引数処理と、コマンドスクリプトを含むファイルの処理のためのシェルの使用については、後で説明します)。シェルは、入力されたコマンド行の読み込み、読み込んだコマンド行を単語に分解、およびコマンド履歴への格納、コマンド行の解析、コマンド行の中のコマンドそれぞれの実行を繰り返します。

ログアウトするには、空の行で `^D' とタイプするか、`logout' するか、 `login' するか、シェルの自動ログアウト機構 (シェル変数 autologout を参照) を使います。ログインシェルが実行終了する際には、ログアウトの状況に応じてシェル変数 logout を `normal' か `automatic' に設定し、 /etc/csh.logout ファイルと ~/.logout ファイルにあるコマンドを実行します。コンパイルの仕方によっては、シェルは、ログアウト時に DTR を落とすことがあります。これについてはシェル変数 version を参照してください。

システムのログインファイル名、ログアウトファイル名は、異なる csh(1) 間での互換性を保つために、システムごとにファイルが違います。これについては、 関連ファイルを参照してください。

編集

はじめに、 コマンド行エディタについて説明します。 補完と一覧と、 スペル訂正の 2 つの機能は、編集コマンドとして実装されていますが、特に分けて説明する必要があるため、項を改めて説明します。最後に、 編集コマンドの項で、シェルに特有の編集コマンドについて、一覧をあげ、デフォルトのバインドとともに説明します。

コマンド行編集 (+)

コマンド行の入力データは、GNU Emacs や vi(1) で使われているものと、よく似たキーシーケンスを使って編集できます。シェル変数 edit がセットされているときのみ、編集できるようになっています。対話的なシェルでは、この値はデフォルトで設定されています。組み込みコマンド bindkey で、キーバインドを変更したり、表示したりできます。デフォルトでは、Emacs 形式のキーバインドが使われています (違う方法でコンパイルしなければそうなります。シェル変数 version を参照)。しかし、コマンド bindkey で、キーバインドを vi 形式に一括して変更できます。

シェルは、つねに矢印キー (環境変数 TERMCAP で定義されたものです) を、次のように割り付けています。

下矢印
down-history
上矢印
up-history
左矢印
backward-char
右矢印
forward-char

他の 1 文字バインドによって、変わっていなければこのようになります。このようなバインドにしたくない場合、 settc を使って、矢印キーのエスケープシーケンスを空の文字列にセットすることができます。 ANSI/VT100 の矢印キーシーケンスは、つねにバインドされています。

その他のキーバインドは、そのほとんどは、Emacs、 vi(1) ユーザが予想できるものです。また、簡単に bindkey コマンドで表示させることもできるので、ここで、それらのバインドを並べあげる必要はないでしょう。同じく、 bindkey コマンドは、それぞれの編集コマンドを簡単な説明付きで、表示させることができます。

注意: 「単語」という概念に関して、編集コマンドは、シェルと同じ概念を持たないことに注意してください。エディタは、シェル変数 wordchars の中にはない非英数文字 (英文字、数字のどちらでもない文字) によって単語の区切りを決めます。一方、シェルは、ホワイトスペース (空白、タブ、改行) と、 字句構造の項で列挙する特殊な意味を持つ文字のいくつかを識別します。

補完と一覧 (+)

シェルは、一意に決まる短縮形を与えられると、しばしば単語の補完を行うことができます。単語の一部 (たとえば `ls /usr/lost') をタイプして、タブキーを押すと、編集コマンド complete-word が実行します。シェルは、ファイル名 `/usr/lost' を補完して `/usr/lost+found/' にします。このとき、入力バッファの中で、不完全な単語を完全な単語で置き換えます。 (注意: 末端の `/' について: 補完では、ディレクトリ名を補完すると最後に `/' を付け加えます。そして、ディレクトリ名以外の単語を補完すると、末尾に空白文字を付け加えます。こうすることで、タイプ入力が速くなり、また、補完が成功したことが一目で分かります。シェル変数 addsuffix のセットをはずせば、これらを付け加えなくすることもできます。) 合致するものが見当たらない場合 (おそらく `/usr/lost+found' が存在しない場合でしょう)、端末のベルが鳴ります。単語がすでに補完されている場合 (システムに `/usr/lost' が存在する場合か、あるいは、ユーザがはるか先まで考えて、すべてを入力してしまっていた場合でしょう)、`/' または空白文字が末尾にまだなければ、付け加えられます。

補完は、行の一番最後でなくても、途中どこででも機能します。そして、テキストの補完によって、その分、行の残りは右方向へ押されます。単語の中間で補完された場合、しばしばカーソルの右側に文字が残り、それを消すはめになることもあります。

コマンドと変数は、ほとんど同じ方法で補完できます。たとえば、`em[tab]' とタイプした時、使用しているシステムで `em' から始まるコマンドが唯一 emacs だけならば、 `em' は `emacs' と補完されます。補完は、 path 中のディレクトリにあるコマンドか、フルパスが与えられれば、そこにあるコマンドを見つけ出すことができます。 `echo $ar[tab]' とタイプした時、他に `ar' から始まる変数がなければ、 `$ar' は `$argv' と補完されます。

シェルは、入力バッファを解析して、補完したい単語を、ファイル名としてか、コマンドとしてか、変数としてか、どのように補完すべきかを決めます。バッファの中の最初の単語と、`;', `|', `|&', `&&', `||' のすぐ次にくる単語は、コマンドとみなします。 `$' で始まる単語は、変数とみなします。その他のものは、ファイル名とみなします。空の行は、ファイル名として `補完されて' います。

いつでも、`^D' とタイプすることで、編集コマンド delete-char-or-list-or-eof を実行させて、補完可能な単語の候補を並べ挙げることができます。シェルは、組み込みコマンド ls-F (q.v.) を使って、補完可能な候補を並べ挙げます。そして、プロンプトと未完成のコマンドラインを再表示します。次に例を示します。

> ls /usr/l[^D]
 
lbin/ lib/ local/ lost+found/
 
> ls /usr/l

シェル変数 autolist をセットしていれば、シェルは、補完に失敗したときはいつでも残りの選択肢を表示します。

> set autolist
 
> nm /usr/lib/libt[tab]
 
libtermcap.a@ libtermlib.a@
 
> nm /usr/lib/libterm

シェル変数 autolist を `ambiguous (あいまいな)' にセットした場合は、補完に失敗して補完される単語へ新しい文字をそれ以上追加できなくなったときに限り、選択肢を表示します。

補完するファイル名には、変数、自分もしくは他人のホームディレクトリ (`~' で短縮したもの。 ファイル名置換の項を参照)、ディレクトリスタックエントリ (`=' で短縮したもの。 ディレクトリスタック置換の項を参照) を含めることができます。たとえば、次のようになります。

> ls ~k[^D]
 
kahn kas kellogg
 
> ls ~ke[tab]
 
> ls ~kellogg/

あるいは、

> set local = /usr/local
 
> ls $lo[tab]
 
> ls $local/[^D]
 
bin/ etc/ lib/ man/ src/
 
> ls $local/

変数については、編集コマンド expand-variables を指定して使っても展開できることに注意してください。

コマンド delete-char-or-list-or-eof は、行の最後でのみリストを表示します。行の中間の場合、カーソル位置の文字を消去します。空行の場合、ログアウトします。ただし、 ignoreeof がセットされていれば、何もしません。 `M-^D' は、編集コマンド list-choices にバインドされていますが、これは行中のどこでも、補完の候補のリストを表示します。 list-choices (または、 delete-char-or-list-or-eof のところで列挙するコマンドで、消去するコマンド、しないコマンド、リスト表示するコマンド、ログアウトするコマンドのどれでも) は、そうしたい場合、組み込みコマンド bindkey で `^D' にバインドすることもできます。

編集コマンド complete-word-fwdcomplete-word-back (デフォルトでは、どのキーにも割り付けられていません) を使うことで、補完候補のリストを上または下に順に巡り、リスト上の現在の単語を、次の単語または 1 つ前の単語に置き換えることができます。

シェル変数 fignore に、補完の際に無視するファイルのサフィックスのリストをセットできます。次の例を考えてみます。

> ls
 
Makefile condiments.h~ main.o side.c
 
README main.c meal side.o
 
condiments.h main.c~
 
> set fignore = (.o \~)
 
> emacs ma[^D]
 
main.c main.c~ main.o
 
> emacs ma[tab]
 
> emacs main.c

`main.c~' と `main.o' は、 fignore にサフィックスが登録されているために、補完では無視されます (しかしリスト上には表示されます)。 ファイル名置換の項で解説しているように、 home に拡張されないようにするために、`~' の前に `\' が必要なことに注意してください。補完の候補が 1 つしかない場合は、 fignore の設定は無視されます。

シェル変数 complete が `enhance(拡張)' にセットされていた場合、補完は 1) 大文字小文字の区別を無視し、 2) ピリオド、ハイフン、下線 (`.', `-', `_')を、単語を分ける記号であるとみなし、ハイフンと下線は、同等なものとみなします。次のようなファイルがある場合、

comp.lang.c comp.lang.perl comp.std.c++
 
comp.lang.c++ comp.std.c

`mail -f c.l.c[tab]' とタイプすれば、`mail -f comp.lang.c' のように補完され、^D の場合には、`comp.lang.c' と `comp.lang.c++' がリストとして表示されます。 `mail -f c..c++[^D]' とタイプした場合は、`comp.lang.c++' と `comp.std.c++' が表示されます。次のファイルがあるディレクトリで、`rm a--file[^D]' とタイプした場合、

A_silly_file a-hyphenated-file another_silly_file

の 3 つのファイルすべてが一覧表示されます。なぜならば、大文字小文字の区別は無視されて、ハイフンと下線は、同等と解釈されるからです。しかしながら、ピリオドは、ハイフンや下線と同等ではありません。

complete シェル変数が `Enhance' に設定されるなら、補間は、ユーザが小文字またはハイフンをタイプするときのみ、大文字と小文字、ハイフンと下線単語のセパレータの間の差を無視します。大文字または下線の入力は、対応する小文字またはハイフン単語セパレータとマッチしません。前の例のディレクトリで、`rm a--file[^D]' とタイプすることは、まだすべての 3 つのファイルをリストしますが、 `rm A--file' とタイプすることは、`A_silly_file' のみマッチし、 `rm a__file[^D]' とタイプすることは、ユーザが大文字または下線文字を明示的に使用したので、単に `A_silly_file' と `another_silly_file' にマッチします。

補完と一覧は、他にもいくつかのシェル変数の影響を受けます。そのひとつ、 recexact をセットすると、続けてタイプすればより長い単語に合致するような場合でさえも、最短で一意に一致する単語に合致するようになります。たとえば、

> ls
 
fodder foo food foonly
 
> set recexact
 
> rm fo[tab]

この場合はベルが鳴るだけです。なぜなら、`fo' は、`fod' または `foo' に展開できるからです。しかし、さらに `o' とタイプすると、

> rm foo[tab]
 
> rm foo

`food' や `foonly' も合致するにもかかわらず、補完は `foo' で完了します。 autoexpand をセットすると、補完を試みる前に、毎回、編集コマンド expand-history を実行するようになります。 autocorrect をセットすると、補完を試みる前に、毎回、その単語のスペル訂正をするようになります ( スペル訂正の項を参照)。 correct をセットすると、`return (enter)' キーを押したあと、自動的にコマンドを補完するようになります。 matchbeep をセットすると、補完に際して、状況の変化に応じて、ベルを鳴らしたり、鳴らないようにできます。 nobeep をセットすると、まったくベルを鳴らさないようにできます。 nostat には、ディレクトリのリストやディレクトリに合致するパターンをセットでき、これらのディレクトリで補完機構が stat(2) を実行しないようにすることができます。 listmaxlistmaxrows にセットすることで、まず問い合わせずに一覧表示する項目の数や、列の数を、それぞれ制限することができます。 recognize_only_executables をセットすると、シェルがコマンド一覧を表示する際に、実行可能ファイルだけを一覧表示するようにさせることができます。ただし、動作はきわめて遅くなります。

最後に、組み込みコマンド complete を使って、ファイル名、コマンド、変数以外の単語を補完する方法をシェルに教えることができます。補完と一覧は、グロブパターン ( ファイル名置換の項を参照) 上では機能しませんが、編集コマンド list-globexpand-glob はグロブパターンに対し同等の機能として実行されます。

スペル訂正 (+)

シェルは、補完したり一覧表示するのと同様に、ファイル名、コマンド、変数名のスペルを訂正することができることがあります。

個々の単語は、編集コマンド spell-word (普通は M-s と M-S にバインドされています) でスペル訂正できます。入力バッファ全体は spell-line (普通は M-$ に割り付けられています) でスペル訂正できます。シェル変数 correct に `cmd' を設定されておけば、コマンド名がスペル訂正されます。 `all' を設定しておけば、リターンがタイプされるたびに行全体がスペル訂正されます。 autocorrect がセットされていれば、単語に補完を試みる前にその単語をスペル訂正します。

スペル訂正が、ここで説明した方法のいずれかにより呼び出され、コマンド行のどこかにスペル誤りがあると判断すると、シェルは、次のように訂正済みのコマンド行を表示し入力を待ちます。

> set correct = cmd
 
> lz /usr/bin
 
CORRECT>ls /usr/bin (y|n|e|a)?

これに対し、`y' または空白文字で答えると、訂正済み行を実行し、 `e' で答えると、入力バッファに訂正前のコマンドを残し、 `a' で答えると、`^C' が押された場合と同様にコマンドを中止し、それ以外の場合は、元のままの行を変えないで実行します。

スペル訂正は、ユーザ定義の補完を識別します (組み込みコマンド complete を参照)。もし、補完が実行される位置で、入力された単語が補完リストの中の単語に似ていたとき、スペル訂正は、ミススペル記録して、見つかった単語を訂正候補として提案します。しかし、入力された単語がその位置で、どの補完候補にも合致しなかった時、スペル訂正は、ミススペルを示しません。

補完と同様、スペル訂正は行のどこでも機能します。行の残りを右に押し出したり、残りの余分な文字をカーソルの右に残したりします。

注意: スペル訂正は、意図どおりに動作する保証はありません。そして、ほとんど実験的な機能として提供されています。提案、改善する点があれば歓迎します。

編集コマンド (+)

`bindkey' はキーバインド一覧を表示し、 `bindkey -l' は編集コマンドの一覧と短い解説を表示します。ここでは、新しい編集コマンド、または、特に興味深い編集コマンドについてのみ解説します。エディタのキーバインド割り付けの記述については、 emacs(1) と vi(1) を参照してください。

デフォルトでそれぞれのコマンドにバインドられた文字 (あるいは複数文字) は、括弧の中に示しました。 `^ character' は制御文字を意味します。 `M- character'はメタ文字です。メタキーがない端末の場合は、escape- character とタイプします。大文字小文字の区別はありますが、デフォルトで英文字に割り付けられるコマンドは、便宜上、大文字、小文字の両方にキーバインドされています。

complete-word (tab)
補完と一覧の項で解説しているとおり、単語を補完します。
complete-word-back (not bound)
complete-word-fwd と同様ですが、単語リストの終わりから、上へあがって行きます。
complete-word-fwd (not bound)
現在の単語を、補完可能単語リスト上の始めの単語で置き換えます。本コマンドを繰り返すことで、単語リスト上を下へ降りていくことができます。単語リストの最後までいくと、ベルが鳴り、未補完の単語へ戻ります。
complete-word-raw (^X-tab)
complete-word と同様ですが、ユーザ定義した補完は無視されます。
copy-prev-word (M-^_)
現在の行で、1 つ前の単語を入力バッファへコピーします。 insert-last-word も参照してください。
dabbrev-expand (M-/)
以前入力した単語の中で、現在の単語が先頭部分文字列であり、しかも最近のものを見つけて、それで展開します。必要ならば、ヒストリリストを一周回って元に戻って探します。 dabbrev-expand を中断せず繰り返すことで、その次の単語に変わります。 history-search-backward と同様に、同一のマッチングはスキップします。
delete-char (割り付けなし)
カーソル下の文字を削除します。 delete-char-or-list-or-eof も参照してください。
delete-char-or-eof (割り付けなし)
カーソル下に文字があれば delete-char を実行し、空行では end-of-file を実行します。 delete-char-or-list-or-eof も参照してください。
delete-char-or-list (割り付けなし)
カーソル下に文字があれば delete-char を実行し、行の末尾では list-choices を実行します。 delete-char-or-list-or-eof も参照してください。
delete-char-or-list-or-eof (^D)
カーソル下に文字があれば delete-char を実行し、行の末尾では list-choices を実行し、空行では end-of-file を実行します。これらの 3 つのコマンドも参照してください。これらのコマンドは、それぞれ 1 つの動作を実行するだけです。 delete-char-or-eof, delete-char-or-list, list-or-eof は、それぞれ 3 つのうちの異なる 2 つを実行します。
down-history (下矢印, ^N)
up-history と同様ですが、1 つずつ下に移動し、もとの入力行で止まります。
end-of-file (割り付けなし)
ファイルの終端であることをシェルに通知します。シェル変数 ignoreeof (そちらも参照) がセットされていない場合、その結果として、シェルは実行を終了します。 delete-char-or-list-or-eof も参照してください。
expand-history (M-space)
現在の単語のヒストリ置換を展開します。 ヒストリ置換を参照してください。 magic-space, toggle-literal-history と、シェル変数 autoexpand も参照してください。
expand-glob (^X-*)
カーソルの左にグロブパターンを展開します。 ファイル名置換を参照してください。
expand-line (割り付けなし)
expand-history と同様ですが、入力バッファのそれぞれの単語のヒストリ置換を展開します。
expand-variables (^X-$)
カーソルの左に変数を展開します。 変数置換を参照してください。
history-search-backward (M-p, M-P)
ヒストリリストを後方へ向かって、入力バッファの現在の中身 (カーソル位置まで) で始まるコマンドを検索し、それを入力バッファへコピーします。検索文字列は、`*', `?', `[]', `{}' を含んだグロブパターン ( ファイル名置換を参照) であってもかまいません。 up-historydown-history は、ヒストリリストの該当する地点から始める事ができます。 Emacs モードのみです。 history-search-forwardi-search-back も参照してください。
history-search-forward (M-n, M-N)
history-search-backward と同様ですが、前方へ検索します。
i-search-back (割り付けなし)
後方へ、 history-search-backward のように検索して、最初に合致したものを入力バッファへコピーし、カーソルをパターンの最後に位置させます。そして、`bck: 'プロンプトと最初に合致したものを表示します。追加の文字をタイプして、その検索を延長することができます。 i-search-back をタイプして、同じパターンで検索を延長することもできます。必要があれば、ヒストリリストを一周回って元に戻って検索を続けます。 (これを行うためには、 i-search-back は、1 文字にバインドされていなければなりません。) あるいは、以下の特殊文字をタイプすることもできます。

^W
カーソル下の単語の残りを検索パターンに加えます。
delete (あるいは backward-delete-char にバインドされた文字)
最後にタイプされた文字の効果をとりけし、適当なら検索パターンから文字を削除します。
^G
前の検索が成功していたなら、検索全体を中止します。そうでないなら、一番最後に成功した検索まで戻ります。
escape
検索を終え、入力バッファの現在の行をそのまま残します。

この他の文字で、 self-insert-command にバインドされている以外のものをタイプすると、検索が終了します。入力バッファの現在の行はそのままになり、タイプした文字は通常の入力として解釈されます。特に、キャリッジリターンの場合は、現在の行を実行に移します。 Emacs モードのみです。 i-search-fwdhistory-search-backward も参照してください。

i-search-fwd (割り付けなし)
i-search-back と同様ですが、前方へ検索します。
insert-last-word (M-_)
1 つ前の入力行 (`!$') の最後の単語を入力バッファに挿入します。 copy-prev-word も参照してください。
list-choices (M-^D)
補完と一覧で解説しているように、補完の可能性を一覧表示します。 delete-char-or-list-or-eoflist-choices-raw も参照してください。
list-choices-raw (^X-^D)
list-choices と同様ですが、ユーザ定義された補完を無視します。
list-glob (^X-g, ^X-G)
カーソルの左側のグロブパターン ( ファイル名置換を参照) に合致したものを (組み込みコマンド ls-F を用いて) 一覧表示します。
list-or-eof (割り付けなし)
list-choices を実行するか、または、空行の場合 end-of-file を実行します。 delete-char-or-list-or-eof も参照してください。
magic-space (割り付けなし)
まず expand-history と同様に、現在の行のヒストリ置換を展開して、その後で空白を 1 つ挿入します。 magic-space はスペースキーにバインドするように設計されていますが、デフォルトではバインドされていません。
normalize-command (^X-?)
パスの中の現在の単語を検索します。そして、見つかった場合、実行可能ファイルを指すフルパスで置き換えます。特殊文字はクォートされます。エイリアスは展開されて、クォートされますが、エイリアス中のコマンドは展開 / クォートされません。このコマンドは、たとえば、`dbx' や `sh -x' などのように、コマンドが引数を取得する場合に役立ちます。
normalize-path (^X-n, ^X-N)
シェル変数 symlinks の設定 `expand' の項で説明されているように、現在の単語を展開します。
overwrite-mode (割り付けなし)
入力モードと上書きモードの間で切り替えます。
run-fg-editor (M-^Z)
現在の入力行を保存します。そして、環境変数 EDITOR または VISUAL のファイル名部分の最後の構成要素 (または、どちらもセットされていなければ、`ed' か `vi') と等しい名前を持ち、ストップしているジョブを探します。そのようなジョブが見つかれば、`fg % job' とタイプしたのと同じように、実行再開されます。これは、エディタとシェルの間を抜けて交互に切り替えるのを容易にするために使われます。このコマンドを `^Z' にバインドし、もっと簡単に交互の切り替えができるようにする人もいます。
run-help (M-h, M-H)
補完ルーチンの `現在のコマンド' と同じ概念による現在のコマンドのドキュメントを検索し、表示します。ページャを使う方法はありません。 run-help は短いヘルプファイルとのために設計されているためです。特別なエイリアス helpcommand が定義されていた場合、コマンド名を唯一の引数としてその値が実行されます。ほかに、ドキュメントのファイル名は、 コマンド名.help, コマンド名.1, コマンド名.6, コマンド名.8, コマンド名のいずれかでなければなりません。また、そのファイルは、環境変数 HPATH の中で、一覧にあがっているディレクトリのうちの 1 つに入っていなければなりません。もし、1 つ以上のヘルプファイルがある場合は、最初の 1 つのみがプリントされます。
self-insert-command (テキスト文字)
挿入モード (デフォルト) では、タイプした文字を、カーソル下の文字の後に挿入します。上書きモードでは、タイプした文字で、カーソル下の文字を置き換えます。入力モードは、通常、各行の間で維持されていますが、シェル変数 inputmode を `insert(挿入)' あるいは、 `overwrite(上書き)' にセットしておくと、エディタを、各行の始まりで、そのモードにすることができます。 overwrite-mode も参照してください。
sequence-lead-in (矢印接頭辞、メタ接頭辞、^X)
次に続く文字がマルチキーシーケンス (複数文字の連続) であることを表します。マルチキーシーケンスをコマンドにバインドする場合、実際には、次の 2 つのバインドを作ります。まず、最初の文字を sequence-lead-in とします。そして、シーケンス全体をそのコマンドにバインドします。 sequence-lead-in にバインドされた文字で始まるすべてのシーケンスは、他のコマンドにバインドされていなければ、実質的には undefined-key にバインドされたのと同じことになります。
spell-line (M-$)
spell-word と同様に、入力バッファ中の各単語のスペル訂正を試みます。しかし、単語の最初の文字が、 `-', `!', `^', `%' のうちのどれかの場合と、単語中に `\', `*', `?' のいずれかを含んでいる場合は、スイッチや、置換などの問題を避けるために、これらの単語を無視します。 スペル訂正を参照してください。
spell-word (M-s, M-S)
スペル訂正の項で説明されているのと同じやり方で、現在の単語のスペルの訂正を試みます。パス名として現れる単語の部分をそれぞれにチェックします。
toggle-literal-history (M-r, M-R)
入力バッファのヒストリ置換を展開したり、`しなかったり' します。 expand-history と、シェル変数 autoexpand も参照してください。
undefined-key (割り付けのコマンドが無いキー)
ベルを鳴らします。
up-history (上矢印, ^P)
ヒストリリストの中から 1 つ前のエントリを入力バッファにコピーします。 histlit がセットされている場合、その記入された文字どおりの形式を使います。ヒストリリストを上の方へ 1 つずつ移動を繰り返した場合、一番上で止まります。
vi-search-back (?)
検索文字列 ( history-search-backward と同様、グロブパターンでも構いません) の入力のために `?' をプロンプト表示します。その文字列を検索して、同じ文字列を入力バッファへコピーします。合致するものが見つからなければ、ベルが鳴ります。リターンキー (enter キー) を押すと、検索を終了して、入力バッファ中に最後に合致した単語を残します。 escape キーを押すと、検索を終了して、合致したものを実行します。 vi モードのみです。
vi-search-fwd (/)
vi-search-back と同様ですが、前方へ検索します。
which-command (M-?)
入力バッファの最初の単語に対して、 which (組み込みコマンドの解説を参照) を実行します。
yank-pop (M-y)
yank や他の yank-pop の直後に実行されると、ヤンクされた文字列をキルリング中の 1 つ前の文字列に置き換えます。これはキルリングを回転させる効果も持っており、この文字列は、以降の yank コマンドによって、最も最近キルされた文字列として扱われます。 yank-pop を連続すると、キルリングを何度でも回転させます。

字句構造

シェルは入力された行をタブや空白で単語に分割します。特殊文字 `&', `|', `;', `<', `>', `(', `)', 2 文字繰り返しの `&&', `||', `<<' , `>>' は、空白で囲まれているかどうかにかかわらず、常に単語の区切りになります。

シェルの入力が端末からではないとき、文字 `#' は、コメントの始まりとして扱われます。 `#' とその後ろの入力行の残りはコメントと解釈され、文法解析されずに捨てられます。

特殊文字 (空白、タブ含む) は、その文字の直前にバックスラッシュ `\' を置くことで、または、単一引用符 `''、二重引用符 `"'、逆引用符 ``' で囲むことで、特殊な意味合いを持たないようにしたり、場合によっては、他の単語の一部分にすることもできます。他に引用がなされない限り、`\' の直後に改行文字を置くと、改行文字は空白扱いになります。しかし、引用中では、この文字の並びは改行文字になります。

さらに、 ヒストリ置換を除く、すべての 置換 (次項を参照) は、置換を含む文字列 (あるいは文字列の一部) を単一引用符で囲むことで防ぐことができます。あるいは、重大な文字 (たとえば、 変数置換 ならば `$' や、 コマンド置換ならば ``') を `\' でクォートすることで防ぐことができます。 ( エイリアス置換も例外ではありません。一度定義された alias に対して、何らかの方法でその単語のどれかの文字をクォートすることで、そのエイリアスの置換を防ぐことができます。エイリアスをクォートする普通の方法は、そのエイリアスの前にバックスラッシュを置くことです。) ヒストリ置換は、バックスラッシュを用いることで防ぐことができますが、単一引用符では防ぐことができません。二重引用符、逆引用符でクォートされた文字列は、 変数置換コマンド置換は受けますが、その他の置換は受けません。

単一引用符、二重引用符で囲まれたテキストは 1 つの単語 (またはその一部) となります。それらの文字列中のメタ文字 (空白、タブを含む) は、単語を分割しません。ひとつだけ特殊な場合 (次の コマンド置換を参照) として、二重引用符で囲まれた文字列を 1 つ以上の単語に分けることができます。これは、単一引用符で囲まれた文字列では決してできません。逆引用符は特殊で、 コマンド置換 (そちらも参照) に、影響を与え、その結果が 1 つ以上の単語になることもあります。

複雑な文字列をクォートする場合、特に、文字列自身にクォート文字が含まれている場合は、わかりにくいかもしれません。人間が書いたものの中では、引用符を引用のために使う必要はないことを忘れないように! 文字列全体をクォートするのではなく、もし適当ならば異なるタイプの引用符を用い、クォートする必要のある文字列の一部分のみをクォートすることの方が、簡単かもしれません。

シェル変数 backslash_quote (そちらも参照) をセットすると、バックスラッシュが常に `\', `'', `"' をクォートするようにできます。(+) これによって、複雑な引用をする仕事が簡単になるかもしれません。しかし csh(1) のスクリプトでは、構文エラーの原因になります。

置換

ここで、シェルが入力に対して行うさまざまな変換を、処理が行われる順に記述します。同時に、処理に関わるデータ構造と、データ構造に影響を与えるコマンドと変数とにも触れておきます。 字句構造のところで説明する引用により、置換を抑制できることを覚えておいてください。

ヒストリ置換

端末から入力したコマンドひとつひとつ (イベント) は、ヒストリリストに保存されます。直前のコマンドは常に保存されます。さらに、保存するコマンド数を、シェル変数 history に設定することができます。重複するイベントを保存するかどうか、同じイベントの連続をそのまま保存するかどうかを、シェル変数 histdup に設定することができます。

保存されたコマンドには、1 から始まる連続した番号が振られ、タイムスタンプが打たれます。普通イベント番号を用いる必要はありませんが、シェル変数 prompt の中に `!' を置くことで、現在のイベント番号をプロンプトの一部にすることができます。

実際のところ、シェルは、ヒストリを展開形式と文字どおり (未展開) の形式とで保存しています。シェル変数 histlit を設定しておくと、ヒストリを表示する / ヒストリに保存するコマンドで文字どおりの形式を用いるようになります。

組み込みコマンド history により、ヒストリリストの表示、ファイルに保存、ファイルからの読み込み、クリアをいつでも行えます。シェル変数 savehisthistfile により、ヒストリリストのログアウト時の自動保存と、ログイン時の自動読み込みを設定することができます。

ヒストリ置換により、ヒストリリストから単語の列を入力ストリームに持ち込みます。これにより、前のコマンドの繰り返し、前のコマンドで使った引数の繰り返し、前のコマンドで間違えたスペルの修正をわずかなキー入力で、かなり確実に容易に行うことができるようになります。

ヒストリ置換は、文字 `!' で始まります。ヒストリ置換は、入力ストリームのどこから開始してもかまいませんが、入れ子にはできません。文字 `!' の前に `\' を置くことで、`!' の特殊な意味を打ち消すことができます。文字 `!' が、空白文字、タブ文字、改行文字、`='、`(' の前にある場合は、そうした方が便利なので、無変更のまま渡されます。入力行が `^' で始まる場合にも、ヒストリ置換が生じます。この省略表現については後で説明します。ヒストリ置換を示すための文字 (`!' と `^') は、シェル変数 histchars を設定することにより変更することができます。入力行がヒストリ置換を含む場合、実行前に置換結果が常に表示されます。

ヒストリ置換には「イベント指定」、「単語指定子 (word designator)」、「修飾子 (modifier)」を含めることができます。イベント指定は、どのイベントから単語の列を取り出すかを指定します。単語指定子は、選択したイベントからどの単語を選ぶかを指定します。修飾子は、選択した単語をどう操作するかを指定します。

イベント指定には、次のものがあります。

n
番号: これはある特定のイベントを指定します。
- n
オフセット: これは現在のイベントの前 n 個目のイベントを指定します。
#
現在のイベントを指定します。これは csh(1) の中では注意して扱わねばなりません。 csh(1) では、再帰呼び出しのチェックをしていないからです。 tcsh では、再帰呼び出しは 10 レベルまで許されています。(+)
!
1 つ前のイベントを指定します (`-1' と等価)。
s
先頭の単語が s で始まるイベントのうち、最も新しいものを指定します。
? s?
文字列 s を含むイベントのうち、最も新しいものを指定します。直後が改行文字の場合は、2 番目の `?' は省略可能です。

たとえば、次のようなヒストリリストがあるとします。

 9 8:30 nroff -man wumpus.man
 
10 8:31 cp wumpus.man wumpus.man.old
 
11 8:36 vi wumpus.man
 
12 8:37 diff wumpus.man.old wumpus.man

コマンドが、イベント番号とタイムスタンプ付きで表示されています。現在のイベントは、まだ入力していませんが、イベント 13 です。 `!11' と `!-2' は、イベント 11 を指します。 `!!' は、直前のイベントであるイベント 12 を指します。 `!!' は、後ろに `:' が付いている場合、`!' と省略することができます (`:' は後で説明します)。 `!n' は、`n' から始まっている、イベント 9 を指します。 `!?old?' は、`old' を含んでいるイベント 12 を指します。単語指示子も単語修飾子もどちらも含まない場合、ヒストリ参照はそのイベント全体を展開するだけです。ですから、コピーコマンドを再実行したいときは `!cp' と入力しますし、`diff' の出力が画面上端からスクロールして消えてしまう場合、`!!|more' と入力します。

必要に応じ、中括弧で囲むことで、ヒストリ置換を前後のテキストから分離することができます。たとえば、`!vdoc' とすると、`vdoc' で始まるコマンドを探しますが、この例で見つからないにしても、`!{v}doc' では、あいまいさもなく `vi wumpus.mandoc' に展開されます。中括弧の中でも、ヒストリ置換は入れ子になりません。

(+) csh(1) では、たとえば `!3d' は、イベント 3 の後ろに英文字 `d' を付加して展開しますが、 tcsh では、これを `3d' で始まるイベントのうち最新のものに展開します。つまり、完全な数値引数だけをイベント番号と見なします。これにより、数字から始まるイベントを呼び出すことが可能となります。 `!3d' を csh(1) のように展開させるには、`!{3}d' と指定します。

イベントから単語を選択する場合、`:' と選択する単語を表す指示子を使い、イベント指定を行うことができます。入力行の単語には、0 から始まる番号が振られています。最初の単語 (普通、コマンドです) は 0 で、 2 番目の単語 (第 1 引数) は 1 といった具合です。基本的な単語指示子は次のようになります。

0
最初の単語 (コマンド)
n
n 番目の引数
^
最初の引数、`1' と等価
$
最後の引数
%
? s? 検索で一致した単語
x-y
ある範囲の単語
-y
`0-y' と等価
*
`^-$' と等価。但し、イベントが 1 単語しか含まない場合は何も返さない。
x*
`x-$' と等価
x-
`x*' と等価。但し、最後の単語 (`$') は除く。

選択した単語は、空白文字 1 つで区切られてコマンド行に挿入されます。たとえば、`diff !!:1.old !!:1' と打ち込むことで、先の例の `diff' コマンドを入力することもできます (`:1' で、直前のイベントから最初の引数を選択しています)。また、`diff !-2:2 !-2:1' と打ち込むことで `cp' コマンドの引数を選択し、入れ換えることができます。 `diff' コマンドの引数の順番を気にしなければ、`diff !-2:1-2' と打ち込んでも構いませんし、単に `diff !-2:*' でも構いません。 `cp' コマンドは、現在のイベントを指す `#' を使い、 `cp wumpus.man !#:1.old' と書くことができます。 `!n:- hurkle.man' は、 `nroff' コマンドから最初の 2 単語を再利用し、 `nroff -man hurkle.man' とすることになります。

文字 `:' は単語指定からイベント指定を分離しますが、引数選択子が `^', `$', `*', `%', `-' で始まるとき、この文字 `:' は省略可能です。たとえば、先ほどの `diff' コマンドは `diff !!^.old !!^' もしくは `diff !!$.old !!$' でも構わなかったのです。しかし、`!!' が `!' に省略可能である場合、`-' で始まる引数選択子はイベント指定として解釈されます。

ヒストリ参照に、イベント指定のない単語指示子があっても構いません。その場合、直前のコマンドを参照します。 `diff' の例を続けるなら、単純に `diff !^.old !^' と入力することができます。もしくは、逆順の引数を得るだけならば、単に `diff !*' でいいです。

ヒストリ参照の中の単語は編集可能です。つまり、単語の後ろに 1 つまたは複数の修飾子 (修飾子それぞれは `:' で始まります) を付けることで「修飾」可能です。

h
先頭のもの 1 つを残し、パス名の構成要素の後ろの部分を削除します。
t
末尾のもの 1 つを残し、パス名の構成要素の先頭の部分を削除します。
r
ファイル名拡張子 `.xxx' を削除し、名前の基本部分だけを残します。
e
拡張子だけを残し、他をすべて削除します。
u
最初の英小文字を大文字に変換します。
l
最初の英大文字を小文字に変換します。
s /l/r/
lr で置換します。 lr と同様に、単なる文字列です。名付け親である ed(1) コマンドのような正規表現ではありません。 `/' の代わりに任意の文字を区切り文字として使うことができます。 `\' を使い、 lr の中で区切り文字をクォートすることができます。 r 中の文字 `&' は、 l で置き換えられます。 `\' で `&' もクォートできます。 l が空 (``'') であるなら、以前の置換の l、またはイベント指定の以前の検索またはイベント番号の s が使用されます。最後の区切り文字の直後が改行文字の場合、その区切り文字を省略できます。
&
以前の置換を繰り返します。
g
後ろの修飾子を単語それぞれに適用します。
a (+)
後ろの修飾子を、ある単語だけにできるだけ多くの回数、適用します。 `a' と `g' をいっしょに用いて、修飾子をグローバルに適用することができます。 `s' 修飾子では、原文の単語に含まれたパターンだけが置換されますが、置換結果に含まれるパターンは置換されません。
p
新しいコマンド行を表示しますが、実行はしません。
q
置換された単語をクォートし、それ以上の置換が起きないようにします。
x
q と同じです。ただし、単語を空白 / タブ / 改行文字のところで分割します。

修飾子は最初に見つかった修飾可能な単語だけに適用されます (`g' を使用しない限り)。修飾可能な単語がない場合はエラーになります。

たとえば、先の例の `diff' コマンドは、`diff wumpus.man.old !#^:r' とも書くことができます。これは、`r' を用いて、同じ行 (`!#^') の最初の引数から `.old' を削除しています。 `echo hello out there' と言っておいてから、 `echo !*:u' を使い `hello' を大文字にできます。 `echo !*:au' を使い大声で言うようにできます。 `echo !*:agu' を使い絶叫させることもできます。 `mail -s "I forgot my password" rot' の後で `!:s/rot/root' を続けることで、`root' のスペル間違いを直すことができます (スペル間違いの訂正については、 スペル訂正の項に別のやり方があります)。

置換には特別な省略記法があります。 `^' が入力行の先頭にある場合、 `!:s^' と等価です。よって、先の例でスペルを訂正するには、 ^rot^root と言うこともできたわけです。これは明示的に `!' で始まらないヒストリ置換としては唯一のものです。

(+) csh では、ヒストリ展開または変数展開に適用される修飾子は 1 つだけです。 tcsh では、1 つ以上の修飾子が使用される可能性があります。たとえば、次のような場合を考えます。

% mv wumpus.man /usr/man/man1/wumpus.1
 
% man !$:t:r
 
man wumpus

csh では、この結果は `wumpus.1:r' となります。コロンが後ろに続く置換は、中括弧を用いてコロンと区切る必要があります。

> mv a.out /usr/games/wumpus
 
> setenv PATH !$:h:$PATH
 
Bad ! modifier: $.
 
> setenv PATH !{-2$:h}:$PATH
 
setenv PATH /usr/games:/bin:/usr/bin:.

最初の試みは csh では成功しますが、 tcsh では失敗します。この理由は、 tcsh は 2 番目のコロンの後ろに、`$' ではなく修飾子があると思っているからです。

最後に、ヒストリはここで説明してきた置換だけでなく、エディタでも利用することができます。編集コマンド up-historydown-history, history-search-backwardhistory-search-forward, i-search-backi-search-fwd, vi-search-backvi-search-fwd, copy-prev-wordinsert-last-word はヒストリリスト中のイベントを検索し、入力バッファにイベントをコピーします。編集コマンド toggle-literal-history は、入力バッファでヒストリ行を展開するか文字どおりに扱うかを切り替えます。 expand-history, expand-line はそれぞれ、現在の単語、または、入力バッファ全体でヒストリ置換を展開します。

エイリアス置換

シェルは、エイリアスのリストを保持しています。このリストは、 alias, unalias コマンドを使って設定、削除、表示することができます。コマンド行を解釈し単純コマンド ( コマンドを参照) に分割したあと、複数のコマンドを左から右へ、それぞれの最初の単語がエイリアスを持っているかをチェックします。エイリアスを持っている場合、最初の単語をエイリアスで置き換えます。置き換えたエイリアスがヒストリ参照を含む場合、元のコマンドを直前の入力行とみなして、 ヒストリ置換 (そちらも参照) が適用されます。エイリアスがヒストリ置換を含まない場合、引数リストは変更されずそのままです。

そのため、たとえば `ls' のエイリアスが `ls -l' だった場合、コマンド `ls /usr' は `ls -l /usr' になります。ここで、引数リストは影響を受けません。 `lookup' のエイリアスが `grep !^ /etc/passwd' だとすると、コマンド `lookup bill' は `grep bill /etc/passwd' になります。エイリアスを使い、パーサのメタ記法を利用できます。たとえば、`alias print 'pr \!* | lpr'' は、引数をラインプリンタに pr(1) する ``コマンド''(`print') を定義します。

コマンドの最初の単語がエイリアスを持たなくなるまで、エイリアス置換は繰り返されます。 (先の例のように) エイリアス置換が最初の単語を変更しない場合、そのエイリアスに印を付けてループが生じないようにします。それ以外のループは検出され、エラー扱いになります。

シェルが参照するエイリアスがいくつかあります。 特殊エイリアスを参照してください。

変数置換

シェルは変数のリストを管理しており、それらは 0 個またはそれ以上の個数の単語のリストを値として持ちます。シェル変数の値は、コマンド set, unset により表示、変更することができます。システムは、自分自身の ``環境'' 変数のリストを保持しています。環境変数はコマンド printenv, setenv, unsetenv により表示、変更することができます。

(+) `set -r' (参照) により変数を読み込み専用にすることができます。読み込み専用変数は、変更や unset ができません。これを試みるとエラーになります。一度読み込み専用にした変数は、書き込み可能に戻すことはできません。ですから、`set -r' は注意して使用する必要があります。環境変数は読み込み専用にすることはできません。

シェルが設定、参照する変数がいくつかあります。たとえば、変数 argv は、シェルの引数リストの複製で、この変数の値である単語は特別な方法で参照されます。シェルが参照する変数の中には、トグルスイッチがあります。シェルは、これらの変数が何の値を持っているかではなく、値が設定されているかどうかにだけ影響を受けます。たとえば、変数 verbose は、コマンド入力をエコーするかどうかを制御するトグルスイッチです。コマンド行オプション -v がこの変数に値を設定します。シェルが参照する変数すべてのリストは、 特別なシェル変数にあります。

変数を数値として扱う操作もあります。コマンド `@' により、数値計算を実行し、結果を変数に代入することが可能となります。しかしながら、変数の値は常に (0 個以上の) 文字列として表現されています。数値として扱うために、空文字列は 0 と見なされます。複数の単語からなる値の、2 番目以後の単語は無視されます。

入力行のエイリアス処理を終え、字句解析を終えた後で、そして、各コマンドを実行する前に、`$' 文字をキーとして変数置換が行われます。この展開は `$' の前に `\' を置くことで抑止できます。ただし、`"' の中は別で、ここでは 常に変数置換が行われます。また、`'' の中も別で、ここでは 決して変数置換が行われません。 ``' でクォートした文字列は後で解釈されますから、 (後の コマンド置換を参照) そこでの `$' 置換は後になるまで行われません。 `$' の後ろが空白、タブ、改行文字の場合は、`$' 置換は発生しません。

入出力リダイレクトは、変数展開の前に識別され、別々に変数展開されます。それ以外では、コマンド名と引数リスト全体が一緒に展開されます。ですから、(この時点での) 最初の単語 (コマンド) から 2 つ以上の単語が生成される可能性があります。展開後の複数の単語のうち最初のものがコマンド名となり、残りの単語は引数になります。

`"' で囲まれているか、修飾子 `:q' が指定されている場合を除き、最終的には、変数置換の結果に対し、コマンド置換とファイル名置換が適用されます。 `"' で囲まれている場合、値が複数の単語で構成される変数は、 1 つの単語 (の一部) に展開されます。この単語には、その変数の値である単語が空白で区切られたものを含みます。置換の際に修飾子 `:q' が適用される場合、変数は複数の単語に展開されます。それぞれの単語は空白で区切られ、以後、コマンド置換とファイル名置換が適用されないようにクォートされます。

シェルへの入力に変数の値を持ち込むための方法として、以下の構文があります。特に注がない限り、設定されていない値の参照はエラーになります。

$ name

${ name}
変数 name の値である単語に置換します。この単語は、それぞれが空白で区切られたものです。中括弧は name とそれ以後の文字列とを分離し、以後の文字列も含めて 1 つの変数名として解釈されないようにします。シェル変数には、文字から始まり文字と数字から構成される名前があります。下線は、英文字と見なします。 name がシェル変数ではありませんが、環境に設定されているなら、その値を返します (が、以下に与えられた他の書式のいくつかは、この場合利用可能ではありません)。

$ name[ selector]

${ name[ selector]}
name の値のうち選択した単語のみで置換します。 selector は `$' 置換が適用され、 1 つの数値または `-' で区切った 2 つの数値で構成することができます。変数の値の先頭の単語は 1 番目として数えます。範囲の最初の値を省略した場合、デフォルトの値 1 になります。範囲の最後の数値を省略した場合、デフォルトの値 `$# name になります。 selector `*' はすべての単語を選択します。 2 番目の引数が省略されるか、あるいは範囲に収まっている場合、範囲が空になってもエラーになりません。
$0
コマンド入力を読み込んでいるファイル名で置換します。ファイル名が不明の場合エラーになります。

$ number

${ number}
`$argv[ number]' と等価です。
$*
`$argv' と等価です。これは `$argv[*]' と等価です。

ヒストリ置換のところで説明した `:' 修飾子 (`:p' を除く) が、上記の置換に対して適用できます。 2 つ以上の修飾子も適用できます。 (+) ヒストリ置換 (そちらも参照) と同様に、変数置換とリテラルのコロンとを分離するために、中括弧が必要なことがあります。修飾子は中括弧の中に置かねばなりません。

以下の置換は `:' 修飾子で修飾することはできません。

$? name

${? name}
name が設定されているときは、文字列 `1' で置き換えられます。設定されていないときは、文字列 `0' で置き換えられます。
$?0
現在の入力ファイル名がわかっているときは、`1' で置き換えられます。わかっていないときは、`0' で置き換えられます。対話型のシェルでは、常に `0' です。

$# name

${# name}
name 中の単語の数で置き換えられます。
$#
`$#argv' と等価です。(+)

$% name

${% name}
name の文字数で置き換えられます。(+)

$% number

${% number}
$argv[ number] の文字数で置き換えられます。(+)
$?
`$status' と等価です。(+)
$$
(親) シェルの (10 進数の) プロセス番号で置き換えられます。
$!
本シェルが開始したバックグラウンドプロセスのうち最新のものの (10 進数の) プロセス番号で置き換えられます。(+)
$_
最後に実行したコマンドのコマンド行で置き換えます。(+)
$<
標準入力から読み込んだ 1 行を、一切解釈をせずにこの変数と置き換えます。シェルスクリプト中で、キーボードから読み込む際に用います。(+) csh は、`$<:q' と等価であるかのように、$<をクォートしますが、 tcsh はそうしません。それだけでなく、 tcsh がユーザの入力行を待つとき、ユーザは割り込みを入力して、置換されるべき行が入る列を中断することができます。しかし csh ではそうすることができません。

編集コマンド expand-variables は、通常は `^X-$' にバインドされていますが、これを使って、個々の変数を対話的に展開することができます。

コマンド置換、ファイル名置換、ディレクトリスタック置換

組み込みコマンドの引数に対し、残りの置換が選択的に適用されます。選択的とは、行の中で評価されなかった部分は、これらの展開の対象にならないという意味です。シェルの内部コマンドでないコマンドに対しては、コマンド名は引数リストとは別個に置換されます。この置換は最後の方、入出力リダイレクトを実行したあと、メインシェルの子供の中で生じます。

コマンド置換

``' で囲まれたコマンドは、コマンド置換を示します。囲まれたコマンドの出力を、空白、タブ、改行文字のところで別々の単語に分割します。この出力に変数置換、コマンド置換を実行し、元の文字列があった場所に置きます。

二重引用符 (`"') の内側のコマンド置換は、空白、タブを保存します。改行文字だけは新しく単語分けを行います。ただし、どのような場合でも最後の改行文字だけは新しい単語になりません。ですから、1 行まるまる出力するようなコマンドでも、コマンド置換を用いると単語の一部だけを生成することができます。

デフォルトでは、シェルのバージョン 6.12 から、コマンド内の全ての改行とキャリッジリターン文字は空白文字に置換します。 csubstnonl のセットを外してこれを止めた場合、通常のように改行でコマンドを区切ります。

ファイル名置換

単語が `*', `?', `[', `{' のいずれかの文字を含む場合、または先頭が `~' で始まる場合、その単語はファイル名置換 (あるいはグロブ (globbing) と呼ばれます) の候補になります。このような単語をパターン (グロブパターン) と見なし、そのパターンにマッチするファイル名のリストをアルファベット順で整列したもので置き換えます。

ファイル名とのマッチで、ファイル名の最初または文字 `/' と同様に直後に `/' が続く文字 `.' は、 ( globdot または globstar または両方のいずれかが設定されていないなら(+)) 明示的にマッチしなければなりません。文字 `*' は、空列を含む文字のあらゆる文字列とマッチします。文字 `?' は、任意の単一文字とマッチします。シーケンス `[...]' は、囲まれた文字のうちのいずれか 1 つとマッチします。 `[...]' 内で、`-' で区切られた 1 組の文字は、2 つの間の辞書順のあらゆる文字とマッチします。

(+) グロブパターンの中には反転を指定できるものがあります。シーケンス `[^...]' は、括弧内の文字 / 範囲で指定して いない文字ちょうど 1 つにマッチします。

`^' により、グロブパターン全体を反転させることもできます。

> echo *
 
bang crash crunch ouch
 
> echo ^cr*
 
bang ouch

`?', `*', `[]' のいずれも使わないグロブパターンや、 `{}', `~' (あとで説明します) を使うグロブパターンは、反転しても正しい結果を得られません。

メタ記法 `a{b,c,d}e' は、`abe ace ade' の省略記法です。左から右への出現順序は保存されます。 `/usr/source/s1/{oldls,ls}.c' は、 `/usr/source/s1/oldls.c /usr/source/s1/ls.c' に展開します。マッチングの結果は下位のレベルで個別に整列され、出現順序は保存されます。 `../{memo,*box}' は、`../memo ../box ../mbox' などに展開されるでしょう (ここで、`memo' が `*box' のマッチング結果とともに整列されていないことに注意してください)。この指定が展開された結果ファイルが存在しなくてもエラーになりませんが、展開結果を渡した先のコマンドでエラーになる可能性はあります。この指定は入れ子にすることができます。特殊な場合として、単語 `{', `}', `{}' は変更されずにそのまま渡されます。

ファイル名先頭の文字 `~' は、ホームディレクトリを指します。単独で用いられた場合、つまり `~' だけの場合、シェル変数 home の値に反映されているように、呼び出したユーザのホームディレクトリに展開されます。 `~' の直後に英文字、数字、または文字 `-' で構成される名前が続く場合、シェルはその名前を持つユーザを検索し、そのユーザのホームディレクトリに展開します。ですから、`~ken' はたとえば `/usr/ken' に展開されます。また、 `~ken/chmach'は、たとえば `/usr/ken/chmach' に展開されます。文字 `~' の後ろに英文字でもなく `/' でもない文字が続いた場合、もしくは、文字 `~' が単語の先頭以外に現れた場合、変更されずにそのまま渡されます。ですから、`setenv MANPATH /usr/man:/usr/local/man:~/lib/man' のようなコマンドでは、期待通りのホームディレクトリ置換が起こりません。

`*', `?', `[', `~' のどれかを含むグロブパターン (`^' は付いていてもいなくとも同じ) は、マッチするファイルがひとつもないとエラーになります。しかし、グロブパターンのリストのうちのひとつでもマッチすれば (他のものはマッチするものがなくても) エラーになりません (したがって、たとえば `rm *.a *.c *.o' は、カレントディレクトリに `.a', `.c', `.o' で終わるファイルがひとつもないときに限ってエラーになります)。また、シェル変数 nonomatch が設定されている場合、どれにもマッチしないパターン (あるいはパターンの列) はエラーにならずに無変換のまま残されます。

再帰的にあらゆる既存のサブディレクトリを横断して、 `/' 含むあらゆる文字列にマッチするファイルグロブ (glob) パターンとして `**' または `***' を許可するために globstar シェル変数を設定することができます。例えば、`ls **.c' は、カレントディレクトリツリーの .c ファイルをすべてリストします。それ自体によって使用されるなら、0 個以上のサブディレクトリにマッチします (例えば、`ls /usr/include/**/time.h' は、 /usr/include ディレクトリツリーの `time.h' と名前が付けられたあらゆるファイルをリストします。 `ls /usr/include/**time.h' は、`time.h' で終る /usr/include ディレクトリツリーのあらゆるファイルにマッチします。そして、`ls /usr/include/**time**.h' は、サブディレクトリ名またはファイル名自体のいずれかに `time' を含むあらゆる .h ファイルとマッチします。繰り返し関する問題を防ぐために、`**' グロブパターンは、ディレクトリを含んでいるシンボリックリンクを降下しません。これを無視するためには、`***' を使用します (+)。

ファイル名置換を止めるために、シェル変数 noglob を設定することができます。編集コマンド expand-glob は、通常は `^X-*' に結合されていますが、これを使い、個々のファイル名置換の展開を対話的に行うことができます。

ディレクトリスタック置換 (+)

ディレクトリスタックはディレクトリの列であり、0 から番号付けられ、組み込みコマンド pushd, popd, dirs (そちらも参照) が使用します。 dirs コマンドを使用すると、ディレクトリスタックをいつでも表示でき、ファイルに書き込むことができ、ファイルから読み込むことができ、そしてクリアすることができます。シェル変数 savedirs, dirsfile に値を設定することで、ログアウト時のディレクトリスタックの書き込みと、ログイン時の読み込みを自動的に行うことができます。シェル変数 dirstack を使い、ディレクトリスタックの中を調べることができ、ディレクトリスタックに任意のディレクトリを設定することができます。

文字 `=' の後ろに 1 桁以上の数字が続くと、それはディレクトリスタック中のエントリに展開されます。特殊な場合として、`=-' はスタックの最新のディレクトリに展開します。たとえば、次のようにです。

> dirs -v
 
0 /usr/bin
 
1 /usr/spool/uucp
 
2 /usr/accts/sys
 
> echo =1
 
/usr/spool/uucp
 

echo =0/calendar
 
/usr/bin/calendar
 
> echo =-
 
/usr/accts/sys

シェル変数 noglob, nonomatch と編集コマンド expand-glob はファイル名置換と同様にディレクトリスタックにも適用されます。

その他の置換 (+)

ファイル名を含む変換が他にいくつかあります。厳密には先に説明したものと関係があるわけではありませんが、完全を期するためにここで説明しておきます。変数 symlinks (そちらも参照) が `expand' に設定されている場合、 どのようなファイル名もフルパスに展開される可能性があります。クォートすることでこの展開を止めることができ、編集コマンド normalize-path を使用すると要求に応じて展開を止めることができます。また、編集コマンド normalize-command は、PATH にあるコマンドを、要求に応じてフルパスに展開します。最後に、 cdpushd は `-' を以前の作業ディレクトリ (シェル変数 owd と等価) と解釈します。これは置換でもなんでもなく、このコマンドだけで認識される省略記法です。それでも、この表記もクォートすることでこの解釈を止めることができます。

コマンド

次の 3 つのセクションでは、シェルがどのようにコマンドを実行し、それらの入出力をどのように扱うかを説明します。

単純コマンド、パイプライン、コマンド列

単純コマンドは、単語の列であり、その最初の単語が実行されるコマンドです。 `|' 文字によって区切られた一連の単純コマンドはパイプラインを形成します。パイプライン内のそれぞれのコマンドの出力は次のコマンドの入力に接続されます。

単純コマンドとパイプラインは `;' 文字を使ってコマンド列に組み入れることができ、並んでいる順に実行されます。コマンドとパイプラインは `||' や `&&' でコマンド列に組み込むこともでき、C 言語で扱われるのと同様に、最初のコマンドが失敗した時にだけ (`||'の場合)、あるいは成功した時にだけ (`&&'の場合)、次のコマンドが実行されます。

単純コマンド、パイプライン、またはコマンド列は、括弧 `()' を使って単純コマンドを形成することができ、パイプラインやコマンド列の一部として使用できます。コマンド、パイプライン、またはコマンド列の後に `&' を置いて実行すると、そのコマンドの終了を待たずに次のコマンドを実行できます。

組み込みコマンド、非組み込みコマンドの実行

組み込みコマンドは、シェルの中で実行されます。パイプラインの構成要素の最後以外が組み込みコマンドのとき、パイプラインは、サブシェル内で実行されます。

括弧で括られたコマンドは、常にサブシェル内で実行されます。

(cd; pwd); pwd

これは、現在のディレクトリを移動することなく ホーム ディレクトリを表示 (その後に現在のディレクトリを表示) し、その一方、

cd; pwd

この場合は ホームディレクトリに移動します。括弧で括られたコマンドは、たいてい cd が現在のシェルに影響するのを防ぐために使用します。

実行するコマンドが組み込みコマンドでないことが判明すると、シェルはそのコマンドを execve(2) を通じて実行しようとします。環境変数 path 内の各語は、シェルがコマンドを検索するディレクトリを指定します。 -f オプションがシェルに与えられないなら、シェルは、コマンドがそこにある可能性があるディレクトリだけで execve(2) を試みることができるように、これらのディレクトリの名前を内部のテーブルにハッシュします。このことは、検索パス内のディレクトリの数が多い場合に、コマンドの位置確定を大いに高速化します。このハッシュメカニズムは、使用されていません:

1.
ハッシュが、 unhash を通して明白にオフにされるなら。
2.
-f 引数がシェルに与えられるなら。
3.
`/' で始まらない path の各ディレクトリの構成要素について。
4.
コマンドが `/' を含んでいるなら。

上記の 4 つの場合では、シェルは、それを実行するために試みられるファイルのパス名を形成するために与えられたコマンド名でパスベクトルの各構成要素を連結します。実行が成功したなら、検索は止まります。

ファイルに実行許可であってシステムが実行可能ではない場合、 (すなわち、実行可能バイナリ、インタプリタを指定したスクリプトではないとき)、それをシェルコマンドを含むファイルであるとみなし、新しいシェルを起動してそのファイルを読み込みます。 シェルの特殊なエイリアスで、シェル自体ではなくインタプリタを指定するように設定することもできます。

慣習的な `#!' スクリプトインタプリタを理解しないシステム上では、シェルはそれをエミュレートするようにコンパイルされます。シェル変数 version を参照してください。その場合、シェルがファイルの最初の行をチェックし、それが `#! interpreter arg ...' の形式であるかどうかを確認します。この形式であれば、シェルは与えられた 引数とともに インタプリタを起動して、そのファイルを標準入力に供給します。

入出力

コマンドの標準入力と標準出力は以下の文法に従ってリダイレクトすることができます:

< name
ファイル name (変数、コマンド、ファイル名展開を受けます) をオープンし、コマンドの標準入力とします。
<< word
word と同一の行が出現するまで、シェルの入力を読み込みます。 word は変数、ファイル名、コマンド置換を受けません。シェル入力の行は読み込まれるとすぐ、置換を行う前に word と比較されます。 word に `\', `"', `'', ``' のクォートが出現しなければ、行の中でコマンド置換が実行されます。この置換を抑制するために、`\' によって `$', `\', ``' をクォートすることができます。コマンド置換において、すべての空白、タブ、改行は保存されますが、最後の改行は削除されます。読み込んだ行はすべてテンポラリファイルに保存され、コマンドの標準入力として用いられます。

> name

 

>! name

 

>& name

>&! name
ファイル name を標準出力として用います。ファイルが存在しなければ作成されます。すでにファイルが存在すればその内容は切り捨てられ、以前の内容は失われます。

シェル変数 noclobber がセットされている場合、ファイルが存在しないか文字型特殊ファイル (端末や `/dev/null' のような) でなければエラーになります。これは、すでに存在するファイルを間違えて削除してしまうことを防止します。 `!' を用いた形式を使うと、この検査を抑制することができます。

`&' を用いた形式では、標準出力とともに診断メッセージ出力もファイルへリダイレクトされます。 name は、`<' の入力ファイル名の場合と同様の展開を受けます。

>> name

 

>>& name

 

>>! name

>>&! name
`>' と同様に、ファイル name を標準出力として用います。ただし、コマンドの出力はファイルへ追加されます。変数 noclobber がセットされている場合、ファイルが 存在しなければエラーとなります。 `!' を用いることで、この検査を抑制することができます。

コマンドは、シェルが起動されたときの環境を引き継ぎます。ただしこの環境は入出力のパラメータによって変更されますし、コマンドがパイプラインの中にあった場合も変更されます。したがって、以前のいくつかのシェルとは異なり、シェルのコマンドファイルから起動されたコマンドは、デフォルトではそのコマンドのテキストへアクセスできません。かわりにそれらのコマンドは、シェルのもともとの標準入力をそのまま受け継ぎます。シェルスクリプトの内部で、コマンドにあらかじめ決まった (inline) データを渡す場合には、標準入出力の形式ではなく、 `<<' の機構を使うことができます。このように制限することにより、シェルコマンドスクリプトをパイプラインの一部として用いることができます。バックグラウンドで実行されているコマンドの標準入力も /dev/null 等にリダイレクトされること なく、シェルの標準入力をそのまま受け継いでいます。もし標準入力が端末で、コマンドが端末から読み込もうとした場合、そのプロセスはブロックされ、シェルはユーザにそのことを通知します ( ジョブの項を参照)。

診断メッセージ出力もパイプにリダイレクトすることができます。単に `|' のかわりに `|&' を使います。

シェルは、標準出力のリダイレクトなしで、診断メッセージ出力をリダイレクトできなくなります。そのため、`( コマンド > 出力ファイル) >& エラーファイル' は、無難な予備手段とされてます。 出力ファイルエラーファイルのどちらかが、端末に出力を送るための `/dev/tty' です。

特徴

ここではシェルがどのようにコマンドラインを受け入れ、解釈し、実行するかを説明しました。次は、便利な特徴について説明します。

制御フロー

このシェルには、コマンドファイル (シェルスクリプト) や (制約はあるものの便利な) 端末からの入力処理の流れを制御するために使用できる多くのコマンドを備えています。これらのコマンドは、入力の再読み込みや読み飛ばしを行うためシェルを強制的に操作します。これらの実装のために、幾つかのコマンドには制限があります。

foreachswitchwhile 文は、 if 文の if-then-else 形式と同様に、後で示すように入力行の単独の単純コマンド中に主要なキーワードが現れることを要求します。

シェルの入力がシーク可能でない場合は、ループが読み込まれると常に入力をバッファし、この内部バッファをシークすることでループによる再読み込みを可能にします。 (これを許可した結果、後方へ向かう goto がシーク可能でない入力についても成功することになります。)

組み込みコマンドの if, while, exit は共通した文法を持った式を使います。式には、次の 3 つのセクションの中で説明される任意の演算子を含めることができます。 @ 組み込みコマンド (そちらも参照) 自体は、文法を区切るので注意してください。

論理演算子, 算術演算子, 比較演算子

これらの演算子は C の演算子と同じ優先順位となっています。演算子には、次のものがあります。

|| && | ^ & == != =~ !~ <= >=
 
< > << >> + - * / % ! ~ ( )

ここに挙げた演算子は右側のものほど優先順位が高くなっています。ただし、 `==' `!=' `=~' `!~' の 4 つ、`<=' `>=' `<' `>' の 4 つ、 `<<' `>>' の 2 つ、`+' `-' の 2 つ、`*' `/' `%' の 3 つはそれぞれ同一のグループに所属しており、同じグループに所属している演算子の優先順位は同じレベルとなっています。演算子 `==' `!=' `=~' `!~' は引数を文字列として比較します。他の演算子はすべて数値で比較します。演算子 `=~' `!~' は `!=' `==' と似ていますが、左側のオペランドにマッチするグロブパターン ( ファイル名置換を参照) を右側に置くことが異なります。必要なものに対してだけパターンマッチを行うので、シェルスクリプト中における switch 組み込みコマンドの使用の必要を減らします。

空の文字列や引数がぬけているものは `0' とみなされます。すべての式の結果は 10 進数で表される文字列になります。特に、式の構成要素が同一の単語中に複数個現れることはないということに注意してください。例外として、パーサに文法的に特別な意味を持つ式の構成要素 (`&' `|' `<' `>' `(' `)') が隣りにくることは構いません。ただし、これらは空白で区切られるべきです。

コマンド終了ステータス

式の中でコマンドを実行することができ、式を中括弧 (`{}') で囲むと終了ステータスが返されます。中括弧は、コマンドの単語から空白で区切ることを忘れないでください。コマンドの実行が成功した場合は、真 (たとえば `1') を返します。コマンドが 0 のステータスで終了した場合、または実行に失敗した場合は、偽 (たとえば `0') を返します。もっと詳しいステータスの情報が必要な場合は、コマンドを式の外部で実行し、シェル変数 status を調べてください。

ファイル問い合わせ演算子

これらの演算子のうち幾つかはファイルと関連するオブジェクトについて真/偽の判定を行います。これらは - op file の形式です。 op は次のうちのどれか 1 つです。

r
読み込みアクセス
w
書き込みアクセス
x
実行アクセス
X
パス中にある実行可能ファイルやシェル組み込みコマンド。たとえば `-X ls' と `-X ls-F' は一般に真であり、 `-X /bin/ls' はそうではない (+)
e
存在
o
所有者
z
サイズ 0
s
サイズが 0 でない (+)
f
通常ファイル
d
ディレクトリ
l
シンボリックリンク (+) *
b
ブロック型特殊ファイル (+)
c
キャラクタ型特殊ファイル (+)
p
名前付きパイプ (fifo) (+) *
S
ソケット型特殊ファイル (+) *
u
set-user-ID ビットがセットされている (+)
g
set-group-ID ビットがセットされている (+)
k
スティッキビットがセットされている (+)
t
file (これは数字でなければならない) は、端末デバイスに対してオープンしているファイル記述子である (+)
R
migrate されている (Convex システムのみ有効) (+)
L
多重演算子の中でこの演算子の後にくる演算子は、シンボリックリンクが指されているファイルではなく、シンボリックリンクそのものに適用される (+) *

file はコマンドと展開されたファイル名で、指定された実ユーザに対する関係があるかどうかテストします。 file が存在していない場合、もしくはアクセスできない場合、 `*' で示した演算子については、指定のファイルタイプが現在のシステムに存在していなければすべての問い合わせは偽 (たとえば `0') を返します。

s true これらの演算子は、簡潔にするために連結することができます。 `- xy file' は `- x file &&- y file' と等価です。(+) たとえば `-fx' は通常の実行可能ファイルに対しては真 (`1' を返す) ですが、ディレクトリに対してはそうではありません。

s L は多重演算子の中で使用できます。この演算子の後にくる演算子は、シンボリックリンクが指されているファイルではなく、シンボリックリンクそのものに適用されます。たとえば `-lLo' は呼び出しユーザが所有しているリンクに対しては真です。 Lr, Lw, Lx はリンクに対しては常に真で、リンクでないものに対しては偽です。 L は多重演算子の中で最後の演算子になった場合、異なった意味を持ちます。以下を参照してください。

s file に渡すべき演算子と、そうでない演算子 (たとえば Xt) を連結することは可能ですが、実用的ではなく、しばしば間違いの元になります。特に、ファイルでない演算子に L をつけると、妙な結果になります。

他の演算子は他の情報、つまり単なる `0' や `1' だけではない情報を返します。(+) これらは前に示したのと同じ書式になります。 op は次のうちのどれか 1 つです。

A
エポックからの秒数で表した、最後にファイルにアクセスした時間
A:
A と同じで、タイムスタンプの書式。例: `Fri May 14 16:36:10 1993'
M
最後にファイルを変更した時間
M:
M と同じで、タイムスタンプの書式
C
最後に inode を変更した時間
C:
C と同じで、タイムスタンプの書式
D
デバイス番号
I
inode 番号
F
device: inode の形式で表した複合 file 識別子
L
シンボリックリンクが指しているファイルの名前
N
(ハード) リンクの数
P
先頭に 0 がついていない 8 進数で表したパーミッション
P:
P と同じで、先頭に 0 がつく
P mode
`-P file & mode' と等価。たとえば、`-P22 file' は file のグループと他者が書き込み可であれば `22' を、グループのみであれば `20' を、何もなければ `0' を返す。
P mode:
P mode と同じで、先頭に 0 がつく
U
数値で表したユーザ ID
U:
ユーザ名、ユーザ名が見つからなかった場合は数値で表したユーザ ID
G
数値で表したグループ ID
G:
グループ名、グループ名が見つからなかった場合は数値で表したグループ ID
Z
バイト数で表したサイズ

これらの演算子のうち 1 つだけ多重演算子の中に現れることを許されていますが、必ず最後につける必要があります。ただし、 L は多重演算子の中の最後とそれ以外の箇所では違った意味になるので注意してください。なぜなら、`0' はこれらの演算子の多くにとって正当な返り値のためです。これらが失敗した場合、`0' を返しません。たいていの場合、`-1' を返し、 F は `:' を返します。

このシェルが POSIX を定義してコンパイルされている (シェル変数 version を参照) 場合、ファイル問い合わせの結果は、 access(2) システムコールの結果に基づいたものではなく、ファイルの許可ビットに基づいたものになります。たとえば、通常は書き込み可であるが読み込み専用でマウントされたファイルシステム上にあるファイルを -w で検査した場合、 POSIX シェルでは成功し、非 POSIX シェルでは失敗することになります。

ファイル問い合わせ演算子は filetest 組み込みコマンド (そちらも参照) と等価になり得ます。(+)

ジョブ

シェルはパイプラインの各々に対し ジョブを 1 つずつ関連付けます。シェルは、現在実行中のジョブの一覧表を保持しており、これは、 jobs コマンドによって表示することができます。ジョブには整数の番号が割り当てられます。ジョブが `&' を用いて非同期に起動された場合、シェルは以下のような出力を行います:

[1] 1234

これは、非同期に起動したジョブがジョブ番号 1 であり、プロセス ID が 1234 である (トップレベルの) プロセスを 1 つ持っていることを示します。

もし、あるジョブを実行中に他のことをしたくなった場合、サスペンドキー (通常 ^Z) を押すことにより実行中のジョブに STOP シグナルを送信することができます。通常、シェルはそのジョブが一時停止した (Suspended) ことを出力し、プロンプトを表示します。シェル変数の listjobs が設定されていると、組み込みコマンドの jobs のようにすべてのジョブがリストされます。もしそれが `long' と設定されているとリストは `jobs -l' のような長い形式になります。ここで、一時停止したジョブの状態を操作することができます。つまり、 bg コマンドにより停止したプロセスを ``バックグラウンド'' で走行させたり、他のコマンドを実行してから、停止していたジョブを fg コマンドにより ``フォアグラウンド'' で再実行させることなどができます。 (編集コマンドの run-fg-editor も参照してください。) `^Z' は即座に効力を発揮し、割り込みと同様に、それまで待たされていた出力とまだ読み込まれていない入力は捨てられます。組み込みコマンドの wait はすべてのバックグラウンドのジョブが終了するまでシェルを待機状態にさせます。

`^]' キーは遅延サスペンドシグナルを現在のジョブに送信します。この場合はプログラムが read(2) によって読み込もうとした時点で STOP シグナルが送信されます。これは、実行中のジョブに対していくつかの入力を先に入力しておき、先行入力を読み終えた時点でジョブを停止させたいときに便利です。 csh(1) ではこの機能は `^Y' キーに割り当てられていました。 tcsh では `^Y' は編集コマンドです。(+)

バックグラウンドで実行しているジョブが端末からの入力を試みた場合、そのジョブは停止します。通常、バックグラウンドジョブが端末に出力することは可能ですが、これはコマンド `stty tostop' により禁止することができます。もしこの tty オプションを指定したなら、バックグラウンドで実行しているジョブは、端末から入力を試みたときと同様に、端末に出力を試みたときに停止します。

シェルでジョブを参照するにはいくつかの方法があります。文字 `%' はジョブ名を表すのに用いられます。番号 1 のジョブを参照する場合は `%1' とします。単にジョブ名を入力した場合、そのジョブはフォアグラウンドに移動されます。すなわち `%1' は `fg %1' と等価で、ジョブ 1 をフォアグラウンドに移行します。同様に `%1 &' は、ちょうど `bg %1' と同じようにのジョブ 1 をバックグラウンドで再開させます。ジョブはそのジョブを起動したときにタイプされた文字列の先頭部分によって参照することもできます。ただしこの先頭部分はあいまいでない必要があります。すなわち `%ex' は、`ex' という文字列で始まる名前のサスペンドされたジョブが 1 つしかない場合に限り、サスペンドされた ex(1) のジョブを再開します。文字列 string を含むジョブが 1 つしかない場合、`%? string' と入力することでそれを指定することもできます。

シェルは現在のジョブと直前のジョブを覚えています。ジョブに関係する出力で、`+' 記号が付加されているのが現在のジョブ、 `-' 記号が付加されているのが直前のジョブです。 `%+', `%' と ( ヒストリ機構の文法との類似から) `%%' はすべて現在のジョブ、`%-' は直前のジョブを参照するための省略形です。

ある種のシステムではジョブ制御機構を利用するために stty(1) のオプション `new' を設定しておく必要があります。ジョブ制御機構は `新型の' 端末ドライバの実装の上に構築されているからで、新型の端末ドライバによりジョブを停止させるための割り込み文字をキーボードから入力できるようになるからです。新型の端末ドライバのオプション設定については stty(1) と組み込みコマンドの setty を参照してください。

状態通知

シェルは、プロセスが状態の変化を起こすとすぐにそれを検知します。通常はプロンプトが表示される直前にのみ、あるジョブが停止してそれ以上処理が進まなくなったことを通知します。これはユーザの仕事を邪魔しないようにするためです。しかしながら、シェル変数 notify を設定することにより、シェルにバックグラウンドジョブの状態が変化したことをただちに通知させることができます。また、シェルコマンド notify により、特定のジョブの状態の変化をただちに通知させるようにマークすることもできます。引数なしの notify は現在のプロセスに対してマークをつけます。バックグラウンドジョブの開始直後に単に `notify' と打つとそのジョブをマークします。

停止したジョブが存在する状態でシェルを終了しようとすると `There are suspended jobs.' という警告を受けます。このとき jobs コマンドによりどのジョブが停止中であるのかを確認することができます。警告を受けた直後に jobs コマンドで確認した場合と、警告を受けた直後に再度シェルを終了させようとした場合には、シェルは 2 度目の警告を行わずに停止中のジョブを終了させてからシェルを終了します。

自動イベント、定期イベント、時刻指定イベント (+)

シェルの ``ライフサイクル'' において、いろいろな時間に自動的にコマンドの実行と他のアクションを行うさまざまな方法が用意されています。それらをここに要約し、詳しくは 組み込みコマンド特別なシェル変数特別なエイリアスの適切な場所で説明します。

組み込みコマンドの sched はコマンドをイベントの予定表に置き、指定された時刻にシェルによって実行されるようにします。

特別なエイリアスとして beepcmd, cwdcmd, periodic, precmd, postcmd, jobcmd があり、それぞれシェルがベルを鳴らす時、作業ディレクトリが変わる時、 tperiod 分毎、各プロンプトの前、各コマンドの実行前、各コマンドの実行後、ジョブの起動時またはフォアグラウンド移行時に実行させたいコマンドを設定できます。

シェル変数の autologout を使って、指定した分数の休止後にログアウトまたはシェルをロックするように設定できます。

シェル変数の mail を使って、定期的に新しいメールをチェックするように設定できます。

シェル変数の printexitvalue を使って、0 以外のステータスで終了したコマンドの終了ステータスを表示するように指定できます。

シェル変数の rmstar を使って、`rm *' が入力されたときにユーザに間違いないかどうか確認を求めるように指定できます。

シェル変数の time を使って、指定した秒数より多く CPU 時間を使ったプロセスの終了後に組み込みコマンドの time を実行するように設定できます。

シェル変数の watchwho を使って、指定したユーザがログインまたはログアウトした時にレポートするように設定できます。また組み込みコマンドの log でいつでもそれらのユーザについてのレポートを得られます。

固有言語システムのサポート (+)

シェルは 8 ビットクリーンなので (そのようにコンパイルされていれば。シェル変数の version を参照)、それを必要とする文字セットをサポートします。 NLS サポートはシェルがシステムの NLS を使うようにコンパイルされているかどうかによって異なります (再び、 version を参照)。どちらの場合でも 7 ビット ASCII がデフォルトの文字コード (たとえばそれらの分類の文字は表示可能) であり、そして順序づけです。環境変数の LANG または LC_CTYPE を変更すると、これらの点について変化の有無がチェックされます。

システムの NLS を使う場合には、文字の適切なコード/分類と順序づけを決定するために setlocale(3) 関数が呼び出されます (たとえば 'en_CA.UTF-8' は "UTF-8"を文字コードとして与える)。この関数は典型的には環境変数の LANGLC_CTYPE を調べます。より詳細についてはシステムのドキュメントを参照してください。システムの NLS を使わない場合には、シェルは ISO 8859-1 文字セットが使われていると仮定することでシミュレートします。変数 LANGLC_CTYPE のいずれかが設定されていても、それらの値を無視します。シミュレートされた NLS では順序づけに影響しません。

加えて、本物とシミュレートされた NLS の両方で、\200-\377 の範囲、つまり M- char でバインドされているすべての表示可能文字は、自動的に self-insert-command に再バインドされます。対応する escape- char へのバインドは、もしあればそのまま残ります。これらの文字は環境変数の NOREBIND が設定されていれば再バインドされません。この機能はシミュレートされた NLS やすべてが ISO 8859-1 であると仮定した原始的な本物の NLS で有効でしょう。そうでなければ、\240-\377 の範囲の M- char へのバインドは事実上解除されます。この場合でも、もちろん bindkey で明示的に関連するキーに再バインドする事は可能です。

未知の文字 (つまり表示可能でも制御文字でもないような文字) は\nnn のような形式で表示されます。 tty が 8 ビットモードになっていない場合は、 ASCII に変換して強調表示モードを使うことで別の 8 ビット文字が表示されます。シェルは tty の 7/8 ビットモードを変更することはなく、ユーザによる 7/8 ビットモードの変更に従います。 NLS 利用者 (またはメタキーを利用したい利用者) は、たとえば ~/.login ファイルで適切に stty(1) コマンドを呼び出すことで、明示的に tty を 8 ビットモードに設定する必要があるかもしれません。

OS 固有機能のサポート (+)

個々のオペレーティングシステムで提供されている機能をサポートするために、多くの新しい組み込みコマンドが提供されています。すべて 組み込みコマンドセクションで詳細に説明されています。

TCF をサポートするシステム (aix-ibm370, aix-ps2) では、 getspathsetspath でシステム実行パスを取得、設定し、 getxverssetxvers で試験バージョンプレフィックスを取得、設定して、 migrate でプロセスをサイト間で移動させます。組み込みコマンドの jobs は各ジョブが実行されているサイトを表示します。

BS2000 では、 bs2cmd は下層の BS2000/OSD オペレーティングシステムのコマンドを実行します。

Domain/OS では、 inlib で共有ライブラリを現環境に追加し、 rootnode で rootnode を変更し、 ver で systype を変更します。

Mach では、 setpath が Mach の setpath(1) と等価です。

Masscomp/RTU と Harris CX/UX では、 universe で universe を設定します。

Harris CX/UX では、 ucbatt によって指定した universe でコマンドを走らせます。

Convex/OS では、 warp で universe を表示または設定します。

環境変数の VENDOR, OSTYPE, MACHTYPE は、シェルが自身が実行されていると考えているシステムの、それぞれベンダ、オペレーティングシステム、マシンタイプ (マイクロプロセッサのクラスまたはマシンのモデル) を表示します。これはいろいろなタイプのマシン間でホームディレクトリを共有する場合に特に便利です。利用者はたとえば各自の ~/.login 中で

set path = (~/bin.$MACHTYPE /usr/ucb /bin /usr/bin .)

とし、各マシン用にコンパイルされた実行形式を適切なディレクトリに置くことができます。

シェル変数の version は、どのオプションを選択してシェルがコンパイルされたかを表示します。

組み込みの newgrp、シェル変数の afsuserecho_style、そしてシステムに依存するシェルの入力ファイル ( 関連ファイルを参照) の位置にも注意してください。

シグナル処理

ログインシェルは ~/.logout ファイルを読んでいる間は割り込みを無視します。シェルは起動時に -q の指定が無ければ QUIT シグナルを無視します。ログインシェルは TERM シグナルを捕捉しますが、非ログインシェルは TERM シグナルへの挙動を親から継承します。他のシグナルについては親からシェルに継承された値を持っています。

シェルスクリプトでは、シェルの INT と TERM シグナルの扱いを onintr で制御できます。そして HUP の扱いを hupnohup で制御できます。

シェルは HUP で終了します (シェル変数の logout も参照)。デフォルトでは、シェルの子供たちもそうしますが、シェルは終了時に HUP を子供たちに送りません。 hup はシェルが終了時に子供に HUP を送るようにし、 nohup は子供が HUP を無視するように設定します。

端末管理 (+)

シェルは 3 つの異なる端末 (``tty'') モードの設定を使います。それらは編集時に使う `edit'、文字リテラルをクォートする場合に使う `quote'、コマンド実行時に使う `execute' です。シェルは各モードでいくつかの設定を一定に保つので、 tty を混乱状態にして終了するコマンドがシェルに干渉することはありません。シェルは tty のスピードとパディングの変更にも対応します。一定に保たれる tty モードのリストは組み込みの setty で取得、設定できます。エディタは CBREAK モード (または同等のモード) を使いますが、先行入力された文字はいつでも受け付けられます。

echotc, settc, telltc コマンドを使って、コマンドラインから端末のケーパビリティを操作、デバッグすることができます。

SIGWINCH か SIGWINDOW をサポートするシステムでは、シェルはウィンドウのリサイズに自動的に適応して、環境変数の LINESCOLUMNS が設定されていれば値を補正します。環境変数の TERMCAP が li# と co# のフィールドを含んでいると、シェルは新しいウィンドウサイズを反映するようにそれらを補正します。

参照

このマニュアルの以下のセクションでは使用可能なすべての 組み込みコマンド特別なエイリアス特別なシェル変数について説明します。

組み込みコマンド

% job
組み込みコマンド fg と同義です。
% job &
組み込みコマンド bg と同義です。
:
何もしません。常に成功します。

@

 

@ name = expr

 

@ name[ index] = expr

 

@ name++| --

@ name[ index] ++| --
最初の形式は、すべてのシェル変数の値を表示します。

2 番目の書式は、 name に値 expr を設定します。 3 番目の書式は、値 exprnameindex 番目の要素に定義します。 name とその index 番目の要素の両方が既に存在していなければなりません。

expr は C と同様に、`*', `+'のような演算子を含むことがあります。もし expr が `<', `>', `&', `' を含むのであれば、少なくとも expr のその部分は `()' の中に書かれる必要があります。 expr の書式は、以下の Expressions で説明されるものとは一切関係がないことに注意してください。

4 番目、5 番目の書式は name またはその index 番目の要素をインクリメント (`++') またはデクリメント (`--') します。

`@' と name の間の空白は必須です。 name と `=' の間、また `=' と expr の間の空白はオプションです。 expr の要素は空白によって区切られていなければなりません。

alias [ name [ wordlist]]
引数がなければ、すべてのエイリアスを表示します。 name を与えると、そのエイリアスの内容を表示します。 namewordlist を与えると、 wordlistname のエイリアスとして定義します。 wordlist は、エイリアスされるコマンドとファイル名です。 name は `alias' または `unalias' であってはなりません。組み込みコマンド unalias についても参照してください。
alloc
動的に取得しているメモリのうちの使用量と空き容量を表示します。何らかの引数を与えるとブロックサイズごとの使用中 / 空きブロックの数を表示します。このコマンドの出力はシステムによって大きく異なります。 VAX 以外のシステムでは、異なるメモリ管理を行っているかもしれないからです。
bg [ %job ...]
指定したジョブ (引数がなければ現在のジョブ) をバックグラウンドに移動します。もしそれらが停止していれば再開されます。 job は以下の Jobs で説明するように番号、文字列、`', `%', `+', `-' で構成されます。

bindkey [ -l| -d| -e| -v| -u] (+)

 

bindkey [ -a] [ -b] [ -k] [ -r] [ --] key (+)

bindkey [ -a] [ -b] [ -k] [ -c| -s]
[ --] key command (+) オプション無しでは、第 1 の形式ではバインドされているすべてのキーと編集コマンドを表示し、第 2 の形式では key にバインドされている編集コマンドを表示し、第 3 の形式では編集コマンド commandkey にバインドします。オプションは以下のものを含みます。

-l
すべての編集コマンドの一覧と、それぞれの簡単な解説を表示します。
-d
デフォルトのエディタの標準キーバインドをすべてのキーに適用します。
-e
GNU Emacs に似たキーバインドをすべてのキーに適用します。
-v
標準の vi(1) に似たキーバインドをすべてのキーに適用します。
-a
代替キーマップを表示またはそのキーバインドを変更します。代替キーマップは vi コマンドモードのものです。
-b
key を次のように解釈します。 ^ character (たとえば `^A')、C- character (たとえば `C-A') のようなものはコントロールキャラクタ、 M- character (たとえば `M-A')のようなものはメタキャラクタ、 F- string (たとえば `F-string')のようなものはファンクションキー、X- character (たとえば `X-A') のようなものは拡張プレフィックスキーです。
-k
key は矢印キーの名前、`down', `up', `left', `right' のいずれかとして解釈されます。
-r
key のバインドを解除します。 `bindkey -r' は keyself-insert-command にバインドするのでは なく、そのキーのバインドを完全に解除してしまうことに注意してください。
-c
command は編集コマンドでなく、組み込みコマンドか外部コマンドの名前として解釈されます。
-s
command は通常の文字列として解釈され、 key がタイプされた時に端末から入力されたように扱われます。 command でバインドされたキー自体も再び解釈が行われ、 10 レベルまで繰り返し解釈が行われます。
--
オプション処理の中断を行います。したがって、次の単語が '-' で始まっていたとしても、 key として解釈されます。
-u (または何らかの無効なオプション)
使い方を表示します。

key は 1 文字であっても、文字列であっても構いません。もしコマンドが文字列にバインドされているならば、文字列の最初の文字は sequence-lead-in にバインドされ、文字列全体がコマンドにバインドされます。

key に含まれるコントロール文字はコントロール文字そのもの (通常 `^V' にバインドされているエディタの quoted-insert コマンドで入力できるもの) であっても、`^A' のようなキャレット-文字形式であっても構いません。削除文字は `^?' (キャレット-疑問符) のように表します。 keycommand は下に示す、バックスラッシュで始まるエスケープシーケンスを含むことができます (System V の echo(1) で用いられる形式です)。

\a ベル
\b
バックスペース
\e
エスケープ
\f
改ページ (フォームフィード)
\n
改行
\r
キャリッジリターン
\t
水平タブ
\v
垂直タブ
\ nnn
8 進数 nnn で表される ASCII 文字

`\' は後に続く文字に特別な意味があればそれを無効にします。特に `\' や `^' の場合です。

bs2cmd bs2000-command (+)
実行するために、 bs2000-command を BS2000 のコマンドインタプリタへ渡します。インタラクティブではないコマンドのみを実行できます。また /EXECUTE や /CALL-PROCEDURE のような現在のプロセスイメージをオーバレイするようなコマンドは実行できません。 (BS2000 のみ)
break
実行を一番近い foreach または whileend の組の、 end の後から再開します。現在の行の残りのコマンドは実行されます。したがって、複数のレベルのブレークは、1 行にそれらを並べることで可能になります。
breaksw
switch からのブレークで、 endsw の後から実行が開始されます。
builtins (+)
すべての組み込みコマンドの名前を表示します。
bye (+)
組み込みコマンド logout の別名です。これが使えるようにコンパイルされている場合にのみ有効です。シェル変数 version を参照してください。
case label:
下で説明する switch 文で用いられるラベルです。
cd [ -p] [ -l] [ -n| -v] [I--] [ name]
もしディレクトリ名 name が与えられれば、シェルの作業ディレクトリを name に変更します。与えられなければ home に変更します。もし name が `-' であれば、ひとつ前の作業ディレクトリとして解釈されます ( Other substitutions を参照)。 name が現在のディレクトリのサブディレクトリでなく、 `/', `./' , `../' のいずれかで始まるものでもない場合、変数 cdpath の要素がひとつひとつチェックされ、サブディレクトリ name が探されます。最後に、そのどれもが失敗した場合に name が `/' ではじまる値をもつシェル変数であれば、その変数が指すディレクトリが探されます。

-p を付けると、 dirs と同じように最終的なディレクトリスタックの内容を表示します。 cd-l, -n, -v フラグは dirs のそれと同じ意味を持ち、 -p の動作を含んでいます (+)。 -- を使用することは、オプション処理を強制的に中断するので、次の単語は、たとえそれが '-' で始まっていても、ディレクトリ name として取られます。(+)

シェル変数 implicitcd についても参照してください。

chdir
組み込みコマンド cd の別名です。
complete [ command [ word/pattern/list[ :select] /[[ suffix] /] ...]] (+)
引数なしの場合は、すべての補完の候補を表示します。 command をつけると、 command の補完候補を表示します。 commandword などをつけると、補完を定義します。

command はコマンドのフルネームでも、何らかのパターンでも構いません ( ファイル名置換を参照)。補完候補がひとつでないことを示すために、`-' ではじめることができます。

word は現在の語の補完にどの単語が関係するのかを指定するもので、以下のうちどれか 1 つです。

c
現在の語の補完。 pattern は、コマンドライン上の現在の語にマッチするパターンでなければなりません。 pattern は現在の語の補完が完了すると無視されます。
C
c に似ていますが、現在の語の補完後に pattern を含みます。
n
次の語の補完。 pattern はコマンドライン上のひとつ前の語にマッチするパターンでなければなりません。
N
n に似ていますが、現在の語のふたつ前の語にマッチするパターンでなければなりません。
p
位置に依存した補完。 pattern は数値の範囲を指定するものであり、シェル変数のインデックスと同じ文法が用いられます。現在の語を含むものでなければなりません。

list は以下のリストの中から可能な補完のリストを示します。

a
エイリアス
b
バインディング (編集コマンド)
c
コマンド (組み込みコマンドも外部コマンドも含みます)
C
指定されたパスではじまる外部コマンド
d
ディレクトリ
D
指定されたパスではじまるディレクトリ
e
環境変数
f
ファイル名
F
指定されたパスではじまるファイル名
g
グループ名
j
ジョブ
l
制限値
n
何にも補完しません
s
シェル変数
S
シグナル
t
プレイン (``テキスト'') ファイル
T
プレイン (``テキスト'') ファイルで、指定されたパスではじまるもの
v
すべての変数
u
ユーザ名
x
n に似ていますが、 list-choices が使われている時には select を表示します。
X
補完
$ var
変数 var に格納されている語
(...)
リスト中の語
`...`
コマンドの出力に含まれる語

select は glob パターンです (省略可能)。これを指定すると、 list にある単語のうち select にマッチするものだけが対象となり、シェル変数 fignore は無視されます。最後の 3 つの補完形式には select パターンを与えることはできません。また xlist-choices 編集コマンドが用いられた時には select を説明メッセージとして扱います。

suffix は単一の文字で、補完が成功するとそのあとに追加されます。空の場合は何も追加されません。省略されると (この場合 4 番目のデリミタも省略できます) ディレクトリにはスラッシュ文字が、その他の文字にはスペース文字が追加されます。

`...` バージョンから呼び出された command には、追加の環境変数の設定があり、変数名は、 COMMAND_LINE であり、 (名前の通り) 現在の (既にタイプされている) コマンドラインの内容を含んでいます。 1 つは、より洗練された補間を構築するためにカスタムスクリプトで COMMAND_LINE 変数の内容を調べて、使用することができます (このパッケージに含まれる svn(1) のための補間を参照してください)。

ではいくつか例を示します。コマンドによっては、ディレクトリのみを引数として取るものがあります。 (そのようなコマンドに対して) 通常ファイルを補完することは、的外れです。

> complete cd 'p/1/d/'

`cd' に続く最初の単語のみ (`p/1') をディレクトリで補完します。コマンド補完を絞りこむために p-形式の補完を用いることもできます。 `cd' に続く最初の単語のみ (`p/1') をディレクトリで補完します。

> co[^D]
 
complete compress
 
> complete -co* 'p/0/(compress)/'
 
> co[^D]
 
> compress

これは `co' で始まる (すなわち `co*' にマッチする) コマンド (位置 0 にある単語 `p/0') を補完して、 `compress' (リストにある唯一の単語) を与えたものです。先頭にある `-' は、この補完がコマンドを確定できない場合にのみ用いられることを意味します。

> complete find 'n/-user/u/'

これは n-形式の補完の例です。 `find' の後で、かつ `-user' の直後にある単語を、ユーザのリストで補完します。

> complete cc 'c/-I/d/'

c-形式の補完の例です。 `cc' の後にあり、かつ `-I' ではじまる単語をディレクトリで補完します。ここでは小文字の c を用いているので、 `-I' はディレクトリの一部とはみなされません。

コマンドに応じて、便利な list も異なります。

> complete alias 'p/1/a/'
 
> complete man 'p/*/c/'
 
> complete set 'p/1/s/'
 
> complete true 'p/1/x:Truth has no options./'

これらでは、 `alias' に続く単語をエイリアスで、 `man' に続く単語をコマンドで、 `set' に続く単語をシェル変数で置き換えています。 `true' はオプションを取らないので、補完が試みられたときに何も行わず、補完リストの選択画面には `Truth has no options.' を表示する x を指定しています。

man の例や、以下に示すいくつかの例では、 `p/*' の代わりに `c/*' や `n/*' を用いることもできます。

単語の補完を変数で行うこともできます。これらの変数は補完の際に評価されます。

> complete ftp 'p/1/$hostnames/'
 
> set hostnames = (rtfm.mit.edu tesla.ee.cornell.edu)
 
> ftp [^D]
 
rtfm.mit.edu tesla.ee.cornell.edu
 
> ftp [^C]
 
> set hostnames = (rtfm.mit.edu tesla.ee.cornell.edu uunet.uu.net)
 
> ftp [^D]
 
rtfm.mit.edu tesla.ee.cornell.edu uunet.uu.net

また補完の際にコマンドを実行し、そこから補完を行うこともできます。

> complete kill 'p/*/`ps | awk \{print\ \$1\}`/'
 
> kill -9 [^D]
 
23113 23377 23380 23406 23429 23529 23530 PID

complete コマンド自身は、その引数をクォートしません。したがって `{print $1}' にある括弧、スペース、`$' は明示的にクォートしなければなりません。

1 つのコマンドに複数の補完を指定することもできます。

> complete dbx 'p/2/(core)/' 'p/*/c/'

これは `dbx' の第 2 引数を `core' という単語で補完し、他のすべての引数をコマンドで補完します。位置指定タイプの補完は、逐次補完より前に指定することに注意してください。補完は左から右に評価されるので、 (常にマッチする) 逐次補完が先に指定されていると、位置指定補完は決して行われなくなってしまいます。これは補完定義の際によくやるミスなので注意してください。

select パターンは、コマンドが特定の形式を持ったファイルだけを引数にとるような場合に便利です。以下に例を示します。

> complete cc 'p/*/f:*.[cao]/'

これは `cc' の引数を、`.c', `.a', `.o' で終わるファイルだけから補完します。以下の ファイル名置換で述べるようなやり方でグロブパターンの否定を指定すれば、 select で特定のファイルを排除することもできます。

> complete rm 'p/*/f:^*.{c,h,cc,C,tex,1,man,l,y}/'

これは大事なソースコードを `rm' の補完に現れないようにします。もちろんこの排除された名前を手で打ったり、 complete-word-rawlist-choices-raw などの編集コマンドを用いて補完の仕組みを変更することもできます (それぞれ該当の部分を参照)。

`C', `D', `F', `T' 各 リストは、それぞれ `c', `d', `f', `t' と似ていますが、 select の引数の解釈の仕方が異なり、補完対象のファイルを前置パス名が特定のものに限ります。たとえば、メールプログラム Elm は `=' をユーザのメールディレクトリの省略名として用います。この場合 `elm -f =' を `elm -f ~/Mail/' であるかのように補完するには

> complete elm c@=@F:$HOME/Mail/@

とすべきです。ここでは `/' の代わりに `@' を用い、 select 引数を見やすくしています。またホームディレクトリの置換は単語の先頭でのみ動作するので、 `~' の代わりに `$HOME' を用いています。

suffix は標準では用意されていないサフィックス (スペースやディレクトリに対する `/' 以外) を単語補完用に追加するために用います。

> complete finger 'c/*@/$hostnames/' 'p/1/u/@'

これは `finger' の引数を、まずユーザのリストから補完し、それに `@' を追加し、さらに `@' の後を変数 `hostnames' のリストから補完します。ここでも補完指定の順序に注意してください。

最後に、示唆に富む複雑な例を示しましょう。

> complete find \
 
'n/-name/f/' 'n/-newer/f/' 'n/-{,n}cpio/f/' \
 
´n/-exec/c/' 'n/-ok/c/' 'n/-user/u/' \
 
'n/-group/g/' 'n/-fstype/(nfs 4.2)/' \
 
'n/-type/(b c d f l p s)/' \
 
´c/-/(name newer cpio ncpio exec ok user \
 
group fstype type atime ctime depth inum \
 
ls mtime nogroup nouser perm print prune \
 
size xdev)/' \
 
'p/*/d/'

これは `-name', `-newer', `-cpio', `ncpio' に続く単語をファイルで補完し (最後の両者にマッチするパターンに注意)、 `-exec', `-ok' に続く単語をコマンドで補完し、 `user' の後をユーザ名で、`group' の後をグループ名で補完し、 `-fstype' と `-type' の後をそれぞれに与えたリストのメンバで補完します。また find に与えるスイッチ達も与えたリストから補完し ( c-型の補完を用いていることに注意)、それ以外のものすべてをディレクトリで補完します。ふぅ。

補完指定は、対象となる単語がチルダ置換 (`~' ではじまる) や変数 (`$' ではじまる) の場合は無視されることに留意してください。 complete は実験的な機能であり、文法はこのシェルの将来のバージョンでは変更されるかもしれません。組み込みコマンド uncomplete の説明も見てください。

continue
もっとも近い while または foreach ループの実行を継続します。現在の行にある残りのコマンドは実行されます。
default:
switch 文のデフォルトの場合のラベルです。これはすべての case ラベルの後に置くべきです。

dirs [ -l] [ -n| -v]

 

dirs -S| -L [ filename] (+)

dirs -c (+)
最初の形式はディレクトリスタックを表示します。スタックの上が左に来て、スタック先頭のディレクトリは現在のディレクトリになります。 -l を指定すると、出力の `~' や `~ name' は、 home や、ユーザ name のホームディレクトリのパス名に明示的に展開されます。(+) -n を指定すると、エントリはスクリーンの終端に達する前に桁折りされます。(+) -v を指定すると、各エントリが 1 行に 1 つずつ表示され、スタック内部での位置がエントリの前に表示されます。(+) -n-v がひとつ以上指定されると -v が優先されます。 -p は受け付けられますが何もしません。

-S を指定した 2 番目の形式では、ディレクトリスタックを cdpushd からなるコマンド列として filename に保存します。 -L を指定すると、このシェルは filename を source します。このファイルは、以前に -S オプションや savedirs 機構で保存されたディレクトリスタックです。いずれの場合でも、 filename が与えられなければ dirsfile を用います。 dirsfile も指定されていなければ ~/.cshdirs を用います。

ログインシェルは `dirs -L' と同様のことを起動時に行っており、また savedirs が設定されていれば終了前に `dirs -S' と同様のことを行います。通常 ~/.tcshrc だけが ~/.cshdirs の前に source されるので、 dirsfile~/.login ではなく ~/.tcshrc で設定すべきです。

最後の形式はディレクトリスタックをクリアします。

echo [ -n] word ...
word をスペースで区切り、改行で終端させてシェルの標準出力に書き込みます。シェル変数 echo_style を指定すると、 BSD や System V の echo のフラグやエスケープシーケンスをエミュレートする (しない) ようにできます。詳細は echo(1) を見てください。
echotc [ -sv] arg ... (+)
arg で与えられた端末の機能 ( termcap(5) を参照) を実行します。たとえば `echotc home' はカーソルをホームポジションに移動し、 `echotc cm 3 10' はカーソルを 3 列 10 行に移動し、 `echotc ts 0; echo "This is a test."; echotc fs' は "This is a test."をステータス行に表示します。

arg が `baud', `cols', `lines', `meta', `tabs' のいずれかであった場合は、その機能の値を表示します ("yes"または "no"は、端末がその機能を持っているかいないかを示します)。遅い端末でシェルスクリプトの出力をより寡黙にしたり、コマンドの出力をスクリーンの行数に制限したりするような場合には、以下のコマンドを使うと良いでしょう。

> set history=`echotc lines`
 
> @ history--

termcap 文字列はワイルドカードを含むことができますが、これは正しく echo されません。シェル変数に端末機能文字列を設定するときには、以下の例のようにダブルクォートを用いてください。この例では日付をステータス行に表示しています。

> set tosl="`echotc ts 0`"
 
> set frsl="`echotc fs`"
 
> echo -n "$tosl";date; echo -n "$frsl"

-s を指定すると、存在しない機能を指定したとき、エラーをおこさずに空文字列を返します。 -v を指定するとメッセージが冗長になります。

else

 

end

 

endif

endsw
以下の foreach, if, switch, while 文の説明を見てください。
eval arg ...
引数をシェルへの入力として扱い、残りのコマンドを現在のシェルのコンテキストで実行します。これは通常、コマンド置換や変数置換の結果として生成されたコマンド列を実行する場合に用いられます。これはそれらの置換に先立って文法解析が行われてしまうためです。 eval の利用例は tset(1) を見てください。
exec command
指定したコマンドを現在のシェルの代わりに実行します。
exit [ expr]
指定した expr ( で解説した式) の値または、 expr が指定されていなければ 0 の値でシェルを終了します。
fg [ %job ...]
指定したジョブ (あるいは引数がなければ現在のジョブ) をフォアグラウンドに移動します。停止状態にあるものは再開します。 job には ジョブで解説されているように、数値、文字列、`', `%', `+', `-' のどれかを指定できます。 run-fg-editor 編集コマンドも見てください。
filetest - op file ... (+)
( ファイル問合わせ演算子で解説されている) ファイル問合わせ演算子 op を各 file に適用し、結果をスペース区切りのリストで返します。

foreach name (wordlist)

 

...

end
wordlist のメンバを name に順々に代入し、これと対応する end に挟まれた範囲のコマンドシーケンスを実行します。 ( foreachend は 1 行に単独で現れなければなりません。) 組み込みコマンド continue を用いるとループを途中で継続することができ、組み込みコマンド break を用いるとループを途中で終了させることができます。このコマンドが端末から読み込まれると、一度ループを `foreach?' プロンプト (あるいは prompt2) で読み込み、全体を読み終えてからループの各文を実行します。端末からの入力時にループの途中でタイプミスをした場合は修正できます。
getspath (+)
システムの実行パスを表示します。(TCF のみ)
getxvers (+)
実験的バージョンのプレフィックスを表示します。(TCF のみ)
glob wordlist
echo に似ていますが、`-n' パラメータは認識されず、単語は、出力でヌル文字によって区切られます。単語リストをファイル名に展開するためにプログラムからシェルを利用したいような場合に便利です。
goto word
word はファイル名と `label' 形式の文字列を出力するコマンド置換です。シェルは入力を可能なかぎりさかのぼり、 `label:' 形式の行 (空白やタブが前置されていても良い) を検索し、その行の次から実行を継続します。
hashstat
内部のハッシュテーブルが、これまでのコマンド検索にどの程度効率的であったか (そして exec 類を使わずに済んだか) を示す統計行を表示します。 path の各成分のうち、ハッシュ関数がヒットの可能性があるとしたものや、 `/' で始まらないものに対して exec が試みられます。
vfork(2) のないマシンでは、単にハッシュバケツのサイズを表示します。

history [ -hTr] [ n]

 

history -S| -L|-M [ filename] (+)

history -c (+)
最初の形式はイベントリストの履歴を表示します。 n を与えると、新しい方最大 n 個のイベントを表示または保存します。 -h を指定すると、行頭の数字抜きでリストを表示します。 -T を指定すると、タイムスタンプもコメントのかたちで表示されます。 (これを用いると、 `history -L' や `source -h' でのロードに適したファイルが作成できます。) -r を指定すると、表示の順番がデフォルトの古い順ではなく新しい順になります。

2 番目の形式で -S を指定すると、履歴リストを filename に保存します。シェル変数 savehist の最初の単語が数値に設定されていると、最大でその数値までの行数が保存されます。 savehist の 2 番目の単語が `merge' だった場合には、履歴リストが現存の履歴ファイルにマージされ、タイムスタンプ順にソートされます (デフォルトでは現存のファイルを置き換えます)。(+) マージは X Window System のように、複数のシェルを同時に用いるような場合向けのものです。現在は、シェルが行儀良く順々に終了するような場合でないと、マージは成功しません。

-L を指定すると、シェルは filename を履歴リストに追加します。 filename は以前に -S オプションや savehist 機構で保存された履歴リストファイルです。 -M-L と似ていますが、 filename の内容は履歴リストにマージされ、タイムスタンプの順にソートされます。いずれの場合でも、 filename が与えられなければ histfile を用い、 histfile も設定されていなければ ~/.history を用います。 `history -L' はほとんど `source -h' と同じですが、前者ではファイル名を省略できます。

ログインシェルは `history -L' と同様のことを起動時に行っており、また savehist が設定されていれば終了前に `history -S' と同様のことを行います。通常 ~/.tcshrc だけが ~/.history の前に source されるので、 histfile~/.login ではなく ~/.tcshrc で設定すべきです。

histlit が設定されていると、最初の形式と 2 番目の形式は履歴リストを文字通りの (展開されない) かたちで表示、保存します。

最後の形式は履歴リストをクリアします。

hup [ command] (+)
command を指定すると、 hangup シグナルが送られたときに終了するようにして command を実行し、シェルが終了するときにそのコマンドに hangup シグナルを送るようにします。コマンドによっては hangup に対するそれぞれ独自の反応を設定することがあり、これは hup より優先されるかもしれません。引数なしで、スクリプトの残りのためのハングアップ (hangup) で、非対話型のシェルのみ終了します。 シグナル処理と組み込みコマンド nohup の部分も見てください。
if ( expr) command
expr ( で解説した式) の評価結果が真なら、 command が実行されます。 command に対する変数置換は、実行に先だって if コマンドの残りの部分と同時に行われます。 command は単純なコマンドでなければならず、エイリアス、パイプライン、(括弧で括られた / ていない) コマンドリストは指定できません。ただし引数は指定できます。 expr が偽で、 command が実行 されない場合でも入出力リダイレクションは行われてしまいます。これはバグです。

if ( expr) then

 

...

 

else if ( expr2) then

 

...

 

else

 

...

endif
指定した expr が真の場合、最初の else までのコマンド群が実行されます。 expr が偽で expr2 が真の場合は、 2 番目の else までのコマンド群が実行されます。以下同じです。 else-if のペアはいくつでも指定できますが、 endif はひとつしかいりません。また else 部は省略可能です。 ( elseendif の各単語は入力行の先頭にしか置けません。 if は入力行の先頭に単独で置くか、 else の後に置くかしなければなりません。)
inlib shared-library ... (+)
shared-library を現在の環境に追加します。共有ライブラリを削除する方法はありません。(Domain/OS のみ)
jobs [ -l]
アクティブなジョブをリストします。 -l を指定すると、通常の情報に加えてプロセス ID もリストします。 TCF システムでは、各ジョブが実行されているサイトも表示します。

kill [ -s signal] %job| pid ...
kill -l
1 番目または 2 番目の形式は signal を (何も指定されなければ TERM (terminate) シグナルを) 指定したジョブやプロセスに送ります。 job には ジョブで解説されているように、数値、文字列、`', `%', `+', `-' のどれかを指定できます。シグナルは数値または名前 ( /usr/include/signal.h にあるものから前の `SIG' を取り除いたもの) のいずれかで与えます。デフォルトの job はありません。単に `kill' としても、現在のジョブへはシグナルを送りません。 TERM (terminate) または HUP (hangup) シグナルを送った場合は、そのジョブやプロセスには CONT (continue) シグナルも送信されます。 3 番目の形式はシグナルの名前をリストします。
limit [ -h] [ resource [ maximum-use]]
現在のプロセスと、現在のプロセスが生成するプロセスが消費する資源が、指定した resource に対してプロセスひとつにつき maximum-use を越えないようにします。 maximum-use を指定しないと、current limit が表示されます。 resource を指定しないと、すべての制限値を表示します。 -h フラグを指定すると、 current limit の代わりに hard limit を用います。 hard limit は current limit の限度を与えます。 hard limit はスーパユーザしか増やすことができませんが、 current limit は一般ユーザも可能な範囲内で増減できます。

現在制御できる資源 (OS がサポートしている場合) は次の通りです:

cputime
プロセスひとつにつき利用できる cpu 秒
filesize
作成できる単一ファイルの最大サイズ
datasize
プログラムテキストの終端を越えて sbrk(2) で増やせるデータ領域+スタック領域の最大サイズ
stacksize
自動的に拡張されるスタック領域の最大サイズ
coredumpsize
生成されるコアダンプの最大サイズ
memoryuse
プロセスひとつにいちどきに割り付けることのできる物理メモリの最大サイズ
vmemoryuse
プロセスが与えれた時間で割り付けられる仮想メモリの最高の量 (アドレス空間)
vmemoryuse
プロセスが与えれた時間で割り付けられる仮想メモリの最高の量訳注: vmemoryuse が 2 つあるのは、原文の誤りと思われる。
heapsize
プロセスが brk() システムコールごとに割り付けるメモリのサイズ
descriptors or openfiles
このプロセスが開ける最大ファイル数
concurrency
このプロセスの最大スレッド数
memorylocked
プロセスが mlock(2) を使用してロック可能なメモリの最大サイズ
maxproc
このユーザ ID が同時に使用可能な最大プロセス数
sbsize
このユーザが使用可能な最大ソケットバッファサイズ
swapsize
このユーザに予約されるか、または使用される最大量のスワップ空間
maxlocks
このユーザのためのロックの最大の数
maxsignal
このユーザのための保留中のシグナルの最大の数
maxmessage
このユーザのための POSIX mqueue のバイトの最大の数
maxnice
ユーザが、このユーザのためのマップされた [19...-20] から [0...39] までの上げることを許された最大の nice 優先順位。
maxrtprio
このユーザのための最大のリアルタイム優先順位
maxrttime
このユーザのためのマイクロ秒単位の RT タスクのためのタイムアウト

maximum-use は浮動小数点値または整数値に、単位をつけて指定します。 cputime 以外の制限値は、`k' または `kilobytes' (1024 バイト) をデフォルトの単位としています。単位として `m' または `megabytes' または `g' または `gigabytes' を用いることもできます。 cputime のデフォルトの単位は `seconds' です。分を表す `m', 時間を表す `h', 分 + 秒を表す `mm:ss' の形式などを用いることもできます。

maximum-use が `unlimited' であるなら、指定された resource に対する制限は、取り除かれます (これは、 unlimit 組み込みコマンドと同等です)。

resource も単位も、他と区別がつく範囲で後半部を省略可能です。

log (+)
シェル変数 watch を表示し、そこにリストアップされているユーザがログインしていればログインした時刻に関わらず報告します。 watchlog についても参照してください。
login
ログインシェルを終了して、 /bin/login (訳注: FreeBSD では /usr/bin/login です) のインスタンスで置き換えます。これはログオフする方法のひとつであり、 sh(1) との互換性を保つ意味もあります。
logout
ログインシェルを終了します。 ignoreeof がセットされている場合に特に役立つでしょう。
ls-F [- switch ...] [ file ...] (+)
`ls -F' と同じようにファイルのリストを表示しますが、ずっと高速です。各種の特別なファイル形式は特殊文字を用いて以下のように示されます。

/
ディレクトリ
*
実行可能
#
ブロック型デバイス
%
キャラクタ型デバイス
|
名前付きパイプ (名前付きパイプのあるシステムでのみ)
=
ソケット (ソケットのあるシステムでのみ)
@
シンボリックリンク (シンボリックリンクのあるシステムでのみ)
+
隠しディレクトリ (AIX のみ) またはコンテキスト依存 (HP/UX のみ)
:
ネットワーク特殊型 (HP/UX のみ)

シェル変数 listlinks がセットされている場合は、シンボリックリンクに関してより詳しく表示されます (もちろん、シンボリックリンクを持つシステムでだけです)。

@
ディレクトリでないものへのシンボリックリンク
>
ディレクトリへのシンボリックリンク
&
どこへのリンクでもないシンボリックリンク

listlinks はシンボリックリンクの指し示すファイルが存在するパーティションのマウントを引き起こすため、 ls-F を遅くしてしまいます。

もしシェル変数 listflags が `x', `a', `A' のいずれかにセットされているか、それらの組合せ (たとえば `xA') にセットされている場合は、これが `ls -xF' や `ls -Fa'、もしくは組み合わせて `ls -FxA' のように ls-F のフラグとして使われます。 `ls -C' がデフォルトでないマシンでは listflags が `x' を含む場合には `ls -xF' のように、そうでなければ ls-F は `ls -CF' のように振る舞います。 ls-F は、何らかのスイッチが与えられた場合には ls(1) に引数を渡すので、`alias ls ls-F' は通常、正しく動作します。

組み込みの ls-F はファイルタイプや拡張子によってファイル名を色分けすることができます。シェル変数 color と環境変数 LS_COLORS を参照してください。

migrate [ -site] pid| %jobid ... (+)

migrate - site (+)
最初の形式では指定したプロセスまたはジョブを、指定した場所もしくはシステムパスによって決定されるデフォルトの場所に移動します。 2 番目の形式は `migrate - site $$' と同じ意味を持ちます。これは現在のプロセスを指定した場所に移動します。シェルはその tty を失わないことになっているので、シェル自身を移動することは予期しない動作の原因となります。(TCF のみ)
newgrp [ -] [group] (+)
`exec newgrp' と同じ意味をもちます。 newgrp(1) を参照してください。シェルがこれを使うことができるようにコンパイルされている場合にのみ使用可能です。シェル変数 version を参照してください。
nice [ +number] [ command]
シェルのスケジューリング優先度を number に設定するか、 number が指定されていない場合は 4 に設定します。 command をつけると、コマンド command を適切な優先度で実行します。 number が大きいほど、そのプロセスが獲得する CPU 時間は短くなります。スーパユーザは `nice -number ...' とすることにより負の値を設定することができます。コマンドは常にサブシェルから実行され、コマンドには単純な if 文の場合と同じ制限が課されます。
nohup [ command]
command をつけると、コマンド command をハングアップシグナルを無視して実行するようにします。これらのコマンドが nohup をオーバライドしてハングアップシグナルに対して自分自身で応答するようにすることがあることに注意してください。引数なしで、スクリプトの残りのためのハングアップ (hangup) で、非対話型のシェルのみ終了します。 シグナル処理と、組み込みコマンド hup についても参照してください。
notify [ %job ...]
ユーザに非同期的に指定したジョブ (% job が省略された場合はカレントジョブ) の状態に何らかの変化があった場合に非同期的に、通知するようにします。この場合は通常と異なり、次のプロンプトが出力されるまで待ちません。 jobJobs に記述されているように番号、文字列、`', `%', `+', `-' のどれでも許されます。シェル変数 notify も参照してください。
onintr [ -| label]
割り込み時のシェルの動作を制御します。引数がなければ、シェルのデフォルトの割り込み時の動作に設定されます。この場合は、シェルスクリプトは割り込みで中断され、コマンド実行時はコマンドの実行を中断してコマンド入力待ちに戻ります。 `-' が指定された場合はすべての割り込みが無視されます。 label を指定すると、割り込みが発生したり子プロセスが割り込みで中断したりした場合に `goto label' を実行します。

onintr は、システムのスタートアップファイル ( FILES を参照) で割り込みが禁止されている場合には無視されます。
popd [ -p] [ -l] [ -n| -v] [ +n]
引数がなければ、ディレクトリスタックからひとつ値を取り出して、そこに移動します。 `+ n' のように数値を与えると、ディレクトリスタックの n' 番目のエントリを破棄します。

また、すべての形式の popddirs のようにディレクトリスタックの最後のエントリを表示します。シェル変数 pushdsilent はこれを抑制し、 -p フラグによって pushdsilent の動作をオーバライドすることができます。 -l, -n, -v フラグは popd でも、 dirs と同じ意味をもちます。
printenv [ name] (+)
すべての環境変数の名前と値を表示するか、 name を与えた場合には環境変数 name の値を表示します。
pushd [ -p] [ -l] [ -n| -v] [ name| +n]
引数がなければ、ディレクトリスタックの一番上にあるふたつのエントリを入れ換えます。もし pushdtohome がセットされていれば、引数なしの pushdcd のように `pushd ~' を行います。(+) name をつけると、現在の作業ディレクトリをディレクトリスタックに積んで name に移動します。もし name が `-' であれば、ひとつ前の作業ディレクトリとして解釈されます ( ファイル名置換を参照)。(+) dunique がセットされていれば、 pushd は、スタックに name を積む前にすべてのそれと同じものを指すエントリをスタックから除去します。(+) `+ n' として番号をつけると、ディレクトリスタックの n 番目のエントリがトップにくるようにスタックを回転します。 dextract がセットされている場合、`pushd + n' を行うと n 番目のディレクトリが展開されて、スタックのトップに移動されます。(+)

また、すべての形式の pushddirs と同じようにディレクトリスタックの最終的な内容を表示します。シェル変数 pushdsilent をセットすることでこれをやめることができ、またさらにこれは -p フラグによってオーバライドすることが可能です。 pushd に対する -l, -n, -v フラグの意味は dirs のものと同様です。(+)
rehash
path 変数のディレクトリの内容の内部のハッシュテーブルを再計算します。これは、 autorehash シェル変数が設定されていなくて、利用者がログインしている間に新しいコマンドが path のディレクトリに追加されるなら、必要です。 autorehash を設定すると、新しいコマンドが、ハッシュテーブルで異なるディレクトリに既に存在するのと同じ名前の別のコマンドがあるような特殊な場合を除いて、自動的に見つかります。また、チルダ拡張によって構築されたホームディレクトリのキャッシュをフラッシュします。
repeat count command
指定されたコマンド commandcount 回繰り返し実行します。 command に指定するものは一行 if 文で指定する command と同様の制限を受けます。入出力リダイレクションは count が 0 であっても、必ず一回だけ処理されます。
rootnode // nodename (+)
ルートノードを // nodename に変更します。結果として `/' は `// nodename' として解釈されます。(Domain/OS のみ)

sched (+)

 

sched [ +] hh:mm command (+)

sched - n (+)
最初の形式は、予定されているイベントのリストを表示します。シェル変数 sched は予定されているイベントのリストを表示する形式を設定するためにセットされます。 3 番目の形式は command を予定されているイベントのリストに追加します。たとえば、

> sched 11:00 echo It\'s eleven o\'clock.

は、午前 11 時に `It's eleven o'clock.' を表示させます。時間は 12 時間制の AM/PM を指定する書式でも構いません。

> sched 5pm set prompt='[%h] It\'s after 5; go home: >'

また、現在時刻からの相対的な時間でも構いません。

> sched +2:15 /usr/lib/uucp/uucico -r1 -sother

相対的な指定では AM/PM を使うべきではありません。 3 番目の書式では n 番のイベントをリストから削除します。

> sched
 

1 Wed Apr 4 15:42 /usr/lib/uucp/uucico -r1 -sother
 

2 Wed Apr 4 17:00 set prompt=[%h] It's after 5; go home: >
 
> sched -2
 
> sched
 

1 Wed Apr 4 15:42 /usr/lib/uucp/uucico -r1 -sother

予定イベントのリストにあるコマンドは、コマンドがリストに入れられてから最初のプロンプトが出たあとで実行されます。実行の正確な時間を過ぎてしまうことはありますが、次のプロンプトでは遅れたコマンドが実行されます。シェルがユーザのコマンド入力を待っている間に実行予定時間が来たコマンドは直ちに実行されます。しかし、既に実行されているコマンドの実行に割り込むことはできませんし、予定されていたコマンドの実行についても同様です。

この仕組みはいくつかの Unix システムに実装されている at(1) に似ていますが同じではありません。指定した時刻通りにコマンドが実行できないことがあるのは非常に大きな短所です。しかしこの仕組みの長所は、 sched はシェルから直接実行でき、シェル変数やその他の資源へのアクセスができるということです。これは時刻によってユーザの作業環境を変化させることを可能にします。

set

 

set name ...

 

set name=word ...

 

set [-r] [-f|-l] name=(wordlist) ... (+)

 

set name[index]=word ...

 

set -r (+)

 

set -r name ... (+)

set -r name=word ... (+)
1 番目の形式ではすべてのシェル変数の値を表示します。複数の単語からなる値を持つ変数は括弧で囲まれた値のリストとして表示します。 2 番目の形式では name に空文字列をセットします。 3 番目の形式では name に単一の単語 word をセットします。 4 番目の形式では namewordlist で示した単語のリストをセットします。すべての場合においてコマンド置換やファイル名置換が値に対して行われます。 -r が指定された場合には、値は読み込み専用でセットされます。 -f または -l が指定された場合には、単語リストの中での順番を保ちながら重複した単語が取り除かれます。 -f は最初に出てきたものをリストに残し、 -l は最後に出てきたものをリストに残します。 5 番目の書式では変数 nameindex 番目の要素に word をセットします。この場合この要素は既に存在していなければなりません。 6 番目の書式は読み込み専用にセットされているシェル変数の名前の一覧を表示します。 7 番目の書式は name を、値の有無に関わらず読み込み専用にセットします。 8 番目の書式は 3 番目の書式と同じですが、同時に name を読み込み専用にセットします。

複数の変数をセットしたり、読み込み専用にセットするためにひとつの set コマンドへの引数を繰り返すことができます。しかし、変数への代入処理を開始する前に変数展開処理が一度に行われることに注意してください。また、`=' は namewordの両方と接しているか、空白で区切られているかのどちらかであり、片方だけと接してはいけないことに注意してください。組み込みコマンド unset についても参照してください。
setenv [ name [ value]]
引数がなければ、すべての環境変数の名前と値を表示します。 name を与えられた場合は、環境変数 name の値を value にセットするか、 value がなければ空文字列にセットします。
setpath path (+)
setpath(1) と同様です。(Mach のみ)
setspath LOCAL| site| cpu ... (+)
システム実行パスを設定します。(TCF のみ)
settc cap value (+)
シェルに端末ケーパビリティ cap ( termcap(5) で定義されたもの) は値 value を持つことを教えます。妥当性のチェックは行われません。 Concept 端末のユーザは、一番右の桁で適切な折り返しを行うために `settc xn no' を行う必要があるかもしれません。
setty [ -d| -q| -x] [ -a] [[ +| -] mode] (+)
シェルが変更してはならない tty モード ( 端末管理を参照) を制御します。 -d, -q, -xsetty に、それぞれ `edit', `quote', `execute' 時の tty モードをセットします。 -d, -q, -x が指定されない場合、 `execute' が使用されます。

他の引数がなければ、 setty はオン (`+mode') またはオフ (`-mode') に固定されているモードを一覧表示します。使用可能なモードはシステムごとに異なるため、表示も異なります。 -a をつけると、固定されているかどうかにかかわらずすべての tty モードを一覧表示します。 + mode, - mode, mode は、それぞれモード mode をオンに固定、オフに固定、非固定にします。たとえば、`setty +echok echoe' は `echok' をオンに固定し、シェルがコマンドを実行する際に `echoe' モードをオンにしたりオフにしたりできるようにします。
setxvers [ string] (+)
string に試験的なバージョンプレフィックスをセットし、 string が省略された場合にはそれを削除します。(TCF のみ)
shift [ variable]
引数がなければ、 argv[1] を破棄してメンバを左にずらします。 argv がセットされていなかったり、値が 1 つもなかった場合にはエラーになります。変数名 variable を指定すると、変数 variable に対して同じ動作を行います。
source [ -h] name [ args ...]
name からコマンドを読み込んで実行します。コマンドはヒストリリストには残されません。もし引数 args が与えられればそれは argv に入れられます。(+) source コマンドは入れ子にすることができます。もし入れ子のレベルがあまりに深くなり過ぎると、シェルはファイル記述子の不足を起こすでしょう。 source でのエラーはすべての入れ子になっている source の実行を停止します。 -h を付けると、コマンドを実行するかわりに `history -L' のようにヒストリリストに入力されます。
stop %job| pid ...
指定したバックグラウンドで実行されているジョブまたはプロセスを停止します。 job は番号か、文字列か、あるいは ジョブに示されている `', `%', `+', `-' のいずれかを指定します。デフォルトの job は存在しないので、ただ `stop' を実行するだけではカレントジョブを停止することにはなりません。
suspend
^Z で送られるような stop シグナルが送られたかのように、その場でシェルを停止させます。これは多くの場合 su(1) で起動したシェルを停止するのに用いられます。

switch ( string)

 

case str1:

...
 
breaksw

...

default:

...
 
breaksw
endsw
指定された文字列 string に対して、各 case ラベルを連続的にマッチさせます。 string にはそれに先だってコマンド置換とファイル名置換が行われます。 case ラベルには変数置換が行われ、ファイル名メタキャラクタの `*', `?', `[...]' を用いることができます。 `default' ラベルが出てくるまでにどの case ラベルともマッチしなかった場合、default ラベルの後から実行が開始されます。各 case ラベルと default ラベルは行の最初になければなりません。 breaksw コマンドは実行を中断して endsw の後から再開させます。 breaksw を使用しない場合は C 言語と同様に case ラベルや default ラベルを通過して実行が続けられます。もしマッチするラベルも default ラベルも存在しない場合は、実行は endsw の後から再開されます。
telltc (+)
端末ケーパビリティのすべての値を一覧表示します ( termcap(5) を参照)。
termname [ terminal type] (+)
terminal type (または terminal type が与えられていない場合は TERM の現在の値) のエントリがホストの termcap(5) または terminfo(5) データベースに含まれているかテストします。エントリが存在するなら端末のタイプを標準出力に印刷 (表示) して 0 を返します。そうでなければ、1 を返します。
time [ command]
コマンド command (エイリアスやパイプライン、コマンドリストや括弧でくくったコマンドリストでない単純なものでなければなりません) を実行し、変数 time の項で説明する形式で、実行所用時間に関する要約を表示します。必要ならば、コマンド終了時に時間を表示するための追加のシェルが生成されます。 command を指定しなかった場合は、現在のシェルとその子プロセスが使用した時間に関する要約が表示されます。
umask [ value]
8 進数で指定されたファイル作成マスクを value に設定します。一般的なマスクの値としては、グループにすべての権限を与え、その他には読み込みと実行のみを許可する 002 や、グループとその他に読み込みと実行を許可する 022 があります。 value を省略すると、現在のファイル作成マスクを表示します。
unalias pattern
 
パターン pattern にマッチするすべてのエイリアスを削除します。したがって `unalias *' とすることですべてのエイリアスを削除できます。 unalias するものがなかった場合もエラーにはなりません。
uncomplete pattern (+)
パターン pattern にマッチするすべての補完対象を削除します。したがって `uncomplete *' とすることですべての補完対象を削除します。 uncomplete するものがなかった場合もエラーにはなりません。
unhash
実行プログラムの検索を高速化する内部ハッシュテーブルの使用を禁止します。
universe universe (+)
universe を universe に設定します。(Masscomp/RTU のみ)
unlimit [ -hf] [ resource]
リソース resource の制限を解除します。 resource が指定されない場合は、すべてのリソースに関する制限が解除されます。 -h が指定されると、対応するハードリミットが解除されます。これはスーパユーザのみが行うことができます。なおほとんどのシステムは descriptors を制限無しにすることを許可していないので、それに対する unlimit が成功して終了しないことに注意してください。 -f と共に、エラーは、無視されます。
unset pattern
パターン pattern にマッチするすべての変数を、読み込み専用の場合も含めて削除します。したがって `unset *' とすることによって読み込み専用のものも含めてすべての変数が削除されますが、これは良いことではありません。 unset するものがなかった場合もエラーにはなりません。
unsetenv pattern
パターン pattern にマッチするすべての環境変数を削除します。したがって `unsetenv *' とすることによってすべての環境変数を削除することができますが、これは良いことではありません。 unsetenv する環境変数がなかった場合もエラーにはなりません。
ver [ systype [ command]] (+)
引数が与えられなかった場合は SYSTYPE を表示します。 systype を指定した場合は、 SYSTYPEsystype に設定します。 systype とコマンド command を指定した場合は、 systypecommand を実行します。 systype は `bsd4.3' か `sys5.3' のいずれかです。(Domain/OS のみ)
wait
すべてのバックグラウンドジョブの終了を待ちます。対話的にシェルが実行されている場合、割り込みにより wait を停止することができます。この際シェルはまだ終了していないすべてのジョブの名前とその番号を表示します。
warp universe (+)
universe を universe に設定します。(Convex/OS のみ)
watchlog (+)
組み込みコマンド log の別名です (そちらも参照)。コンパイル時に使用できるように設定されている場合にのみ使用可能です。シェル変数 version を参照してください。
where command (+)
コマンド command について、エイリアスや組み込みコマンド、 path にある実行可能ファイルを含めてシェルの知っているすべての実体を一覧表示します。
which command (+)
コマンド command が、 path の検索などの処理のあとで、実際に実行されるコマンドを表示します。組み込みのものは which(1) とほとんど同じですが、 tcsh のエイリアスや組み込みコマンドについても正しく報告し、また 10 から 100 倍高速です。編集コマンド which-command についても参照してください。

while ( expr)

 

...

end
指定された式 expr ( で述べられている式) の評価結果が 0 でない限り、 while とそれに対応する end の間のコマンドを繰り返し実行します。 whileend はその行に単独で書かれなければなりません。 breakcontinue は、ループを途中で中断したり再開する場合に使用します。入力が端末の場合は、 foreach の場合と同じように、ループの内容を一通り入力するまでユーザにプロンプトが出力されます。

特別なエイリアス (+)

これらのエイリアスは、設定されている場合それぞれ指示された時刻に自動的に実行されます。これらのエイリアスは、初期状態ではすべて未定義です。
beepcmd
シェルが端末ベルを鳴らしたいときに実行されます。
cwdcmd
作業ディレクトリが変更されるたびに実行されます。たとえば、ユーザが X Window System 上で作業していて、 xterm(1) および twm(1) のように、タイトルバーをサポートしているリペアレントウィンドウマネージャを使用していて、

> alias cwdcmd 'echo -n "^[]2;${HOST}:$cwd ^G"'

を実行すると、シェルは、動作中の xterm(1) のタイトルをホスト名、コロン、そしてカレント作業ディレクトリのフルパスに変更します。これをもっと面白く実行するには、次のようにします。

> alias cwdcmd 'echo -n "^[]2;${HOST}:$cwd^G^[]1;${HOST}^G"'

こうすると、ホスト名および作業ディレクトリはタイトルバーに変更されますが、アイコンマネージャのメニューにはホスト名しか表示されなくなります。

cwdcmd 中に cd, pushd あるいは popd を置くと、無限ループを引き起こす可能性があることに注意してください。そういうことをする人は、そうしてしまった代償は受けるものだというのが作者の見解です。

jobcmd
各コマンドが実行される前またはコマンドが状態を変える前に実行します。 postcmd と似ていますが、組み込みコマンドでは表示しません。

> alias jobcmd 'echo -n "^[]2\;\!#:q^G"'

として vi foo.c を実行すると、コマンド文字列が xterm タイトルバーに表示されます。

helpcommand
run-help 編集コマンドが実行します。ヘルプが探すコマンド名は、単一の引数として渡されます。たとえば、

> alias helpcommand '\!:1 --help'

とすると、GNU のヘルプ呼び出し方法を使った、コマンドそのもののヘルプ表示が実行されます。現在のところ、たくさんのコマンドを書いたテーブルを使う以外には、いろいろな呼び出し方法 (たとえば、 Unix の `-h' オプション) を使い分ける簡単な方法はありません。

periodic
tperiod 分おきに実行されます。このエイリアスは、たとえば新しいメールが届いたというような、日常的ではあってもそれほど頻繁には起こらない変更点をチェックするのに便利な手段を提供します。たとえば、

> set tperiod = 30
 
> alias periodic checknews

とすると、30 分おきに checknews(1) プログラムが起動します。 periodic が設定されているが、 tperiod が設定されていないかあるいは 0 に設定されている場合、 periodicprecmd のように振る舞います。

precmd
プロンプトが表示される直前に実行されます。たとえば、

> alias precmd date

とすると、各コマンド用にシェルプロンプトが表示される直前に date(1) が起動します。 precmd に何を設定できるかには制限はありませんが、慎重に選んでください。

postcmd
各コマンドが実行される前に実行されます。

> alias postcmd 'echo -n "^[]2\;\!#:q^G"'

とすると、 vi foo.c を実行すると xterm のタイトルバーにこのコマンド文字列が書かれます。

shell
スクリプト中でインタプリタを指定していない実行可能スクリプト用のインタプリタを指定します。最初の単語は、使用したいインタプリタへのフルパスでなくてはなりません (たとえば、`/bin/csh' や `/usr/local/bin/tcsh')。

特別なシェル変数

このセクションで述べる変数は、シェルにとっては特別な意味のあるものです。

シェルは、起動時に次の変数を設定します。 addsuffix, argv, autologout, csubstnonl, command, echo_style, edit, gid, group, home, loginsh, oid, path, prompt, prompt2, prompt3, shell, shlvl, tcsh, term, tty, uid, user そして version です。これらの変数は、起動後はユーザが変更しない限り変更されません。シェルは、必要があれば、 cwd, dirstack, owd および status を更新し、ログアウト時に logout を設定します。

シェルは、 group, home, path, shlvl, termuser と同じ名前の環境変数と同期を取ります。つまり、環境変数が変更されると、シェルは対応するシェル変数を合致するように変更するのです (シェル変数が読み込み専用でない場合です)。また、その逆も行います。ここで、 cwdPWD は同じ意味を持ちますが、この方法では同期は行われないということに注意してください。また、シェルは、自動的に pathPATH の違った形式を相互変換するということにも注意してください。

addsuffix (+)
これが設定されている場合、ファイル名が補完の際に完全に一致するときに、一致したものがディレクトリの場合には末尾に `/' を付け加え、通常のファイルの場合には末尾にスペースを加えます。デフォルトで設定されています。
afsuser (+)
これが設定されている場合、 autologout の autolock 機能は、ローカルのユーザ名の代わりにこの値を kerberos 認証用に使います。
ampm (+)
これが設定されている場合、時刻が 12 時間単位の AM/PM フォーマットですべて表示されます。
argv
シェルへの引数です。位置パラメータは argv から取られます。すなわち、`$1' は `$argv[1]' に置き換えられるといった具合です。デフォルトで設定されていますが、通常対話型シェルでは空です。
autocorrect (+)
これが設定されている場合は、補完を試みる前に自動的に spell-word 編集コマンドが実行されます。
autoexpand (+)
これが設定されている場合は、補完を試みる前に自動的に expand-history 編集コマンドが実行されます。これが onlyhistory に設定されるなら、ヒストリだけが、拡張され、2 番目の補間は、ファイル名を拡張します。
autolist (+)
これが設定されている場合は、あいまいな補完を行った後、可能性のあるものをリストします。 `ambiguous' が設定されている場合、可能性のあるものをリストするのは、補完によって何の文字も追加されなかった場合に限られます。
autologout (+)
1 番目の単語は、時間を分単位で表しており、この時間以上の間、何の処理もしていなければ自動的にログアウトされます。 2 番目の単語はオプションであり、ここで指定された時間以上の間、何の処理もしていなければ自動ロックがかかります。シェルが自動的にログアウトする際には、シェルは `auto-logout' と出力し、 logout 変数を `automatic' に設定し、そして終了します。シェルが自動的にロックされたユーザは、作業を続けたいなら自分のパスワードを入力することが必要になります。 5 回入力に失敗すると、自動的にログアウトします。ログインシェルおよびスーパユーザのシェルでは、デフォルトで `60'(60 分後自動的にログアウトし、ロックはかけない) に設定されています。しかし、シェルがウィンドウシステムのもとで動いていると認識した場合 (すなわち、 DISPLAY 環境変数が設定されている) や、 tty が疑似 tty(pty) である場合、あるいは、シェルがそのようにはコンパイルされていない場合 ( version シェル変数を参照) には設定されません。 afsuser および logout シェル変数も参照してください。
autorehash (+)
設定されるなら、 path 変数のディレクトリの内容の内部ハッシュテーブルは、コマンドがハッシュテーブルに見つからないなら、再計算されます。さらに、利用可能なコマンドのリストは、各コマンドの完了のために再構築されるか、または、それぞれ、`complete' または `correct' に設定されているなら、スペルの修正を試みます。 `always' に設定されているなら、これは、両方の場合のために行われます。
backslash_quote (+)
これが設定されている場合、バックスラッシュ (`\') は常に `\', `'', および `"' でクォートされます。これによって、複雑なクォートをする手間が緩和されますが、 csh(1) スクリプト中で文法エラーをひき起こす可能性が出てきます。
catalog
メッセージカタログのファイル名です。これが設定されている場合、デフォルトの `tcsh' の代りに `tcsh.${catalog}' を、メッセージカタログとして tcsh は使用します。
cdpath
カレントディレクトリ中にサブディレクトリが見つからなかった場合に、 cd が検索すべきディレクトリのリストです。
color
これが設定されている場合、組み込みコマンド ls-F 用のカラー表示を有効にし、 --color=autols に渡します。あるいは、ただ 1 つのコマンドに対してカラー表示を有効にするため、 ls-F または ls のみに設定することができます。何に対しても設定しない場合は、 (ls-F ls) に対して設定したのと等価です。
colorcat
これが設定されている場合は、NLS メッセージファイルに対してカラー用エスケープシーケンスを有効にします。これによって、色のついた NLS メッセージが表示されます。
command (+)
これが設定されている場合、シェルに渡されたコマンドは、 -c フラグ (そちらも参照) をつけたものになります。
compat_expr (+)
設定されるなら、シェルは、オリジナルの csh のように、式を右から左に評価します。
complete (+)
`igncase' に設定されるなら、補完は、大文字と小文字を区別しないようになります。 `enhance' に設定されるなら、補完は、大文字小文字を無視し、ハイフンと下線を同等と見なします。また、単語のセパレータとしてピリオド、ハイフンと下線 (`.', `-' と `_') を処理します。 `Enhance' に設定されるなら、補完は、大文字と下線文字に明示的にマッチし、大文字と小文字を区別する方法で小文字とハイフンにマッチします。単語セパレータとしてピリオド、ハイフンと下線を処理します。
continue (+)
コマンドリストに対してこれが設定されている場合、シェルはリストされているコマンドを継続実行し、新たにコマンドを開始しません。
continue_args (+)
continue と同じですが、シェルは次のコマンドを実行します:

echo `pwd` $argv > ~/.<cmd>_pause; %<cmd>
correct (+)
`cmd' に設定されている場合、コマンドは自動的にスペル訂正されます。 `complete' に設定されている場合、コマンドは自動的に補完されます。 `all' に設定されている場合、コマンドライン全体が訂正されます。
csubstnonl (+)
設定されている場合、改行とキャリッジリターンはコマンド置換によって空白文字に置き換えられます。デフォルトで設定されています。
cwd
カレントディレクトリのフルパス名です。シェル変数 dirstack および owd も参照してください。
dextract (+)
これが設定されている場合、`pushd + n' はディレクトリを先頭に持っていくのではなく、ディレクトリスタックから n 番目のディレクトリを取り出します。
dirsfile (+)
`dirs -S' および `dirs -L' がヒストリファイルを探すデフォルトの場所です。設定していない場合は、 ~/.cshdirs が使われます。通常、 ~/.tcshrc の方が ~/.cshdirs よりも先にソースとして使われるため、 dirsfile は、 ~/.login ではなく ~/.tcshrc 中で設定すべきです。
dirstack (+)
ディレクトリスタック上の全ディレクトリの配列です。 `$dirstack[1]' はカレントディレクトリであり、`$dirstack[2]' はスタック上の最初のディレクトリといった具合です。カレントディレクトリは `$dirstack[1]' ですが、ディレクトリスタックの置換では `=0' であるなどということに注意してください。 dirstack を設定することでスタックを任意に変更することができますが、最初の要素 (カレントディレクトリ) は常に正しいものになります。シェル変数 cwd および owd も参照してください。
dspmbyte (+)
シェル変数 version の中に 'dspm' が一覧にあがっていれば効果があります。 `euc' に設定されている場合、EUC-kanji(Japanese) コードで表示および編集ができるようになります。 `sjis' に設定されている場合、Shift-JIS(Japanese) コードで表示および編集ができるようになります。 `big5' に設定されている場合、Big5(Chinese) コードで表示および編集ができるようになります。 `utf8' に設定されている場合、Utf8(Unicode) コードで表示および編集ができるようになります。次のようなフォーマットに設定されている場合、独自のマルチバイトコードフォーマットで表示および編集ができるようになります:

> set dspmbyte = 0000....(256 bytes)....0000

テーブルには ちょうど 256 バイト必要です。 256 文字それぞれは、 ASCII コード 0x00, 0x01, ... 0xff に (左から右に向かって) 対応しています。各キャラクタは、数値 0, 1, 2, 3 に設定されます。各数字には次のような意味があります:

 


0 ... マルチバイト文字に対しては使われません。

 


1 ... マルチバイト文字の最初の 1 バイトに対して使われます。

 


2 ... マルチバイト文字の 2 バイト目に対して使われます。

 


3 ... マルチバイト文字の 1, 2 バイト両方に対して使われます。


使用例:

 

`001322' に設定した場合、最初の文字 (すなわち、ASCII コードで 0x00) と 2 番目の文字 (すなわち、ASCII コードで 0x01) は `0' に設定されます。つまり、マルチバイト文字に対してはこれらの文字は使用しません。 3 番目の文字 (0x02) は `1' に設定されます。これは、マルチバイト文字の最初の 1 バイトにこの文字が使用されることを表しています。 4 番目の文字 (0x03) は `3' に設定されます。この文字は、マルチバイト文字の 1 バイト目にも 2 バイト目にも使用されます。 5 番目および 6 番目の文字 (0x04, 0x05) は `2' に設定されます。これは、これらの文字がマルチバイト文字の 2 バイト目に使用されることを表しています。

GNU fileutils バージョンの ls では、-N ( --literal ) オプションがついていないとマルチバイト文字のファイル名を表示できません。もし、fileutils バージョンを使っている場合は、dspmbyte の 2 番目の文字を "ls"に設定してください。そうしないと、たとえば "ls-F -l"でマルチバイト文字のファイル名が表示できません。


注:

 

この変数が使用可能であるのは、 KANJI と DSPMBYTE がコンパイル時に定義された場合だけです。

dunique (+)
これが設定されている場合、 pushd は、ディレクトリ名をスタックに置く前に name である任意の要素をスタックから削除します。
echo
これが設定されている場合、各コマンドは、実行される直前に引数と一緒にエコーされます。組み込みコマンド以外のコマンドについては、展開がすべて行われた後にエコーされます。組み込みコマンドについては、コマンドおよびファイル名の置換が行われるよりも前にエコーされます。これは、置換がユーザの選択によって行われるものだからです。このシェル変数は、コマンドラインオプション -x で設定されます。
echo_style (+)
echo 組み込みコマンドのスタイルです。次のように設定できます。

bsd
第 1 引数が `-n' である場合、改行をエコーしません。
sysv
echo 中の文字列のバックスラッシュで始まるエスケープシーケンスを認識します。
both
`-n' フラグとバックスラッシュで始まるエスケープシーケンスの両方ともを認識します。これがデフォルトです。
none
どちらも認識しません。

デフォルトでは、ローカルシステムのデフォルトに設定されます。 BSD ならびに System V オプションは、適当なシステムの echo(1) マニュアルページに解説があります。

edit (+)
これが設定されている場合、コマンドラインエディタが使われます。対話型シェルではデフォルトで設定されています。
ellipsis (+)
これが設定されている場合、`%c'/`%.' および `%C' プロンプトシーケンス ( prompt シェル変数を参照) は、`/<skipped>' の代わりに省略記号 (`...') つきのスキップディレクトリを示すようになります。
euid (+)
ユーザの実効ユーザ ID。
euser (+)
実効ユーザ ID に対応する最初にマッチする passwd エントリ名。
fignore (+)
補完する際に無視されるファイル名のサフィックスリストです。
filec
デフォルトでは tcsh では補完は常に行われますので、この変数は無視されます。 edit が未設定である場合、伝統的な csh の補完が使用されます。 csh で設定されている場合は、ファイル名の補完が使われるようになります。
gid (+)
ユーザの実グループ ID です。
globdot (+)
設定されるなら、ワイルドカードのグロブ (glob) パターンは、 `.' と `..' を除いて、`.' で始まるファイルとディレクトリにマッチします。
globstar (+)
設定されるなら、`**' と `***' のファイルグロブパターンは、あらゆる既存のサブディレクトリを横断する `/' を含む文字のあらゆる文字列とマッチします。 (例えば、`ls **.c' は、カレントディレクトリツリーの .c ファイルをすべてリストします)。それ自体によって使用されるなら、0 個以上のサブディレクトリにマッチします (例えば、`ls /usr/include/**/time.h' は、/usr/include ディレクトリツリーの `time.h' と名前が付けられたあらゆるファイルをリストします。一方、`ls /usr/include/**time.h' は、`time.h' で終る、 /usr/include ディレクトリツリーのあらゆるファイルにマッチします)。繰り返しに関する問題を防ぐために、`**' グロブパターンは、ディレクトリを含んでいるシンボリックリンクに降下しません。これを無視するためには、`***' を使用します。
group (+)
ユーザのグループ名です。
highlight
設定されているなら、( i-search-backi-search-fwd で) インクリメンタル (増加) の検索マッチとマークとカーソルの間の領域は反転表示でハイライトされます。

ハイライトは、余分なオーバヘッドを導く、より頻繁な端末の書き込みを必要とします。端末の性能を心配するなら、この unset を残したいかもしれません。
histchars
ヒストリ置換 (そちらも参照) で使われる文字を決定する文字列です。この値の最初の文字は、デフォルトの `!' の代わりにヒストリ置換文字として使われます。 2 番目の文字は、クイック置換の際の文字 `^' の代わりをします。
histdup (+)
ヒストリリスト中の重複エントリの扱いを制御します。この値が `all' に設定されている場合、単一のヒストリイベントがヒストリリストに入力されます。 `prev' に設定されている場合、最後のヒストリイベントは現在のコマンドと同じとなり、そのため、現在のコマンドはヒストリには入力されません。 `erase' に設定されている場合、ヒストリリスト中に同じイベントが見つかったときには、古い方のイベントは消去され、現在のものが挿入されます。 `prev' および `all' オプションはヒストリイベントの番号づけをやり直しますので、すき間はあかないのだということに注意してください。
histfile (+)
`history -S' および `history -L' が探すヒストリファイルのデフォルトの場所です。これが設定されていない場合、 ~/.history が使われます。別々のマシン間で同じホームディレクトリを共有していたり、端末ごとにヒストリを分けて保存していたりする場合、 histfile は便利なものです。通常、 ~/.history ファイルよりも前に読み込まれるのは ~/.tcshrc だけなので、 histfile~/.login ではなく、 ~/.tcshrc で設定してください。
histlit (+)
これが設定されている場合、組み込みコマンド、編集コマンドおよび savehist 機構はヒストリリスト中のコマンド行を文字通りの (展開しない) 形式で使用します。 toggle-literal-history 編集コマンドも参照してください。
history
最初の単語は、記録しておくべきヒストリイベント数を表します。オプションである 2 番目の単語 (+) は、ヒストリがどういう形式で表示されるかを示しています。これが与えられていなければ、 `%h\t%T\t%R\n' が使われます。フォーマットシーケンスは、 prompt 下に記述されており、そこでは、`%R' の意味が変わることの注意がされています。デフォルトでは `100' です。
home
起動したユーザのホームディレクトリに初期化されます。ファイル名での ` ~ の展開には、この変数が参照されています。
ignoreeof
これが空文字列あるいは `0' に設定されており、入力デバイスが端末である場合には、 end-of-file コマンド (通常は、ユーザが空行に `~D' を打つことで生成されます) を入力すると、シェルは終了してしまう代わりに `Use "exit" to leave tcsh.' と表示します。これによって、シェルがうっかり kill されてしまうのを防ぐことができます。歴史的に、無限ループを避けるため、この設定は 26 回の連続した EOF の後に終了します。数値 n を設定している場合には、シェルは n - 1 回連続した end-of-file を無視し、 n 回目の end-of-file があればそのときに終了します。 (+) これが設定されていない場合には、`1' が使われます。つまり、シェルは `^D' 1 回で終了します。
implicitcd (+)
これが設定されている場合、シェルは、コマンドとして入力されたディレクトリ名を、あたかもそのディレクトリへ移動する要求であるものと解釈します。 verbose に設定されている場合、ディレクトリの移動が行われることが標準出力にエコーされるようになります。この振る舞いは、非対話的なシェルスクリプト、あるいは 2 語以上あるコマンド行では禁止されています。ディレクトリを移動するのは、ディレクトリ名のような名前を持ったコマンドを実行するよりも優先されますが、エイリアスの置換よりは後になります。チルダおよび変数の展開も動作します。
inputmode (+)
`insert' あるいは `overwrite' に設定されている場合、各行の先頭でエディタが入力モードに入るようになります。
killdup (+)
キルリング中の重複エントリの扱いを制御します。 `all' にセットすると、一意なエントリのみがキルリングに登録されます。 `prev' にセットすると、最後にキルされた文字列が現在のキル文字列にマッチする場合、現在の文字列はリングに登録されません。 `erase' にセットすると、同じ文字列がキルリング中に見つかった場合、古い文字列が削除されて現在の文字列が挿入されます。
killring (+)
何個のキルされた文字列をメモリ中に保持するかを示します。デフォルトで `30' にセットされます。セットしないか、`2' より小さい値を設定すると、最近キルした文字列のみをシェルは保持します。文字列は、 backward-delete-wordkill-line コマンドなどや copy-region-as-kill コマンドのような、テキスト中の文字列を削除 (キル) する編集コマンドによってキルリングに挿入されます。 yank 編集コマンドは、最も最近キルされた文字列をコマンドラインにヤンクし、 yank-pop ( Editor commands 参照) は、それより以前にキルされた文字列をヤンクするのに使われます。
listflags (+)
`x', `a', `A' あるいはこれらの組合せ (たとえば、`xA') に設定されている場合、これらの値は、 ls-F へのフラグとして使われ、`ls -xF', `ls -Fa', `ls -FA' あるいはこれらの組合せ (たとえば、`ls -FxA') のように振る舞うようになります。 `a' はすべてのファイルを表示します (たとえ、`.' で始まるファイルであっても)。 `A' は `.' および `..' 以外のファイルすべてを表示し、 `x' は上から下に向かってではなく、左から右に向かってソートします。 listflags に 2 番目の単語が設定されていれば、それは `ls(1)' へのパスとして使われます。
listjobs (+)
これが設定されていれば、ジョブが一時停止したときにすべてのジョブがリストされます。 `long' に設定されていれば、リストは長い形式のものになります。
listlinks (+)
これが設定されていれば、組み込みコマンド ls-F は各シンボリックリンクが指しているファイルの種類を表示します。
listmax (+)
list-choices 編集コマンドがユーザに最初に尋ねてこないでリストする最大要素数です。
listmaxrows (+)
list-choices 編集コマンドがユーザに最初に尋ねてこないでリストする要素の最大行数です。
loginsh (+)
シェルがログインシェルである場合に設定されます。シェル中でこの変数を設定したり設定を解除したりしても何の効力もありません。 shlvl も参照してください。
logout (+)
通常のログアウトの前には、シェルによって `normal' が、自動ログアウトの前には `automatic' が、そして、シェルがハングアップシグナルによって終了させられた場合 ( シグナル処理を参照) には `hangup' が設定されます。 autologout シェル変数も参照してください。
mail
オプションで、数値の単語によって先導される、着信メールをチェックするファイルとディレクトリのリスト。各プロンプトの前に、最後のチェックから 10 分経っているなら、シェルは、各ファイルをチェックして、ファイルサイズが 0 より大きくて、そのアクセス時刻より大きな更新時刻があるなら、`You have new mail.' (または、 mail に複数のファイルを含んでいるなら、`You have new mail in name.') と表示します。

ログインシェルにいる場合には、シェルの起動時刻後にファイルが変更されない限り、どのメールファイルも報告されません。これは、余計に通知しないようにするためです。大部分の login プログラムでは、ログイン時にメールが届いているかどうかを教えてくれるものです。

mail で指定されたファイルがディレクトリである場合、シェルは、ディレクトリ中の各ファイルを別々のメッセージとして計算し、 `You have n mails.' とか `You have n mails in name.' とかと適切に報告します。この機能は、主に Andrew Mail System のように、メールをこの方式で保存するシステム用に提供されたものです。

mail の最初の単語が数値である場合、それはメールチェックの間隔を変えるものとして受け取られます。秒単位です。

とても稀な状況下ですが、シェルが `You have new mail.' ではなく `You have mail.' と報告することがあります。

matchbeep (+)
これが `never' に設定されている場合、補完が行われてもビープ音は鳴りません。 `nomatch' に設定されている場合、マッチするものがないときにのみビープ音が鳴ります。 `ambiguous' に設定されている場合、マッチするものが複数あるときにビープ音が鳴ります。 `notunique' に設定されている場合、完全にマッチするものが 1 つあり、また、それとは別にもっと長くマッチするものがあったときにビープ音が鳴ります。これが設定されていない場合、`ambiguous' が使われます。
nobeep (+)
これが設定されている場合、ビープ音は完全に無効になります。 visiblebell も参照してください。
noclobber
これが設定されている場合、出力リダイレクションに制限がおかれるようになり、 入出力セクションで述べているように、ファイルをうっかり壊さないように、また、`>>' リダイレクションが存在するファイルを指すように保証できます。
noding
prompt の時刻指定子において、時間の変わり目に `DING!' と表示するのを無効にします。
noglob
これが設定されている場合、 ファイル名置換および、 ディレクトリスタック置換 (そちらも参照) が禁止されます。この機能は、ファイル名を扱わないシェルスクリプトや、ファイル名のリストを取得した後、さらに展開をされたくないスクリプトには最も有効なものです。
nokanji (+)
これが設定されており、シェルが漢字をサポートしている場合 (シェル変数 version を参照)、漢字のサポートを無効にし、メタキーが使えるようにします。
nonomatch
これが設定されている場合、 ファイル名置換および ディレクトリスタック置換 (そちらも参照) の際に、存在するファイルにマッチしなかったときに、エラーを出さずにそのまま放置するようになります。置換が機能しないときには相変わらずエラーになります。たとえば、 `echo [' は相変わらずエラーとなります。
nostat (+)
補完処理が行われている間に stat(2) をかけるべきではないディレクトリのリスト (あるいは、ディレクトリにマッチするグロブパターンです。 ファイル名置換を参照) です。この機能は、 stat(2) を実行するととてつもない時間がかかってしまうようなディレクトリ、たとえば /afs などを除外するのに通常使われます。
notify
これが設定されている場合、シェルはジョブが完了したことを非同期に通知します。デフォルトは、プロンプトが表示される直前にジョブの完了を提示します。
oid (+)
ユーザの実組織 ID です (Domain/OS のみです)。
owd (+)
前の作業ディレクトリで、 cd が使う `-' および pushd と等価です。 cwd および dirstack シェル変数も参照してください。
padhour
設定されているなら、24 と 12 時間の形式で、時間について '0' を付ける印刷を有効にします。例えば: 07:45:42 対 7:45:42。
parseoctal
より古いバージョンとの互換性を保持するために、0 で始まる数値変数は、 8 進数として解釈されません。この変数を設定することは、適切な 8 進数の解析を有効にします。
path
実行可能なコマンドを探すディレクトリのリストです。 null 文字はカレントディレクトリを示します。 path 変数がない場合、フルパス名での指定のみ実行されます。 path は、起動時にシェルが環境変数 PATH から設定するか、あるいは PATH が存在しなかった場合には、システム依存のデフォルト、たとえば `(/usr/local/bin /usr/bsd /bin /usr/bin .)' のようなものに設定します。シェルは、`.' を path の先頭あるいは末尾に置くことができ、また、コンパイルの仕方に依存しますが、`.' を完全に省いてしまうこともできます。 version シェル変数を参照してください。 -c, -t オプションのどちらも与えられていないシェルは、 ~/.tcshrc を読み込んだ後および path がリセットされるたびに path 中のディレクトリの中身をハッシュに格納します。シェルがアクティブである間に、ユーザが path 中のディレクトリに新しいコマンドを追加した場合、シェルがそのコマンドを見つけられるように rehash を実行する必要があるかもしれません。
printexitvalue (+)
これが設定されており、対話型のプログラムが 0 以外のステータスで終了した場合、シェルは `Exit status' と表示します。
prompt
端末からコマンドを読み込む前に表示される文字列です。 prompt には、次のフォーマット列 (+) のどれを含んでも構いません。このフォーマット列は、与えられた情報で書き換えられます。

%/
カレント作業ディレクトリです。
%~
カレント作業ディレクトリですが、`~' で表現されるユーザのホームディレクトリおよび `~user' で表現される他のユーザのホームディレクトリを ファイル名置換します。 `~user' の置換は、現在のセッションにおいて、シェルがパス名に `~ user' を使っている場合にのみ起こります。
%c[[0] n], %.[[0] n]
現在の作業ディレクトリの、末尾の要素です。数字 n が指定されている場合、末尾の n 個の要素です。 n が `0' で開始する場合、スキップされた要素数が末尾要素の前に付き、次の書式となります `/< スキップされた数>末尾要素'。シェル変数 ellipsis が設定されている場合、スキップされた要素は省略記号で置換されますので、全体的には `...末尾要素' となります。 `~' 置換は、前述の `%~' と同様に行われますが、 `~' 要素は、末尾要素数を数える対象からは除外されます。
%C
%c に似ていますが、`~' の置換を行いません。
%h, %!, !
現在のヒストリイベント番号です。
%M
完全なホスト名です。
%m
最初の `.' までのホスト名です。
%S (%s)
強調表示モードを開始 (終了) します。
%B (%b)
ボールド体表示モードを開始 (終了) します。
%U (%u)
アンダラインモードを開始 (終了) します。
%t, %@
AM/PM の 12 時間表記での時刻です。
%T
`%t' に似ていますが、こちらは 24 時間表記です (ただし、シェル変数 ampm も参照)。
%p
秒まで含めた、AM/PM の 12 時間表記での `正確な' 時刻です。
%P
`%p' に似ていますが、こちらは 24 時間表記です (ただし、シェル変数 ampm も参照)。
\ c
cbindkey 中にあるものとしてパースされます。
^ c
cbindkey 中にあるものとしてパースされます。
%%
`%' 1 つです。
%n
ユーザ名です。
%N
実効ユーザ名。
%j
ジョブ数です。
%d
`Day' 形式の曜日。
%D
`dd' 形式の日にち。
%w
`Mon' 形式の月。
%W
`mm' 形式の月。
%y
`yy' 形式の年。
%Y
`yyyy' 形式の年。
%l
シェルの tty。
%L
プロンプトの終わりから、ディスプレイの終わりまたは行末までクリアします。
%$
`$' の直後のシェル変数または環境変数を展開します。
%#
普通のユーザは `>' (または promptchars シェル変数の最初の文字)、スーパユーザは `#' (または promptchars の 2 番目の文字)。
%{ string%}
string を文字通りのエスケープシーケンスとして取り込みます。これは端末属性を変更するためにのみ使うべきで、カーソル位置の移動をこれで行ってはいけません。これは prompt の最後のシーケンスであってはいけません。
%?
プロンプトの直前で実行されたコマンドの戻り値。
%R
prompt2 の中ではパーサの状態。 prompt3 の中では修正された文字列。 history の中では履歴文字列。

`%B', `%S', `%U', `%{ string%}' は、 8bit クリーンなシェルでのみ利用できます。 version シェル変数を参照してください。

ボールド、スタンドアウト、下線といったシーケンスは、スーパユーザのシェルを区別するために使われることが多いです。たとえば、

> set prompt = "%m [%h] %B[%@]%b [%/] you rang? "
 
tut [37] [2:54pm] [/usr/accts/sys] you rang? _

`%t', `%@', `%T', `%p', `%P' のどれかが使われていて、かつ noding が設定されていなければ、毎正時 (`:00' 分) には実際の時刻の代わりに `DING!' を表示します。

対話的シェルでのデフォルトは `%# ' です。

prompt2 (+)
while ループや foreach ループの中で、また `\' で終った行の次の行で、プロンプトとして用いられる文字列。 prompt (そちらも参照) と同じフォーマットシーケンスが使えます。 `%R' の意味が変わることに注意してください。対話的シェルでのデフォルトは `%R?' です。
prompt3 (+)
自動スペル訂正の確定時のプロンプト文字列。 prompt (そちらも参照) と同じフォーマットシーケンスが使えます。 `%R' の意味が変わることに注意してください。対話的シェルでのデフォルトは `CORRECT>%R (y|n|e|a)?' です。
promptchars (+)
(2 文字の文字列に) 設定すると、 prompt シェル変数中の `%#' フォーマットシーケンスが、普通のユーザでは最初の文字で、スーパユーザでは 2 番目の文字で置き換えられます。
pushdtohome (+)
設定すると、引数をとらない pushd は、 cd のように `pushd ~' を実行します。
pushdsilent (+)
設定すると、 pushdpopd の際にディレクトリスタックが表示されなくなります。
recexact (+)
設定すると、補完の際に正確なマッチがあれば、より長いマッチが可能な場合でも、正確なほうに補完します。
recognize_only_executables (+)
設定すると、コマンドリストはパス中にある実行可能なファイルのみを表示します。遅いです。
rmstar (+)
設定すると、ユーザは `rm *' を実行する前に確認を受けます。
rprompt (+)
(コマンド入力後) prompt が左に表示される際に、スクリーンの右側 (コマンド入力の後ろ側) に表示される文字列。 prompt と同じフォーマット文字列が使えます。この文字列は、コマンド入力を邪魔しないように自動的に隠れたり、また再度現れたりします。 (左側の) プロンプト、コマンド入力、この文字列が最初の 1 行に収まる場合に限り、この文字列は表示されます。 edit が設定されていなければ、 rprompt はプロンプトの後、コマンド入力の前に表示されます。
savedirs (+)
設定すると、シェルは終了する前に `dirs -S' を行います。最初の単語を数字に設定すると、その個数までディレクトリスタックのエントリを保存します。
savehist
設定すると、シェルは終了する前に `history -S' を行います。最初の単語を数字に設定すると、その個数までの行が保存されます。 (個数は history 以下でなければなりません。) 2 番目の単語を `merge' にすると、履歴ファイルが存在する場合に、置換ではなく追加を行います。そしてタイムスタンプによってソートを行い、最近のイベントを残します。(+)
sched (+)
sched 組み込みコマンドがスケジュールイベントを表示する書式。特に指定しなければ `%h\t%T\t%R\n' が使われます。フォーマットシーケンスは上記の prompt 以下に書いてあります。 `%R' の意味が変わることに注意してください。
shell
シェルのファイル。これはシェルをフォークして、実行ビットが設定されているがシステムによる実行が不可能なファイルを実行するために用いられます ( 組み込みコマンド、非組み込みコマンドの実行を参照)。初期値は、(システム依存の) シェルの置き場所です。
shlvl (+)
入れ子になったシェルの数。ログインシェルでは 1 にリセットされます。 loginsh も参照してください。
status
変数 anyerror が設定されていなければ、最後のコマンドによって返されたステータスで、パイプラインまたはバッククォート拡張におけるあらゆるエラーは、伝搬されます (これは、デフォルトの csh の振る舞いで、現在の tcsh のデフォルトです)。コマンドが異常終了した場合には 0200 が加えられます。組み込みコマンドは、失敗すると終了状態 `1' を返します。その他の場合は、すべての組み込みコマンドは状態 `0' を返します。
symlinks (+)
いくつか異なった値に設定でき、シンボリックリンク (`symlink') の解決を制御できます。

`chase' に設定すると、カレントディレクトリがシンボリックリンクを含むディレクトリになったら、リンクをそれが指しているディレクトリの実名に展開します。この機能はユーザのホームディレクトリでは働きません。これはバグです。

`ignore' にすると、このシェルはリンクを通ってカレントディレクトリを移動する場合、移動先のディレクトリを現在のディレクトリに対する相対位置として構築しようとします。これはすなわち、シンボリックリンクを通して cd を行い、続いて `cd ..' を行うと、元のディレクトリに戻る、ということを意味します。これは組み込みコマンドとファイル名補完にのみ影響します。

`expand' に設定すると、シェルはパス名のように見える引数を実際に展開して、シンボリックリンクを元に戻そうとします。これは組み込みコマンドのみならず、すべてのコマンドに影響します。残念ながら、これは認識しにくいファイル名 (たとえばコマンドオプションに埋めこまれたものなど) には動作しません。クォートすれば展開は行われません。たいていの場合はこの設定が便利ですが、展開すべき引数を認識できないと、誤解や混乱の元になるかもしれません。妥協案として、`ignore' にしておいて、必要な場合には編集コマンド normalize-path (デフォルトでは ^X-n にバインドされています) を使うのがいいかもしれません。

順にいくつか例を示します。まずは遊び場となるディレクトリを準備しましょう。

> cd /tmp
 
> mkdir from from/src to
 
> ln -s from/src to/dst

symlinks が設定されていない場合の動作:

> cd /tmp/to/dst; echo $cwd
 
/tmp/to/dst
 
> cd ..; echo $cwd
 
/tmp/from

symlinks が `chase' に設定されている場合の動作:

> cd /tmp/to/dst; echo $cwd
 
/tmp/from/src
 
> cd ..; echo $cwd
 
/tmp/from

symlinks が `ignore' に設定されている場合の動作:

> cd /tmp/to/dst; echo $cwd
 
/tmp/to/dst
 
> cd ..; echo $cwd
 
/tmp/to

symlinks が `expand' に設定されている場合の動作:

> cd /tmp/to/dst; echo $cwd
 
/tmp/to/dst
 
> cd ..; echo $cwd
 
/tmp/to
 
> cd /tmp/to/dst; echo $cwd
 
/tmp/to/dst
 
> cd ".."; echo $cwd
 
/tmp/from
 
> /bin/echo ..
 
/tmp/to
 
> /bin/echo ".."
 
..

いくつか注意しますと、`expand' による展開は、 1) cd のような組み込みコマンドに対しては `ignore' のように働きます。 2) クォートすれば行われません。 3) 非組み込みコマンドの場合は、ファイル名を渡す前に行われます。

tcsh (+)
`R.VV.PP' 形式のシェルのバージョン番号です。 `R' はメジャーリリース番号、 `VV' はカレントバージョン、 `PP' はパッチレベルです。
term
端末の種類。 スタートアップとシャットダウン で述べているように、通常は ~/.login で設定されます。
time
数値を設定すると、それ以上の CPU 時間 (秒) を消費したコマンドの実行後に、自動的に組み込みコマンド time (そちらも参照) を実行します。 2 番目の単語があれば、 time 組み込みコマンドの出力フォーマット文字列として使われます。 (u) 以下のシーケンスがフォーマット文字列で使えます。

%U
プロセスがユーザモードで消費した CPU 時間 (秒)。
%S
プロセスがカーネルモードで消費した CPU 時間 (秒)。
%E
(壁時計での) 経過時間 (秒)。
%P
(%U + %S) / %E として計算される CPU 使用率。
%W
プロセスがスワップされた回数。
%X
(共有) テキスト空間の平均使用量。 Kbyte 単位。
%D
(非共有) データ/スタック空間の平均使用量。 Kbyte 単位。
%K
(%X + %D) の総使用量。 Kbyte 単位。
%M
プロセスが使用したメモリの瞬間最大値。 Kbyte 単位。
%F
メジャーページフォルトの回数 (ディスクから取って来る必要があったページ数)。
%R
マイナページフォルトの回数。
%I
入力操作の回数。
%O
出力操作の回数。
%r
ソケットメッセージを受け取った回数。
%s
ソケットメッセージを送った回数。
%k
シグナルを受け取った回数。
%w
自発的なコンテキストスイッチの回数 (wait の回数)。
%c
非自発的なコンテキストスイッチの回数。

BSD 資源制限機能の無いシステムでは、最初の 4 つのシーケンスだけがサポートされています。デフォルトの時間フォーマットは、資源使用報告をサポートしているシステムでは `%Uu %Ss %E %P %X+%Dk %I+%Oio %Fpf+%Ww' で、そうでないシステムでは `%Uu %Ss %E %P' です。

Sequent の DYNIX/ptx では、%X, %D, %K, %r, %s が使えませんが、以下の追加シーケンスが利用できます。

%Y
システムコールが実行された回数。
%Z
要求に応じて 0 で埋められたページ数。
%i
プロセスの常駐サイズがカーネルによって増加させられた回数。
%d
プロセスの常駐サイズがカーネルによって減少させられた回数。
%l
read システムコールが実行された回数。
%m
write システムコールが実行された回数。
%p
raw ディスク装置から読み込んだ回数。
%q
raw ディスク装置へ書き込んだ回数。

デフォルトの時間フォーマットは `%Uu %Ss %E %P %I+%Oio %Fpf+%Ww' です。マルチプロセッサでは CPU 使用率が 100% より高くなることがあります。

tperiod (+)
特別なエイリアス periodic の実行される周期 (分単位)。
tty (+)
tty の名前。端末にアタッチされていない場合は空。
uid (+)
ユーザの実ユーザ ID。
user
ユーザのログイン名。
verbose
設定すると、ヒストリ置換後に、各コマンドの単語を (あれば) 表示します。コマンドラインオプション -v によって設定されます。
version (+)
バージョン ID スタンプ。シェルのバージョン番号 ( tcsh を参照)、配布元、リリース日、ベンダ、オペレーティングシステム、マシン ( VENDOR, OSTYPE, MACHTYPE を参照)、コンパイル時に設定されたオプションをコンマで区切ったリストからなります。ディストリビューションのデフォルトとしてセットされたオプションが記録されています。

8b
シェルは 8bit クリーン。デフォルト。
7b
シェルは 8bit クリーンでない。
wide
シェルはマルチバイトエンコーディングクリーン (UTF-8 など)。
nls
システムの NLS を使う。 NLS のあるシステムではデフォルト。
lf
ログインシェルは /etc/csh.cshrc の後ではなく先に /etc/csh.login を実行し、 ~/.tcshrc~/.history の後ではなく先に ~/.login を実行する。
dl
セキュリティ上の理由から `.' を path の最後に置く。デフォルト。
nd
セキュリティ上の理由から `.' を path に含めない。
vi
emacs-形式ではなく vi-形式の編集をデフォルトにする。
dtr
ログインシェルは終了時に DTR を落とす。
bye
byelogout の同義語とし、 logwatchlog の別名として扱う。
al
autologout を有効にする。デフォルト。
kan
nokanji シェル変数が設定されない限り、ロケール設定が適切であれば、漢字を使う。
sm
システムの malloc(3) を使う。
hb
シェルスクリプトの実行時に `#!<program> <args>' 方式をエミュレートする。
ng
newgrp 組み込みコマンドが利用可能。
rh
シェルは REMOTEHOST 環境変数を設定しようとする。
afs
シェルはもしローカルな認証が失敗したら、 kerberos サーバにパスワードを確認する。 afsuser シェル変数か AFSUSER 環境変数が設定されていたら、その内容でローカルユーザ名を上書きする。

システム管理者は、文字列を追加してローカルバージョンでの違いを示すようにできます。

visiblebell (+)
設定すると、音声ベルの代わりに画面をフラッシュします。 nobeep も参照してください。
watch (+)
ログイン / ログアウトの監視対象とする、「ユーザ / 端末」ペアのリスト。ユーザに対する端末が `any' なら、指定したユーザをすべての端末で監視します。逆にユーザが `any' なら、指定した端末ですべてのユーザを監視します。 watch を `(any any)' に設定すると、すべてのユーザと端末を監視します。たとえば、

set watch = (george ttyd1 any console $user any)

は、ユーザ `george' の ttyd1 での行動を、そしてあらゆるユーザのコンソールでの行動を、そして自分自身 (または不法侵入者) のすべての端末での行動を報告します。

デフォルトでは、ログインとログアウトは 10 分毎に調べられますが、 watch の最初の単語に、調べる間隔を分単位で書くこともできます。たとえば、

set watch = (1 any any)

は 1 分おきにあらゆるログイン / ログアウトを報告します。我慢の効かない人は、 log 組み込みコマンドを用いれば、いつでも watch のレポートを見ることができます。 watch が最初に設定された時には、現在ログインしているユーザリストが ( log 組み込みコマンドによって) 報告されます。

watch の報告形式は who シェル変数で制御します。

who (+)
watch メッセージのフォーマット文字列。以下のシーケンスが得られた情報で置換されます。

%n
ログイン / ログアウトしたユーザの名前。
%a
観察された行動: `logged on', `logged off', `replaced olduser on' のいずれか。
%l
ユーザがログイン / ログアウトした端末 (tty)。
%M
リモートホストの完全なホスト名。ローカルホストでのログイン / ログアウトの場合は `local'。
%m
リモートホストの、最初の `.' までのホスト名。 IP アドレスや X Window System ディスプレイの場合は名前全体。

%M と %m は /etc/utmp にリモートホスト名を格納するシステムでのみ利用できます。設定しなければ `%n has %a %l from %m.' が用いられます。ただしリモートホスト名を格納しないシステムでは `%n has %a %l.' が用いられます。

wordchars (+)
forward-word, backward-word 等の編集コマンドで、単語の一部とみなされる非英数文字のリスト。設定されなければ `*?_-.[]~=' が使われます。

環境変数

AFSUSER (+)
afsuser シェル変数と同じです。
COLUMNS
端末の桁数です ( 端末管理を参照)。
DISPLAY
X Window System によって使われます ( X(1) を参照)。設定されると、このシェルは autologout (そちらも参照) を設定しません。
EDITOR
デフォルトのエディタのパス名です。 VISUAL 環境変数と run-fg-editor 編集コマンドも参照してください。
GROUP (+)
group シェル変数と同じです。
HOME
home シェル変数と同じです。
HOST (+)
シェルが実行されているマシンの名前で初期化されます。これは gethostname(2) システムコールで決定されます。
HOSTTYPE (+)
シェルが実行されているマシンのタイプで初期化されます。これはコンパイル時に決定されます。この変数は廃止される予定であり、将来のバージョンで削除されるでしょう。
HPATH (+)
run-help 編集コマンドがコマンドの解説文書を探すディレクトリのリストです。区切り文字はコロンです。
LANG
優先的に使用される文字環境を与えます。 固有言語システムのサポートを参照してください。
LC_CTYPE
設定されていると、ctype キャラクタの扱いだけが変更されます。 固有言語システムのサポートを参照してください。
LINES
端末の行数です。 端末管理を参照してください。
LS_COLORS
この変数のフォーマットは termcap(5) ファイルのフォーマットと似ています。 " xx=string"の形をした式をコロンで区切って並べたリストです。 " xx"は 2 文字の変数名です。変数とそれらのデフォルト値は以下の通りです。

no 0
Normal (non-filename) text: ファイル名を除く通常のテキスト
fi 0
Regular file: 通常のファイル
di 01;34
Directory: ディレクトリ
ln 01;36
Symbolic link: シンボリックリンク
pi 33
Named pipe (FIFO): 名前付きパイプ
so 01;35
Socket: ソケット
do 01;35
Door: ドア
bd 01;33
Block device: ブロック型デバイス
cd 01;32
Character device: キャラクタ型デバイス
ex 01;32
Executable file: 実行可能ファイル
mi (none)
Missing file (defaults to fi): 行方不明のファイル
or (none)
Orphaned symbolic link (defaults to ln): リンク先のないシンボリックリンク
lc ^[[
Left code: 色指定シーケンス開始コード
rc m
Right code: 色指定シーケンス終了コード
ec (none)
End code (replaces lc+no+rc): 色出力を終えるシーケンス

デフォルトから変更したい変数だけを指定すれば OK です。

ファイルの名前を、ファイル名の拡張子をもとに色づけすることもできます。これの指定は、 LS_COLORS 変数に "*ext=string" のシンタックスを用いて行います。たとえば、ISO 6429 のコードを使いすべての C 言語のソースファイルをブルーに色づけするには "*.c=34" と指定すればよいでしょう。これは .c で終わるすべてのファイルをブルー (34) に色づけします。

コントロールキャラクタは C スタイルのエスケープ表記か stty のような ^-表記のどちらかで書くことができます。 C スタイルの表記ではエスケープコードの記述に ^[, スペースコードの記述に _, デリートコードの記述に ? を追加します。さらに、 ^[ エスケープキャラクタを用いると、 ^[, ^, :, = のデフォルトの解釈を変更することができます。

それぞれのファイルは <lc> <color-code> <rc> <filename> <ec> のように書かれます。 <ec> が未定義ならば、 <lc> <no> <rc> のシーケンスが代わりに使われます。こちらの方が通常便利に使えますが、あまり一般的ではありません。 left, right, end のコードを用意した理由は、同じシーケンスを繰り返し入力しなくてもいいように、また、妙な端末に対応できるようにするためです。通常は、ISO 6429 カラーシーケンスと異なるシステムを使っていない限り、これらを変更する必要はほとんどありません。

端末が ISO 6429 color コードを使っていれば、( lc, rc, ec コードを全く使わずに) セミコロンで区切られた数字のコマンドでタイプコードを構成することができます。良く用いられるコマンドは以下の通りです。

0
デフォルトの色に戻します。
1
高輝度色
4
アンダライン付きテキスト
5
点滅テキスト
30
前景色黒
31
前景色赤
32
前景色グリーン
33
前景色黄 (ブラウン)
34
前景色ブルー
35
前景色紫
36
前景色シアン
37
前景色白 (グレー)
40
背景色黒
41
背景色赤
42
背景色グリーン
43
背景色黄 (ブラウン)
44
背景色ブルー
45
背景色紫
46
背景色シアン
47
背景色白 (グレー)

すべてのコマンドがすべてのシステムや表示装置で動作するわけではありません。

少なからぬ端末プログラムではデフォルトの終了コードを正しく認識しません。ディレクトリのリストをした後ですべてのテキストに色を付けるためには、 no コードと fi コードを、それぞれ 0 から前景色、背景色の数値コードへ変更してみてください。

MACHTYPE (+)
コンパイル時に決定されたマシンタイプ (マイクロプロセッサまたは、マシンモデル) です。
NOREBIND (+)
設定されていると、印刷可能文字は self-insert-command を繰り返し実行されません。 固有言語システムのサポートを参照してください。
OSTYPE (+)
コンパイル時に決定されたオペレーションシステムです。
PATH
実行可能ファイルを探すディレクトリの、コロン区切り形式のリスト。シェル変数 path によく似ていますがフォーマットに違いがあります。
PWD (+)
シェル変数 cwd に似ていますが、シェル変数とは同期していません。実際のディレクトリ変更が行われたあとでだけアップデートされます。
REMOTEHOST (+)
ユーザがどのホストからログインしているかを示します (リモートからのログインで、かつこのシェルがこれらの情報を決定できる場合)。シェルがそのようにコンパイルされている場合だけに設定されます。 version シェル変数を参照してください。
SHLVL (+)
shlvl と同じです。
SYSTYPE (+)
現在のシステムタイプです。(Domain/OS のみ)
TERM
term シェル変数と同じです。
TERMCAP
端末のケーパビリティ文字列です。 端末管理を参照してください。
USER
user シェル変数と同じです。
VENDOR (+)
コンパイル時に決定されたベンダ名です。
VISUAL
デフォルトのフルスクリーンエディタへのパス名です。 EDITOR 環境変数と run-fg-editor 編集コマンドも参照してください。

関連ファイル

/etc/csh.cshrc
すべてのシェルで最初に読み込まれます。 ConvexOS, Stellix, Intel では /etc/cshrc を使います。 NeXTs では /etc/cshrc.std を使います。 A/UX, AMIX, Cray, IRIX の csh(1) はこのファイルを読みませんが、いずれにせよ tcsh ではこのファイルが読み込まれます。 Solaris 2.x もこのファイルを持ちませんが、 tcsh/etc/.cshrc を読み込みます。(+)
/etc/csh.login
/etc/csh.cshrc の後にログインシェルによって読み込まれます。 ConvexOS, Stellix, Intel では /etc/login を使います。 NeXTs では /etc/login.std を使用します。 Solaris 2.x では /etc/.login を使います。 A/UX, AMIX, Cray, IRIX では /etc/cshrc を使います。
~/.tcshrc (+)
/etc/csh.cshrc かそれに相当するファイルの後に、すべてのシェルで読み込まれます。
~/.cshrc
~/.tcshrc が存在しなければ、 /etc/csh.cshrc かそれに相当するファイルの後に、すべてのシェルで読み込まれます。このマニュアルでは ` ~/.tcshrc' を「` ~/.tcshrc' か ` ~/.tcshrc' が見つからなかった場合の ~/.cshrc'」の意味で使用します。
~/.history
savehist が設定されている場合は ~/.tcshrc の後にログインシェルによって読み込まれます。ただし histfile の部分も参照してください。
~/.login
~/.tcshrc または ~/.history の後にログインシェルによって読み込まれます。シェルは ~/.login~/.tcshrc~/.history の後にではなく、前に読み込むようにコンパイルされているかもしれません。 version シェル変数を参照してください。
~/.cshdirs (+)
savedirs が設定されている場合には、 ~/.login の後にログインシェルによって読み込まれます。ただし dirsfile も参照してください。
/etc/csh.logout
ログアウト時にログインシェルによって読み込まれます。 ConvexOS, Stellix, Intel では、 /etc/logout を、 NeXTs は /etc/logout.std を使います。 A/UX, AMIX, Cray, IRIX では、 csh(1) はこれに対応するファイルを持ちませんが、いずれにしても tcsh は常にこのファイルを読みます。 Solaris 2.x はいずれも持っていませんが、 tcsh/etc/.logout を読み込みます。(+)
~/.logout
/etc/csh.logout またはその相当ファイルが実行された後に、ログインシェルによって読み込まれます。
/bin/sh
`#' で始まらないシェルスクリプトを解釈実行するために使われます。
/tmp/sh*
`<<' 用の一時ファイルです。
/etc/passwd
ホームディレクトリ `~name' を代入するための情報源です。

スタートアップファイルの読み込みの順番は、シェルのコンパイル時に変更されているかもしれません。 スタートアップとシャットダウンversion を参照してください。

新規機能 (+)

このマニュアルでは、 tcsh をひとつの対象として記述してきました。しかし csh(1) の経験者は、 tcsh の新しい機能に特に興味があるでしょう。

コマンド行編集: GNU Emacs スタイルや vi(1)-スタイルのキーバインディングをサポートしています。 コマンド行エディタ編集コマンドを参照してください。

プログラマブルで対話的な単語補完と一覧表示。 補完と一覧と、組み込みコマンド complete, uncomplete の記述を見てください。

ファイル名、コマンド、変数名の スペル訂正 (そちらも参照)。

エディタ編集コマンド (そちらも参照) で、コマンドのタイプ中に他の便利な機能を実行できます。ヘルプファイルの参照 ( run-help)、手軽にエディタの再起動 ( run-fg-editor)、コマンド解決 ( which-command) などができます。

高性能化されたヒストリ機能。ヒストリリストのイベントにタイムスタンプをつけられます。 history コマンドおよびそれに関連するシェル変数、 ヒストリ置換に記述されている、以前には文書化されていなかった `#' イベント記述子と新しい修正子、 *-history, history-search-*, i-search-*, vi-search-*, toggle-literal-history 各編集コマンド、シェル変数 histlit なども参照してください。

高性能化されたディレクトリ解釈 (parsing) とディレクトリスタック操作。 cd, pushd, popd, dirs コマンドとそれらに関連するシェル変数、 ディレクトリスタック置換での説明、 dirstack, owd, symlinks シェル変数、 normalize-command, normalize-path 編集コマンドなどを参照してください。

グロブパターンの否定。 ファイル名置換を見てください。

新しい ファイル問い合わせ演算子 (そちらも参照) とそれらを用いる組み込みコマンド filetest

スケジューリングされたイベント、特別なエイリアス、自動ログアウト、端末のロック、コマンド待ち、ログインとログアウトの監視などなどを含む、各種の 自動イベント、定期イベント、時刻指定イベント (それぞれの項目を参照)。

固有言語システムのサポート ( 固有言語システムのサポートを見てください)、 OS 固有の各種機能のサポート ( OS 固有機能のサポートecho_style シェル変数を参照)、システム依存のファイル配置 ( 関連ファイルを参照)

拡張された端末管理能力 ( 端末管理を参照)。

builtins, hup, ls-F, newgrp, printenv, which, where などの新しい組み込みコマンド (それぞれの項目を参照)。

新しい変数。シェルから便利な情報を簡単に入手できます。 gid, loginsh, oid, shlvl, tcsh, tty, uid, version シェル変数と、 HOST, REMOTEHOST, VENDOR, OSTYPE, MACHTYPE 環境変数。それぞれの説明を見てください。

有用な情報をプロンプト文字列に埋めこむための新しいシンタックス ( prompt を参照) とループとスペル訂正用の特別なプロンプト ( prompt2prompt3 を参照)。

読み込み専用の変数 ( 変数置換を参照)。

バグ

サスペンドされたコマンドが再開されたときに、カレントディレクトリが起動されたときと違っている場合には、起動時のディレクトリを表示します。ジョブが内部でディレクトリを変更することもあり得るので、これは間違った情報を与えてしまうかもしれません。

シェルの組み込み機能は停止、再開できません。 `a ; b ; c' のような形のコマンド列を停止させるときの処理もあまり上品なものではありません。 `b' コマンドをサスペンドさせると、シェルは即座に `c' コマンドを実行してしまいます。 alias での展開結果を実行しているときには、特にこの点に注意が必要です。コマンド列を () の中に入れて、サブシェルに押し込めてしまうのがいいでしょう。つまり `( a ; b ; c )' のようにするのです。

プロセス開始後の端末出力の制御が原始的です。誰かが仮想端末の良いインタフェースを作ってくれるといいのですが。仮想端末インタフェースの分野では、出力制御に関して面白いことがたくさん行えるはずです。

エイリアス置換がシェル手続きのシミュレートに大変良く用いられますが、これはあまり気のきいたものではありません。エイリアスよりもシェル手続きを提供すべきです。

制御構造は、組み込みコマンドとして認識されずに解析されるべきです。制御コマンドは、`|' と組み合わせ、`&' と `;' メタシンタックスと共に使用するために、どこにでも置くことができます。

foreachend を探しているときヒアドキュメントを無視しません。

`:' 修飾子は、コマンド置換の出力に使えるべきです。

ダム端末のように、端末がカーソルを上に移動できない場合には、スクリーン幅より長い行の更新が大変貧弱です。

HPATHNOREBIND は環境変数である必要はありません。

`?' や `*' や `[]' を使わないグロブパターンや、 `{}' や `~' を使うグロブパターンは、否定が正しく扱われません。

if の単一コマンド形式では、たとえ式が偽で、コマンドが実行されなかったとしても、リダイレクト出力をしてしまいます。

ls-F はファイル名をソートするとき、ファイル識別キャラクタを勘定に入れてしまいます。またファイル名の中の制御文字を正しく扱うことができません。中断させることもできません。

コマンド置換は、複数のコマンドと条件をサポートしていますが、サイクルまたは後方へ向かう goto はサポートしていません。

バグレポートは http://bugs.gw.com/ で行なってください。修正もいっしょに送っていただけるとありがたいです。もし tcsh のメンテナンスとテストを手伝って下さる場合には、本文に "subscribe tcsh"と一行書いたメールを tcsh-request@mx.gw.com に送ってください。

tcsh の T の由来

1964 年 DEC は PDP-6 を開発しました。のちに PDP-10 が再実装されました。 1970 年前後に DEC がそのセカンドモデル KI10 を発表したとき、これには DECsystem-10 という新しい名前がつけられました。

TENEX は 1972 年に Bolt, Beranek & Newman (Massachusetts 州 Cambridge のシンクタンク) において、実験的なデマンドページ型仮想記憶 OS として作られました。彼らは DEC PDP-10 用の新しいページャを構築し、それを使った OS を作りました。これは学術分野で非常に大きな成功を収めました。

1975 年 DEC は PDP-10 の新しいモデル KL10 を発表しました。 DEC は BBN から TENEX のライセンスを受け、 KL10 は TENEX 版のみにするつもりでした。 DEC はそれらのバージョンを TOPS-20 と呼んでいました (大文字化は商標です)。多くの TOPS-10 ("The OPerating System for PDP-10"の頭文字です) ユーザがこれに反対しました。こうして DEC は同じハードウェアにふたつの互換性のないシステムをサポートしなければならないことになりました。 --でもそのとき PDP-11 には 6 つの OS があったのですが!

TENEX の TOPS-20 はバージョン 3 までに、 ULTCMD と呼ばれるユーザコードレベルのコマンド補完機能サブルーチンを備えていました。バージョン 3 で DEC は、これらの機能すべてと、さらにそれ以上とをモニタ (Unix でいうところのカーネル) に追加し、 COMND% JSYS (`Jump to SYStem' 命令;スーパバイザを呼び出す機能 [私が IBM 上がりだってバレちゃった?]) でアクセスできるようにしました

tcsh の作者たちは TENEX と TOPS-20 におけるこれらの機能に影響を受け、これを模倣した版の csh を作成したのです。

制限

システムは、引数並びを ARG_MAX 文字までに制限しています。

コマンドに与える引数の数 (ファイル名展開を含む) は、引数リストに許された文字数の 1/6 までに制限されています。

コマンド置換では、引数リストに許された文字数より多くの文字数に置換できません。

シェルはループを検出するために、 alias 置換の回数を 1 行当たり 20 に制限しています。

関連項目

csh(1), emacs(1), ls(1), newgrp(1), sh(1), setpath(1), stty(1), su(1), tset(1), vi(1), x(1), access(2), execve(2), fork(2), killpg(2), pipe(2), setrlimit(2), sigvec(2), stat(2), umask(2), vfork(2), wait(2), malloc(3), setlocale(3), tty(4), a.out(5), termcap(5), environ(7), termio(7), Introduction to the C Shell

バージョン

このマニュアルは、tcsh 6.18.01 (Astron) 2012-02-14 を文書化しています。

作者

William Joy
csh(1) のオリジナル作者
J.E. Kulp, IIASA, Laxenburg, Austria
ジョブコントロールとディレクトリスタック機能
Ken Greer, HP Labs, 1981
ファイル名補完
Mike Ellis, Fairchild, 1983
コマンド名認識 / 補完
Paul Placeway, Ohio State CIS Dept., 1983-1993
コマンドラインエディタ、プロンプトルーチン、新しいグロブの文法、たくさんの修正とスピードアップ
Karl Kleinpaste, CCI 1983-4
特別なエイリアス、ディレクトリスタックの取出し機能、ログイン / ログアウト監視、スケジュールイベント、新しいプロンプト書式のアイデア
Rayan Zachariassen, University of Toronto, 1984
ls-Fwhich の組み込み、たくさんのバクフィックス、修正とスピードアップ
Chris Kingsley, Caltech
高速ストレージアロケータルーチン
Chris Grevstad, TRW, 1987
4.3BSD cshtcsh へのマージ
Christos S. Zoulas, Cornell U. EE Dept., 1987-94
HPUX, SVR2, SVR3 に移植、SysV 版 getwd.c, SHORT_STRINGS をサポート、 sh.glob.c の新バージョン
James J Dempsey, BBN, and Paul Placeway, OSU, 1988
A/UX に移植
Daniel Long, NNSC, 1988
wordchars
Patrick Wolfe, Kuck and Associates, Inc., 1988
vi モードのクリーンアップ
David C Lawrence, Rensselaer Polytechnic Institute, 1989
autolist と、あいまい補完の一覧
Alec Wolman, DEC, 1989
プロンプト中の改行
Matt Landau, BBN, 1989
ファイル ~/.tcshrc
Ray Moody, Purdue Physics, 1989
スペースバーの魔法によるヒストリ展開
Mordechai ????, Intel, 1989
printprompt() の修正と追加
Kazuhiro Honda, Dept. of Computer Science, Keio University, 1989
自動スペル訂正と prompt3
Per Hedeland, Ellemtel, Sweden, 1990-
さまざまなバグフィックス、改良とマニュアルのアップデート
Hans J. Albertsson (Sun Sweden)
ampm, settc, telltc
Michael Bloom
割り込みハンドリングの修正
Michael Fine, Digital Equipment Corp
拡張キーのサポート
Eric Schnoebelen, Convex, 1990
Convex サポート、 csh の多数のバグフィックス、ディレクトリスタックの保存と復帰
Ron Flax, Apple, 1990
A/UX 2.0 への (再) 移植
Dan Oscarsson, LTH Sweden, 1990
NLS サポートと非 NLS サイト用の NLS シミュレート機能、修正
Johan Widen, SICS Sweden, 1990
shlvl, Mach サポート、 correct-line, 8 ビット表示
Matt Day, Sanyo Icon, 1990
POSIX termio サポート、SysV limit 修正
Jaap Vermeulen, Sequent, 1990-91
vi モード修正、expand-line, ウィンドウ変更の修正、Symmetry 移植
Martin Boyer, Institut de recherche d'Hydro-Quebec, 1991
autolist beeping オプション、行の先頭からカーソルまでのすべてを対象とするヒストリ検索の修正
Scott Krotz, Motorola, 1991
Minix に移植
David Dawes, Sydney U. Australia, Physics Dept., 1991
SVR4 ジョブコントロールの修正
Jose Sousa, Interactive Systems Corp., 1991
拡張 vi の修正、 vi デリートコマンド
Marc Horowitz, MIT, 1991
ANSIfication の修正、新しい exec ハッシュコード、 imake の修正、 where
Bruce Sterling Woodcock, sterling@netcom.com, 1991-1995
ETA と Pyramid への移植、 Makefile と lint の修正、 ignoreeof=n 追加、その他のさまざまな移植性向上のための変更、およびバグ修正
Jeff Fink, 1992
complete-word-fwdcomplete-word-back
Harry C. Pulley, 1992
Coherent に移植
Andy Phillips, Mullard Space Science Lab U.K., 1992
VMS-POSIX に移植
Beto Appleton, IBM Corp., 1992
移動プロセスグループの修正、 csh バグ修正、 POSIX file tests, POSIX SIGHUP
Scott Bolte, Cray Computer Corp., 1992
CSOS に移植
Kaveh R. Ghazi, Rutgers University, 1992
Tek, m88k, Titan と Masscomp への移植と修正、 autoconf サポートの追加
Mark Linderman, Cornell University, 1992
OS/2 に移植
Mika Liljeberg, liljeber@kruuna.Helsinki.FI, 1992
Linux に移植
Tim P. Starrin, NASA Langley Research Center Operations, 1993
読み込み専用変数
Dave Schweisguth, Yale University, 1993-4
新しいマニュアルページと tcsh.man2html
Larry Schwimmer, Stanford University, 1993
AFS と HESIOD パッチ
Luke Mewburn, RMIT University, 1994-6
プロンプトの中でのディレクトリ表示の拡張、 ellipsisrprompt
Edward Hutchins, Silicon Graphics Inc., 1996
暗黙的な cd の追加。
Martin Kraemer, 1997
Siemens Nixdorf EBCDIC machine に移植
Amol Deshpande, Microsoft, 1997
WIN32 (Windows/95 and Windows/NT) に移植、足りないライブラリすべてと、メッセージカタログコードのすべてを作成し、 Windows と通信できるようにした
Taga Nayuta, 1998
色つき ls の追加

謝辞

以下のみなさんに感謝します。
 
Bryan Dunlap, Clayton Elwell, Karl Kleinpaste, Bob Manson, Steve Romig, Diana Smetters, Bob Sutterfield, Mark Verber, Elizabeth Zwicky そして提案と応援をしてくれたオハイオ州のすべてのみなさん。

あらゆるバージョンに耐え、バグレポートを送ってくれ、提案と新規追加をしてくれたネット上のすべてのみなさん。

"tcsh の T の由来"の章を執筆してくれた Richard M. Alderson III。

翻訳

t_ogawa <BYH06106@nifty.ne.jp>
 
おさな <yasu@via2000.net>
 
ゆ〜こ <yuko@veltec.co.jp>
 
森浩二 <mori@tri.asanuma.co.jp>
 
NOKUBI Hirotaka <nokubi@ff.iij4u.or.jp>
 
中野武雄 <nakano@apm.seikei.ac.jp> (JM プロジェクト)
 
蔭山 <yt-kage@cb3.so-net.ne.jp>
 
中村和志@神戸 <kaz@kobe1995.net>
 
大澤千敏@岐阜 <ohsawa@catv1.ccn-net.ne.jp>
 
熊谷典大 <kumagai@home.com>
 
(順不同)

翻訳にあたり、JM プロジェクトの方々の御協力を頂きました。

14 February 2012 Astron 6.18.01