AFMTODIT(1) | FreeBSD General Commands Manual | AFMTODIT(1) |
名称
afmtodit - groff -Tps で用いるフォントファイルを作成する書式
afmtodit [ -mnsvx] [ -a n] [ -d desc_file] [ -e enc_file] [ -i n] afm_file map_file font
コマンドラインオプションとその引数との間の空白は、省略可能です。
解説
afmtodit は、groff および grops で使用するフォントファイルを作成します。 afmtodit は perl で記述されています。 afmtodit を実行するためには perl バージョン 5.004 以降がインストールされていなければなりません。afm_file は、フォント作成に用いる AFM (Adobe Font Metric) ファイルです。
map_file は、groff 上の文字名と PostScript 上の文字名の対応を定義するファイルです。このファイルの各行は、下記のフォーマットから成ります。
- ps_char groff_char
ここで、 ps_char はその文字の PostScript 上の名前、 groff_char はその文字の groff 上の名前 (つまり、groff フォントファイルで使用される名前) です。おなじ ps_char は、ファイル中に 2 回以上現れることができます。各 groff_char は、多くても 1 度だけでなければなりません。 # で開始する行と空行は無視されます。ファイルがカレントディレクトリに見つからない場合、デフォルトフォントディレクトリの `devps/generate' サブディレクトリが検索されます。
PostScript 文字が uniXXXX ( XXXX は 4 つの大文字 16 進数です) として指定されず、 map_file に記載されす、Adobe Glyph List (AGL, afmtodit に組み込まれている) を使用して一般的な groff グリフ名を推論することができないなら、 afmtodit は、 troff の \N エスケープシーケンスによってのみアクセスすることができる無名の文字として groff フォントファイルに PostScript 文字を出力します。オプション -e が指定されない場合、AFM ファイルで定義されるエンコード (すなわち非負文字コードエントリ) が使用されます。 groff グリフ名がどのように構築されているかを記述している、 groff info ファイルの `Using Symbols' を参照してください。
AFM ファイルでエンコードされない文字 (すなわち文字コードに-1 を持つもの) も groff で使用可能です。これらは groff フォントファイル中で 255 より大きなグリフインデックスを持ちます (または、滅多にないことですが、AFM ファイル中の最大文字コードが 255 より大きい場合は、それより大きくなります)。エンコードされない文字のグリフインデックスには、特別な順番はありません。グリフ名だけでアクセスするのが最良です。
groff フォントファイルは font という名前のファイルに出力されます。
そのフォントに対するダウンロード可能なフォントがある場合、ファイル /usr/share/groff_font/devps/download に列挙可能です。 grops(1) を参照してください。
-i オプションが指定されていた場合、 afmtodit は各文字についてイタリック補正 (italic correction)、左イタリック補正 (left italic correction) および添字補正 (subscript correction) を自動生成します (これら補正パラメータの意味については、 groff_font(5) を参照してください)。これらのパラメータは、各文字ごとに afm_file に下記の行を追加することにより設定されます。
-
italicCorrection
ps_char n
ここで、 ps_char はその文字の PostScript 上の名前、 n はパラメータの値 (1/1000 em 単位) です。これらのパラメータは、通常はイタリックフォント (または斜体) でのみ必要とされます。
オプション
- -a n
- フォントファイル内で、 n を傾斜パラメータとして使用します。このパラメータは groff がアクセント記号の位置を決定するのに使用されます。デフォルトで afmtodit は afm_file の中で指定される ItalicAngle の負の値を使用します。しかし、実際のイタリックフォントではもっと小さな値の方が望ましいことがあります。もし、イタリックフォントに付くアクセント記号が正しい位置から離れすぎていると感じた場合、 -a オプションを使用して、より小さな傾斜パラメータを与えてください。
- -d desc_file
- デバイス記述ファイルをデフォルトの DESC ではなく、 desc_file に指定します。カレントディレクトリで見つからない場合、フォントディレクトリの `devps' サブディレクトリが検索されます (デフォルトのデバイス記述ファイルおよび -d オプションで与えられるファイルの両方に、これは有効です)。
- -e enc_file
- PostScript フォントが、 enc_file 内に記述されているエンコード方式で再エンコードされるべきことを指定します。 enc_file のフォーマットは grops(1) を参照してください。カレントディレクトリで見つからない場合、フォントディレクトリの `devps' サブディレクトリが検索されます
- -i n
- 各文字のイタリック補正を生成します。文字幅とイタリック補正の和が、 n /1000 em と「文字のバウンディングボックスの右端が文字の原点からどれだけ右にあるか」の和に等しくなるように、イタリック補正が生成されます。負のイタリック補正になってしまう生成結果の場合、その値の代りに 0 がイタリック補正として使用されます。
- 同様に、各文字の添字補正も生成します。そのフォントの傾斜パラメータの正接 (tangent) にそのフォントの x の高さの 4/5 を掛けた値が、添字補正になります。添字補正がイタリック補正より大きな値になってしまう生成結果の場合、その値の代りにイタリック補正の値が添字補正として使用されます。
- 同様に、各文字の左イタリック補正も生成します。左イタリック補正は、 n /1000 em と「文字のバウンディングボックスの左端が文字の原点からどれだけ左にあるか」の和に等しくなるように、生成されます。左イタリック補正は、 -m が与えられない限り、負値になる場合があります。
- このパラメータは、通常はイタリックフォント (または斜体) でのみ必要とされます。 groff と共に配布されるフォントファイルは、イタリックフォントに -i50 オプションを使用して生成されています。
- -m
- 負値のイタリック補正を防ぎます。 groff と共に配布されているローマンフォントは、 -i0 -m で作成されており、 eqn(1) を用いた場合の間隔を向上しています。
- -n
- このフォントには ligatures コマンド (合字) を出力しません。等幅フォント使用時に指定してください。
- -s
- 特別フォントであることを指定します。フォントファイルに special コマンドを追加します。
- -v
- バージョンを表示します。
- -x
- 組み込みの Adobe Glyph List を使用しません。
関連ファイル
u+2n)*2u>(0u-0u)) .TP /usr/share/groff_font/devps/DESC デバイス記述ファイル。- /usr/share/groff_font/devps/ F
- フォント F のフォント記述ファイル。
- /usr/share/groff_font/devps/download
- ダウンロード可能なフォントの一覧。
- /usr/share/groff_font/devps/text.enc
- テキストフォントで使用されるエンコード方式。
- /usr/share/groff_font/devps/generate/textmap
- 標準の対応表。
関連項目
groff(1), grops(1), groff_font(5), perl(1)groff info ファイルのセクション `Using Symbols'。
17 January 2014 | Groff Version 1.19.2 |