はんしちとりものちょう 59 かにのおかく |
半七捕物帳 59 蟹のお角 |
冒頭文
一 団子坂の菊人形の話につづいて、半七老人は更に「蟹のお角」について語り出した。団子坂で外国人らの馬をぬすんだ一件は、馬丁平吉の召し捕りによってひと先ず落着(らくぢゃく)したが、その関係者の一人たる蟹のお角は早くも姿をくらまして、ゆくえ不明となった。したがって、この物語は前者の姉妹篇とでも云うべきものである。 「蟹のお角という女は、だんだん調べてみると札付(ふだつ)きの莫連(ばくれん)
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 時代推理小説 半七捕物帳(五)
- 光文社時代小説文庫、光文社
- 1986(昭和61)年10月20日