へびのはなよめ
蛇の花嫁

冒頭文

しろきもの しろきものゆくりなく 心のうへをただよへりながるるひまもなくあはきがなかに なほあはきかすかなる 鳥の啼音(なきね)のつらなれり ほのあをき貝 ほのあをき貝をもてわがただよへる心を をさめよらうたけし ほのあをき貝をもてわがかなしみを をさめよ 相見ざる日 こころ おもくしてうなだれてのみ あるものを身をつつむ ひぐらし色のこゑ さだかならぬ姿 ありなしの すがたなればやきみみえずうす

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 世界の詩28 大手拓次詩集
  • 彌生書房
  • 1965(昭和40)年10月25日