ぜんのけんきゅう
善の研究

冒頭文

序 この書は余が多年、金沢なる第四高等学校において教鞭を執っていた間に書いたのである。初はこの書の中、特に実在に関する部分を精細に論述して、すぐにも世に出そうという考であったが、病と種々の事情とに妨げられてその志を果すことができなかった。かくして数年を過している中に、いくらか自分の思想も変り来り、従って余が志す所の容易に完成し難きを感ずるようになり、この書はこの書として一先ず世に出して見たい

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 善の研究
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1950(昭和25)年 1月10日、1979(昭和54)年10月16日第48刷改版