ぶたきちとヒョロこ
豚吉とヒョロ子

冒頭文

豚吉(ぶたきち)は背(せい)の高さが当り前の半分位しかないのに、その肥り方はまた普通(あたりまえ)の人の二倍の上もあるので、村の人がみんなで豚吉という名をつけたのです。又、ヒョロ子も同じ村に生れた娘でしたが、背丈(せた)けが当り前の人の倍もあるのに、身体(からだ)はステッキのように細くて瘠(や)せていましたので、こんな名前を付けられたのです。 村の人はこの二人を珍らしがってヤイヤイ騒ぎま

文字遣い

新字新仮名

初出

「九州日報」1926(大正15)年1~3月

底本

  • 夢野久作全集1
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1992(平成4)年5月22日