とうめいねこ |
| 透明猫 |
冒頭文
崖下(がけした)の道(みち) いつも通りなれた崖下を歩いていた青二(せいじ)だった。 崖の上にはいい住宅がならんでいた。赤い屋根の洋館もすくなくない。 崖下の道の、崖と反対の方は、雑草(ざっそう)のはえしげった低い堤(つつみ)が下の方へおちこんでいて、その向うに、まっ黒にこげた枕木(まくらぎ)利用の垣(かき)がある。その中にはレールがあって、汽車が走っている。 青二は、この道を毎日のよ
文字遣い
新字新仮名
初出
「少年読物」1948(昭和23)年6月
底本
- 海野十三全集 第13巻 少年探偵長
- 三一書房
- 1992(平成4)年2月29日