ちきゅうはっきょうじけん
地球発狂事件

冒頭文

発端 この突拍子もない名称をかぶせられた「地球発狂事件」は、実はその前にもう一つの名称で呼ばれていた。それは「巨船ゼムリヤ号発狂事件」というのであった。これは前代未聞のこの怪事件を最初に発見し、そしてその現場に一番乗りをした上に、全世界の報道網に対し輝かしき第一報を打つことに成功したデンマーク新報のアイスランド支局員ハリ・ドレゴの命名によるものであった。巨船ゼムリヤ号発狂事件——という名

文字遣い

新字新仮名

初出

「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)

底本

  • 海野十三全集・第11巻・四次元漂流
  • 三一書房
  • 1988(昭和63)年12月15日