「きょうらくざ」のぷろろぐ
「享楽座」のぷろろぐ

冒頭文

ダダはスピノザを夢見て いつでも「鴨緑江節」を口吟んでいる だから 白蛇姫に恋して 宿場女郎を抱くのである 浅草の塔が火の柱になって その灰燼から生まれたのが 青臭い“La(ラ) Variete(ヴリエテ) d'Epicure(デピキュウル)”なのだ 万物流転の悲哀を背負って タンバリンとカスタネットを鳴らす 紅と白粉の子等よ! 君達の靴下の穴を気にするな‼ ひたすら「パンタ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 辻潤著作集2 癡人の独語
  • オリオン出版社
  • 1970(昭和45)年1月30日