だだをこねる
だだをこねる

冒頭文

1 こねたところでまるめてみたところできなこはきなこである。かんでみたところでなめてみたところでマメはマメである。時に、ひどく欠伸がでてこまりもしないけれどなんにしてもやりきれない生活感情であることよ! おもしろくないことおびただしいので、私はつねにねそべってバットでも吹かしているのがこの上もない、パライソなのである。その上きれいな水とリンゴと青いものと小鳥の声でもあれば、申し分はない。おれは都

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 辻潤著作集2 癡人の独語
  • オリオン出版社
  • 1970(昭和45)年1月30日