いちあくのすな |
| 一握の砂 |
冒頭文
函館なる郁雨宮崎大四郎君同国の友文学士花明金田一京助君この集を両君に捧ぐ。予はすでに予のすべてを両君の前に示しつくしたるものの如し。従つて両君はここに歌はれたる歌の一一につきて最も多く知るの人なるを信ずればなり。また一本をとりて亡児真一に手向く。この集の稿本を書肆の手に渡したるは汝の生れたる朝なりき。この集の稿料は汝の薬餌となりたり。而してこの集の見本刷を予の閲したるは汝の火葬の夜なりき。 著者
文字遣い
新字旧仮名
初出
「一握の砂」東雲堂書店、1910(明治43)年12月1日
底本
- 日本文学全集12 国木田独歩・石川啄木集
- 集英社
- 1967(昭和42)年9月7日