しなわいだん |
支那猥談 |
冒頭文
一 吾が輩は今支那の時事問題について格別の意見をもつて居らぬ。それに新春早々に當つて、堅苦しい論文より幾分氣樂な隨筆の方が却つて似付かはしい心地もするので、標題の如き支那猥談を草することにした。猥談は要するに猥談であるが、その猥談の中にも、若干支那及び支那人に對する理會を助け、日支の外交上參考に資すべき材料を發見し得るかと思ふ。 支那は謎の國である。誰人も支那の現在及び將來は難解と
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「外交時報 第四十三巻第一号」 1926(大正15)年1月
底本
- 桑原隲藏全集 第一卷 東洋史説苑
- 岩波書店
- 1968(昭和43)年2月13日