さようなら |
さようなら |
冒頭文
「グッドバイ」「オォルボァル」「アヂュウ」「アウフビタゼエヘン」「ツァイチェン」「アロハ」等々——。 右はすべて外国語の「さようなら」だが、その何れにも(また逢う日まで)とか(神が汝の為にあれ)との祈りや願いを同時に意味し、日本の「さようなら」のもつ諦観的な語感とは比較にならぬほど人間臭いし明るくもある。「さようなら」とは、さようならなくてはならぬ故、お別れしますというだけの、敗北的な無常観
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 別れのとき アンソロジー 人間の情景7
- 文春文庫、文藝春秋
- 1993(平成5)年3月10日