きせつのしょくぶつちょう
季節の植物帳

冒頭文

序言 植物のもつ美のうちで、最も鋭く私達の感覚に触れるものは、その植物の形態(けいたい)や色彩による視覚(しかく)的美であろう。それから嗅覚(きゅうかく)的美、味覚(みかく)的美といった順序ではないかと思う。併し、私達の心の中のロマンチストは、その伝説を聞き、名称の持つ美から、未知の植物に憧(あこが)れることが少なくない。そしてまた私達のセンチメンタリストは、廃墟(はいきょ)に自然が培(つち

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 佐左木俊郎選集
  • 英宝社
  • 1984(昭和59)年4月14日