おじいさんのランプ
おじいさんのランプ

冒頭文

かくれんぼで、倉の隅(すみ)にもぐりこんだ東一(とういち)君がランプを持って出て来た。 それは珍らしい形のランプであった。八十糎(センチ)ぐらいの太い竹の筒(つつ)が台になっていて、その上にちょっぴり火のともる部分がくっついている、そしてほやは、細いガラスの筒であった。はじめて見るものにはランプとは思えないほどだった。 そこでみんなは、昔の鉄砲とまちがえてしまった。 「何

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 新美南吉童話集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1996(平成8)年7月16日