きゅうすけくんのはなし
久助君の話

冒頭文

久助(きゅうすけ)君は、四年から五年になるとき、学術優等品行方正のほうびをもらってきた。 はじめて久助君がほうびをもらったので、電気会社の集金人であるおとうさんは、ひじょうにいきごんで、それからは、久助君が学校から帰ったらすぐ、一時間勉強することに規則をきめてしまった。 久助君は、この規則を喜ばなかった。一時間たって、家の外に出てみても、近所に友だちが遊んでいないことが多いので

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 牛をつないだ椿の木
  • 角川文庫、角川書店
  • 1968(昭和43)年2月20日