きつね

冒頭文

一 月夜に七人の子供が歩いておりました。 大きい子供も小さい子供もまじっておりました。 月は、上から照らしておりました。子供たちの影は短かく地(じ)べたにうつりました。 子供たちはじぶんじぶんの影を見て、ずいぶん大頭で、足が短いなあと思いました。 そこで、おかしくなって、笑い出す子もありました。あまりかっこうがよくないので二、三歩はしって見る子もありま

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 新美南吉童話集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1996(平成8)年7月16日