明治三十一年 暮春雨 惜しまるゝ花のこずゑもこの雨の晴れてののちや若葉なるらむ 春哀傷 林子を悼みて ちりしみのうらみや深きみし人のなげきやおほきあたらこの花 海邊鵆 昨日こそうしほあみしか大磯のいそふく風に千鳥なくなり 明治三十二年 元旦 若水を汲みつゝをれば標はへしふたもと松に日影のぼりぬ 菖蒲 生れしは