ムーアとう
ムーア灯

冒頭文

一個の電灯の長さ数十尺より二百尺に達すると聞いては誰しも驚かぬ人はあるまい。この驚くべく長い管で出来た電灯は、その発明者ディー・マクファーラン・ムーアの名に依ってムーア灯と名づけられている。始めてこの灯が世に出たのは既に十余年の昔であるが、その後だんだんに改良を加え、漸く実用に適するようになったのは昨今の事である。近頃英国で著名の某大旅館にこれを点じたため、急に世間の注意を引く事となった。 こ

文字遣い

新字新仮名

初出

「東京朝日新聞」1907(明治40)年10月1日

底本

  • 寺田寅彦全集 第十二巻
  • 岩波書店
  • 1997(平成9)年11月21日