てんねんしょくしゃしんしんぽう
天然色写真新法

冒頭文

今度仏国のリュミエール会社で天然色写真の種板を売り出した。ただ一枚の板で真物(ほんもの)同様の色彩が写されるというのがこの種板の優れた特色である。風景なり人物なり、これで撮って適当な薬液で現像すれば蒼い空に浮く雲も、森の緑、野の花の黄紅白紫、ないしは美人の頬の桜色でもすぐに種板に現われるというのは愉快である。 同会社でこの発明に成効しいよいよ種板として売り出す今日までには三年間の苦心をしたとい

文字遣い

新字新仮名

初出

「東京朝日新聞」1907(明治40)年9月21日

底本

  • 寺田寅彦全集 第十二巻
  • 岩波書店
  • 1997(平成9)年11月21日