あまのがわとほしのかず
天河と星の数

冒頭文

天の河が無数の星の集合したものだという事は今日では誰も知っているが、何故にあのような帯状をなして密集しているかという事はちょっと分らぬ疑問である。この疑問はやがて天体の構造如何という事になるので、昔から幾多の天文学者の想像力を逞しうする種になっていた。ある人は天体の星は扁平な薄い長方形の中に散布していて、その中ほどに我が太陽系が居るものと想像した。こういう扁平な板のような天体の中央に居て八方を眺め

文字遣い

新字新仮名

初出

「東京朝日新聞」1908(明治41)年8月24日

底本

  • 寺田寅彦全集 第十二巻
  • 岩波書店
  • 1997(平成9)年11月21日