ダイヤモンド
金剛石

冒頭文

或る仕立屋のお神さんが往来で素敵も無い大きな金剛石(ダイヤモンド)入りの指環を拾ひました。お神さんは吃驚(びつくり)して直(す)ぐに警察へ届けて置きましたが落した人がどうしてもわからないと云ふので一年経つとお神さんは呼び出されて「これはお前のものにして宜(よ)い」と云つてそのダイヤモンドの指環を渡されました。お神さんは狂人の様になつて喜んで直ぐに家(いへ)に帰り亭主にそれを見せました。亭主も大喜び

文字遣い

新字旧仮名

初出

「九州日報 朝刊」1921(大正10)年11月16日

底本

  • 定本 夢野久作全集 全8巻 6
  • 国書刊行会
  • 2019(令和元)年5月24日