モルグがいのさつじんじけん
モルグ街の殺人事件

冒頭文

サイレーンがどんな歌を歌ったか、またアキリースが女たちの間に身を隠したときどんな名を名のったかは、難問ではあるが、みなみな推量しかねることではない。 トマス・ブラウン卿 ((1)) 分析的なものとして論じられている精神の諸作用は、実は、ほとんど分析を許さぬものなのである。ただ結果から見て、それらを感知するにすぎない。そのなかでもわかっていることは、精神の諸作

文字遣い

新字新仮名

初出

「グレアム雑誌」1841年4月号

底本

  • モルグ街の殺人事件
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1951(昭和26)年8月15日、1977(昭和52)年5月10日40刷改版