げんばくたいけんいご
原爆体験以後

冒頭文

幼いときから広島で育ち、付小に行く途中にあった土手町の桜並木、付中通学時代では國泰寺の楠木をなつかしく思いだす、その後広島をはなれて終戦前に広島に帰り、戦前の広島の最後の姿をみるとともに幟町で原爆にあった その悲惨な有様は文字などではとてもあらわし切れるものではなく、体験者でないと判らぬものだった、その後東京で私が不思議に負傷しなかったのをみて「原爆なんて……」ととんでもないことをいう人にあい、そ

文字遣い

新字新仮名

初出

「夕刊中国」夕刊中国社、1950(昭和25)年4月20日

底本

  • 三田文學 第九十四巻 第一二二号 夏季号
  • 三田文学会
  • 2015(平成27)年8月1日