しんうらしま
新浦島

冒頭文

「サクソンの畏(かしこ)き神に縁(ちな)みてぞ、けふをば『ヱンスデイ』といふ。その神見ませ、よるよりも暗くさびしき墳墓(おくつき)に、降(くだ)りゆくまで我が守る宝といふは誠のみ。」 カアトライト ホトソンに沿うて登つて行つたことのある旅人は、屹度ケエツキルの山を覚えて居ませう。これはアパラツチエン山の幹から出た小枝で、遙に西に向つて、仰いで見れば、麓は河の畔(ほとり)に垂れて、巓(いたゞき)は

文字遣い

新字旧仮名

初出

「少年園 第二巻 第十三号」1889(明治22)年5月3日<br>「少年園 第二巻 第十四号」1889(明治22)年5月18日<br>「少年園 第二巻 第十五号」1889(明治22)年6月3日<br>「少年園 第二巻 第十六号」1889(明治22)年6月18日<br>「少年園 第二巻 第十七号」1889(明治22)年7月3日<br>「少年園 第二巻 第十八号」1889(明治22)年7月18日<br>「少年園 第二巻 第二十号」1889(明治22)年8月18日

底本

  • 鴎外選集 第16巻
  • 岩波書店
  • 1980(昭和55)年2月22日