こだいエジプトのさくひん
古代エジプトの作品

冒頭文

カ フ ラー王坐像 エジプト彫刻最高期の作であるこの像はさすがに堂々たる大彫刻の美をもつている。後期王朝時代のもののように巨大ではないが、彫刻からうける感銘はかえつてそれよりも大きい。ギイザにある大スフインクス建造時代のこの王が遺憾なく造型美をあたえられている。材質も重剛な閃緑岩が用いられ、その堅さと光澤とが巧に彫刻美の基礎を作り上げ、寫眞と樣式化とが破綻なく融合し、形態の單純性が像に高雅の趣を

文字遣い

旧字新仮名

初出

「世界美術全集 B 第4卷」平凡社、1953(昭和28)年9月5日

底本

  • 高村光太郎全集第七卷
  • 筑摩書房
  • 1957(昭和32)年8月10日