うつくしいいえ
美しい家

冒頭文

ある日、私は妻(つま)と二人で郊外(かうぐわい)へ家を見付(みつ)けに出て行つた。同(おな)じ見付(みつ)けるからには、まだ一度(ど)も行つたことのない方面(はうめん)が良いといふ相談(さうだん)になつた。 私達(わたしたち)はその日一日(にち)歩き廻(まは)つた。夕方(ゆふがた)には、自分達(じぶんたち)の歩いてゐる所は一体(たい)どこなのだらうと思ふほどもう三半器官(はんきくわん)が疲(つ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「東京日日新聞」1927(昭和2年)年1月17日

底本

  • 定本 横光利一全集 第二卷
  • 河出書房新社
  • 1981(昭和56)年8月31日